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髙橋建築

太陽光発電,建築費・光熱費,耐震・構造

太陽光発電は省エネに貢献します。
環境にもとても良いですね。
家計にもプラスです。

新築ならできるだけ付けたい設備です。

ですが太陽光パネルを付けるにも注意が必要です。

雨漏り、屋根の耐久性、そして構造の安全です。

今回は太陽光パネルと構造の安全性について解説します。

ほとんどの工務店が計算していない

みなさん信じられますか?
これは事実なのです。
ほとんどの工務店が太陽光パネルの重さを考えずに家づくりをしています。
怖いですね。
「太陽光パネルの重さを何キログラムで計算してますか?」と質問してみましょう。
すぐに答えられなかったらアウトですね。(笑)
していればすぐに答えられます。忘れたとか思い出せないとか言うレベルの問題では無いからです。知らないから答えられないと考えて良いですね。

地震力は重さで決まる。

建物を揺らす力は重さで決まります。重い建物ほど大きな力がかかるのです。
その力に耐える壁をつくり大きく揺れないようにしなくてはなりません。

重い建物ほど強い壁をたくさんつくる必要があるのです

重ければ強い壁をたくさんつくれば、強い建物となります。瓦の建物が弱いという人がいますが、重い建物なりに強くすれば良いだけです。

ですが太陽光発電を設置したのにその重さの分、家を強くしない住宅会社がほとんどです。

太陽光パネルの重量を加えて計算する

それではどうすれば良いのでしょうか?
構造の計算をする時にきちんと太陽光パネルの重量を含めて計算すれば良いのです。
太陽光パネルは意外に重たいです。1平方メートル当たり20kgぐらいあります。屋根が50平方メートルあると 50*20=1000 約1トンですね。

この重さが屋根に乗り地震の時に揺すられるわけですからとても怖いですね。

片側に重さが集中する

普通の形の屋根だと太陽光パネルは南の屋根に乗りますね。北側の屋根には乗りません。

南側だけ重くなり北側は軽いままです。

地震が来た時には南側にかかる揺れる力が大きくなります。
この揺れる力を止める強い壁が必要ですね。

普通のおうちは明るい光を入れるために南側に大きな窓を付けますから、南側の強い壁は少なくなります。
南側の方が北側に比べて弱いことが普通です。

重い力がかかりやすい方が弱いと言うことになります。
そのままでは壊れやすいですね。

ですから、重さのバランスと力のバランスをきちんと計算して安全にしなくてはいけません。

一般の住宅会社ではそのような計算もしないで太陽光発電を付けてしまっているのです。怖いですね。
「今まで壊れたことが無いから。」などと根拠の無いことを言います。
計算しないとその怖さが解らないのです。

みなさん太陽光発電を設置する時にはきちんと計算してもらいましょうね。

わかりやすい動画が公開されていますのでご覧ください。
私が勉強させていただいた構造塾の佐藤先生です。


https://www.youtube.com/watch?v=U7uzgPJIZ_Y

お知らせ,メディア掲載・受賞,断熱・気密,設備・空調

岡田さんの本が出版されました。

タイトルは

「エアコン1台で心地よい家をつくる方法」

当社は1台で十分間に合う性能ですがわざと2台にしてます。(笑)

この本には当社の事例が載ってます。

岡田さんから依頼されたわけでは無く、出版社から載せさせてほしいと声がかかったのですが断る理由もないので協力しました。
高性能な住宅が増えることは良いことです。

出版後に編集者から「岡田さんとお知り合いだったのですね。」と言われました。まさか知らないで頼んでいたとは思いませんでした。
知り合いだから選んだのでは無く、性能やデザインで選んでいただけていたと思うとうれしいですね。

内容は、一般のかたたちをターゲットにしたとても読みやすいものです。
勉強になると思います。
当社ほどの高性能過ぎる住宅のレベルではそぐわない内容もありますが、きちんとした内容の本ですので読んでみてください。入門書として最適です。

当社にいっぱい届けられましたので、当社で建築をお考えの方や、すでに当社で建築した人でしたら 取りに来ていただければ差し上げます。(笑)

建築費・光熱費

建物のコスト ローコスト住宅

家にかかるコストで考えるべきものは 大きく大別すると3つになるでしょう。

 建築費

 修繕費(メンテナンス費)

 光熱費

そのほか固定資産税等もかかりますが、ほぼ大きさに比例するだけのものなのでここでは取り上げないでおきます。

建築費

最初にかかるのが建築費です。
もちろん これが一番大きいものとなります。2000万円 3000万円とかかります。
もちろん当社でも小さめなおうちでは1000万前後のものも建築している実績はありますし、5000万位かかるものもあります。

ロ-コストな住宅ですと当社より500万円くらい安いものもあるようです。

この建築費はどこで変わるのでしょうか? 大きさや 使う材料や、まどり。構法、施工方法 住宅の性能、設備の仕様等で変わってきます。

安くするにはどうするのでしょうか?
まずは 小さくする 
住み心地が良ければ小さいおうちにするのは良いことですね。エネルギー消費も少ないですし掃除も楽です。移動も楽ですね。

 材料を安いものに変える。
性能が変わらず安いものに変えられれば良いですね。

 単純な間取りにする。
でこぼこしてたり複雑だったり大空間だったりはコストがかかります。

一般的な単純な構法ににする(特殊な工法を用いない)。
木造軸組でできるのに鉄骨造にしたり、鉄筋コンクリート造にしたりは意味ないですね。木造軸組構法でできる間取りにすることが肝心です。

難しい施工はしない。
特殊な造作や特別な技能が必要となる仕上げなどはお金がかかりますね。

性能を低くする。
あとで性能を上げることは難しいのでおすすめできません。耐震等級3等は当たり前です。具体的にはむずかしいですね。

安い設備にする。
不必要な機能や過剰な機能はもったいないですね。本当に必要かよく考えましょう。しかし,長持ちする製品、メンテナンスができる製品を選ぶことは大切です。

住めば都と言いますから、ほかと比べたりしないですめば満足できるかもしれません。
無理にお金をかける必要はありませんから、身の丈に合った建築をするので良いと思います。

修繕費(メンテナンス費)

建物も住んでいると修理が必要になります。

修理費は最初の建築費のかけ方によって大きく違います。
最初に安く作っても修理費がかかる建物ではどうしようもありません。
それでは安く作った意味がありませんね。

修理する箇所に関して多くの方は表面的な目に見えるところだけしか気にしない傾向があります。外壁が最も注目されやすいところですね。次に屋根材でしょうか?
長持ちする外壁材としてタイルがあります。しかし本当にタイルが一番長持ちするのでしょうか?確かにタイルそのものは、とても長持ちしますし洗えばきれいになります。
ですが、窓周りのシーリングはほかの外壁のやり方と同じです。
様々な構法がありますが、タイルを貼るのに高分子の接着剤を用いている場合、それもタイルと同じように長持ちするのでしょうか?
さらには、そのタイルを並べるための下地材が、ローコスト住宅で一般的に使われている窯業系サイディングだとしても長持ちするのでしょうか?
例えば20年、30年くらい中期間での見た目はきれいですが、実際に長持ちしているタイルの建築は見当たりませんね。

見えないところでは大切なコンクリートの品質はどうでしょうか?
どのくらいの強度のコンクリートを使っているかで強さばかりでは無く長持ちの年月も変わります。
水道パイプ一本を取ってもいても長持ちしないものと長持ちするものがあります。
基本的な部材一つ一つまでお客様のために選び抜いているかが重要です。
その工務店がきちんと考えているか簡単に見分ける方法として外壁に貼る透湿防水シートがあります。外壁材を貼る前に防水のために家全体に貼り付けるものです。長持ちするものと長持ちしないものがあります。具体的な名称では「タイベック」や「WUTOP」等が長持ちするタイプとして知られています。

お客さんが気がつきやすいところだけPRして表面的に長持ちするように見せかけているハウスメーカーが多いのも事実です。
ローコストにできるのには訳があると言うことです。ローコストビルダーは長持ち前提に家づくりがなされていない場合もあると考えてほぼ間違いないでしょう。

私の家が建ててから20年になりますが建物本体は全く直すところがありませんでした。この先はそろそろ外壁の塗り直しをしようかなと思っているところです。
同時期に建てた、ローコスト住宅のおうちは本当にボロボロなので見ていてかわいそうです。
ハウスメーカーのおうちはさすがに致命的に悪いところが出てきているのは少ないですが定期点検で多額の修繕費を払う必要があり大変です。保証制度があっても、メンテナンス費は通常の市場価格よりも目が出るほど高いですから大変です。
最初のコストの「建築費」だけに目を奪われすぎ将来の「修繕費、メンテナンス費」に目を向けられないのはもったいないですね。

メンテナンス費にお金がかかるのは、外壁や屋根などの建物本体に関わるところだけではないですね。
設備の修理や更新がとてもお金がかかります。

例を挙げると例えば便器
私の家も1階、2階に一台づつトイレがありますが、この20年に2回づつ壊れて修理をしています。修理費は1万円から3万円くらい。次に壊れた時には電子部品の基板がないので取り替えになると言われています。同じくらいの機能のものに取り替えると15万円くらいかかりますから2台だと30万円になります。大きな出費です。
できるだけ部品交換が可能な単純な機種の選定が良いと思います。

システムキッチン
システムキッチン本体はクリナップのしっかりしたものにしておいたので全く壊れてはいません。しかしIHクッキングヒーターが壊れました。修理すればできたのだと思いますが、最近の使いやすいモデルに取り替えたため取り替え費用が15万円。食器洗い機は普段あまり使わないため壊れていません。数年で壊れる場合もありますしメーカーは10年くらいで買い換えを勧めていますからやはりきちんと考えておかなくてはなりません。うちではあまり使わないため壊れなかったのですが、使わないならこの食器洗い機の場所が引き出しだった方が便利だった。というのが妻の意見です。
レンジフードはカタカタ音がするようになりました。まだなんとか動いています。単純な製品なのでファンモーターのみの取り替えですむでしょう。

システムバス
ミストサウナは数年で壊れました。修理費がとてもかかるというので修理してません。贅沢品でした。
シャワーヘッドは節水タイプに変えています。
パネルなど変色していますが、まだまだ使えそうです。
蛇口の修理は1回。お客様のおうちで特殊な形状の蛇口で10年しかたたないのに修理が不可能ということがありました。定期的に壊れる蛇口などは取り替えの利く汎用的な形状にしておいたほうが無難です。

照明器具
20年前なので蛍光灯の器具がほとんどでした。使用頻度の高いところからLEDに変えています。ほとんどの場所が1000円くらいの玉の取り替えのみですんでいます。リビングのみ15000円くらいの器具に器具ごと交換しました。
スイッチやコンセントなどの配線器具は全く壊れていません。

換気システム
20年たちましたが本体はまだ大丈夫のようです。排気のフィルターが痛んで来ているのでそろそろ交換を考えておいた方が良さそうです。国産のものなので部品があるのが何よりです。本体が壊れると10万以上の大金がかかるのでは無いかと思います。

洗面化粧台
長持ちするボールが深い樹脂製を選んだのでまだまだ大丈夫そうです。蛇口などのパッキンは渋くなってきた気がするのでそろそろメンテ時期かもしれません。

給湯器
エコキュートは発売前に実験で入れてもらい1年たったところで無償交換となっています。それからずっと使っていたのですが昨年新しいものに取り替えました。その間の修理費はかかりませんでした。昨年の交換費用は45万円プレミアムエコキュートという最高効率のものです。18年くらい持ちましたから長持ちした方だと思います。ラッキーでした。

エアコン
20年前の住宅とはいえ,現在建てられている大手ハウスメーカーや県民共済の住宅よりも良い断熱性能。20年たってもまだ追いつかれない(笑)
吹き抜けのエアコン1台で40坪の家全体の冷房をしています。
実験をかねてデーター取りをしていますのでエアコンは4台目。その都度20万円位の交換費用がかかっています。

床暖房
暖房は基本的に床暖房のみです。こたつを補助的に使います。
温水床暖房の給湯器を3年くらい前に変えています。灯油から電機ヒートポンプ式に変えたので30万円くらいかかりました。熱源の仕組みが変えられるように作っておいてよかったとおもいました。

太陽光発電
全く不具合は無かったのですが設置から5年くらいたったところでリコールがあって無償交換してもらっています。その後も全く故障も無く発電量の低下も1割くらいです。頑張ってくれています。さすが国産製です。
今後はパワコンの交換が必要になると思います。20万くらいかかるでしょう。

ドアホン
故障なしです。これは交換が必要になると1万円~5万円くらいでしょう。昨日により価格差がありますね。

このように住宅の設備は定期的な修理や取り替えが必要です。10年から15年で最初に設置したくらいの費用がかかってきます。
家を造るときには 便器の費用や食器洗い機の費用も全体の一部として見てしまいますので20万円追加ですむならこのくらいの高機能なかっこいいものを付けたいと安易に高いものを選んでしまいますが、10年たった時にいきなり壊れて20万円の出費は痛いですね。
立て続けに壊れると本当に困ります。

食器洗い機なら今後は使わないという選択もあるかもしれませんが,便器や給湯器だとそうはいきません。すぐにでも修理取り替えが必要です。そのため、修理が少なくてすむもの。簡単に修理できるものを選択しておくことが大切でしょう。

光熱費


どんなに安い家を造っても、光熱費がとてもかかってしまったり、住み心地が悪かったりしたら悲しいですね。

家によって光熱費はかなり差が出ます。40坪のおうちで10坪のLDKしか暖かくない家と40坪全部が暖かい家の価値は同じでしょうか?

最近造られている大手ハウスメーカーの家でさえ普通の暖房では暖房している部屋しか暖かくないという話は良く聞く話です。
さらに暖房費がたくさんかかるとしたら目も当てられませんね。

給湯のコストも大きく違います。ローコスト住宅はガス給湯器が多いですね。
ガスにする理由は最初の設備費が安いからです。
少しでも安くしようと考えその後の光熱費のことは考えずにガス給湯器にします。最初からエコキュートが標準かどうかは建築会社の姿勢を比べるのに大いに役立ちます。店舗など併用で無い限りはお客様の将来まで考えるとエコキュートになると思います。将来を考えずにとりあえず安くして仕事をとれればいいやと考えるならガスということになります。

断熱に関しても同じことがいえます。安く済ませるならHEAT20のG1グレードでしょう。樹脂サッシLOW-Eペアガラスをいれ充填断熱にすればG1グレードは簡単です。しかし少し断熱量を増やしG2レベルにすると光熱費は大きく変わります。全館冷暖房で住み心地の良い家になります。これから家を造るなら「最低G2」です。G1レベルで全館冷暖房している住宅会社もありますが、住み心地は悪く、光熱費はとてもかかってしまいます。それで十分と言い切る住宅会社さんは、G2グレードが作れないか、そのような家に住んだことがないか、お客様と契約することが優先でコストアップする断熱強化をあえてしないのでしょう。コストアップすると仕事をとれなくなってしまうと考えてのことでしょう。

寒いおうちで20年30年で建て替えたくなってしまったら、また建築費がかかってしまいますから、20年後、30年後でもあたたかいと感じられるような将来を見据えた住宅造りが大切です。

トータル費用


住宅にかかるコストは 建築費 修繕費 光熱費で考えないといけません。

さらには建て替えとなるタイミング。

住み心地が悪かったりデザイン的に飽きが来るような住宅だと、立て替えのタイミングが早くなり、とてもコストがかかります。

コストを考える上で建築費ばかりに目が行きがちですが、本当は 修繕費、光熱費、住み心地などがとても大切なのです。