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髙橋建築

断熱・気密,現場レポート,耐震・構造

今月、深谷市にパッシブハウスクラスの住宅が完成です。

まだ、外構工事ができていません。
玄関も工事用ドアのままですね。
写真左側の大きな窓がリビングの窓です。
大きな窓が付く面が南面。
間口が4.095mしかありません。

細長い敷地になります。
この南側の窓から最大限に日射熱を取得し、暖かい心地よいリビングとするプランにしました。

LDKは広々。明るく、優しい感じの雰囲気のリビングです。南面大きな開口はコボットで耐震性を高めています。
このガラスは超高性能日射熱取得型。

お日様の光の熱をたくさん取り込むことができます。

だから暖かい。

これから来る寒い冬に ぬくぬく生活ができます。

このお部屋はほとんど暖房いらないかも。光熱費が安くすみますね。
経済的です。

シンプルな階段も素敵です。
階段の下は収納。廊下を挟んでさらに収納。

たくさんの収納ありがたいですね。

突き当たりは主寝室です。

手前には造作の面々コーナーが。


3面鏡ユニットも手作りです。

写真ではお見せ出来ませんが、空調循環還気のシステムも入っています。
もちろん各居室への風量が確保出来ているか、風量チェック済。
居室への最適風量を考えます。
建築基準法の0.5回ではなく。

ちなみにUAは0.19W/㎡k
UAの競争ではないですけど当社では同じ仕様なので、家の大きさや形、窓の付け方でUAが変わるだけです。

コストバランス、納まりの確実性、施工精度の安内の安全性内の安全性などからその都度変えることはしていません。
当社のエリアで最適な仕様となっています。
断熱量だけ考えると深谷ではオーバースペック気味と思われるかも知れませんが、今回の住宅は細長い形状で床面積の割に外皮面積が大きくなります。
ですから、エネルギー消費量、温度ムラの起こりやすさなど考えるとUAベースでは見間違えやすいです。
そのためこの仕様が最適だと考えました。

この冬、どのような感じになるかとても楽しみです。

細長い形状で耐力壁の配置も大変でした。
室内を広々みせつつ、適切な間隔で耐力壁を配置し、その耐力壁同士を水平構面でつないでいく。
私の初期のベースプランではそのことをとても考慮して考えました。
その後お客様と打合せをしながら、お客様の要望をさらに取り入れていきます。
それでも、耐震性は確保し続ける。
無理矢理確保する耐震性ではなく、安定的でできるだけ素直な方法で。

お客様は素直な方法での耐震性確保の重要性もきちんと理解してくれ、間取り作りもスムーズに行きました。
私も自信を持って構造計算ができました。
言うまでも無く許容応力度計算による耐震等級3です。
今更それ以外はないでしょうから、そんなこと書くまでもないですね。

第三者機関の審査済あるかどうかも重要ですね。


BELSも取得しています。

減税や補助金のためにとりあえずとることを目的としているので、計算は雑です。
考慮出来る省エネ手法はほぼ入力していません。
当社の仕様なら簡単にすごい数値になることはわかっているので、通風や照明、給湯などのエネルギー削減の細かい項目は、入力せず悪い数値のままです。(笑)
それでもこの性能。
もっと良い数値をお客様は期待しているとしたらとても申し訳ないですけど、競争ではないですし、この評価方法にそれほど意味があるとは思えないので手間を掛けずに認定をとることとしています。

LCCMも達成できていることは確実ですがすでに意味も無い状態なので計算すら行いません。ごめんなさい。

それよりもパッシブハウスになるかどうか?
ここは準防火地域で防火サッシの影響が大きいです。
そして建物形状がとても不利。
完成のデーターで再計算です。普通なら断熱量的に十分でもその他の要員まで考えると。。。
ちょっと楽しみな計算です。

断熱・気密,現場レポート

基礎断熱が性能を出しやすいことは確かでもシロアリが怖いと思われている方多いのではないでしょうか。

当社では、現在,シロアリに強い防蟻EPS、防蟻シート、アリ返し、防蟻フォームなど何重にも対策をしていますので安心です。

さらなる性能!ガラス発泡断熱材

それでもさらに半永久的な防蟻性能を求めて日々研究しています。
 今回、パッシブハウスジャパンで初めて、ドイツより発泡ガラス断熱材を輸入しました。
  この断熱材はガラスを発泡することで作られています。

この断熱材は 性能では今までのプラスチック計の断熱材より性能が落ちますが、ガラスでできているので物理的にシロアリは食べることができません。
  今回は100mmの厚さの物を使い性能を確保しています。もちろん内側にもネオマを使っていますのでパッシブハウスレベルの建物にも対応可能です。

基礎断熱 熱抵抗

外内合わせた熱抵抗は R=4.17㎡K/W

床下暖房をしている多くの工務店がやっているのが50mmのXPS3種(λ=0.028)なのでR=1.78 およそ2.3倍
  昨年調査した○○林業の基礎内張が20mmXPSなのでR=0.71。こちらはおよそ5.8倍もの性能になります。

 実際は外張りと内張で熱橋の出方に差があるので、さらに大きく違いが出ることは間違いないですね。

コストが課題

今回のガラス発泡断熱材ですが少々高いです。今後国内で生産されるようになるといいですね。

現場レポート,設備・空調

前回の続きです。

第一種換気に小さな第三種換気を組み合わせる

秩父市役所の主事が疑問に思った最大のところは一種換気に三種換気を組み合わせて吸気不足にならないかと言うこと。
 結論から言うとなりません。
 実測もしました。

第一種換気の給気量が増える

測定をすると第一種換気の給気量が少し筒づつ増えるのです。
 第一種換気では給気もファンを回しています。その負荷が減るせいか、各級機構の給気量が微妙に増えます。割とバランスがとれてしまいます。

換気量はどのくらい?

日本のシックハウス法では1時間あたり0.5回の換気が求められます。言い換えると2時間で1回ですね。
 おうち全体の空気を2時間でそっくり入れ換えるのです。
 きちんと気密がとれ換気経路がしっかりしている住宅ならそれが可能です。
 2時間に1回空気を入れ換えると寒くなってしまいますね。それだけ暖房するのも大変です。そこで前回お話しした熱交換換気扇により熱を回収するのです。
  35坪くらいのおうちならおよそ300m3なので1時間あたり150m3の空気を入れ換えます。熱交換換気扇を使えば、50m3位の空気を入れ換えるのと同じくらいの熱損失ですむと言うことになるのです。高性能なものなら15m3位のものもあります。

さらに効率を上げる

そもそも日本の法律の0.5回の換気というのが割とアバウトです。住宅に使われる建材に毒が多いのが原因なのでやむを得ないですね。
 当社ではできるだけ毒が出ない建材を使っています。
 建材から毒が出ないとすると空気の汚れは人間の生活からの発生です。
 欧米では国によって違いますが、家の大きさではなく住む人間の数で決めることが多いようです。
 概ね一人あたり30m3 4人住まいなら4×30=120m3となります。
 寝室の数で決める場合もあるようです。寝るお部屋が3つなら4人。なぜかというと一つのお部屋は夫婦で使うと考えるからです。
 今回の住宅は3LDKなので4人と考え120m3
 メインの第一種熱交換換気扇は120m3での設計としました。

日本の法律を満たすために

第一種換気をメインの省エネ性能と基本的な空気の清浄する装置と考え、補助的な第3種換気により日本の法律をクリアーさせています。
 普段使いは第一種換気できちんと効率よく換気させる。そういった設計です。

秩父市役所建築主事えらい!

よくぞ気づいてくれました。といった感じですね。

今まで説明する機会もなく、理解してくれる人もいませんでしたから。

ですがこれが特殊なわけではありません。

欧米の高性能住宅では当たり前です。

日本の北欧風住宅メーカーは日本風にアレンジしてしまったのでまあ日本のレベルになってしまっているようですけど。

設計通りの風量か?

でも問題の本質はここではないです。

実際に設計通りの風量が出ているかが重要です。ほとんどの場合、設計通りの風量は出ていませんし出すのはとても難しいです。

適切な計画、施工が必要です。本当にきちんとした知識がないとダメなのです。

役所の設計時の審査は、その機械が風量を満たしているか、大きさを確認するのみ。
完了検査は、計画した機械がついているかのみ。

それだけなのです。きちんとした設計通りの風量が出ているかどうかなんて全く確認しません。あるいは確認しても全く出ていないことを知っているのかもしれませんね。

当社ではお客様に健康に生活してもらえるように最後に風量測定を行っています。

風量測定報告書

他社で家を建ててしまってご心配な方。
測定させていただければ無料で行いますよ。もしかしたらうまくいっているかもしれませんから。お気軽にご相談ください。
先着3名とさせていただきます。(同じメーカーは除く)

現場レポート,設備・空調

市役所建築主事のの完了検査がありました。
若い新人をお供につけての検査です。

「今回も素敵な建物ですね。髙橋建築さんの建物は楽しみなんです。」そう言っていただけました。

 当社の換気方法についてどうしてこうしているのか聞きたかったと言ってくださいましたのでご説明しました。ある程度わかっている方ではないと疑問にすらならないと思いますがさすが秩父市の建築主事。当社の換気方法について疑問を持っていただけました。

建築主事の鋭い質問 

当社の換気は建築確認申請では第一種換気がメインで、第三種換気を組み合わせています。そこで「第一種換気の給気が不足するのでは?」と鋭い質問

 確かに理屈ではそうなのです。入り口と出口を設けてバランスをとる設計をするのが基本です。
  特に当社のような高性能住宅になると気密性能が高すぎて、中途半端な給気口では、内外圧力差が生じてしまいきちんと排気量が確保できなくなります。

第三種換気の仕組み

 排気に換気扇(ファン)をつけると屋内と屋外の圧力差が生じます。その圧力差を利用して給気口から自然に空気を取り込むのが第3種換気です。
  しかしそんなにうまくいきません。実際には隙間から入ったり、換気扇の出口に風が吹いて圧力がかかっているときちんと排気できなかったり。
  当社でも以前は第三種換気を超すと有線でつけル場合もありましたが、実測すると、あまり機能しない場合がほとんどでした。

給気にもファンをつける第一種換気

 換気は健康な生活をする上でとても大切です。第三種換気ではきちんと換気できません。そのため当社では第一種換気としました。給気側にもファンをつけるのです。これで必要な換気量が確実に確保できるようになりました。

ダクト式にする理由

換気量がきちんと確保されてもそのきれいな空気をきちんと分配したり。汚い空気がきちんと排気されるように換気経路をしっかりする必要があります。
せっかくきれいな空気を取り込んでも、室内の汚い空気と入れ替わらずにそのまま出て行ってしまったら何にもならないですね。そのため空気がきちんと入れ替わるように換気経路を作る必要があるのです。
 きちんと計画換気を行うにはダクトを使い、空気の流れを計画しましょう。
 これを考えないメーカーはコストや施工のやりやすさのみで判断し、お客様のことを考えず第三種換気のままです。

換気による熱ロス

 高性能な住宅になってくると、屋根や壁、窓からの熱ロスが少なくなります。そうなると換気での熱ロスが目立ってくるのです。
  換気による熱ロスが無視できなくなってきます。せっかくの暖かい空気が換気することによって外の寒い空気と入れ替わる。もったいないですね。

熱交換換気扇を使おう

そこで出てくるのが熱交換換気扇。出て行く空気の熱を利用し、入ってくる空気を暖める。
  まるで魔法のような装置です。

ローヤル電機ホームページより

ローヤル電気さんのホームページから引用しました。まあ、お得と言うことです。説明ははしょります。
  この機械がいらないという言い訳をするという建築会社さんがいますが、性能がほどほどの建物だと自らいっているようなものです。残念ですがほとんどの高性能住宅には必ず必要です。

換気風量のチェック

当社では気密測定と一緒に各グリルの換気風量のチェックを行います。一般的な機械ならきちんと性能が出ているか検査するのは当然のことですよね。
 市役所の建築主事さんも風量測定の重要性はとても理解されていました。でも住宅でやっているというのは初めて聞いたとのこと。当社の本気度に感心されていました。

長くなってきてしまいました。
今回はここまでとします。
あまり突っ込んだ内容ではなく表面的な内容のみですが、長くなりましたね。
それぞれの項目で大事な話があるのですが、マニアックな内容になりすぎるので機会があったらまた(笑)

住宅ローン・補助金,現場レポート

国土交通省の補助金 LCCMの抜き打ち検査がありました。
正式な補助金名はサスティナブル先導事業という名前だったと思います。
LCCM住宅とはライフ・サイクル・カーボン・マイナスという基準です。
住宅を作る時に排出されるCO2 住み続ける時排出されるCO2 そして解体するときに排出されるCO2まで 太陽光発電などの力で CO2を削減してしまうという住宅です。

国内の基準としては高いレベルのそのような住宅には補助金が出ます。
それほど難しくなく補助金が取れます。長期優良住宅に太陽光発電が8kW以上あれば、ほぼとれるのではないでしょうか?
ハードル低いですね。

LCCM住宅と言いながら この補助金を取ろうとしないのは、太陽光以外のほかの性能があまり良くない可能性がありますね。ちょっと疑った方がいいかもしれません。(笑)

補助金のためには書類作成が大変です。補助金額は125万円。とても大きいのでお客様のために頑張るしかありません。
 間違いがないように一生懸命作成しますが、現場の方が建物をより良くするために、申請書類とできたものが違ってしまうこともあります。

今回は久しぶりの抜き打ち検査に当たりました。検査員にお聞きしたところ、1割くらいの家をチェックするとのことです。
 間違った施工は全くしていないのですが、より良くしようと変えてしまった内容が気になります。ドキドキです。審査員さんがその辺のことを分かってくれるといいのですが。(笑)

 検査はかなり細かいです。断熱の構成を見るのはもちろん、サッシ一つ一つの品番も確認します。もちろん設備機器も確認です。
 浴槽の保温力が保たれる構造になっているか確認作業も大変でした。

 当社で変えてしまったのはエコキュートと換気システム
 今回はローコストを目指していたのでエコキュートは通常品の見積もりでした。しかし、工事中にやはりさらに高性能にしたくなって「プレミアムエコキュート」に変更。計算上2割くらい性能が良くなってしまいます。秩父地域の新築住宅では当社くらいしか使っていません。標準品です。コストダウンのために通常品にしていましたが、やはり高性能なものにしてしまいました。

 そして換気システムは、本体は同じなのですが、換気の仕方を変えています。そして冷房方法も変えています。
 その方法が最先端で少々特殊なのです。この仕組みでの計算ロジックはまだできていません。評価の手法では計算できないので一番性能が低く出る方法で計算していました。
 このあたりは別なブログで書くことにしますが、簡単に言うと5年後くらいには計算できる用になる予定かな?
 現在、国交省や建築研究所、そのほか大学の先生などと仕組みを作っています。なぜか私もその委員会に呼ばれて参加してお手伝いしています。
 検査員にはその辺の、国の基準作りをしている先生と一緒に活動していることをお伝えしたら、その方もご存じらしくそれならOKということになりました。

 検査員の方も当社の先進的な工事方法に興味津々で、逆に質問の嵐。
 最初はドキドキの抜き打ち検査でしたが、途中から楽しい技術談義になり2時間の検査を終えました。(笑)

 国の検査員をもうならせるほどの最先端の技術満載です。