電話をかける

問合せ

ブログを読む

トップへ戻る

髙橋建築

最新のブログ

空気清浄の必要性

外の空気は綺麗?

皆さん外の空気綺麗だと思いますか?

外の空気が綺麗だったのは、いつ頃までだったのでしょうか?

自動車が走り 排気ガスや粉塵、PM2.5

田舎だから空気が綺麗?そんなことはないですよね。
田舎の空気にもたくさんの花粉や カビの菌、胞子など、微生物もたくさん。

とても綺麗とは言えないみたいですよ。

室内の空気は綺麗?

それでは室内の空気は綺麗ですか?

「うちは石油ストーブつかっていないから綺麗だよ!」そんなことを言う人もいそうですね。

室内も様々な空気の汚れがありますね。

建材や家具、様々な商品から出るVOCなど化学物質。

人の呼吸からのCO2。

匂いもそうですね。

プラスチック系床材や塗料などからのマイクロプラスチック。

芳香剤や、ファブリーズなどの消臭剤の化学物質。

室内の空気も毒素の塊かも。

体への負担を考えよう。

屋外から、室内からの 様々な空気の汚れは全て体絵の負担となっているようです。

空気を綺麗にすることは、体への負担を減らします。

健康への第一歩ですね。

化学物質を使わない。空気を綺麗にする。とても重要なことです。

今日の勉強成果

今日は、当社で使っているトルネックスに加えエアドック、パナソニック、シャープの空気清浄を学びました。

各社、とても良い技術を持っていますので我々もお声がけを厳選しました。

特に AIRDOG トルネックスの技術トップのかたと一緒に飲めたのは良かったです。とても勉強になりました。

外部の空気を綺麗にして取り込み、そして室内の空気を綺麗にする。

ここで部屋の空気を綺麗にするのはむら無くおうち全体の空気を綺麗にする必要があります。

故レオwどのような方法で実現するか?

住宅の空気清浄について、今後の当社の取り組みにご期待下さい。

エアコンの勉強 エアコンの選定

三菱電機さんの静岡製作所に行ってきました。

エアコンの勉強です。

普段細かいことを聞いていたら、いよいよ開発の人と直接話ができる機会を得られました。
三菱電機さんの技術のかたから勉強ができるまたとないチャンスです。
こちら側の要望を伝え,今後の製品開発に役立てて貰い、我々の必要をするエアコンに近いものができればと思っています。

私だけではもったいない。日本全国からうるさいオタク工務店を集めることにしました。

メンバーはこちら。

大変なメンバーになってしまいました。

これを事前に三菱電機さんに送ったのですが、警戒されてしまいました。

メンバーには事前に、目標は我々とメーカーが良好な関係を築き、今後も話し合いが伝えられ、我々の好みのエアコンを作って貰うことだと示し合わせ、和やかに会議をしようと臨みました。

三菱電機さんも、とてももてなしてくださり、終始和やかに進み、我々の考えをお伝えできましたし、様々な技術的なことを理解できました。

我々の作る住宅が10年後、20年後に住宅業界のスタンダードになります。
その辺のことも三菱電機さんもわかってくれていて、超高性能住宅でどのようなことがおきているか?エアコンと住宅のあり方など情報収集をしたかったみたいです。
我々の情報にメーカーの方々もとても喜んでくださいました。

びっくりしたのは、このメンバーが同じエアコンを使っていたこと。
事前にしめしあわせていたわけではありません。
皆それぞが、勉強し、様々なエアコンを使っていたら、最終的に選んでいたエアコンが同じだったのです。

偶然のような必然のような。

悩み悩んでたどり着いたエアコンがみんな一緒。本当にびっくりですよね。

当社も様々なメーカーの様々なエアコンを使っていましたが、現在は三菱電機さんのJXVシリーズ。

再熱除湿が付いていてワイヤードリモコン、清掃性、修理の速さ。

そして壊れにくいしっかりした作り。さすが、三菱電機さんという感じです。作っているところ等を確認しましたが、一つ一つの部品にまでこだわりがすごいです。
三菱電機さんを選んで改めて良かったと思いました。

おまけ

マグロ丼最高でした。(笑)

 

現在の注文住宅 新築戸建ての総額は?

この発表には少し驚きました。なんとなく解ってはいましたが。
住宅生産団体連合会(住団連)が公表しました資料です。

建築費高騰 住宅至徳金額増

資材の値上がりなどの影響でしょう。建築費が高騰していますね。

住団連 調査結果の要約及び考察https://www.judanren.or.jp/activity/proposal-activity/report03/pdf/kousatu2023.pdf

住団連は主に大手ハウスメーカーの会員が多いですが、工務店も少しいるようです。
ですが、数が多い大手中心のデーターと考えて良いでしょう。

40才くらいで家を作り 土地込みで6681万円

建物だけでも4566万円です。

平均延べ床面積は123.5㎡だそうです。37.42坪割と大きいですね。
坪単価は122万円とのことです。

贈与額が1286万円というのもびっくりですね。

平屋の増加

住団連 調査結果の要約及び考察https://www.judanren.or.jp/activity/proposal-activity/report03/pdf/kousatu2023.pdf

平屋が増えています。その傾向はこのあたりでも同じに感じます。

契約期間が短い

住団連 調査結果の要約及び考察https://www.judanren.or.jp/activity/proposal-activity/report03/pdf/kousatu2023.pdf

半数が3ヶ月で契約。94.2%が1年以内に契約です。
お客様も家を作りたいと気持ちが盛り上がったら、早く契約したいということなのでしょうか?
ハウスメーカーが他にお客を逃がさないために契約を急がせるのでしょうか?
待っていて建てていただいている当社としてはなかなか信じがたいことです。

30台が大半

30歳代で建てるかたが大半です。

住団連 調査結果の要約及び考察https://www.judanren.or.jp/activity/proposal-activity/report03/pdf/kousatu2023.pdf

子育て世帯ですね。子育ては大変ですが、狭いアパートで周りを気にしながらというより、新しいおうちで、広々、賑やかに、たのしく生活が理想的ですね。

お子さんがいらっしゃるなら、子育ての期間におうちが持てるということは本当に幸せなことだと思います。

耐震等級3 断熱等級5が主流

さすがに耐震等級3が必要と言うことは認知されてきました。
地震の被害など映像で見ることも多くなってきたので、わかりやすいですね。
建築費が高騰しても、皆さんこれは絶対に落とせないのでしょう。

住団連 調査結果の要約及び考察https://www.judanren.or.jp/activity/proposal-activity/report03/pdf/kousatu2023.pdf

一方断熱等級も必要だという認識が上がってきています。ZEHで必要とされる等級5以上が8割になりました。
私は最低でも等級6は必要と思っていますが、大手ハウスメーカーでもまだ四分の一程度です。

ですが明らかに等級6は必要という認識に変わっていると言うことですね。
予算の都合で削られ易いのでZEH相当で我慢と言うことになってしまっているようです。

将来を考えるなら、できれば等級7にしておきたいところですが、まだ1%しかありません。
10年、20年後は等級7が大半になることが予想されますから、資産価値など考えるとできれば目指しておきたいところです。

住宅建築に大切なもの

家を建てる人がどのようなことに重視しているのでしょうか?

やはり 間取り、耐震性、断熱性が上位です。
これは絶対に外せませんね。

住団連 調査結果の要約及び考察https://www.judanren.or.jp/activity/proposal-activity/report03/pdf/kousatu2023.pdf

そして 上位10項目まで青で囲ってみました。

「家族の集いや交流を促す間取り」というのもとても大切にしたい項目ですね。
日々の生活を大切にされているのだと思います。

家事効率という項目がありませんでしたが、これは間取りと言うことなのでしょう。

生活しやすく、家族の笑い声が絶え間なく聞こえるような、生き生き生活できる楽しいおうちを作りたいですね。

まとめ

今回の内容はいかがでしたか?

割と自分の考えと近いと思った人や、皆さんお金かけているなと思ったりもしたのではないでしょうか?

より性能高く、より住みやすく、より安く。
我々建築業者もさらに精進していかなくてはなりません。

高橋建築ではお客様目線でハウスメーカー以上の高性能住宅ををより安くご提供することに努めています。
お気軽にご相談ください。

一級建築士
パッシブハウスジャパン 理事
高橋建築株式会社代表取締役
髙橋慎吾

建築学会 熱シンポジウム 室内の温湿度

今年の熱シンポジウムは、大阪で行われ湿気がテーマでした。

日本中の学者の皆さんが、湿気についての研究成果を発表されました。

人と温度 湿度が人間に及ぼす影響

国立保険医療科学院 本間先生の 温度湿度の人体への影響の基礎、国内外の基準のまとめという、これまでの整理のようなお話も勉強になりました。
その後に 岐阜高専の青木先生が 低湿度の問題を深掘りしていました。最高室温についてのお話もありました。

日本国内の相対湿度基準

一番広く知られているのが建築物環境衛生管理基準で 40%~70%。
他にもこれと同じ基準がほとんどですが、学校研究衛生基準は30%以上80%いかが望ましい。と言うレベルです。

ほとんどが1965年から1970年に決められた基準で、今日まであまり議論されずに来ました。
それほど問題が無かった問いことでしょか?

海外の基準

海外の主な基準を見てみます。
その国の中でも対象によって様々ありますが、事例として。

韓国では30~80%(School Public Health Act)
中国では夏が40~80% 冬が30~60(China National Indor Air Quality Standard))
タイでは50%~65%(Notification of indoor air quality for public builldings B.E2565(2022))
EU 30-50% (EN16798-1 high lebel)
ASHRAE 50~60%(Handbook2019 summer)
ASHRAE20~30%(Handbook2019Winter)
WELL Standards 30~50%(Relative Humidity)
WHO 12g/kgDA(グイディねforインドアAIRquality:dampess and mouldHEALTH CANADA RECOMMENDATIONS CANADA RECOMMENDATIONS)

他にもたくさんありますが主なものはこんな感じです。

湿度に関して決まっていない国も多いようです。ノルウェー労働監督局では、湿度が高すぎると内部結露やカビなどの悪影響が懸念されるため、加湿する場合は35~40%を越名内容にした方が良いとか、最高室温も22℃以下に保つことが推奨されています。

フィンランドでは、加湿時に7g/kgDAを超えないとされています。 これは21℃45%と言う例が挙げられています。

なぜ最高室温の基準が必要か

それではなぜ高性能住宅先進国では、最高室温が言われるのでしょうか?

それは室温が高くなると、空気に含まれる湿気が多くなりやすいと言うことが上げられます。
室内の空気にたくさんの湿気が含まれると、壁体内結露や窓などに表面結露などおきやすくなります。

そうすると、カビ等の菌が繁殖したり、ダニなども増えます。
想像してください。
いくら温かくても、カビなどの菌が浮遊してそれを吸い続けるのが、健康に良いかを!

怖いですね。

そして最悪の場合は壁体内結露により、柱や土台が腐ると言うことが起こります。
水分があるとシロアリも繁殖しやすくなります。
せっかく建てた家が長持ちしないと言うことになるのです。

一般的にどのような計算をしているか?

日本の基準でも内部結露が起こらないように検討はしています。
透湿抵抗比という計算と内部結露計算シートによる定常計算です。

秩父で 想定している温湿度です。

室内が15度60%
外気が1.3度70%です。

計算上は日本中、室内は15度60%が固定です。
外気は建築地点で変わります。

評価協の計算シートからお借りしました。

ピークではもっと低いですが、気温は上がったり下がったりしますし、熱も蓄えられます。
乾いたりしけたりもしますので、定常計算ではこのくらいの数値としているのでしょう。

ちょっとびっくりですね。怖くないですか?

皆さんもっと安全側で計算して貰っていると思ってませんでしたか?

日本で高温で住むことは想定していない。

日本の基準では、高温で住むことは想定していないのす。

高温で住んで、おうちが腐っても、シロアリに食われても、カビなどの菌で健康を害しても自己責任です。

びっくりしましたか?「それはないよ!」と思われませんか?

粗悪なアパートなどで結露してカビが生えて、大変な思いをしている人は多いですね。
それほど温かくしていなくても。
でも違反建築ではありません。

近年作られている高性能住宅でも、さすがに20度を超えるような検討はしていないのではないでしょうか?

それでも、割と簡単に温かくできるので、高温で住む人が増えてます。
大丈夫ですか?

想定 室温、湿度以下で住もう!

日本では、海外のように国が「この室温以下で住んだ方が良いよ。」と言ってくれないです。

住宅会社に確認して、想定している室温。湿度を聞いてみてください。

そしてそれを超えないように上手にコントロールしてみてください。

今回の熱シンポで、青木先生のご発表をお聞きして改めて思いました。
実際にお住まいになることを考えて室温を想定することがとても大切です。
建築会社はもう少し安全側を考え高めの室温湿度を措定すべきだと思います。

一級建築士
パッシブハウスジャパン 理事
髙橋建築株式会社代表取締役
髙橋慎吾

軒裏換気口は設置すべきか?

通気は大切

通気層には大切な役目があります。

壁体内や 小屋裏の湿気を排出すること、また、熱を逃がしたり雨水の侵入を防いだりしてくれます。
いろいろな役割がありますね。

その役割を果たすためにも、きちんと通気層を作り、通気量が確保されることが大切です。

屋根の通気層の写真です。
当社では、できるだけ空気が流れやすくなるように89mmの通気層を確保しています。
さらに熱を反射させる遮熱タイプの透湿シートを使っています。
屋根の熱を逃がしたり、湿気を逃がしたり、3次防水層としても期待しています。
信頼性のある透湿防水シート、タイベックシルバーを使っています。

壁の通気層

18mmの通気胴縁で通気を確保。薄い胴縁を使っているところもあるので注意が必要です。
サッシと胴縁の隙間も確保し、縦に空気が流れるようにしています。

こちらもタイベックシルバー。
長持ちすることが特徴です。多くのハウスメーカーが安いシートを使っています。
ローコストビルダーはほとんど一番安いものです。
劣化が早く、防水性能があまり期待できなくなります。
外壁の雨漏り補償は、工事ミスなどによる場合10年しかありません。
材料の劣化などは免責とされていると言うことがほとんどで、取り替えには大金がかかります。
長持ちするものを選びたいですね。

それでは通気層の役割をまとめます。

壁体内の湿気の排出

冬期は屋内の湿気が壁体内に入っていきますから、壁体外側に通気層を設けて外気を通気させ、壁体内の湿気を排出させます。
通気量が確保されていないと壁体内に湿気が蓄積され、壁の内部でカビが発生したり、柱などが腐ってし編むこともあります。

熱を遮る

通気層は空気の層です。それだけでも断熱効果がありますが、温まった壁や屋根を、空気を通し入れ替えることで冷ます役割もあります。
太陽が当たると、屋根や壁はとても暑くなることがありますね。
たとえ断熱材があっても、外壁や、屋根が60℃とかになっていたらたまりませんね。
熱を少しでも遮りたいですね。

雨漏りを防ぐ

外壁で雨を防ぐのは基本ですが、万が一、外壁から雨が入ってきたら?

通気層があることで、そこから水が排出されますので安心です。通気層の内側には、透湿防水シートがありますからそれ以上中には入りません。
断熱材や 柱などを守る 2次防水機能を果たしています。
外壁が一次防水。
通気層の透湿防水シートが2次防水というわけです。

図は屋内の湿気が壁体内を通り通気層から排出されるモデルです。

冬期に内部結露する例です。日中は壁が温められて通気層は上昇気流
夜は冷やされて下降気流 あるいは 断熱レベルが低い場合には室内の熱の漏れで上昇気流かも知れません。

屋根も同じですね。

基本的には、通気層の換気口は 入り口と出口が必要ですから、壁は上と下、屋根には軒先と棟側の2カ所に 換気口が必要です。

こんなイメージですね。

壁は壁

屋根は屋根

で通気させます。

ですが軒裏から換気させる必要があるでしょうか?
壁の下から空気を取り込み 屋根の上部から排出させたら?

このようなイメージです。
昔からこの考え方はありました。

合理的ですね。

きちんと通気量が確保され、湿気が排出できればこの方が様々な利点があります。

軒裏換気口を無くすメリット

軒裏換気口がいらないのでコストが抑えられる。

軒裏換気口は一つ数千円しますから、数万円のコストダウンです。
材料費だけでも大きく違いがあります。

施工量が減る

職人不足で、工事が進まない現場が増えています。
職人の確保も大変です。

火災時の延焼のリスクが減る

お隣が火事になったとき、屋根が燃えやすいですね。
屋根に火が移るとすぐに建物内へも燃え移ります。
火が入りやすくなる穴はできるだけ少ないに越したことはありません。

軒裏換気口は本当にいらないのか?

このように軒裏換気口を付けないことで良いこともたくさんありますが、最初にお話しした、通気量が確保できるかが問題です。

今年の建築学会で 近畿大学の藤田先生が、パナホームと実験をした論文が発表されていました。
私もとても興味がありましたので、聞かせてもらいました。

そして、昨日もHEAT20の躯体ワーキンググループでご一緒させていただき、さらに詳しく教えていただきました。

軒裏に通気口がある場合と無い場合 無い場合での実験です。
データーの表やグラフ、検証結果など公開でき無いのが残念です。

通風量が少ない通風量が少ない

結果は、ほとんどの場合、どちらの方法でも通気量はかなり確保されていました。
しかし、冬の夜間が一番風量が少ない。
放射冷却で屋根が冷たくなりますので外部の影響を受けると下降気流ができます。
そして室内は暖かいですが、その熱が漏れ通気層は幾分暖まります。

そのバランスで空気が動かないのです。

内部結露が起きやすいのは、寒冷地では冬の夜間でしょう。
その時に一番空気が流れないのです。
考えればその党利になると想像は付くのですがそこまで考えたことはありませんでした。

これは軒裏換気があるときも結局同じなのですが、途中に換気口がある分だけ少し良い用です。
でもほとんど同じ。あまり差はありません。

換気口有り無しよりも 通気層の厚さの方の影響の方があるかも知れません。

この論文で判ったことは、途中に軒裏換気口が あるなしではほぼ変わらないと言うこと。

今後の当社の取り組みに活かせそうです。

南面は日中の通気量確保に注意 軒裏換気口は必要

ですが、南面は日射熱取得のために大きな窓が多く、壁が少なくなります。

壁の通気量と屋根の通気量のバランスがとりにくくなりますね。

真夏のやけ込みを防ぐには、屋根の通気量をたくさん確保したいです。
どうすれば良いでしょうか?

壁の通気量で足りないなら、やはり軒裏換気口が欲しいですね。

大開口のたくさんある南面はやはり軒裏換気口を付けた方が良さそうです。
この測定はかなり難しいと思いますので、経験、実測、が重要そうですね。

しかし経験と実測と言っても ベースとなる知識が無いと全くダメですね。
日頃の勉強、実測、検証などがあって、これからも頑張っていきたいと思います。


第一種熱交換換気 vs 第3種換気

最近は、YOUTUBEや SNS等で換気に関する様々な発信がされていて 迷っていませんか?
第一種換気が良い!と言いきる人や
第一種換気では絶対ダメだ!と言いきる人がいて混乱しますね。
このブログもyoutubeで言い切っている人がいたので、困ったなと思い書きました。
私も、10年以上前は迷いに迷った時期がありましたが、この人もそうなのでしょう。
発言を聞いていると自分で知り得た知識だけで、一生懸命それっぽく解説しています。
考えるきっかけになるとは思うので見てみると面白いと思います。
ちょっと残念な動画もたくさんありますが、勘違いしている説明を聞くのも、私には参考になりました。
いろいろたくさんあるのでたくさん見て比べてください。
「こういうふうに説明するんだ!」ととても参考になります。

今回は、簡単にかいつまんで説明します。
疑問点、ご質問などありましたら、お気軽にメールください。

なぜ換気が必要なの

住宅は様々な建材から作られており、それらが発生する化学物質があります。
さらに住み始めてからも家具や、家電、衣類など様々なものが持ち込まれ、それらも化学物質を発生します。
また、人間が住むことで、臭気もありますね。
健康維持のため室内の汚染物質を除去したり臭気をとったりするために一定量の換気をする必要があります。

毒だらけ、臭い匂いのするおうちはいやですね。

換気なんていらないという人もいますけど、昔のような隙間だらけのおうちならいらないでしょうね。
でも今のおうちはそうじゃないですから、換気は確実に必要ですね。
換気が必要無いレベルのおうちには住みたくないですね。

そして、換気のもうひとつ重要な役割は、熱を運ぶ、分散すると言うこと。
きちんとした空気の流れを作ることで、おうちの中の温度ムラを少なくします。

これはとても重要な役割ですね。これに気がついていない実務者もいますから気をつけましょう。

換気の種類

住宅では主に第1種熱交換換気と第3種換気が使われています。
他にもありますけど割愛します。

第一種換気は 給気と排気 両方空気をFANの力で動かします。
外部の綺麗な空気を入れるにも換気扇。汚れた空気を外に出すのも換気扇です。

第三種換気は 排気のみFANで動かし 給気口から自然に取り込む仕組みです。
空気を取り込むのは、圧力差で自然です。


外に排出した分だけ、給気口から入ってくると言うことですね。

そしてもうひとつ、第一種換気でも 熱交換をするものを特に第一種熱交換換気と言います。

換気すると言うことは、冬にはせっかく暖めた空気をそとに捨ててしまうと言うことです。
もったいないですね。
もったいないので、その捨ててしまう熱で、取り込む新鮮空気を暖めようと言うわけです。

出展:ローヤル電機ホームページ

暖めるのに、ヒーターなどがあるわけではありません。ただ、暖かい空気と冷たい空気をすれ違いさせるだけです。
手が冷たくなっても、暖かいものに触れているだけで、手が温まりますよね。
それだけの単純な仕組みです。

すごいですね。魔法のような仕組みです。

第一種換気、第三種換気 どちらが良いの?

それでは第一種換気と第三種換気どちらが良いのでしょうか?

その良い悪いは、考え方によって変わります。
何を重視するかによって大きく異なるのです。

考え方の違いによりどちらを選ぶか?
それを様々な角度から整理していきましょう。

コストによる違い 建築時のコスト

ますは イニシャルコスト
建築時のコストですね。
第三種換気は排気FANをトイレ等の汚れた空気がたまるところに取り付けます。
汚れた空気が一番あるところから出すのです。
そして、寝室やリビング、子供室などに自然給気口を設置します。
寝室やリビングからトイレなどへ空気の流れができます。
部屋の数、FANの大きさ等で変わりますが30坪くらいのおうちなら10万円以下なのでは無いかと思います。

第一種換気は一般的に機械は一つで、給気口や排気口を各お部屋に設けダクトでつなぎます。
当社の場合工事費を含めて40万円くらいだと思います。

出展:ローヤル電機ホームページ

第一種換気は高額ですね。

ランニングコスト 冷暖房エネルギー

第三種換気と比べて第一種熱交換換気は大幅に光熱費が変わります。
ですが注意が必要です。
寒い地域ではその効果は大きいですが、暖かい地域ではその恩恵は少なくなります。

出展:ローヤル電機ホームページ

これは、様々な条件を元に計算しているようです。参考程度に。
気密性能、断熱性能で変わります。電気代も高騰していますので、より差が大きくなってきています。

埼玉が例ですが、設備費が30万円違ったとしても12年で元が取れる計算です。
同じ埼玉でも当社のある秩父ではもっと効果がありそうですね。

ランニングコスト メンテナンス。

メンテナンスも重要です。

まずは、日々のメンテナンス。
どちらも定期的にフィルターのお手入れが必要です。

汚れたら清掃してください。
ホコリを取り除き、綺麗にしてください。
水洗いできるものもあります。

第三種換気のフィルターは それぞれの給気口に付いてます。
外から虫や、ホコリなど入らないようにするためです。
排気口には付いていない場合がほとんどです。
30坪くらいのおうちなら5カ所くらいでは無いでしょうか?
ネット検索すると5枚で3000円くらいのようです。

一方、第一種換気のフィルターは本体に大きなものが2つ。
外から虫などが入らないようにするためのものと、家の中のホコリが熱交換素子に付かないようにするためのものです。
室内の排気グリルに小さなものが付いてます。これはダクト内が汚れないようにするためのものですね。
ローヤル電気さんの通販サイトでは10000円くらいかかるようです。

洗うこともできるので毎年交換というわけではないですが、数年に一度交換した方が良さそうです。

そして、何年か判りませんが、機器の故障、交換も必要になると思います。
第三種換気に使われるパイプファンなら工事費も含めて5万位ですむかと思います。
しかし第一種換気のFANの取り替えはもっと高額になることが予想されますね。
ダクトはそのまま使えますし、モーターは取り替えやすく作られていますので、作業は簡単そうですが、5万円では無理な気がします。10万くらいは覚悟しておいた方が良いかもしれません。
当社ではダクト式の換気システムは25年くらい前のものが最長なのですが、まだ壊れないので、どのくらいで修理が必要なのかよくわかっていません。

ダクト式の換気システムの場合、ダクトの汚れを気にする方がいらっしゃいますが、当社で10年くらい使われた給気ダクト内は、ほとんど汚れがありませんでした。できるだけホコリがたまりにくいダクトを選んでおけば気にすることはなさそうですね。

外壁の貫通部分のリスク

換気扇設置には、どうしても外壁に穴を開ける必要があります。
穴を開けると言うことは、雨漏りの原因にもなりますし、気密低下の恐れもあります。
貫通分の処理によっては内部結露も誘発しそうです。

ですから、貫通部分は少なければ少ない方が良いですね。

第一種換気では、給気、排気それぞれ1カ所にまとめられますから、外壁貫通部分は2カ所のみです。

一方、第三種換気では、給気口、排気口がたくさんあります。間取りによって違いますが、30坪のおうちなら7~10カ所くらいでしょうか?

とてもたくさん穴が空いてしまうのに驚かれる方も多いようです。
穴は少なければ少ないに越したことはなさそうです。

冷気の侵入

換気は外の空気を中に入れます。

外がとても寒いとどうなるでしょう?

想像の通り給気口からとても冷たい空気が入ってきます。
その冷たさを感じさせないために、給気口を人がいないところにできるだけ付けたり、できるだけ拡散されるところに付けたりしますが、冷たい空気が入ってしまうことには変わりないですね。
寝ているときに顔し寒い風が当たるのはつらいですね。

それほど寒くない地域なら問題とならないかも知れませんが、寒くなる地域ではとても気になります。
気になって換気を止めてしまう人がいますが、健康のため止めてはダメです。

温度ムラの問題

第三種換気は冷たい空気を直接取り込んでせっかく暖房した暖かい空気を出してしまいます。
それに比べ、第一種熱交換換気では、給気する空気も暖まってお部屋に配られますからそれほど温度が低くありません。
ですから、第一種熱交換換気の方が圧倒的に温度ムラは少なくなります。
第三種換気でも給気口近くに熱源を持ってくればそれを防ぐことはできますが、それぞれの給気口に熱源を付けるとなると、せっかく安かったイニシャルコスト、ランニングコストの意味が無くなりますね。
お金だけの違いで無く、生活の質に大きな差があります。

内部結露のリスク

先にご紹介したyoutubeの中にはこじつけのように第一種換気の内部結露のリスクを言っているものがあります。
第一種換気では室内が正圧になりやすく、第三種換気では負圧なので・・・・とかなんとか。(笑)

あまりご存じない方は、機械の性質だけを見てこういうことを言う方が多いです。
まあ問題になるような正圧にはならないし、調整は簡単です。

まずは正圧がそれほどまずいのか?と言うことです。
負圧なら良いのかと言うことです。
正圧だと室内の湿った空気が入るから内部結露する。と言うのですが(笑)
この人の理論だと、第三種換気の場合、負圧なので外の空気が壁体内に入ってきます。
それはそれで夏型の結露が起こる可能性が高くなります。
今後温暖化は進むでしょうから、こちらが問題になる可能性が大きいです。
負圧だからと言う理由では無いですが、夏型結露で苦しんでいる人が増えているのは確かです。

圧力差は少ない方が壁体内に空気が移流しないというのは確かです。
どのくらいの圧力差でどのくらいの量の空気が壁体内に移流するのでしょうか?
そういったことも大学の実験も
換気システムによる圧力差と、風圧による圧力差はどちらが大きいでしょうか?

それは圧倒的に風圧による圧力差です。
換気による圧力差を議論してもあまり意味なさそうですね。
それよりも圧力差があっても壁体内への空気の移流を少なくする工夫が必要です。
換気の問題ではなさそうです。

ちなみに、第一種換気が正圧になるということ自体が怪しいです。
排気ファン、給気FAN 別々にコントロールできますので、内外の圧力差を0にすることも可能です。
当社では最終的に調整しますから最初からそのような心配はいりませんね。

機械内結露、吹き出し口結露

第一種換気だと機械内で結露を起こす可能性はあります。
とても寒冷地の場合は注意が必要です。
熱交換器を凍らせないために、プレヒーターが必要な場合もあります。
当社で使っている換気システムではマイナス15℃以下ではヒーターが必要なようです。
第三種換気でも寒冷地では、外壁貫通部の結露は起こることがあります。施工が大切です。
どちらも、適切な施工、使用条件に合った使い方が必要です。

最近問題になってきているの夏の湿度です。湿度の高い暑い地域で起こっています。
第3種換気で外のジメジメした空気が直接室内に取り込まれると、室内のエアコンで冷やされた壁などで結露を起こしカビが発生してしまうと言うものです。
設備費やメンテナンスを考えて第3種換気で十分と言っていた人たちで、この現象の対応に苦しんでいる人も増えています。
やはり第一種熱交換換気にせざる追えないという考えに変わってきている人もいるのは事実です。

安定的な換気風量の確保できるか?

臭気を取り除く、化学物質を取り除くなど、換気本来の目的を達成するためには安定的な換気風量の確保が一番大切です。

当社ではそれを一番大切にしています。
光熱費削減には第一種、第三種に関わらず換気扇を止めることが一番です。

ですが、そんなことをしたら体に悪いですよね。
家族の健康。快適に住めることが一番大切です。

ですから、きちんと換気できることが一番大切なのです。

当社では、20年以上高気密高断熱住宅を作り続け、換気の法律ができ、換気が義務化される前から換気システムを設置していました。
最初は第三種換気です。
ダクト式、壁付け式の両方をつかい試行錯誤の連続でした。

当社では第三種換気のみでは、どれほど頑張っても安定的に風量を確保することが難しかったのです。

換気で計画換気を成り立たせるためには気密が重要 空気が入れ替わらない場所も?

気密がとれていないと計画通りに上手く空気を流すことが難しいです。
どこからともなく空気が出入りしてしまいます。

当社では高気密なのでこのようなことはありませんが、上手く空気が入れ替わらない場所も出てきてしまいます。
気密がとれてい無いとどうなるでしょうか?入りやすく換気扇の近くの隙間からどんどん入りその辺だけの換気となります。
期待していた給気口からはあまり入らないことが、測定でも解っています。

第一種換気では必要なところに、綺麗な空気を押し込みますから換気による空気の流れが作られやすいですね。

空気の流れを作ることはとても重要です。
トイレには暖房器具が設置されていませんから寒くなりがちです。
しかし、リビングからトイレへの空気の流れができていれば、リビングの暖かい空気がトイレに流れていきトイレが寒いと言うことが無くなるのです。
換気は、空気を綺麗にするばかりでは無く、温度を運ぶということでも重要な役割を担っています。

一部窓開けでは?

気密がとれていない場合と同じような現象が起きやすくなります。

あまりにも当たり前な話ですが、昔のようにトイレだけの窓開けは、あまり良くないことが判っています。
それは第一種、第3種をとわずです。
昔ながらの住宅ですと、寒いからトイレだけ。というふうに考えがちですが、おうち全体を効果的に換気をするために、温度ムラを少なくするためにはトイレだけの窓開けはあまり良くありません。
窓開けしない方が綺麗に空気が入れ替わります。
それでも、気持ちい日には窓開けしたいですね。
開けるなら他の窓も開けたらとても良いと思います。
高気密高断熱の住宅は窓開けが必要無いとか、窓開けしたらダメとか勘違いしている人も多いですが、気持ちいい日には大いに窓開けしましょう。

それでも一部だけ窓が開いてしまっていることもありますね。そうした場合でも室内の空気をきちんと流すには第一種換気が良さそうですね。

室内の温度差により換気が上手くいかない。

これはよく知られていることですが、第三種換気において2階のお部屋の給気口が全く機能しない場合があると言うことが起こります。

本来はこのような計画です。


しかし、室内に室内に温度差ができてしまった場合どうなるでしょう?
寒い日を考えましょう。寒いと暖房をします。暖かい空気は上に上がりますね。
簡単な自然現象です。室内では温度差ができます。
皆さんも2階が暖かく異界は寒いと感じたことは無いでしょうか?
そうするとどうなるでしょうか?

本来空気が入るべき2階の給気口からも空気が出て行こうとしてしまうのです。
高断熱住宅でもこの現象は起こってしまいます。

この現象により、1階の給気口から2階の分まで空気がとり入れられますから、1階は益々寒くなってしまうのです。
それを補うために、さらに暖房と言うことになります。

これを防ぐにはきちんと気密をとり、排気のFANが圧力差により性能が落ちにくいものを選ぶなど注意が必要です。
それでも、計画通りに空気を流すことは至難の業です。

風圧力を甘く考えない

風圧力は大きいです。FANの力よりよほど大きい場合もあります。

給気口、排気口へと空気の流れと、外部の風の流れが順方向の場合、換気量は増えるようです。
エネルギー損失は多くなりますが換気が増えるのは、健康には良いですね。

一方、風の流れが逆方向だったらどうでしょうか?

ほとんど計画通りの換気はされなくなります。
排気FANは空回りになってしまったりすることもあります。

外部のフードカバーなどでできるだけ風圧力の影響を受けないようにしますが、風量を維持するのは難しいようです。

風は吹かないこともありますが、一年中、時期時間を問わず吹いていることも多いので、その影響により換気量が変わってしまうのも困りますね。

第一種換気だと給気側にもFANを付けますから影響は少なくなります。それでも影響が無いことはありませんので、注意しましょう。

ダクト設置の難しさ

第一種換気は初期費用がかかる以外には良いことづくめのように思われるかも知れませんが、大きな問題もあります。

それは施工の難しさです。
特にダクトのレイアウトと上手く施工することです。

ダクトは、長くなると圧力損失が大きくなり換気の量が少なくなります。
また、曲がりが大きいと、流れが悪くなります。

そしてダクトを配管するスペースが必要です。
天井裏、床下など空間が必要です。
その空間を上手くつかいダクトを配管する必要があります。

大きな梁などがあると、スペースが少なくダクトの配管ができないこともあります。
最初の計画が重要ですね。

壁付けの第三種換気であれば、どこにでも設置可能です。
高断熱や、換気にそれほど知識が無くとも、誰でもできてしまいます。

第一種熱交換換気システムは経験や知識が必要と言うことです。
ですが、その知識さえあれば、計画通りの換気をするのはとても簡単で間違いがほぼありません。

第三種換気では、とりあえずの設置は誰でもできますが、計画通りの換気をすることは難しいです。
第三種換気で計画通りの換気ができているという人は、いないのでは無いかと思います。
私が知っている強者たちでも、まあなんとなくできているから良しとしよう。という感じです。

それでも第三種換気が多い理由

きちんと性能を担保するなら、第一種熱交換換気になってしまうのは皆さん理解していただけたと思います。

それでも第三種還気になってしまうのはなぜでしょうか?
それはズバリ イニシャルコストです。

建築時のコストが一番重視されているからです。

初期費用として30万円余分に出すのは大変ですね。
躊躇してしまう気持ちもわかります。

建築業者もお客さんを取り逃したくないので、できるだけコストを抑えたいと思っています。

お客さんが住み始めてからでも、同じ家で第一種熱交換換気と第三種換気を比べることはできませんから、それがクレームになることはありません。

たとえ光熱費が多くても、きちんと換気できず、健康をに影響があっても、温度ムラが大きくても比較できないから大丈夫です。

バレなければ大丈夫。安い方が喜んでもらえる。
そのような感じになっています。

それで、コスト以外のことをよく考えれば第一種熱交換換気が良いと言うことに気づいていながらも、理由を付け第三種換気の方が良いと言う発言になってしまうのだと思います。
いろいろ、正当化する理由を見つけそれをアピールする。
そうなってしまっています。

ですが私も第一種熱交換換気が絶対に良いというつもりもありません。

コストが大切と言うことも判っています。

狭小住宅などで、パイプファンで十分な換気量が確保できる場合には、第一種熱交換換気設備まで必要ないかも知れません。

Posted by 管理者