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髙橋建築

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木造と鉄骨造
木造と鉄骨造の違いについてお話しします。 住宅ですから鉄骨造は軽量鉄骨ですね。セキスイハウスやダイワハウスなどの構造がこれに当たります。 以前はハウスメーカーが鉄骨造の方が良いと一生懸命宣伝していましたが最近はほとんどしていませんね。 それは、住宅レベルでは木造の方が圧倒的に有利だと言うことが、一般的に認識されてきたので、それでも鉄骨の方が有利だというといいわけを言っているように聞こえると解ったからでしょう。 地震の強さもどちらも構造計算によって安全性を確認しているのですからどちらが強いという必要は無いですね。 火災時の安全性もそうです。鉄は熱でとても弱くなり ぐしゃっとつぶれますし,木造は燃えます。どちらも壁や天井に貼る石膏ボードで火災に強くしているのが現状です。ですから大差ありません。 もっとも違うのは温熱性能です。 熱の伝わりやすさが鉄はすごいのです。木の500倍以上熱を伝えてしまいます。 絵で見るとわかりやすいと思いますので計算して見ました。上が木で下が鉄の柱です。 一目瞭然ですね。全く違いますね。 室内環境を快適にするためにはどうしても鉄では難しいのです。近年は断熱性の競争が始まっています。 自動車のように燃費の良さなども比較されます。ですからそれに気がついたハウスメーカーは徐々に鉄骨を少なくして木造にシフトしてきてきます。 昔は木造の悪口ばかり言っていたのにびっくりです。 鉄骨のフォローをするなら、大きなお部屋が取りやすいと言うことはありますね。大きな空間を作りたいなら鉄骨が良いかもしれません。
伝統木造の保存改修技術

新しい建物を長持ちさせるように作ることはとても重要なことですが、現在ある建物をさらに長持ちさせることもとても大切です。

特に 伝統的な技術で作られた 価値ある建物をきちんと残していくと言うことは とても重要です。

ただ見た目を直すのは,誰でもできることですが その建物が意匠を崩さず安全に さらに長持ちして行くように直すのはとても大変です。

多くの伝統的な建物は耐震的にはとても弱い建物です。

地震時に壊れないために必要な耐力の半分も満たしていないものも多いのが実態です。

伝統的な建物は大きな梁や太い柱を使っていてがっしりしていてとても強いように見えますが、実際には地震に抵抗する力のある壁が少ないので大きな地震にはとても弱い作りとなっています。

また、長い年月で 痛んでいるところは出てきます。それが解らずにすんでいると言うことも多いようです。

今回訪れたのは 栃木市の伝統建築物保存地区です。

まずは横内先生に様々な事例を教えて頂きました。

その後改修された建物を実際に見て回りました。

案内してくださったのは 私の母校の1年先輩の加藤先生 このような改修にたくさん携わっていらっしゃるようです。

それと東京都市大学の大橋先生。木構造の第一人者の一人ですね。大橋先生も母校の先輩
偶然です。(笑) 学生寮の話題で盛り上がりました。軍隊のように上下関係がありとても厳しいところでしたから。
「1年建築学科の高橋慎吾です。出身は埼玉県秩父郡・・・・」と寮で決まりの定文挨拶をしたら笑われました。

改修中の見世倉です。ジャッキアップして鉄筋コンクリートで基礎を作り土台を敷いて 下ろします。

この状態はとても不安定ですね。

大橋先生が構造のアドバイスをして安全な建物としてよみがえるそうです。

地震などの水平力に耐えるよう 壁などを補強していきます。
力がうまくバランス良く伝達するためには水平構面の剛性も必要ですから床や屋根なども強くします。
さらに足下がずれてしまったり浮いてしまったりしてはいけません。きちんと地面から離れないように基礎土台に接合します。

これを見えないように直すわけですからとても大変なわけです。

きちんと直すには大規模な改修が必要となってしまいます。きちんとした知識を持って直さなくてはまたすぐに修理が必要になってしまうかもしれませんし,きちんとした安全性能が確保できません。大規模な改修はお金もかかってしまいます。

でも、先祖から引き継いだ、価値ある建物を きちんと後生に残していくのも我々のつとめです。

今いる我々がやらなければ、今まで受け継がれてきた大事な建物が無くなってしまうのです。

本当に我々の様な技術集団にしかできない大切なことなのです。

今後もきちんと勉強をしながら良い仕事をしていきたいと思います。

大橋先生と記念撮影(笑)

相変わらず 太っている私。 やばいです。 ダイエットが必要ですね。

少しの差だと思っても大きな差を生む

同じ年に建てた住宅でも 使う部材や作り方によってずいぶん劣化が違います。
その一例です。

下の写真はその当時 はやっていた外壁材です。窯業系サイディング。ほとんどの住宅がそうでした。今でもほとんどこの外壁ですね。この当時もメーカは 今と同じように長持ちすると言っていました。サイディングの劣化の写真です。

この外壁を使った多くの家がここまででは無いにしても痛んでいます。20年たっていません。
皆さんもこのてのサイディングという外壁の家が 作ったときには綺麗だったのに 10年過ぎてくるとゆがんだりして 汚くなってしまっているのを見ると思います。

一方 それより1年古い私の家
ヘーベルハウスなどで使っているALCという素材です。全く痛んでいません。商品名はパワーボード。旭化成建材さんの商品です。
当社ではこの外壁が標準です
塗装を塗り替えれば ほぼ新品同様となります。
外壁を張り替えるのは とてもお金がかかってしまいますが 定期的に塗り替えるだからわずかなお金で済みますね。
この素材は LCCMの評価でも最高ランクです。

建築時にはこの外壁の方が30~40万円くらい高かったのですが 今回の張り直し メンテナンスの金額を考えると サイディングの方が100万円くらい損をする計算になります。
さらに 住んでいたときの外壁の防音性能や断熱性能。防火性能には圧倒的な違いがありますから 「安物買いの・・・・・」ということになるかもしれません。
お客さまは建てるときには建築会社から全く説明も無くてデザイン色を選んだだけと言うことなのでとても気の毒です。
知っていれば、きちんと説明を受けていればこれを選ばなかったかもしれませんし、後悔をしなくてすんでいたかもしれません。
安く建てることしか考えずお客様に仕事をいただこうとした建築会社の責任が大きいですね。仕事を取ることだけ熱心な工務店には困りものです。長持ちする良い家を建てようと言う工務店ばかりになれば日本の家づくりも良くなるのですが。

このように家を作るときの素材の選定はとても重要です。

外壁だけでもとても大きな差が出てしまいます。

他にも屋根材や水道のパイプ ありとあらゆるものが 素材の違いで長持ち度が全く違います。

皆さん 家を作るときには 目先の金額だけで判断せず長い目で見て きちんと選んでくださいね。
選ぶのは難しいかもしれません。そのときには知識がある信頼できる工務店を選ぶようにしてください。

資産となる住宅 負債となる住宅

日本の住宅は建て替えとなる期間がとても短い。

図表I-1-1-13 滅失住宅の平均築後年数の国際比較

国土交通省の資料によると 大量消費国であるアメリカと比べても 半分だ。

100年以上という国もたくさんある

先日、スイスに行って アルプスの麓の村を訪れた。

特別な家というわけでは無く、特別に古い家を残すという地区でも無い。
当たり前に古い家が住み継がれている。
200年 300年 という家がたくさんある。
というか ほとんど100年以上の家だ。

このような家は 建ててからも何百年も住むことができるのだから 家が建てたときのままの価値があると考えることができる。勿論、途中でメンテナンスを続けていく費用はかかるが、新しく建てる必要は無いわけだから新しく建てる建物と価値は変わらないとも考えられる。
アメリカでも中古市場がしっかりしていて 買ったときの価格以上で取引されている例も多いらしい。

価値が下がらないのであれば 買ったときにかかったお金が家となって蓄えられているだけだから立派な資産と言えるだろう。家として貯金していると言うこと。

しかし,日本の家はどうだろうか?

長持ちさせることをあまり考えられていない住宅ばかりで平均30年で建て替えられていくようだ。
確かに近年は おじいちゃんの世代、お父さんの世代、自分の世代と毎世代ごとに建て替えをしていることが多いようだ。

これでは、家を建て替えるときにはその家の解体費がかかるわけだから持っているだけでお金がかかってしまうということになってしまう。すなわち負債と同じ訳だ。建て替えが必要な建物はマイナスなのである。すなわち借金。

長持ちする家は 資産となるが 長持ちしないすぐ壊されてしまう家は負債なのだ。

皆さん 大金をかけて住宅を建てる。借金を背負い込んで。
そして借金を払いきった頃にはその家は価値がなくなり負債となるのである。

そんな家を建てる必要があるだろうか?

私は、21の時にヨーロッパの国々を一人で旅をしたことがある。そのとき古い家々が 代々住み継がれていることに感動した。そしてその様な長く住み継がれていく家を建てたいと思った。
資産、負債ということまでは考えていなかったが、先祖が作った住まいを修理しながら住み継いでいくことがすばらしいと思ったのだ。

私が 暖かい家を必死で勉強し作ってきたのも住み継がれる家を作りたいと思ったからだ。寒い家はすぐに「住みにくい。建て替えたい」と思わせてしまうからだ。

スイスは寒いところだ。しかし建物本体がしっかりしているので修理を繰り返すことができる。父の代で外壁の改修を。自分の代でサッシをトリプルガラスに。と修理を繰り返していける。勿論内部の設備は最新の給湯器やキッチンなどに更新してありとても近代的な生活を送っているようだ。

住み継がれていく建物とするためには

建物が長持ちするようにしっかり作ること。
メンテナンスがしやすいこと
長持ちする部材を使うこと
あまり狭すぎないこと
その様なことが重要。

それともう一つ思うことがある。
それはデザイン
スイスの家々は今見ても とても素敵に見える
日本の古民家などもそうだ。
今,日本で作られている家はどうだろう。100年後住んでみたいと思われるデザインだろうか?
いや、10年後だってすみたいと思われるデザインなのだろうか?

へんてこな屋根や パンダみたいな色使い。
南欧風まがいの建物。デザイナーズハウス?
そんな建物が10年後20年後にもすてきに見えるのだろうか?

今売れっ子の設計士さん建築家のデザインの建物もそうだ。
形が斬新だったり、モダンだったり今見ると綺麗に見える建物はある。
しかしその建物は10年後、20年後にも受け入れられるデザインなのだろうか?
一時のはやりなのでは無いか?
「あのときあんな家が多かったね。今見ると粗末だね。」
そのくらいのレベルの建物であきられ取り壊されていくのでは無いだろうか?

資産となる住宅は長持ちしなくてはならない。はやりに左右されて、後で安っぽく見えて取り壊されていったり、デザインを優先するあまり、雨漏りやゆがみが早く来て住み続けられないようではならない。無理なデザインは危険だ。

だから、デザインもとても重要な要素なのである。
その土地にあった、見飽きない、普遍的な,流行に左右されないそんなデザインが必要だ。
スイスの村の家々はその土地の大工さんたちがその土地で育ってきた技術で作ったのだと思う。
有名な建築家でも無く。

単純でシンプルなデザイン バランスの良いデザイン それが長持ちする、住み継がれていく、資産となる住宅として重要な要素だと思う。

自分が手がけた住宅が早く壊されるのもいやだし、環境のためにも良いこととは言えない。
何より私を信頼し建築を任せてくださるお客さんの大切な財産を無駄にさせるわけにはいかない。
これからもしっかりした住宅を わざとらしくないデザインの住宅を作って行きたい。

高橋建築の大工さん。協力業者の皆さん。高橋建築は長持ち重視です。よろしく御願いします。
一緒に進化していきましょう。

 

木造の構造計算 耐震性を高める

木造の構造計算の手法が若干変更になりました。
耐震性をきちんと確保するために日々勉強をしています。

高橋建築の設計を手伝って頂いている ラクガキ工房の 堀合さんと一緒に 東京大学で勉強です。
先生は 東大の青木先生です。

この講座は 普通の勉強会とは違い 実際に基準作りをしている先生方が どのような考え方や経緯で基準ができていったか説明頂けます。
ですからとても深く理解できますし、基準の矛盾点なども把握できますのでそのことを設計に生かすことができ より強い建物を設計することができます。(裏話が楽しいです。)

さらに少人数なので 質問もたくさんできます。
例によって いつでも最前列中央に私が座っております。
食い入るように画面を見ているのが私です。(笑)
学生時代には教授に「にらみ付けている。私の授業では物足りないか?」と怒られたこともありました。(笑)
それからは ニコニコ黒板や画面を見るように気をつけていましたけど。(笑)
最前列はお得です。寝ないですみますし。先生も私の反応に合わせて進めくれますから。解ってなさそうだったらさらにかみ砕いてくれたりして。

今回の一番の収穫は 壁倍率の決まっていった経緯。
告示でたくさんの耐力壁が増えました。釘の打ち方でも耐力は違います。壁倍率の決め方も 基本は実験によって耐力を確かめ材料のばらつきや強度などで低減率を決めて設計で使う壁倍率を決めていきます。その過程が解りました。実験方法などでその辺のばらつきの出方や母材の種類や釘の種類打ち方 同じ倍率でも金物の種類などでも大きく耐力が変わります。

同じ倍率で計算しても それらの組み合わせで本当の力の強さは大きく変わるのです。

また、既存の認定されている耐力壁でも 昔の基準で計測されていたり昔風の施工方法だったりして 現在にはそぐわないものも有ります。

しかし一度、法律として決められてしまうとなかなか変更は難しく 実際は弱いのに強いことになってしまっている壁などもあることが解りました。その様な壁を使う場合は自分で強さを低減して構造計算するべきですね。強いと勘違いして計算するとひどいことになります。

以前の基準では甘かったところの計算方法が多数追加されたり変更されたりしました。
そのへんのことも機会があったらブログにあげたいと思います。

新しい許容応力度計算の解説書は挿絵も多くとてもわかりやすいです。
実務者は絶対に購入して勉強しておくべきです。
秩父でこの手の話が一緒にできる設計事務所、工務店がいないのはとても残念です。
最先端の勉強会でお会いすることは全くありません。どうしてるのだろう。

私は自分でもとても良いポジションにいると思っています。
なぜか、その分野で最高の先生を見つけ勉強する機会に恵まれるのです。
そのサイクルができて次の機会にも誘われたりします。

この講座は数回続きます。次回は稲山先生の講座です。とても楽しみです。

長持ちする建物を作るには 地震時などに壊れることが無かったり 長い間に変形しないことが大切です。
構造の安全性を計算することが大前提ですね。
どんなにすてきに見える建物でも 長持ちしない住宅はだめです。

今週末は 伝統的建物の保存改修の勉強会です。
古い建物を見たり修理の仕方を勉強することで長持ちする建物としない建物の差がどんなところにあるのかわかり、長持ちする建物の作り方が解ります。

当社は 作れる棟数は少ないですが、 良い建物を作る 「スーパー工務店」を 目指します。
安売りの「スーパーマーケット工務店」ではなく「極上の,すばらしい工務店」という意味ですからね。(笑)
秩父で良い注文住宅を作りたいとお考えの方 一緒に勉強しましょう。

住宅の消費税10% いつから?

今のままだと 消費税10%になりそうですね。
いろいろな軽減税率など検討されていますがあまり複雑になると役所や企業の事務経費もかかりますから、せっかく消費税率を上げても社会福祉や公共事業などに実際に回せるお金が増やせなければ、全く意味が無くなります。
我々の血税が社会のために役に立たないのは避けて欲しいですね。

税制はシンプルにして欲しいと思います。

そうは言え 増税によって経済が落ち込むのは避けなければなりません。

住宅は高い買い物です。現在8%の消費税が10%に増えると2%分増えてしまいます。
2000万円の住宅だと40万円の税金が増えるわけです。

住宅産業は経済に大きな影響を与えますから増税により着工個数があまり影響を受けないようにしないといけません。

そのため政府でも政策を考えてくれています。

まずは住宅の消費税10%がいつからという質問 消費税は2019年の10月から10%になる予定ですが 住宅の場合は 2019年3月までにきちんと図面ができて契約していればその後ずっと8%で済むことになっています。
これはありがたいですね。
ですが私たち建築会社は、とても忙しくなりそうです。

さらに、贈与税の非課税枠が3000万円に拡大されること。これはとても大きなことです。
現在ぞ、相続税が高いですから、この制度を使って生きていいる間に子供にお金を渡しておければ 相続税時の税金がとても安くなります。
親がお金を持っていれば、お子さんはお金が無くても非課税で贈与を受けお家を建てることができます。

さらにもう一つ、住まい給付金が増額されます。

これは所得が少ない人向けではありますが、最大50万円もらえます。
簡単な申請をするだけですので簡単です。

現在も30万円もらえますので家を建てた方は申請を忘れないでくださいね。

Posted by 管理者