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髙橋建築

耐震・構造

日本各地 どこでも地震は起こる

大きな地震が度々起こります。

昨年は能登。
熊本
311の東北 三陸沖
・・・・

元々地震が起こりやすいところもありますが、起こりにくいところでも安心出来ません。
日本自体がプレートの端に乗ってます。どこで大きな地震が起こってもおかしくないと言うことは周知の事実です。

明日は秩父で大きな地震が起こる。そんなこともおかしくないのです。

「秩父は固い地盤にのっているから地震に強い。」知ったかぶっていっている人いますね。
固い地盤の利点はあります。液状化がないとか、不同沈下が起きにくいとか。
地盤の揺れの周期が短いというのもそうかも知れませんね。
ですが、近くで地震が起きたら同じです。
ダイレクトに揺れが伝わります。

ダイレクトに揺れが伝わるのですよ。
怖い!

不測の事態に備えて建物は、できるだけ強く作っておかなくてはなりません。
許容応力度計算、耐震等級3が当たり前ですね。

構造計算の基本の資料

耐震性について学びたいかたはこの本をじっくり読むと良いですよ。
この本が元で許容応力度計算の基本のルールが書かれています。

木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版)
http://howtecs.shop-pro.jp/?pid=115990814

木造の構造計算のバイブルです。
グレー本」と言えば通じます。通じない人は怪しい。(笑)
この本がなくて構造計算がわかりますとか言っている人は、いないと思います。

この本に付箋がいっぱい付いているようなら安心できる建築士だと思いますよ。
あなたのお願いする事務所覗いてみてください。
構造設計者の手の届くところに必ずあるはず。(笑)

許容応力度計算しているだけでは安心ではない。

最近は許容応力度計算をするのが基本になってきていますね。

ですが、落とし穴があります。
設計者が構造計算を理解しているか?していないかで大きく違います。

計算の仕組みや応力伝達の仕組みを理解して間取りを作り窓を配置した建物と、やりたい放題のまどりの建物では全く違うのです。

許容応力度計算も限界があります。
ある程度はこういう風になっているという前提があるのです。
構造の区画とか、骨組みの組み方とか。
ですから適当な構造区画で計算上は、成り立っても実は上手く力が伝わらない。と言うのもあったりします。

デザインや間取りにばかりこだわって、きちんと構造の初歩を勉強していない人に多く見られます。
建築士でも理解していない人も多いようです。
メーカーの営業さんも理解している人が少なそうですね。

大手ハウスメーカーは比較的安心

ですが、超大手ハウスメーカーは建物のルールがしっかりしていて、無理した間取りは作れないようになっているところが多いですからその辺は安心です。
間取りに自由がきかない理由がそこにあります。
自由がきかないルールがあるから安心なのです。
「その間取りはできない」と言われたら諦めましょう。

何でもできる住宅会社は要注意

一方、何でもできるという建築会社は注意してください。
構造計算のルールを知らないから何でもできてしますのです。
許容応力度計算をしているから安心と思わないですください。
計算を無理矢理成り立たせているだけかも知れません。
いろいろ手を尽くせば無理矢理計算を成り立たせることはできます。
自分で計算出来ない人は、書きたい放題の間取りを書いて後は構造計算出来る建築士に丸投げ。
それを受けた建築士は「こまったな。なんとかしなくちゃ。」
みたいな感じなのです。
自動車で言うなら無理矢理走らせるようにした車みたいな感じでしょうか?
そんな車に乗りたいですか?

素直に力が伝わり流れる構造が大切

地震の力が建物に入ったときにその力を上手く分散しながら伝え、受け流していくことが大切です。

そのためには、構造区画を確り考え、その区画ごとに力が上手く伝達していく。
大きな力が一つの場所にかからない。と言うことが大切です。

具体的には、構造の区画をあまり大きくせずに外周面にきちんと耐力壁を配置し、その耐力壁同士をきちんと水平構面でつなげて塞ぐ。耐力壁線間距離もできるだけ短くなるように無理はしない。軸力が集中しすぎない。大きな引き抜きが生じない。他にもありますが基本はこんなところ。

そして部材一つ一つに変な力がかからないようにする。長期的に変形が進まないように配慮する。
耐久性のある素材で構成する。

大切なことはたくさんあります。

建築会社の見極め

本当に安心した設計、構造計算をしてくれる建築士か見極めるの大変ですね。

その人が構造について勉強しているか?していないか?
まじめに考えているか?
私の経験上5年くらい構造の勉強をしていればある程度安心かもです。
すごい知識のある構造計算のできる上司の下で学べるならもっと短くて住むかも知れませんけど。
私も若い頃の知識と今の知識全く違いますから。
中途半端な知識だとちょっと怖いなと言うのもあります。

判断基準はそういうところでしょうか?
遠慮がちに質問してみるなら「構造計算書はいただけますか?」
長期優良住宅の認定は標準ですか?」
みたいな感じでしょうか?
ちょっとでも渋るなら怪しい。
ちょっとマニアックなお客だと思われても良いなら「屋根の水平構面はなんですか?」とか「耐力壁の強さを釘ピッチでコントロールしてますか?」「準耐力壁使いますか?」
と言う質問も面白いかも。このあたりはまだ初歩なので。
計算ロジックに関するこれより細かい質問だと怪しまれそうです。面倒な客だと断られてしまいかねないので慎みましょう。(笑)

一級建築士
パッシブハウスジャパン理事
髙橋慎吾

日記・想い,耐震・構造

耐震の説明動画ご紹介

当社ではオーナー様のLINEグループがあります。
そこであるオーナー様から良い動画を紹介していただきましたのでリンクを張っておきます。
https://youtu.be/j3A1wYBc2U0?si=kVcY6v0UcAyFytjt

佐藤先生の構造の説明は解りやすいですね。
私の構造設計の恩師ともいえる人です。

私は今までの人生で、その分野トップの人から上手く学んで来ているのがとてもラッキーです。
と言うか、実力のある本物の人を探しとその人から学ぶのが得意です。
中途半端な人から学んでも時間の無駄ですよね。
いまのYOUTUBE乱立でいい加減な人の発信を信じてしてしまっている一般のユーザーはとても気の毒ですし、われわれもそれを信じたお客様が理解し直して貰うために説明し直しが必要になるなど、とても打合せが大変になってきています。

実際に見て地震の恐ろしさを感じる

今回の地震は、まだ全貌が明らかになっていないですが、落ち着いたら社員と行っててみようと思っています。
実際の建物の壊れ方を見るのはとても勉強になります。
不謹慎と思わないでください。
設計側と作る側がきちんと地震の怖さを理解していないと、このくらいで良いだろうという感覚になってしまいがちです。
地震の恐ろしさを我々建築業者の体にしみこませることはとても大切です。
熊本も2度行きました。
能登半島、全部を見て回るわけにも行かないので、特長がでている場所に限定しなくちゃですね。

熊本地震で壊れた社寺建築

温熱設計と構造設計の融合は難しい

温熱設計と構造設計を融合させるのは、かなり難易度が高いです。
温かい省エネな家を作るには、太陽の日射熱取得のために南面に大きな開口が必要になります。そしてそこに広いリビング、温かい家になると大きな吹抜も可能になります。
南側の壁量や、水平構面がたりなくなりやすいです。
太陽光発電のパネルなども南面に載せるので片荷重になりやすいです。
その辺の理解が少ない実務者が多いですね。
ホームページやチラシなど見ても「ちょっとまずいのでは?」というのを見かけます。
今デザインを売りにしている秩父の工務店さんの悪口となるといけないですけど、佐藤先生が言うように「形になるからと何でもやって良い」という訳ではありません。

地震の怖さを施主様にも認識して貰う。

地震の怖さを施主様に十分伝えられるかはとても大切です。そこを理解して貰っていると打合せもスムーズです。
私が書く図面も初期プレゼンの間取りが一番構造がしっかりしています。
今のお客さんはインスタなどで見てそれが良いと思えば、こうしたい、あーしたいとかなりの要望が出てきます。
そして構造的に不安定になっています。
それをどうにかするのもプロとしては当然なのでなんとかつじつまを合わせようと努力します。当社の住宅はもちろん許容応力度計算で耐震等級3です。それも準耐力壁などの雑壁までは計算しないで確保しています。ですから余力がある等級3です。
でも、最近のお客さんの要望をかなえつつ構造を満足させるには本当に苦労しています。見た目や、動線を必要以上に重視しますから。インスタなどではそこしか解りませんかららね。一流の建築会社は構造もしっかりさせながらデザインも満足させますのですごいですね。
まどりのために、「どんどん構造的に不安定になっていく」施主さんがいらっしゃいます。
「あまり良くないですよ。」といっても【できないのですか?】「できなくはないですけど、・・・」
そんな流れで 無理矢理つじつま合わせの 等級3となって行ってしまいます。
つじつま合わせのなんとか等級3にした建物より、「構造的に安定したすんなり綺麗に等級3になる建物」がより安心出来ますね。
当社の建物が割とシンプルで、私がシンプルにしたがるのはその辺の理由からなのです。
シンプルな建物の中に、上手く空間の広がりやダイナミックさが表現出来ると良いですね。
シンプルな多々ものが長い目で見ても綺麗だと思っています。
お客さんを無理矢理説得するのも良くないと思うので、上手に説明しながらできるだけご要望をかなえるのは難しいです。

地震の怖さを忘れないで!

今回の地震は、被災者はとても気の毒ですけど、耐震設計が大切だと皆さんが認識してくれるきっかけになったと思います。
耐震の設計の重要性が、解って貰いながら設計出来ます。
ですが、阪神淡路や熊本の時もそうでしたが、「耐震のためなら間取りを我慢してその構造でお願いします。」と言うのも、短期間ですぐ無くななってしまうのかな。残念ですけど。
皆さんには地震の怖さを忘れないで貰いたいです。

等級3相当 "相当"の曖昧さ

等級3と言っても 等級3相当 というのは気をつけてくださいね。 ”相当”と言うのは第三者機関で審査を受けているわけではないですから。
その設計している人のスキルがどのくらいのものか?疑ってみないと。
私もずっと構造の勉強してます。それでも100%の自信は無くグレーもある。
構造塾佐藤先生からも学び、木の建築フォラムが東京大学で行っているの最先端のセミナーなども出席し続けても解らないところもあります。
素人同然のその辺の建築士、建築の免許も持っていない営業の設計。そんな人の言うことが信じられますか?
皆さんが思っている以上に工務店の構造設計のレベル差は大きいです。
ですから、きちんと第三者機関の審査を受けていないと安心出来ませんよね。
自分の身を守るには、工務店さんがなんと言おうとも、長期優良住宅など第三者機関の審査を入れた方が良いと思います。

必ず許容応力度計算の耐震等級3を目指そう!

私がいうまでもないですが、必ず許容応力度計算はして貰ってください。
今や当たり前ですね。

そして第三者機関のお墨付きを貰ってください。