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髙橋建築

日記・想い

最近は、YOUTUBEや SNS等で換気に関する様々な発信がされていて 迷っていませんか?
第一種換気が良い!と言いきる人や
第一種換気では絶対ダメだ!と言いきる人がいて混乱しますね。
このブログもyoutubeで言い切っている人がいたので、困ったなと思い書きました。
私も、10年以上前は迷いに迷った時期がありましたが、この人もそうなのでしょう。
発言を聞いていると自分で知り得た知識だけで、一生懸命それっぽく解説しています。
考えるきっかけになるとは思うので見てみると面白いと思います。
ちょっと残念な動画もたくさんありますが、勘違いしている説明を聞くのも、私には参考になりました。
いろいろたくさんあるのでたくさん見て比べてください。
「こういうふうに説明するんだ!」ととても参考になります。

今回は、簡単にかいつまんで説明します。
疑問点、ご質問などありましたら、お気軽にメールください。

なぜ換気が必要なの

住宅は様々な建材から作られており、それらが発生する化学物質があります。
さらに住み始めてからも家具や、家電、衣類など様々なものが持ち込まれ、それらも化学物質を発生します。
また、人間が住むことで、臭気もありますね。
健康維持のため室内の汚染物質を除去したり臭気をとったりするために一定量の換気をする必要があります。

毒だらけ、臭い匂いのするおうちはいやですね。

換気なんていらないという人もいますけど、昔のような隙間だらけのおうちならいらないでしょうね。
でも今のおうちはそうじゃないですから、換気は確実に必要ですね。
換気が必要無いレベルのおうちには住みたくないですね。

そして、換気のもうひとつ重要な役割は、熱を運ぶ、分散すると言うこと。
きちんとした空気の流れを作ることで、おうちの中の温度ムラを少なくします。

これはとても重要な役割ですね。これに気がついていない実務者もいますから気をつけましょう。

換気の種類

住宅では主に第1種熱交換換気と第3種換気が使われています。
他にもありますけど割愛します。

第一種換気は 給気と排気 両方空気をFANの力で動かします。
外部の綺麗な空気を入れるにも換気扇。汚れた空気を外に出すのも換気扇です。

第三種換気は 排気のみFANで動かし 給気口から自然に取り込む仕組みです。
空気を取り込むのは、圧力差で自然です。


外に排出した分だけ、給気口から入ってくると言うことですね。

そしてもうひとつ、第一種換気でも 熱交換をするものを特に第一種熱交換換気と言います。

換気すると言うことは、冬にはせっかく暖めた空気をそとに捨ててしまうと言うことです。
もったいないですね。
もったいないので、その捨ててしまう熱で、取り込む新鮮空気を暖めようと言うわけです。

出展:ローヤル電機ホームページ

暖めるのに、ヒーターなどがあるわけではありません。ただ、暖かい空気と冷たい空気をすれ違いさせるだけです。
手が冷たくなっても、暖かいものに触れているだけで、手が温まりますよね。
それだけの単純な仕組みです。

すごいですね。魔法のような仕組みです。

第一種換気、第三種換気 どちらが良いの?

それでは第一種換気と第三種換気どちらが良いのでしょうか?

その良い悪いは、考え方によって変わります。
何を重視するかによって大きく異なるのです。

考え方の違いによりどちらを選ぶか?
それを様々な角度から整理していきましょう。

コストによる違い 建築時のコスト

ますは イニシャルコスト
建築時のコストですね。
第三種換気は排気FANをトイレ等の汚れた空気がたまるところに取り付けます。
汚れた空気が一番あるところから出すのです。
そして、寝室やリビング、子供室などに自然給気口を設置します。
寝室やリビングからトイレなどへ空気の流れができます。
部屋の数、FANの大きさ等で変わりますが30坪くらいのおうちなら10万円以下なのでは無いかと思います。

第一種換気は一般的に機械は一つで、給気口や排気口を各お部屋に設けダクトでつなぎます。
当社の場合工事費を含めて40万円くらいだと思います。

出展:ローヤル電機ホームページ

第一種換気は高額ですね。

ランニングコスト 冷暖房エネルギー

第三種換気と比べて第一種熱交換換気は大幅に光熱費が変わります。
ですが注意が必要です。
寒い地域ではその効果は大きいですが、暖かい地域ではその恩恵は少なくなります。

出展:ローヤル電機ホームページ

これは、様々な条件を元に計算しているようです。参考程度に。
気密性能、断熱性能で変わります。電気代も高騰していますので、より差が大きくなってきています。

埼玉が例ですが、設備費が30万円違ったとしても12年で元が取れる計算です。
同じ埼玉でも当社のある秩父ではもっと効果がありそうですね。

ランニングコスト メンテナンス。

メンテナンスも重要です。

まずは、日々のメンテナンス。
どちらも定期的にフィルターのお手入れが必要です。

汚れたら清掃してください。
ホコリを取り除き、綺麗にしてください。
水洗いできるものもあります。

第三種換気のフィルターは それぞれの給気口に付いてます。
外から虫や、ホコリなど入らないようにするためです。
排気口には付いていない場合がほとんどです。
30坪くらいのおうちなら5カ所くらいでは無いでしょうか?
ネット検索すると5枚で3000円くらいのようです。

一方、第一種換気のフィルターは本体に大きなものが2つ。
外から虫などが入らないようにするためのものと、家の中のホコリが熱交換素子に付かないようにするためのものです。
室内の排気グリルに小さなものが付いてます。これはダクト内が汚れないようにするためのものですね。
ローヤル電気さんの通販サイトでは10000円くらいかかるようです。

洗うこともできるので毎年交換というわけではないですが、数年に一度交換した方が良さそうです。

そして、何年か判りませんが、機器の故障、交換も必要になると思います。
第三種換気に使われるパイプファンなら工事費も含めて5万位ですむかと思います。
しかし第一種換気のFANの取り替えはもっと高額になることが予想されますね。
ダクトはそのまま使えますし、モーターは取り替えやすく作られていますので、作業は簡単そうですが、5万円では無理な気がします。10万くらいは覚悟しておいた方が良いかもしれません。
当社ではダクト式の換気システムは25年くらい前のものが最長なのですが、まだ壊れないので、どのくらいで修理が必要なのかよくわかっていません。

ダクト式の換気システムの場合、ダクトの汚れを気にする方がいらっしゃいますが、当社で10年くらい使われた給気ダクト内は、ほとんど汚れがありませんでした。できるだけホコリがたまりにくいダクトを選んでおけば気にすることはなさそうですね。

外壁の貫通部分のリスク

換気扇設置には、どうしても外壁に穴を開ける必要があります。
穴を開けると言うことは、雨漏りの原因にもなりますし、気密低下の恐れもあります。
貫通分の処理によっては内部結露も誘発しそうです。

ですから、貫通部分は少なければ少ない方が良いですね。

第一種換気では、給気、排気それぞれ1カ所にまとめられますから、外壁貫通部分は2カ所のみです。

一方、第三種換気では、給気口、排気口がたくさんあります。間取りによって違いますが、30坪のおうちなら7~10カ所くらいでしょうか?

とてもたくさん穴が空いてしまうのに驚かれる方も多いようです。
穴は少なければ少ないに越したことはなさそうです。

冷気の侵入

換気は外の空気を中に入れます。

外がとても寒いとどうなるでしょう?

想像の通り給気口からとても冷たい空気が入ってきます。
その冷たさを感じさせないために、給気口を人がいないところにできるだけ付けたり、できるだけ拡散されるところに付けたりしますが、冷たい空気が入ってしまうことには変わりないですね。
寝ているときに顔し寒い風が当たるのはつらいですね。

それほど寒くない地域なら問題とならないかも知れませんが、寒くなる地域ではとても気になります。
気になって換気を止めてしまう人がいますが、健康のため止めてはダメです。

温度ムラの問題

第三種換気は冷たい空気を直接取り込んでせっかく暖房した暖かい空気を出してしまいます。
それに比べ、第一種熱交換換気では、給気する空気も暖まってお部屋に配られますからそれほど温度が低くありません。
ですから、第一種熱交換換気の方が圧倒的に温度ムラは少なくなります。
第三種換気でも給気口近くに熱源を持ってくればそれを防ぐことはできますが、それぞれの給気口に熱源を付けるとなると、せっかく安かったイニシャルコスト、ランニングコストの意味が無くなりますね。
お金だけの違いで無く、生活の質に大きな差があります。

内部結露のリスク

先にご紹介したyoutubeの中にはこじつけのように第一種換気の内部結露のリスクを言っているものがあります。
第一種換気では室内が正圧になりやすく、第三種換気では負圧なので・・・・とかなんとか。(笑)

あまりご存じない方は、機械の性質だけを見てこういうことを言う方が多いです。
まあ問題になるような正圧にはならないし、調整は簡単です。

まずは正圧がそれほどまずいのか?と言うことです。
負圧なら良いのかと言うことです。
正圧だと室内の湿った空気が入るから内部結露する。と言うのですが(笑)
この人の理論だと、第三種換気の場合、負圧なので外の空気が壁体内に入ってきます。
それはそれで夏型の結露が起こる可能性が高くなります。
今後温暖化は進むでしょうから、こちらが問題になる可能性が大きいです。
負圧だからと言う理由では無いですが、夏型結露で苦しんでいる人が増えているのは確かです。

圧力差は少ない方が壁体内に空気が移流しないというのは確かです。
どのくらいの圧力差でどのくらいの量の空気が壁体内に移流するのでしょうか?
そういったことも大学の実験も
換気システムによる圧力差と、風圧による圧力差はどちらが大きいでしょうか?

それは圧倒的に風圧による圧力差です。
換気による圧力差を議論してもあまり意味なさそうですね。
それよりも圧力差があっても壁体内への空気の移流を少なくする工夫が必要です。
換気の問題ではなさそうです。

ちなみに、第一種換気が正圧になるということ自体が怪しいです。
排気ファン、給気FAN 別々にコントロールできますので、内外の圧力差を0にすることも可能です。
当社では最終的に調整しますから最初からそのような心配はいりませんね。

機械内結露、吹き出し口結露

第一種換気だと機械内で結露を起こす可能性はあります。
とても寒冷地の場合は注意が必要です。
熱交換器を凍らせないために、プレヒーターが必要な場合もあります。
当社で使っている換気システムではマイナス15℃以下ではヒーターが必要なようです。
第三種換気でも寒冷地では、外壁貫通部の結露は起こることがあります。施工が大切です。
どちらも、適切な施工、使用条件に合った使い方が必要です。

最近問題になってきているの夏の湿度です。湿度の高い暑い地域で起こっています。
第3種換気で外のジメジメした空気が直接室内に取り込まれると、室内のエアコンで冷やされた壁などで結露を起こしカビが発生してしまうと言うものです。
設備費やメンテナンスを考えて第3種換気で十分と言っていた人たちで、この現象の対応に苦しんでいる人も増えています。
やはり第一種熱交換換気にせざる追えないという考えに変わってきている人もいるのは事実です。

安定的な換気風量の確保できるか?

臭気を取り除く、化学物質を取り除くなど、換気本来の目的を達成するためには安定的な換気風量の確保が一番大切です。

当社ではそれを一番大切にしています。
光熱費削減には第一種、第三種に関わらず換気扇を止めることが一番です。

ですが、そんなことをしたら体に悪いですよね。
家族の健康。快適に住めることが一番大切です。

ですから、きちんと換気できることが一番大切なのです。

当社では、20年以上高気密高断熱住宅を作り続け、換気の法律ができ、換気が義務化される前から換気システムを設置していました。
最初は第三種換気です。
ダクト式、壁付け式の両方をつかい試行錯誤の連続でした。

当社では第三種換気のみでは、どれほど頑張っても安定的に風量を確保することが難しかったのです。

換気で計画換気を成り立たせるためには気密が重要 空気が入れ替わらない場所も?

気密がとれていないと計画通りに上手く空気を流すことが難しいです。
どこからともなく空気が出入りしてしまいます。

当社では高気密なのでこのようなことはありませんが、上手く空気が入れ替わらない場所も出てきてしまいます。
気密がとれてい無いとどうなるでしょうか?入りやすく換気扇の近くの隙間からどんどん入りその辺だけの換気となります。
期待していた給気口からはあまり入らないことが、測定でも解っています。

第一種換気では必要なところに、綺麗な空気を押し込みますから換気による空気の流れが作られやすいですね。

空気の流れを作ることはとても重要です。
トイレには暖房器具が設置されていませんから寒くなりがちです。
しかし、リビングからトイレへの空気の流れができていれば、リビングの暖かい空気がトイレに流れていきトイレが寒いと言うことが無くなるのです。
換気は、空気を綺麗にするばかりでは無く、温度を運ぶということでも重要な役割を担っています。

一部窓開けでは?

気密がとれていない場合と同じような現象が起きやすくなります。

あまりにも当たり前な話ですが、昔のようにトイレだけの窓開けは、あまり良くないことが判っています。
それは第一種、第3種をとわずです。
昔ながらの住宅ですと、寒いからトイレだけ。というふうに考えがちですが、おうち全体を効果的に換気をするために、温度ムラを少なくするためにはトイレだけの窓開けはあまり良くありません。
窓開けしない方が綺麗に空気が入れ替わります。
それでも、気持ちい日には窓開けしたいですね。
開けるなら他の窓も開けたらとても良いと思います。
高気密高断熱の住宅は窓開けが必要無いとか、窓開けしたらダメとか勘違いしている人も多いですが、気持ちいい日には大いに窓開けしましょう。

それでも一部だけ窓が開いてしまっていることもありますね。そうした場合でも室内の空気をきちんと流すには第一種換気が良さそうですね。

室内の温度差により換気が上手くいかない。

これはよく知られていることですが、第三種換気において2階のお部屋の給気口が全く機能しない場合があると言うことが起こります。

本来はこのような計画です。


しかし、室内に室内に温度差ができてしまった場合どうなるでしょう?
寒い日を考えましょう。寒いと暖房をします。暖かい空気は上に上がりますね。
簡単な自然現象です。室内では温度差ができます。
皆さんも2階が暖かく異界は寒いと感じたことは無いでしょうか?
そうするとどうなるでしょうか?

本来空気が入るべき2階の給気口からも空気が出て行こうとしてしまうのです。
高断熱住宅でもこの現象は起こってしまいます。

この現象により、1階の給気口から2階の分まで空気がとり入れられますから、1階は益々寒くなってしまうのです。
それを補うために、さらに暖房と言うことになります。

これを防ぐにはきちんと気密をとり、排気のFANが圧力差により性能が落ちにくいものを選ぶなど注意が必要です。
それでも、計画通りに空気を流すことは至難の業です。

風圧力を甘く考えない

風圧力は大きいです。FANの力よりよほど大きい場合もあります。

給気口、排気口へと空気の流れと、外部の風の流れが順方向の場合、換気量は増えるようです。
エネルギー損失は多くなりますが換気が増えるのは、健康には良いですね。

一方、風の流れが逆方向だったらどうでしょうか?

ほとんど計画通りの換気はされなくなります。
排気FANは空回りになってしまったりすることもあります。

外部のフードカバーなどでできるだけ風圧力の影響を受けないようにしますが、風量を維持するのは難しいようです。

風は吹かないこともありますが、一年中、時期時間を問わず吹いていることも多いので、その影響により換気量が変わってしまうのも困りますね。

第一種換気だと給気側にもFANを付けますから影響は少なくなります。それでも影響が無いことはありませんので、注意しましょう。

ダクト設置の難しさ

第一種換気は初期費用がかかる以外には良いことづくめのように思われるかも知れませんが、大きな問題もあります。

それは施工の難しさです。
特にダクトのレイアウトと上手く施工することです。

ダクトは、長くなると圧力損失が大きくなり換気の量が少なくなります。
また、曲がりが大きいと、流れが悪くなります。

そしてダクトを配管するスペースが必要です。
天井裏、床下など空間が必要です。
その空間を上手くつかいダクトを配管する必要があります。

大きな梁などがあると、スペースが少なくダクトの配管ができないこともあります。
最初の計画が重要ですね。

壁付けの第三種換気であれば、どこにでも設置可能です。
高断熱や、換気にそれほど知識が無くとも、誰でもできてしまいます。

第一種熱交換換気システムは経験や知識が必要と言うことです。
ですが、その知識さえあれば、計画通りの換気をするのはとても簡単で間違いがほぼありません。

第三種換気では、とりあえずの設置は誰でもできますが、計画通りの換気をすることは難しいです。
第三種換気で計画通りの換気ができているという人は、いないのでは無いかと思います。
私が知っている強者たちでも、まあなんとなくできているから良しとしよう。という感じです。

それでも第三種換気が多い理由

きちんと性能を担保するなら、第一種熱交換換気になってしまうのは皆さん理解していただけたと思います。

それでも第三種還気になってしまうのはなぜでしょうか?
それはズバリ イニシャルコストです。

建築時のコストが一番重視されているからです。

初期費用として30万円余分に出すのは大変ですね。
躊躇してしまう気持ちもわかります。

建築業者もお客さんを取り逃したくないので、できるだけコストを抑えたいと思っています。

お客さんが住み始めてからでも、同じ家で第一種熱交換換気と第三種換気を比べることはできませんから、それがクレームになることはありません。

たとえ光熱費が多くても、きちんと換気できず、健康をに影響があっても、温度ムラが大きくても比較できないから大丈夫です。

バレなければ大丈夫。安い方が喜んでもらえる。
そのような感じになっています。

それで、コスト以外のことをよく考えれば第一種熱交換換気が良いと言うことに気づいていながらも、理由を付け第三種換気の方が良いと言う発言になってしまうのだと思います。
いろいろ、正当化する理由を見つけそれをアピールする。
そうなってしまっています。

ですが私も第一種熱交換換気が絶対に良いというつもりもありません。

コストが大切と言うことも判っています。

狭小住宅などで、パイプファンで十分な換気量が確保できる場合には、第一種熱交換換気設備まで必要ないかも知れません。

パッシブハウス,環境・エネルギー

PHIUS WUFIPassive  PHI PHPPの計算結果を比較してみました。
おまけに日本の一次エネ基準も。

パッシブハウス基準と言えば、世界的には ドイツPHIの基準です。

しかし、その基準をベースに変更を加えたアメリカ PHIUSのパッシブハウス基準があります。

どちらにも特徴があり、良い悪いと言うことはありません

今回は同じ家での計算結果を皆さんにご紹介したいと思います。

まず WUFI Passive

そして次に PHPP

そして最後に 日本の一次エネ基準

これを表にすると、

日本の現在の基準では、冷房負荷、暖房負荷を厳密に計算できていないので除きました。

まずHeateing demand 年間の暖房エネルギーですね。日本では暖房需要と言います。
()内はそれぞれの認定基準です。WUFI Passiveの方が少し多めに出ました。
ですがPHPPとそれほど変わらないと言えます。
ほとんど計算ロジックは同じだからです。
しかし日本式の計算は33.19kWh/㎡年と大きく違います。
日射の影響の考慮などが上手く入れられないことが原因でしょうか?
計算も前者2つの方法と比較するとかなりパラメーターも少なく乱暴な方法なのでやむを得ないかも知れません。
今まで当社で建てたパッシブハウスの実測では、パッシブハウスの計算より少し少なめです。
PHPPが精度高そうです。実際はもっと低いですけど。まだ日本のようなヨーロッパに比べると暖かい地域に関しては、厳しすぎる感じがします。
日本の基準は今までのスカスカ住宅を基本に計算しているので、いきなりパッシブハウスのような超高断熱の数値を入れてもとても外してしまうのでしょうね。読み切れていないのでは?と思ってしまいます。
日本の計算方式は、簡単に計算できると言うことを一番に考えているらしく、ちょっと残念というか、もったいない気がします。
せっかく計算するのだからもう少しきちんと計算できるようにした方が良いのでは無いかと思うのです。
(日本のほとんどの建築士さんが付いてこれていないと馬鹿にされているようです。)

次はCooling demand
こちらは、割と外皮の影響が少なく、日射の影響、潜熱負荷(除湿)の取扱の影響が大きく出ます。
PHIUS基準は特に潜熱の負荷の計算に注力していると以前聞いたことがあります。
そのせいでしょうか?28.03kWh/㎡年と大きな値ですね。PHPPでも16.36kWh/㎡年です。
日本の計算値8.83kWh/㎡年はちょっと無いかなと思います。
きっと潜熱負荷をきちんと計算してないからでしょうね。
この数字に関しても実測しているとPHPPがかなり精度高く当たります。
ただし、より快適にと除湿をさらにするとPHPPの予想値を少しだけ超えることもあります。
PHIUSの予想数値まではとても行かないと思いますが、冷房需要はまあまあ大きいです。
今後益々、温暖化が進みますから、冷房需要は少し多めに考えておいて良いかも知れませんね。
PHIUSの数値ぐらいを見据えて太陽光発電や、蓄電池の容量を考えても良いかもしれませんね。

各LOADについてはほぼ同じですね。
一番寒いとき、一番暑いときでも 6畳用エアコンあれば十分との結果です。
これだけ複雑なシミュレーションをして WUFI Passive PHPPとも同じくらいの数値をたたき出してくるのはすごいですね。
びっくりです。

これらの計算は、建物の大きさや形状、用途、日射のあたり方などで、計算結果が変わります。
今回は真南向きで、日射を遮るものが無い建物の結果でした。
今後、全く違う条件の建物でも比較してみたいと思っています。

パッシブハウス,建築費・光熱費,環境・エネルギー

無尽蔵とも言える太陽のエネルギー。

しかも太陽エネルギーは無料です。

これを上手に利用しなくてはもったいないですね。

とてもお世話になっている 都立大の須永先生が 以前会長を努めておられた
日本太陽エネルギー学会】が太陽について判りやすいyoutube動画を上げてました。

皆さん太陽について学んでみませんか?

もっともっと、太陽のエネルギーを利用していきましょう。

当社のパッシブハウスは、まさに太陽のエネルギーで、暖房エネルギーのほとんどをまかないます。
写真を見てください。とても温かそうですね。
条件さえ整えば、暖房なしで冬を越すことも可能です。

そして、さらに太陽光発電で電気を作ります。電気代も格安です。

皆さん。太陽を旨く利用できる設計をしましょうね。
使わないともったいないですよ。

日記・想い

8/27~30に建築学会が行われました。
お世話になっている先生方に会えたり、新しい最先端の研究成果に出会えるのでとても有意義です。

今年は明治大学が会場です。近くて良いと思っていたら、台風と当たりました。

飯能駅まで車で行って、大雨の中歩いたためズボンはびしょびしょです。傘は飛びそうだし、大変でした。
日本全国から研究者の皆さんが集まりますが、来るときはそれほどでも無くこれても、帰るに帰れない人も多かったようです。
お世話になっている京都大学の先生は電車が動いているうちにと、ご自分の発表の後、金沢周りで帰られてしまいました。

建築も数多くの分野があります。
分野が多数で、どのくらいの論文発表があるのか判りませんが、環境系だけでもすごい数です。
私は、環境系メイン、構造、材料など性能に関わる部分をチェックしました。
どれを聞くか、どんなタイミングで移動できるか事前にシミュレーションしていくのですが、聞きたいのだけでもたくさんあります。
かぶっているものも多く、セッション中の移動も難しいので、興味無いものもいる必要があります。
数えたら89本の研究の発表を聞いたみたいです。疲れるはずです。(笑)
高断熱住宅に関する研究などは目新しいものが少なく、特に実測調査などは、当社の方がよほど進んでいて、ちょっと残念な感じでした。

印象に残ったのは、換気、カビ、コロナ家庭内感染、住宅内マイクロプラスチック等の研究です。
当社の住宅では上手くいっていると再確認できたものとさらに工夫が必要なものが見つかりました。
今後の住宅に取り入れていこうと思います。

興味深かった論文の内容等はかいつまんでブログで報告できたらと思います。