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髙橋建築

パッシブハウス,メディア掲載・受賞

パッシブハウス認定されました。

完成からそろそろ1年、ようやくパッシブハウス認定が正式におりました。

オーナーさんおめでとうございます。

そして関係者の皆さんありがとうございます。お疲れ様でした。

特に、指導いただいた岡田さんにはとても感謝しています。

認定証がいつもと違う?

認定証の違いに気がついた人はかなりのマニアです。(笑)(笑)

PHIの認定ではなく、今回はPHIUSの認定です。

PHIはドイツ。パッシブハウスの本家本元。

PHIUSはアメリカ。 PHIがら独立した感じです。

PHIとPHIUS認定の違い

どちらも厳格な計算をします。資料もたくさん必要です。

基本的な計算ロジックは国際基準を使っていますから大きな違いはありません。

どこを重視するかというのは違います。

私の主観ではありますが、PHIは伝統的なものを確実にレベルアップしていくイメージ。

PIUSはどんどん良いものを取り込んでいく革新的なイメージがあります。

PIUSは基準をどんどん見なおして行ってます。

どちらの基準で認定を受けたとしてもとても素晴らしい建物が完成します。

PASSIVEHOUSEですから。

どちらの基準が良いとか悪いとか言ってもあまり意味がありません。

それを言う人はそれまでの人です。良い家を作りたいならその基準の違いを理解して黙ってそれを取り入れ実践すれば良いだけです。

人の批判はどうでも良いことです。

人の批判やメーカーの批判をしてブログやYOUTUBEを盛り上げている人がいますが、そうしないと自分の優位性をアピール出来ないからでしょうね。

客観的に疑問点を挙げるだけなら良いですが、それが悪いと断定する人は????ですね。

当社がパッシブハウス基準の認定を志す理由

パッシブハウス認定は本当にとても大変です。

難しい基準。たくさんの資料作り。無駄な労力を費やしていると思われる方も多いでしょう。

その労力を掛けるなら、その分を他にお金掛けた方が良いのでは?

そう思われているプロの方も多いです。少し残念ですね。

認定には本当に時間がかかります。私もこの時間を掛けずに普通の家を1件でも多く建てた方が良いのではと思ったこともあります。

ですが、この労力を惜しんではダメだと思います。

勉強になります。ミスが防げます。より良いソリューションが見つけられます。

当社でも全棟ではなく1年に1棟を最低限としています。

それは当社の技術力、設計力をできるだけ高く保つためなのです。

勉強して、考えて、チェックを受けて、実践して、そして検証それを積み重ねるためです。

たくさんの勉強、情報が必要

パッシブハウスの認定をとるためには、たくさんの勉強が必要です。

最先端の情報も得られます。

YOUTUBE、インスタなどは言いたい放題の情報が多いです。
間違えている情報もたくさん。

それらを精査出来る、さらにさらに高い次元の知識が必要です。

パッシブハウスに関わることで、世界中の最先端の情報をとても得ることができます。

これが大変でチャレンジされないのはとても残念ですが、とても大切なことです。

より良い方法を考えることが重要

定期的にパッシブハウスにチャレンジすることで、たくさんのケーススタディーができます。

日本の気候、生活の仕方は海外とは違います。
それを世界基準に合わせます。

基本は同じです。

住み心地良く、便利に生活でき、省エネ。そして大切なのが長持ちです。

これは万国共通。

パッシブハウスの認定をとると言うことは、高い次元でこれらをクリアーしなくてはなりません。

さらに当社ではコストの問題も取り組んでいます。どうしたら安くパッシブハウスを提供出来るか。
とても大切なことです。

勉強して、より良い方法を考える。

良い家を作るために。

チェックして貰うことができるありがたさ。

自己満足で終わりではダメです。

本当に性能が出せるのか?

本当により良い方法なのか?

厳格なチェックを受けることができるのもとてもありがたいです。

間違いは自分ではなかなか気がつけませんね。

指摘を受けて気がつくことも多いです。私よりレベルが高かったり、第三者的な目線でものを見て貰うとちょっとしたミスも見つけられます。

素早く実践!

次からはそれを改善してさらにより良い家を計画していく。実践していく。当社のPDCAサイクルが早いのはこのような理由です。

間違った家を作り続けないで改善を繰り返していくことが大切ですね。

常に進化させているから失敗もありますが、大きなミスは起こりません。勉強もしていますし,情報も集めているから。

新しい考え、最先端の技術が当社で取り入れられるか?日本で上手くアレンジ出来るか?

それは実践するのが一番の早道です。

これまで日本ではなじまない技術や、絵に描いた餅的な技術もありました。

ですがそれが役に立たないというのもまず実践してみることで早く解ります。問題点も見つかります。

スピードが大切です。

検証しないと効果が解らない。

当社ではお客様にお願いして、測定などさせていただいてます。

家それぞれの特徴を踏まえて違いから来る、測定結果の分析をします。

大学などの研究機関との連携もしています。

先生方にできるだけ当社の建物で測定していただき、研究に使って貰っています。それで解ることもとても多いです。

とても効果的なこと、効果が薄いこと、全く無駄だったことなどがわかります。

省エネ性、耐久性など実際の建物できちんと測定して確認しないとダメです。

理屈自体が間違えていることがありますから。

パッシブハウス認証の大切さ

当社でパッシブハウス認証を志す理由がわかっていただけたでしょうか?

世界で一番高い基準と言われるパッシブハウス認定をクリアーさせることで,より良い建物を作ることにつながっているのです。

全棟認定が好ましいですが、コストとの兼ね合いもあります。

膨大な資料作りは大変です。

たまに認定がマストの方がいれば、その家で認定をとります。(資料作成費、審査費用等自己負担)
その年に認定をとりたい人が全くいなければ私がチャレンジしてみたい家で認定をとります。その場合は当社の認定申請作成費用は無料とさせていただいてます。PHI、またはPHIUSの審査費用、登録料の負担のみとさせていただいてます。

あなたもパッシブハウス認定目指しませんか?

皆さんもチャレンジしてみませんか?

是非名乗りを上げてください。頑張ります。(笑)

優先的に対応させていただくかも???

ですがパッシブハウスだからと特に力を入れて他と建物にすることはありません。
どの建物もパッシブハウスと同じように作っています。
当社の性能に関わる仕様は基本的には一つだけ。

もちろん、キッチンなどの設備や、外観、内装などはオーナーさんの好みに合わせます。
むしろ作るのは得意なので考してくれと言われれば、性能を損なわない範囲でご要望に応じます。
職人も真面目な技術集団ですから作るのは得意です。

パッシブハウス良いですよ!!


日記・想い

本日はHEAT20の検証部会の日です。
当社も実測などでお手伝いさせていただいています。

本庄パッシブハウスに来ていただいたときの様子が報告されました。

積水ハウスの温熱の第一人者である梅野さんにも見ていただきました。

HEAT20で今回の測定期間での最低気温平均が紹介されてました。2024年12月と 2025年1月です。

寒い順に並べたとのことです。
秩父が北海道に挟まれています。(笑)

でもこれが事実。
住宅会社の中には「埼玉なんだからこの断熱で十分高断熱です。」。高橋建築はオーバースペックとか言うけど、この表見てどう思いますか?
日本の性能で考えてもこんな感じ。

さらに世界基準で考えている当社なら、現在の断熱に根拠があることが判ってもらえるでしょうか?

測定データーは溝口さんがまとめてくださっています。

箱ひげ図を使っていて見やすいですね。
ここから判ることがたくさんあります。
当社物件ばかり目が行きましたが、非核をしながらメンバーで時間を掛けて分析出来たら楽しそうだと思いました。

メディア掲載・受賞

お世話になっている須永先生が会長をなされていた日本太陽エネルギー学会で冊子を作られました。

太陽のエネルギーについて研究している学会ですね。
太陽エネルギーは 皆さんご存じの発電ばかりではなく 熱で利用する方法もあります。

このページで記載された 一般のかたへ太陽エネルギーの説明の冊子が作られました。
当社の関わったものなども載せてありますので皆さんご覧ください。

入門編 建築3ゼロエネルギー住宅実現の要点 のページに秩父パッシブハウスの写真が出ています。

太陽エネルギー学会ホームページより

秩父パッシブハウスがトップページに登場です。

当社も、様々なところで知られてますし、事例に使われるくらい注目されているんですよ。(笑)
秩父のかたはあまりご存じないですけど。

太陽エネルギー学会ホームページより

こちらも当社の作った建物の事例です。
旭化成建材さんのネオマの家です。この技術がヘーベルハウスにも生かされ始めています。

これらは 当社の13年前 8年前の事例です。

今はさらに進化!!
断熱性ばかりでなく様々な性能アップでさらにコストダウン。

最新事例は 2025年 2/15、16にパッシブハウスオープンウィークスを行います野でご覧いただけます。是非見にいらしてください。

こちらをご覧ください。
https://ta-k.jp/post-6303/

もうすでに建築を始められてしまったかた、建築会社が決まってしまったかたは見ない方が良いかもしれません。
残念ですけど。

換気・空気

前回の報告は 当社の新しいシステムを導入していただいたおうちと、私の自宅に置いたエアドッグの比較でした。
同一時間とはいえ、リビングを使っている時間に測定しましたので活動量の違いで埃の立ち方など違っているかもしれません。
(住む人の人数がエアドッグ3人 当社のシステム5人 家の大きさはほぼ同じ)

今回は、寝静まり活動がほぼ止まり、数時間のちの測定結果です。
ほぼほこりなどが落ち着いたり、空気中の微粒子やほこりも、当社のシステム、エアドックと取り切った時間を置いたつもりです。
安定した状態で公平に測定です。

エアドッグはオートで運転しています。
ディスプレイはこんな感じ

昨日よりだいぶきれいですね。
エアドッグの説明書にはこのように記載されています。

出展:エアドッグホームページから

50以下がきれいということのようです。
昨晩40でしたがきれいということのようでしたね。
今朝はです。
これ以上ないくらいきれいということのようです。

妻が起きてきて少しうろうろしただけで26になりました。(笑)
掃除が行き届いてないということでしょうか?
妻はよく掃除をしてくれているし、ルンバもがんばっているので、見た目はきれいなんですけど。

エアドッグの環境センサーの結果はこちら

お部屋の中寒いです。
高気密高断熱、床暖のおうちなのですが今に限って朝エラーが出て止まっていました。
こんな時に(笑)

少し寒いし、少し乾燥気味。

一方最新システムのおうちはどうでしょうか?

エアコンが動いてますね。外が寒いのではないでしょうか。
外気も測定しているので見てみたら-4.2℃でした。
さすが寒いですね。
エアコンを上手に使っていただいているようですね。

微粒子も0.1μg/㎥と私の測定ではとてもすごい結果です。
VOCが高いのが気になります。
毎日寝る前の時刻に急激に上がるようです。何かありそうです。
電気集塵フィルターはVOC除去はできないみたいですね。
徐々に希釈されるしかなさそうです。


現在のリビング

ちょっと時間が経ってしまいましたが、こんな感じです。
大きな家ですが6畳用エアコン1台です。
空気も綺麗で温湿度も安定。
もちろんもっと温かくもできますよ。
パッシブハウスでは輻射面温度も高いのであまり高い温度にする必要もありませんけど。

とても良い感じですね。


パッシブハウス,見学会・相談会・イベント情報

パッシブハウスオープンウィークス2025が始まりました。

福島県 菊田工務店さんのパッシブハウス

今回は日本全国から20軒のパッシブハウスがエントリー

ホームページはこちらです。
https://passivehouseopenweeks.jp/

寒い冬にどのような暖かさなのか?
パッシブハウスの異次元の性能が体感出来ます。

実際にお住まいのおうちを見せていただけます。
ショールームなどの特別な仕様ではありません。
普通に建てられているパッシブハウスです。

当社のパッシブハウスは2軒参加させていただきます。
当社パッシブハウスの見学予約はこちらの申し込むフォームからどうぞ。
申し込みフォーム
https://forms.gle/VvBFVDjZfgquCCYN7
できるだけご予約いただけると人数把握のため助かります。

2/1(土)寄居パッシブハウス満員御礼
今後の受付は修了させていただきます。
予約無しは駐車場が狭いためお車でのお越しはご遠慮ください。
お車以外の方は予約フォームでご予約いただければ、住所をメールします。

2/15(土)2/16(日)秩父パッシブハウス2024は
まだまだ受付しております。
駐車スペースは十分ございますのでお気軽にお越しください。
当社住宅オーナー様大歓迎!!
バーベキュー等準備しております。

皆さん 是非いらしてくださいね。
もちろん当社で建てたオーナーさん。
当社で打合せ中のかたももちろんお気軽にお越しください。

こののぼり旗が目印です。

耐震・構造

実際の建物の事例です。

このように地震の力、風の力が働くと考えます。

1階と2階を別けて計算します。
1階にはとても大きな力がかかるのがわかりますね。

緑色が耐力壁です。

耐力壁がある柱のところに大きな引抜力がかかるのがわかります。
とくに建物の隅が大きいですね。

建物の外周部に耐力壁が配置されていることもありますが、中央部は建物の自重もありますので大きな引抜力は出ないのです。

「に6.5」ここに大きな金物が必要そうですね。
「ぬ」と書いてあります。
金物の強さの違いは い、ろ、は、に・・・・で現します。

カネシンホームページ

計算して「い」出あれば ほぞが差してあればOK。金物はいりません。
「ろ」「は」「に」「ほ」は土台と柱を接合する金物を付けます。
「へ」だと基本は基礎からのホールダウン金物ですが、施工力アップのため、土台のアンカー屋座金を確りすることでホールダウンにしなくても良い金物もあります。

「と」以上はホールダウン金物使っています。使わないものもある用ですけど土台とアンカーの接合がどうかなと思うので。

具体的な金物の写真が「タナカ」のホームページにあったので見てみましょう。

いろいろありますね。
い ろ は ・・・・でそれぞれ使い分けるのは大変です。
当社では、3種類くらいに絞りより強いものにしています。
例えば、「ろ」も「は」も「は」の金物

「に」「ほ」「へ」は「へ」の金物というふうに。

在庫も大変だし、現場作業も大変です。単純にしてミスを無くす作戦です。(笑)

大工さんも知識が必要ですね。
安全な建物を作るには大工さんの力が大切ですね。

一級建築士
パッシブハウスジャパン理事
髙橋慎吾

耐久性・災害対策

自身の力は主に横から押し倒すようにかかると考えます。

そうすると耐力壁には回転しようとする力が働きますね。

回転する力は 柱で考えると 左側の柱が引き抜く力。

右側が押し込む力です。

柱が土台から引き抜けてしまうと大変ですね。
柱が土台にめり込んでしまっても大変です。

ですから柱が引き抜けないように金物を付けるのです。

出展:田中ホームページ

当社ではこのような金物を使っています。
ホールダウン金物です。

ボルトは基礎に埋め込まれます。基礎から出たアンカーボルトをホールダウン金物を使い柱に取り付けます。

ビスが多ければ多いほど頑丈にとりつきますね。

弱い壁は自信の力を大して受けられませんから、引き抜く力はそれほどありません。
強い壁は大きい地震力を負担しますから、引き抜き緑芽とても大きくなると考えます。

強さに応じて使い分けます。
1kNはおよそ100kgの力ですから、一番右の35kNのホールダウン金物は3.5t(トン)の力で引き抜かれるのに耐えると言うことです。

すごいですね。

ちなみにめちゃくちゃ強い壁にするともっと強いかのものが必要になることがあります。
当社でも使うことがありますがこちらです。

出展:カネシンホームページ

すごいビスの数です。
大工さんも大変ですがとても大切です。
アンカーボルトも強いものにして、基礎から引き抜けないように基礎にも深く埋め込みます。

出展:カネシン

きちんと専用のものがありますから、普通の汎用のものを使うのではダメです。
対応のものが使われているか、検査員も見抜けない出しょうけど、ズルはダメです。
値段が何倍もしますけどこれ使ってくださいね。

一級建築士
パッシブハウスジャパン理事
髙橋慎吾

耐震・構造

面材の強さは、面材の種類だけでは決まらない。

耐力面材の強さは、面材そのものの性質もありますが、それだけではありません。

強いと言われているMDFを使ってもきちんと定められた種類の釘を定められた間隔で打たなくてはなりません。

釘が大切なのです。

釘の種類、間隔が重要

これはMDFの例です。告示代1100号の仕様です。
N50という釘を打ちます。間違えないように頭が黒色に塗られている釘です。

安いからと普通の50mmの釘では絶対にダメです。

釘のピッチは75mm と 150mmの仕様があります。

釘の間隔が狭いと強い

釘のピッチが75mmだと4.3倍 釘のピッチが150mmだと2.5倍です。

釘のピッチが細かくなると耐力壁が強くなります。

釘をたくさん打つのは大変ですが、きちんと真面目に釘を打つ大工さんがいる工務店に頼めると安心ですね。

以前、棒住宅会社に手間受けで入っている大工さんから聞いた話ですけど、手間賃を値切られているので「それなりの仕事」をしていると言ってました。
手間賃、釘代金もかかりますから大工さんも大変です。「それなりの仕事」って?手を抜いているとは思いたくないですね。
検査もあるでしょうから大丈夫だと思いますけど。
無理なコストダウンは、危険もはらみます。

釘の打ち方も重要。めり込みすぎは注意!

釘をめり込むほど打つと、弱くなります。
少しなら大丈夫です。
打ち込みすぎた場合は、わざわざ抜かずに近くにもう一本追加で打ちましょう。打ち過ぎは大丈夫です。

出展:YKK ホームページ

「めり込むほど打ってもらえてありがたい。」と思うのは勘違いです。
めり込まないように打つのが難しいのです。

現代は釘打ち機を使いエアーコンプレーサーの力で釘を打ちます。
調整が難しいです。

釘が飛び出してしまうと金槌で追加でたたかなくてはなりませんから、コンプレーサーを強くして強い力で釘を打って、飛び出して打ち直しする釘を減らした方が良いのです。

丁寧な人は、できるだけちょうど良い圧力に調整して、たまには飛び出すけど、それはてでさらに打ってちょうど良くします。

他社の現場の事例です。
3mm位めり込んでいる現場を見つけちゃいました。
ちょっと残念。ほとんど全ての釘がこのめり込み方でした。
現場監督さんに教えて上げた方が良いのかな?迷いましたけど。
困りますね。

他にも注意するところはたくさんあります。

他にもいろいろありますけど、面材ごとに若干違います。
詳しく知りたいかたはマニュアルで確認しましょう
MDFの協会のPDFリンクを上げておきます。
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://jfpma.jp/docs/product/tairyoku-leaflet.pdf

一級建築士
パッシブハウスジャパン理事
髙橋慎吾

耐震・構造

地震から家を守るには、壁を強くして家の変形をさせない。と言うのが基本ですね。

壁を変形させないために、斜めの補強部材を使うのが「筋かい」
板材で補強するのを「耐力面材」といいます。「構造面材」と言ったりもしますが使い分けはわかりません。

筋かいは天然の木材もありますが、ステンレスなどの金属材もあります。

耐力面材には様々な種類があります。一般的なものは、針葉樹の構造用合板ですね。

大別すると木質系のものと無機質系のものがあります。

木質系のものは強度が有、粘り強い感じ。
無機質系のものは少しもろいけど、火に強かったりシロアリの餌にならない。と言う利点があります。

「この面材で無ければダメだ!」と言う人がいますけど、材の性質を知って使い分けるのがプロの仕事。

無機質系のものはダイライトとかモイスが有名ですね。
確かに変形に弱く粘り強さがないですけど、地震時に変形量を抑えられる設計ができていればとても強いです。
それで火に強く、シロアリに食べられない。

木質系のものは、針葉樹合板、MDF、OSB等が多そうです。
こちらは粘り強いです。でも、火災やシロアリに弱い。
シロアリ対策をきちんとしなくてはならないですね。
対策として有害な防蟻薬剤を撒いてしまったらとんでもないことです。
地震で壊れなくても健康被害が出てしまったら大変です。

当社が使っている構造計算ソフトでデフォルトで選べる耐力壁をのせておきます。
壁倍率の数字が大きいのが強い壁です。
組み合わせもできます。

当社ではチェックマークが付いているものをよく使います。
具体的にはハイベストウッドというMDFになります。
たまにダイライトモイスですね。

性質を理解して上手に使い分けましょう。

一級建築士
パッシブハウスジャパン理事
髙橋慎吾

耐震・構造

日本各地 どこでも地震は起こる

大きな地震が度々起こります。

昨年は能登。
熊本
311の東北 三陸沖
・・・・

元々地震が起こりやすいところもありますが、起こりにくいところでも安心出来ません。
日本自体がプレートの端に乗ってます。どこで大きな地震が起こってもおかしくないと言うことは周知の事実です。

明日は秩父で大きな地震が起こる。そんなこともおかしくないのです。

「秩父は固い地盤にのっているから地震に強い。」知ったかぶっていっている人いますね。
固い地盤の利点はあります。液状化がないとか、不同沈下が起きにくいとか。
地盤の揺れの周期が短いというのもそうかも知れませんね。
ですが、近くで地震が起きたら同じです。
ダイレクトに揺れが伝わります。

ダイレクトに揺れが伝わるのですよ。
怖い!

不測の事態に備えて建物は、できるだけ強く作っておかなくてはなりません。
許容応力度計算、耐震等級3が当たり前ですね。

構造計算の基本の資料

耐震性について学びたいかたはこの本をじっくり読むと良いですよ。
この本が元で許容応力度計算の基本のルールが書かれています。

木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版)
http://howtecs.shop-pro.jp/?pid=115990814

木造の構造計算のバイブルです。
グレー本」と言えば通じます。通じない人は怪しい。(笑)
この本がなくて構造計算がわかりますとか言っている人は、いないと思います。

この本に付箋がいっぱい付いているようなら安心できる建築士だと思いますよ。
あなたのお願いする事務所覗いてみてください。
構造設計者の手の届くところに必ずあるはず。(笑)

許容応力度計算しているだけでは安心ではない。

最近は許容応力度計算をするのが基本になってきていますね。

ですが、落とし穴があります。
設計者が構造計算を理解しているか?していないかで大きく違います。

計算の仕組みや応力伝達の仕組みを理解して間取りを作り窓を配置した建物と、やりたい放題のまどりの建物では全く違うのです。

許容応力度計算も限界があります。
ある程度はこういう風になっているという前提があるのです。
構造の区画とか、骨組みの組み方とか。
ですから適当な構造区画で計算上は、成り立っても実は上手く力が伝わらない。と言うのもあったりします。

デザインや間取りにばかりこだわって、きちんと構造の初歩を勉強していない人に多く見られます。
建築士でも理解していない人も多いようです。
メーカーの営業さんも理解している人が少なそうですね。

大手ハウスメーカーは比較的安心

ですが、超大手ハウスメーカーは建物のルールがしっかりしていて、無理した間取りは作れないようになっているところが多いですからその辺は安心です。
間取りに自由がきかない理由がそこにあります。
自由がきかないルールがあるから安心なのです。
「その間取りはできない」と言われたら諦めましょう。

何でもできる住宅会社は要注意

一方、何でもできるという建築会社は注意してください。
構造計算のルールを知らないから何でもできてしますのです。
許容応力度計算をしているから安心と思わないですください。
計算を無理矢理成り立たせているだけかも知れません。
いろいろ手を尽くせば無理矢理計算を成り立たせることはできます。
自分で計算出来ない人は、書きたい放題の間取りを書いて後は構造計算出来る建築士に丸投げ。
それを受けた建築士は「こまったな。なんとかしなくちゃ。」
みたいな感じなのです。
自動車で言うなら無理矢理走らせるようにした車みたいな感じでしょうか?
そんな車に乗りたいですか?

素直に力が伝わり流れる構造が大切

地震の力が建物に入ったときにその力を上手く分散しながら伝え、受け流していくことが大切です。

そのためには、構造区画を確り考え、その区画ごとに力が上手く伝達していく。
大きな力が一つの場所にかからない。と言うことが大切です。

具体的には、構造の区画をあまり大きくせずに外周面にきちんと耐力壁を配置し、その耐力壁同士をきちんと水平構面でつなげて塞ぐ。耐力壁線間距離もできるだけ短くなるように無理はしない。軸力が集中しすぎない。大きな引き抜きが生じない。他にもありますが基本はこんなところ。

そして部材一つ一つに変な力がかからないようにする。長期的に変形が進まないように配慮する。
耐久性のある素材で構成する。

大切なことはたくさんあります。

建築会社の見極め

本当に安心した設計、構造計算をしてくれる建築士か見極めるの大変ですね。

その人が構造について勉強しているか?していないか?
まじめに考えているか?
私の経験上5年くらい構造の勉強をしていればある程度安心かもです。
すごい知識のある構造計算のできる上司の下で学べるならもっと短くて住むかも知れませんけど。
私も若い頃の知識と今の知識全く違いますから。
中途半端な知識だとちょっと怖いなと言うのもあります。

判断基準はそういうところでしょうか?
遠慮がちに質問してみるなら「構造計算書はいただけますか?」
長期優良住宅の認定は標準ですか?」
みたいな感じでしょうか?
ちょっとでも渋るなら怪しい。
ちょっとマニアックなお客だと思われても良いなら「屋根の水平構面はなんですか?」とか「耐力壁の強さを釘ピッチでコントロールしてますか?」「準耐力壁使いますか?」
と言う質問も面白いかも。このあたりはまだ初歩なので。
計算ロジックに関するこれより細かい質問だと怪しまれそうです。面倒な客だと断られてしまいかねないので慎みましょう。(笑)

一級建築士
パッシブハウスジャパン理事
髙橋慎吾