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髙橋建築

断熱・気密

G1、G2、G3はご存じですよね。
HEAT20で提唱されている断熱グレードです。

一般的には 秩父は5地域なので、G2は0.34 G3は0.23です。
熊谷は6地域なので G2は0.46 G3は0.26ですね。

ですがこの表をよく見てください。
地域のところに 宇都宮と 東京と書いてありませんか?

そうなんです。
5地域の代表として宇都宮で計算してある数値なのです。
6地域は東京を代表都市として計算しています。

本来は、住宅を作る地域で計算し直さなくてはならないのです。

そのツールがこちらです。
外皮水準地域補正ツール

これで補正してみた結果がこちらです。

熊谷も東京と比べると寒そうですがG3はむしろ楽になりました。
秩父はG2が同じでG1,G3は厳しくなりましたね。

熊谷のG3が楽になるのはちょっと驚きです。

HEAT20では「システム認証」と言う精度もあります。
システム認証ホームページ
システム認証では、シナリオの①,③に関しては「概ね満たす」で良いことになっています。
これは、その工務店の建物が一定の水準にあることを示すために作られた制度です。
一つ一つの建物がその水準をクリアーしていると補償するものではありません。

秩父は5地域なのでUA0.23
なので0.23で再計算すると

概ね満たすなのでOKです。
0.24でもOKでした。

しかし、これには大きな落とし穴があります。
「本認証は、この申請で示された内容に従って企画された住宅システムが一定の水準であることを証するもので、建設された個々の住宅の性能を保証するものではありません。」
システム認証G3の建物が本来のG3の性能を持っているわけではないと言うことですね。

ですが、システム認証通りに建てられた建物であれば「G3の認証住宅」と胸を張って言うことができるというわけです。
それも書いてあります。
「本認証は、個々の邸別住宅ではなく、「住宅システム」として、モデルプランを用いて、断熱等の仕様や適用地域を申請いただき、それが一定の水準であることを認証するものです。認証取得後は、申請いただいた内容に適合する住宅全てを、HEAT20 の「認証住宅」と称することができます。」
システム認証をとれば少しハードルが下がるという感じです。

しかし、きちんとG3の建物だと言うなら、建物ごと個別に計算したUA値が、地域補正で求めたUA値以下にしておきたいですね。

このことを、HEAT20の鈴木先生に確認したところご回答いただきました。
「認証に合わせるか否かの差であり、ここはつくり手の判断でよい とおおらかに考えています。」
G1,G2,G3のグレードを作ってくださった先生も、別に数値競争ではないので、それぞれ考えて良い家を作ればそれで良いと考えていらっしゃるみたいですね。

たまに、HEATが競争をあおっているかとのようなことを言う人がいますが、それは間違いです。
UAの競争ではなく、住みやすく省エネな家を作るためのシナリオを満たすか満たさないかという水準です。
住宅シナリオ

「日射の計算が入っていない」とか「換気の計算が入ってない」とか目くじらを立てて行っている人がいますけど、あくまでもシナリオを満たすための、目安ですから。
先生がおっしゃるように それぞれが「おおらかに」利用しましょうね。(笑)


皆さんも自分の地域で試してみてくださいね。
 

断熱・気密

省エネで快適に住むには、冷暖房のエネルギーの少ない家を作ることが重要です。

そのためにきちんと計算をし断熱の設計をしています。

そして、重要なのはきちんと作ることです。

施工のばらつき

きちんとした性能を出すためには、正しい施工が重要です。
より丁寧な施工が必要です。

ですが、100%の施工はできません。人の手に委ねるものですから施工ミスも起こりえます。
そして施工者によるばらつきもあります。

これらは仕方の無いことです。
それらをできる限り減らしたり、万が一の時でもリスクの無い納まりにすることが重要です。

丁寧に時間をかければ良いというものでもありません。
コストを落とすためには施工品質を確保しつつ、施工のスピードも体で切です。

施工スピードを上げると、どうしてもきちんとできないところも出てきます。

どこが重要か?どこが重要では無いか?

例えば断熱材の施工でもとても重要なところとあまり重要では無いところがあります。

それをやったら結露のリスクが高まり家が腐ってしまう。それでは困りますね。
とても重要なことです。
それは適当でもほぼ性能に差が無い。このような場所に手間をかけても人件費が高くなるだけですね。

全てのことを100の精度でやれば良いのですがそれは不可能ですね。
重要なところは確実に。それほど重要で無いところはある程度曖昧に。
そうできないと施工者も大変です。
一から十まで張り詰めた状態だと、本当に重要なところのミスが増えてしまう可能性がありますね。

理屈を知らないとどこが重要か見誤ることがありますね。
普段から施工者も学ぶことが重要です。

断熱材に気流が入ると断熱性能が落ちる

当たり前のことですが、断熱材がしわしわになっていたりすると、空気が通りやすい空間ができてきて壁体内で気流が起こります。

そうすると断熱材の性能が発揮されないのです。

柱間柱の空間の寸法にあった断熱材を使わないといけない理由がそれです。
もちろん断熱材が小さければ空間が空いてしまいますし、断熱材が大きくて無理矢理詰め込んでもしわしわになってしまいます。

出展旭ファイバーグラスホームページ

きちんと断熱材が奥まで入れられていない場合もそうですね。

一般的な袋入り断熱材の施工方法

https://www.afgc.co.jp/knowledge/2017/04/26/27

シート別張りの断熱材でやる方が楽かも知れませんね。

気流を入れない

断熱材の入れ方が100%上手くいかないなら隙間を塞ぎ気流を入れなければ良いという考え方もあります。
そもそも壁体内に気流が入らなければ、断熱材の隙間を空気が動くようなことも無くなるはずです。

壁体の表裏で対流が起こるほどの隙間は考えられません。主には壁体の上下での隙間を無くすことが重要そうです。

どのような隙間があるか?

壁体に気流が入るところはどのような場所でしょうか?

土台と剛床
剛床と柱回り
巾木周り
コンセント
スイッチ
壁と天井の取り合い
桁との取り合い
そして耐力面材と躯体
ダクト、配線などの貫通部

たくさんありますね。
それらをきちんと塞ぐことが重要ですね。

躯体ワーキンググループ

HEAT20では設計部会の中に躯体WGというのがあります。
そこで現実の施工に沿った方法での検証が進められています。

私も委員の一人なのですがとても勉強になります。
そこでの話し合いの内容なども皆さんにお伝えしたいのですが、まだ公式に発表されていないので残念ですがここに書くことができません。

当社の住宅には、それらの内容を素早くフィードバックしておりますのでご安心ください。



日記・想い,設備・空調

近畿大学の東京センターで HEAT20のイベントが行われました。

ONLINEセミナーで、東京から全国へ配信です。

私も呼ばれ参加してきました。

建築業界の人なら知らない人はいないと思われる、先生方
この先生方とご一緒できるなんて光栄です。

様々な報告を生で聞くことができてとても勉強になりました。

私はこちら側。
こちら側もすごい面々です。

今回のお題は 「改めて考えるHEAT20水準の住宅と 空調システム・暮らし方」。

私が考える 高性能住宅 G3 パッシブハウスレベルの建物の空調設備について発表させていただきました。
高性能な外皮性能を持つ住宅になると設備の使い方も大きく変わってきます。
既存の考え方はなじまなくなります。

私の考え方の中心をお伝えする最初のプレゼンシートです。

将来、ホームオーナーさんの負担になるような、過剰な設備 高価な設備、複雑な設備はいらないと考えています。

当社は家の性能、エアコンの仕組みで 解決します。
家電量販店でも手に入る機器のみで構成することにより、万が一壊れたときの修理も簡単です。
買い換えとなったときも、簡単です。

高価な全館空調システムだと、何十万円以上かかります。
300万くらいかかったという話も聞きます。

まどりの変更時もパッケージ化された全館空調システムだと変更は難しいですね。
当社の仕組みなら臨機応変に対応可能です。

その辺が評価され、今回のセミナーに呼ばれ登壇させて貰ったのだと思います。

皆さんご存じないかも知れませんが、エアコンは、一般的な家庭用の壁に付けるものが一番性能が高いです。
普段、家電量販店に売られているものですね。
普通のエアコンが一番売れますからメーカーもここに力を注ぎます。
そのエアコンは性能も高いし、数も出るので値段も安いです。
壊れても取り替えやすい。
良いことづくめです。
これを使わない手はありません。

それではなぜハウスメーカーは独自の全館空調システムを使うのでしょうか?
それはあまりご存じない一般のお客様をだましやすいからです。
すごそうに見えますよね。
実は全くたいしたことないですよ。
そして将来壊れたときにはすごく利益も出せます。
特殊な設備なので他社に修理を依頼できませんからお客様は住宅会社の言いなりとなります。修理せざる追えませんから、200万かかると言われれば200万払わざる追えませんよね。
修理費が払えないので、修理できずに、その全館空調システムは壊れたままにして、普通のエアコンを壁に付けざる追えない方も多いようですね。

建物はできるだけシンプルに。
直さなくてはならないところをできるだけ作らない。
修理費がかからないように計画する
汎用品で構成する

大切なことですね。