パッシブハウスジャパン 近畿支部のセミナーで 神崎さんと飯塚さんの発表がありました。
神崎さんは奈良で活躍されている設計士さん。ブログをたくさん書いてます。
http://watamatusekkei.seesaa.net/
飯塚さんは有名な設計士さん。本もたくさん出されています。
https://iplusi.info/
性能を高めながら、デザインや住み心地を高めていく。
今までの「間取り」ありきの設計手法ではなく、住み心地や魅力作りをしていきながら、空間作りをし、間取りは最後に考える。
そんな話に感銘を受けました。
構法やコンセプト 素材使い 中間領域 窓 架構 。。。。。。そういったところから考えを進めていく。間取りはあとで。
今のお施主様との打合せは、間取りの打合せばかり。
一般的な人はそこしか見えていない。
とても残念。
私は最初には 建築士として魅力ある家を提案しているつもりだけど、表面上の間取りに固執するお施主さんがどんどん要望を積み重ね直していき、デザインも住み心地も構造もボロボロに。打ち合わせすればするほど空間に魅力が無くなり悪くなっていくパターンがおおいですね。こちらがプロとして考えを話しても聞いてもらえない。
最近はますますそんなパターンが多く、私もだんだん力尽きていき、お施主さんの言うことのイエスマンに。それが楽だから。
説明しても解ってもらえないし。「ハイ解りました。これでいいですか?」そんなやりとりになっていきます。
そんなのじゃダメなのは解っているけど仕方ないですよね。
当社の住宅で、皆さんから「いい家だね。」「こういう家に住みたい。」
雑誌に載ったり賞を取ったりしている住宅はほとんど私の原案に近いモノです。
せっかく本気で考えても、がっかりな図面に変わって行ってしまうのはつらいですね。
それと、コスト。要望が多い割にお金は出せないという人も多いです。逆にきちんと当社の価値が解って、お金のことはあまり言わない人もいます。そういう人はこうしたいという考えがしっかりあって、それは重視するけど細かいところはあまりこだわらず、「いい家になる用に高橋さんにお任せ」という人が多いような気がします。そういう人はやりやすく、こうすればよくなるという提案もしやすいです。どんどん良い家になっていく傾向があります。
そしてコストで大切なのは、コストを突き詰めすぎないこと。メリハリを付けたり、きちんとかけるところにかけることで、見た目も性能も,良くなりますし、長い目で見ても満足度も上がります。「何でもかんでも最低限」という家はつまらない家になってしまいますね。最近は「家にコストをかけないでどうでも良いモノにコストをかけるなぁ」という人もいます。価値観はそれぞれだから良いですけど、プロから見るともったいないなと思うことも多いです。後で直せないところなんかだとなおさらですね。
今回、飯塚さん、神崎さんとセミナー後にお話をしました。当社の建物が、内容の割にとても安いことを知っているので、もっと高所得者だけ相手にした方が良いのでは?とアドバイスされたりしてしまいました。本当に「そんなに安くやってるの?」とびっくりされるレベルです。当社の住宅の価値が解っている人から見るとめちゃくちゃ安いのです。
価値が解ってくれて、それで判断してくれているのなら良いのだけど、ただ「高い」「もっと安く!」って言われても。
建て売りレベルの家と比べられてもダメですよね。
最近、見積もりを出すと根拠もなく「もっと安く!」という人がいます。私は「それなら他で見積もりをとってきて比べてください」と言います。「当社じゃなくても良いんじゃないですか?」と言います。
当社と同じような内容で当社より安いのならそちらで建てた方が良いですよね。私もそう思いますからそうして貰ってかまわないのです。私も時間に限りがありますから、当社のことを信じてくれて当社の価値を解ってくれて、喜んでくれる人のために時間を使いたいです。
飯塚さんに言われて本当にそう思いました。「髙橋建築の価値を安売りするのはもったいない。」そう言っていただきましたが、私はこれまで通りできる限り安く良い家を提供していきたいです。
でもそれは、当社の価値を解ってくれて、信じてくれ、一緒に良い家を作りたいと思ってくれる人のために。
高くて良い家より、皆が手に入れられる価格で良い家を作っていきたいと思います。