一度アップしましたがメーカーからクレーム入ったりちょっと炎上したので取り下げていました。少し訂正し、直しましたが炎上怖いので、シェアはお控えください。(笑)
たいしたこと書いてないのですけど。
でも、様々な方から間違えていない。
良く書いてくれた。ありがたい。などメールいただきました。
現在の高断熱住宅を牽引する研究者さんや、住宅生産者の皆さんです。
見たいというリクエストが多く寄せられたので、差し支えない範囲に絞って再公開することにしました。
こういうことをご承知の実務者さんには解りきっていることばかりの内容ですが、この言い回しはまずいとかありましたら、教えてください。直します。
様々な全館空調がありますね。
それらの全館空調がどんな仕組みでどのような感じなのか考えたいと思います。
全館空調比較、メーカーに直接聞く
全館空調がブームになり、どのような仕組みが良いのか、どのメーカーのシステムが本当に良いのか?
おうちを建てたい皆さんお悩みだと思います。
我々工務店もその内容の違いなど把握して設計に生かしてきました。
そのため、工務店の全国組織であるJBNで勉強会をしようと言うことになりました。
JBNのなかの環境委員会というオタクの集まりで企画することになりました。
東京に30名集まりZOOMで150名ほど。メーカーはこちらで選ばせて貰いました。
特徴あるメーカーを選定
たくさんのメーカーがありますが、全ての話を聞くのは大変です。
特徴があるとか、メジャーだったりするところに絞りました。
我々が選んだメーカーは
OMソーラー
ひのきや
キムラ
ダイキン
ゼンダー
ユカコ
です。
それぞれについて説明を聞きましたので私の感想付き解説です。
メーカーの皆さんには感謝です。
私の理解の範囲の 私個人的な意見なので、皆さんで判断くださいね。
私なりの解釈なので、間違えていたら教えてください。都度訂正させていただきます。
**********************************
申し訳ございません。一部の参加メーカーさんから、ご意見をいただきました。
メーカーさんに都合の悪いことを書いてしまい申し訳ございませんでした。
内容を差し障りのない範囲にしていただきます。
OMソーラー
最初に発表くださったのがOMソーラーさんです。
OMさんは屋根で日射熱を集熱しその熱を床下に送り暖房を手助けする仕組みが有名ですね。
そのOMさんがさらにシステムアップして作ったのがOMXです。
https://product.omsolar.jp/lineup/omx.php
出展 OMソーラーホームページ https://product.omsolar.jp/lineup/omx.php
できることをいろいろ取り込み頑張っているシステムです。
屋根で集熱そしてその熱を床下に送り暖房利用
太陽光パネルも有ります。熱交換換気システムも入り、冷房もできます。
さらにヒートポンプの排熱でお湯もわかすというすごさ。
思いつくことを全てビルトインした感じですね。
実物も見て体感したことがあります。
かなりのお値段がしそうですね。
将来、壊れたときは大変そう。私は汎用品を使い回すのが好きなので少し心配です。
空気集熱面も発電も、どっちみち太陽の出ているときだけなので、十分発電出来れば、太陽光パネルの電力で、エアコン動かし、エコキュート動かすので十分かとおもいました。
私は10kWの太陽光発電システムを200万円くらいで買い、それにエコキュート エアコンの方が、安くてすむし、リスク管理の面でも良いかなと感じました。
そしてさらに、全館空調システムとしてパッシブエアコンが紹介されました。
https://passivaircon.com/?dgm_bcn_cdc=tSWXyWvosEJAdMoS7vHg05PevH47OOtCQXYdNmLk
出展OMソーラーホームページhttps://passivaircon.com/?dgm_bcn_cdc=tSWXyWvosEJAdMoS7vHg05PevH47OOtCQXYdNmLk
エアコンを小屋裏に設置して、各部屋や床下に暖房を送るシステムです。
OMXみたいに複雑ではなく冷暖房に特化しています。
床下に空気を送ることで足下を暖めます。
床下が広いチャンバー代わりになるので、1Fの様々なところに暖気を分配しようとしています。
小屋裏から床下や1Fを暖めることのできる大量の空気を送るのが特徴のようです。
小屋裏エアコンと床下エアコンの2台のエアコンにした方が、エアコンも汎用品が使えますし、故障のリスクも分散できるので単純なのが好きな私は一般的な小屋裏エアコン、床下エアコンで十分かもと思いました。
でも、エアコン1台で家中に大きな風量で冷暖房できるので、1台でムラの無い空間を作るには良いかも知れないと思いました。
足下も温かいですし。
キムラ エアボレー
次はキムラさんのエアボレーです。
このシステムも実物を体感したことがあります。
https://arumik-skog.com/airvolley/
出展 キムラホームページhttps://arumik-skog.com/airvolley/
単純に床下エアコン専用機を床付近に配置しています。
そして床下に冷暖房の空気を送り2階には、ダクトで送ります。
十分な断熱性能があれば快適になると思いますが、冷房も床下利用というのが、難しそうです。
床が冷たく不快になりそう。床下で結露を起こすリスクがありそうだと思いました。
環境委員会のメンバーからも、そのあたりのを懸念する質問が出ていました。
メーカさんの説明では全く大丈夫だし、これまで事故も起きていないとのことです。安心しました。
紹介されたシステムの中では単純なのは良いと思いました。コストも安そうです。
桧家 Z空調
テレビでもCMをしているZ空調です。
ご存じの方も多いと思います。
出展 Z空調ホームページhttps://www.z-kucho.jp/
エアコンを中央に配置し、熱をダクトで分配しています。エンジンはダイキンのアメニティーエアコンです。
https://www.ac.daikin.co.jp/sumai/aircon/housing/built_in
それを各階の建物中央におき空気をダクトで送るしくみです。
桧家さんの担当は特許と言ってましたが、この仕組みは誰もが昔から考えやっていたことなのでどこが特許なのか?ちょっと解りませんでした。ホームページでは吹き出し口の仕組みが特許と書いてあります。??
特許に触れると怖いのでどこが特許か知りたいですね。
床下に「すみか」のような熱交換換気扇を置いてますね。これをエアコンに入れているかは解りません。
中央に配置し、ダクトを短くすると言うことを説明していましたが一般的なことですし、SAをエアコンに入れることも皆さん良くやることですね。
熱交換した空気をエアコンに入れても熱交換された後ですから換気システムの性能が高ければそれほど効率に影響するとも考えられません。外皮性能の方が影響すると思います。
多くの空気は建物中央から循環風量として再加熱されます。循環風量が多いことは効率が上がり、温度ムラも少なくなりますので良いことかも知れません。
良いと感じたところとは、エアコン自体はダイキンの汎用機の異形版ですから信頼性はありますし、交換などもしやすいでしょう。
桧家さんのシステムはダイキンのアメニティーエアコンを利用し商品とした感じでしょうか?
説明員のかたがZEH(等級5)レベルの断熱で十分。お客様アンケートでも皆満足していると言っていました。
ZEHレベルの断熱で温度ムラを無くすのはエアコン大きくして風量に頼るのかなと思います。
その辺の考え方はわかりませんでした。
ダイキン サラビア
全館空調ではなく、除湿を目的に作られた機械です。
https://www.ac.daikin.co.jp/kanki_home/saravia
換気システムと小さなエアコンが一体化されている機械です。
出展ダイキンホームページhttps://www.ac.daikin.co.jp/kanki_home/saravia
冷暖房を目的とした機械ではなく 外の空気を綺麗にして、ちょうど良い温湿度にして取り込む機械です。
フィルターで外の空気の汚れを取り、熱交換器である程度の温度まで熱交換します。ここまでが換気システムと同じ機能。
それに小さなエアコンで除湿をします。再熱除湿機能付きなので冷えすぎないようにコントロールもできます。
能力は小さいですが給気冷暖房システムです。
我々が作るパッシブハウスレベルの住宅ならこれで熱がまかなえる可能性があります。
スペックはこんな感じです。
冷房能力800W 暖房能力1000W 除湿能力1.1L/h 換気能力120m3 顕熱交換率81%(暖房)
小型の割にはまあまあです。
小さめなパッシブハウスなら1台ですむかも知れません。
1,2階2台設置なら十分でしょう。
再熱除湿付きの換気システムがあり、1.1L/hですから除湿量も機械的には十分あります。
しかし、これはSA(給気)のみ除湿するものです。室内の発生分は除湿出来ないので注意が必要です。
室内では、人体から、料理から、浴室から、植物からかなりの水分が発生します。それは別途エアコンで除湿せざる追えません。
その場合にはやはり、高断熱のパッシブハウスレベルの住宅では、エアコンの稼働率が下がりますので、きちんと除湿出来るか疑問です。
SAだけで除湿するのではなく、室内の空気も含めて循環風量で除湿出来できれば良いなと思いました。
個人的には、ちょっと残念です。
室内の除湿専用機みたいなのが作ってもらえると良いですね。
アメリカではこんなの売ってます。
https://www.santa-fe-products.com/product/santa-fe-ultra70-dehumidifier/https://www.santa-fe-products.com/product/santa-fe-ultra70-dehumidifier/
ダイキンさんのように 世界で活躍する巨大メーカーが、住宅レベルの空気質にまで目を向けてくれて開発してくれたのはありがたいですね。私たちが望むものまであと少しといった感じです。
今後に期待です。
(アドバイスしてあげたい(笑))
ゼンダー コンフォフォーム
次はまたしても世界企業ゼンダーです。スイス発祥でこの機械はゼンダーチャイナが作っています。
世界で全館空調、換気システムと言えば泣く子も黙る大本命です。
パッシブハウスを数多く作っている田中ホームさんが、日本に良いシステムがないので、自らが日本の総代理店として日本向けに改良し輸入し、販売しています。
https://blauleben.jp/comfohome.php
出店コンフォフォームカタログhttps://blauleben.jp/images/comfohome_pamphlet.pdf
簡単に言うと換気システムとエアコンが合体したシステムです。
妥協がなく良いものを組み合わせて作った機械です。
スペックも高性能住宅にはちょうど良い感じです。
冷暖房能力は、ピークを考えパッシブハウスだと少しゆとりがあります。しかし、パッシブハウスなら通常は弱運転、定格運転になるため、機械は長持ちしそうです。
換気風量も200m3/h50坪の家なら十分そうです。 循環風量600m3 室内を均一で安定した温湿度にできそうです。
エンタルピー熱交換率。少し低めですがパッシブハウス認定用の数値。日本の換気システムでは公称値から12%減でしかPHPPで計算出来ないくらいの信頼性なので、信頼性がある80%はとてもすごいことです。
除湿能力が1.3kg/h これも十分です。循環空気も除湿出来るので室内は快適です。
温湿度データーも公開していましたが、室内のどこでも、どの時期でも温湿度が均一でちょうど良い。
データーを見ても変化がなく「つまらない」レベルです。パッシブハウスジャパンで分析してみたことがあります。
消費電力も少なく、すごい機械です。
欠点は、
・機械が大きいこと。ある程度の場所が必要です。
配管の取り回しも大変です。これは大きな風量を安定的に圧損少なくすることで省エネにするためなのでやむを得ないところです。
・海外製だと言うこと。部品点数は少なく修理しやすく作られています。メンテは修理と言うより部品交換での対応と言うことになります。
電気屋さんなら部品を取り替えるだけなので誰でもできると言うことです。しかし日本のお客様は、すぐ修理の対応になれていますから、どのくらいの時間がかかるか心配です。部品の在庫はあると言っていましたので、逆に早い可能性もあります。
・設計、施工が重要。安定的な風量の確保のための設計やきちんとした施工がより大切です。これまで説明した他のシステムでも同じです。
私の評価としては、私が知る限りでは最高の機械です。
これだけ良くできた機械があるなら、他のシステムはいらないと感じてしまうほどです。
これが主流になれば、とても良くなると思います。
ユカコシステム
最後はユカコシステムです
https://yucacosystem.co.jp/about/
このシステムも一般の機械を上手く組み合わせ室内を快適にしています。
出展ユカコシステムホームページhttps://yucacosystem.co.jp/about/
換気システムのSAは広い空間に吹出しそれを1畳ほどのエアコン室に取り込みます。
ここでトルネックスなどの空気清浄機を挟む場合もあるようです。
それによりエアコンは汚れず、掃除の回数も減りますし、性能も維持されます。
エアコン室で冷暖房した空気はファンにより床下や各居室に送られます。FANを居室用にそれぞれの付け空気を送る仕組みと、大きなFANで送り自然に分配する方法がとれるようです。
最大の特徴は、循環風量がとても多いこと。1部屋あたり100~200m3位の空気を循環させます。
風量が大きいですからそれほど温度差がない空気でも冷暖房が可能です。
エアコン室も大風量が流れエアコンの冷暖房の空気とすぐにミキシングされます。
冷暖房の目標温度と5℃くらいしか変わらない空気を各部屋に供給します。吹出空気が熱いとか寒いとか無く快適そうです。
エアコン室もダクトも温度が下がりすぎたりしませんから、結露の恐れもありません。
大風量ですから、エアコンの効率も良さそうです。
機械も普通のエアコンと 普通のDCモーターのFANです。安く手に入りますし、交換やメンテナンスも簡単です。
このシステムも体感したことがあります。
とても快適でしたが、やはり風量が気になりました。そしてエアコン室には10個以上のFANが所狭しと並んでいたのに少々びっくりしました。
DCモーターのFANですので、エアコンに比べたら消費電力はわずかです。
壊れにくいですからランニングコストはたいしたことないでしょう。
しかし100m3以上の大風量を循環させるシステムなので150Φくらいのダクトが必要になりそれを至る所に取り回さなくてはなりません。
FANも定価で4万円位するのでは無いかと思います。安い汎用品とはいえ数があると、購入代金、施工代金もまあまあかかるのかなと思います。
パッシブハウスレベルならもう少し風量を落とせるかも知れませんし、結露コントロールができればもう少し温度差がある空気を搬送しても良いかも知れません。
超高断熱の住宅でユカコシステムが採用されてくれば、もう少し変わってきそうです。
最後に
私の理解力不足でところもありましたがところもありましたが、各社、今までの施工例なども踏まえて改良されてきている結果が、現時点のシステムだと思います。
良いところもありますし、私にとって疑問点もあります。
もう少し詳しく話を聞きたい部分もありました。
ある程度の知識を持って今までトライアンドエラーを繰り返してきた人なら私の中途半端な説明の裏にある内容も解ってくださると思います。
今回はあまり難しいところには踏み込まず、一般の人でも詳しい人なら読み取ることができる解りやすいところをお話しました。
私もいろいろ試しています。
詳しい聞きたい人は是非話を聞きにいらしてください。当社で建築を考えてみたい方大歓迎です。
補足説明
私が考える全館空調の考えは、断熱性のをあげ、できるだけ設備能力をを小さくすることです。
設備能力が小さくなると言うことは、風量も少なくて済むと言うことですので、気流感が少なくなります。
運転が弱運転ですめば、音も小さくなります。
小さい設備は値段も安いです。
ですが、他に考慮すべきことと相反することも出てきます。
例えば小さな能力の機械は、思いがけない負荷に対応しにくいと言うことです。夏場に予想以上に大勢が集まりパーティをすると言うことなどあると内部発熱が多くなり小さな能力の機械では間に合わないことがあるかも知れません。子供室なども、高性能のゲーミングマシンが動いたりすると負荷が多くなります。そのようなことが予想される場合には負荷に対応することができるように余力がほしいところです。
エアコンの風量が多いと言うことはエアコンの効率が上がると思います。効率を優先させるなら多少の気流感や、音などを我慢するという人もいるかも知れません。
人それぞれ、考えることが違いますので設計の仕方も変わるでしょう。
今回のブログはメーカーさんを比較して優劣を言っているのではなくて、私が理解した範囲での特徴を書いたに過ぎません。
皆さんそれぞれが良く検討をして、計画してくださいね。