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パッシブ換気

近年 進んだ建築業者の中で 話題を集めているのが パッシブ換気です。私の仲間でも試してみている人が多くなってきました。

以前説明した 一番多く採用されている 第三種換気は 排気にファンを使うもの。

当社で行っているのは 給気 排気に ファンを使う 第一種換気

給気のみにファンを使うものが 第二種換気です。

これらに該当しないパッシブ換気とはどのようなものなのでしょうか?

なんとパッシブ換気はファンを使わないのです。動力「ゼロ」です。
ですから第四種換気と言われることもあります。

建物の高低差による温度差を利用して排気をするのです。まーたーが付いていないのでとても経済的です。
北海道にある 北方建築総合研究所で研究され技術的には確立されています。

北海道大学ホープページより 令和元年5月15日

http://www.mcip.hokudai.ac.jp/cms/cgi-bin/index.pl?page=contents&view_category_lang=1&view_category=1233

基礎に涼しい空気を取り入れ暖かい空気を屋根から抜くのが一般的です。室内の温度が高いので外から入ってきた冷たい空気が暖められて屋根から抜けるという仕組みですね。

ここで問題が起こります。外の温度が中の温度と近い場合は、この高低差、温度差による換気(重力換気)が行われないのです。

このシステムが開発された北海道なら良いのですが、秩父の場合 厳しいです。冬場は、外気温が低いですから 上手に換気がされますが そのほかの時期に関しては、ほとんど換気がなされない時間が多くなります。

人が生活していれば、空気は汚れます。冬場だけではなく一年中です。
外気温によって換気がされないのは困ります。
ですから、このシステムを使う場合にはトイレや浴室などにファンを付ける第三種換気を併設することになります。ハイブリッドにするわけです。この併設する仕組みをハイブリッド換気と言います。

ほとんどの場合 パッシブ換気のみではなく 第三種換気を併設したハイブリッド換気になりますが、冬場のほとんどは電気を使わずに換気ができますからとても省エネと言えます。

この方式は 動力の電気代は減らせますが、熱交換はしてません。超高気密住宅には向きませんね。 G1グレードくらいの家にはとても相性が良い可能性はあると思いますがここで問題点が出てきます。

私はこのシステムの住宅を以前体験したことがありますが、基礎部分にエアコンが入れてありました。床下エアコンです。

基礎に冷たい空気を入れますからこのままですと床が冷たくなり不快です。 床が冷たくならないように床下エアコンあるいは床暖房と組み合わせが必須となるでしょう。

それを考えると基礎まで暖めなくてはならなくなりますから暖房エネルギーはとても増えることになります。

換気のためにエネルギーを減らしたのに暖房のためにエネルギーが増えると言うことになってしまうのです。これでは本末転倒です。

きちんと断熱気密して適切な計画換気を行い 冷暖房エネルギーを減らした方が、わずかなファンのエネルギーよりも経済的です。エアコンは数百ワット ファンは数十ワットですから。

一見、とても良さそうに見えても、よく考えるとそうでもない場合もあります。いまは、情報があふれています。インターネットで発信しているのを見ると、中途半端な知識で発信しているのが多いようです。その情報を鵜呑みにして判断してしまうと大きな勘違いとなってしまいますので、皆さん注意してくださいね。

住宅建築のことでしたら お気軽にご質問ください。私はいままでずっと住宅建築のことばかりを考えながら生きてきました。皆さんや他の建築会社のかたとは情報量が圧倒的に違います。

自分でもまだまだ発展途中だと思ってますので、これじゃないとだめだという判断はしません。うさんくさい住宅会社のように自分の会社で採用しているこの方法ではないとだめだという、凝り固まった情報ではありません。たくさんの情報を取り入れ、公平に判断します。

疑問にお答えさせていただきます。(笑)

第三種換気?第一種換気?

第3種換気は室内の空気をファンの力で外に出し、その分の空気を給気口から自然に取り入れる方法です。

第一種換気は 給気と排気の両方をファンの力で行います。
その際に入ってくる空気と出て行く空気を交差させ熱を入れ替えます。
排気とともに捨てられてしまう熱を回収するのです。

ローヤル電機さんのホームページから引用 令和元年5月14日
http://www.royal-elec.co.jp/shop/info/ventilationdetail.php?shopflg=0&rootid=4&category_id=34&product_id=286&quantity=1

このように熱を回収できる換気システムを熱交換換気システムと言います。熱と一緒に湿気も入れ替えられるものを 全熱交換換気 と言い 熱だけ入れ替え湿気は入れ替えないものを 顕熱交換換気 と言います。

とてもすごい換気システムと言うことになりますが弱点もあります。

まずは給気と排気の両方をダクトを使うので工事が大変です。
さらに機械が少し高いです。
そしてモーターが給気用と排気用と2台になってしまいます。

せっかく熱を回収して省エネなのですが、電気代は倍になってしまいます。冬は暖房費が減りますのでとてもお得なのですが 春や秋、夏の夜などは室内と外の温度差は少ないですから 熱交換はあまり必要ありません。それなのにモーターは電気を食ってしまいます。

北海道のように寒い日が多い場所の場合は明らかに得でしょう。でも関東の平野部のようなところはそれ程でもありません。温暖地の場合、省エネ性能では第3種で十分ということになります。

しかし、電気代で比べるとそれほど得ではないと言うことになりますが、住み心地はとても違います。第三種換気の場合、外の空気がそのまま入ってきてしまい給気口の近くではとても寒く感じます。ですが、熱交換換気扇の場合、外の温度がとても寒くても熱交換してある程度暖まって入ってきますから寒さを感じにくくなります。
エネルギーだけの話ではないのです。

さらに当社の作っているような高性能住宅の場合は第一種熱交換換気扇しか選択筋は無いと思います。

熱が逃げないように断熱性能を高めてありますので、壁や屋根や窓などからにげる熱は本当に少なくなります。それに比べて換気による熱の損失がとても大きくなるのです。

計算をすると、第三種を使ってしまうと半分近い熱が換気で逃げてしまうことになります。どんなに断熱しても換気の影響の方が大きくて意味が無くなってしまうのです。
ですから高断熱の住宅と熱交換換気扇はセットなのです。
換気の電気代は少し増えますが、冷暖房エネルギーはとても減りますし、快適性はとても高くなります。

断熱がほどほどレベルの高断熱の住宅ならば、換気の熱損失以上の熱が壁や窓、屋根などの外皮から逃げていますからそれほど気にならないでしょう。その分たくさん暖房すれば良いというレベルになります。

第三種か第一種どちらが良いかと言うことは、地域によっても違いますし、断熱レベルによっても違うと言うことになります。

結論としては秩父地域の場合は朝の冷え込みがとてもすごいですから、きちんと断熱して第一種熱交換換気扇と言うことになると思います。

気密性能と換気

きちんと計画通りの換気を行うためには住宅の気密性能が必要です。隙間だらけの家では、どこから空気が入ってどこから空気が出て行くか解りません。

子供部屋には綺麗な空気を入れて健康に過ごせるようにしてあげよう。皆さんそう考えます。
ですから、外部からの新鮮空気の取り入れ口を取り付けてトイレなど壁のファンから排気する計画をします。安い家の第3種換気の計画はほとんどこの方法です。
ですが、この計画はあまりおすすめできません。1階に隙間があればその隙間から空気が入りそれが暖房で暖められ2階にある子供部屋から出て行くということになることが多いようです。
トイレの換気扇から出る空気はどこからか入った空気を排出するために動きそれで終わってしまいます。子供部屋の給気口から空気を引くと言うことはないのです。
暖かい空気が冷たい空気よりも軽いので上に行くというのは理科で習いましたね。
綺麗な空気を取り入れるための子供部屋の給気口が室内の温度の影響で空気の出口となるのです。
以前は質の悪いVOC(化学物質)のたくさん出る建材が使われていましたから、隙間から入った空気が汚れて子供部屋に集まるのです。
健康のための換気が 病気になるための換気になってしまう可能性もあるのです。

さらに、1階の隙間から入った空気は冷たいので、床が冷えます。床が冷たいのはとても不快ですね。

この計画は隙間の影響がものすごく出ます。本当に小さな住宅なら隙間の大きさよりトイレのファンの風量の影響の方が大きいですから何とかなりそうな気はします。

一方きちんと計画された、ダクト式の第三種換気の場合は、ダクトが引かれた場所ごとに計画的な排気の風量が確保されますから、少しの隙間ならそれは給気口代わりになるだけですので隙間の影響は少なくなります。
給気口と隙間から入ってくる空気の量は排気の量と同じになるのです。ですから影響はほとんどありません。それでもC=2.0以下くらいにしないと隙間の影響の方が大きくなります。

第一種換気の場合は排気も給気もダクトを使って行われます。給排気のバランスが取れていますから 隙間は換気システムの影響をさほど受けずに自由に空気の出入りができてしまいます。
第一種換気の方が隙間の影響を受けやすいので機密性能をより高くする必要があります。だいたいC=1.0以下できればC=0.5以下にしたいところです。

グラフを見ていただければ解りますね。左が第一種 右がダクト式第3種です。気密性能の違いで漏気量が全く違うのが解りますね。

「気密はそれほど必要ない。意味が無い。」という住宅会社さんは要注意ですね。たぶん全く根拠はありません。他のことでも自分に都合の良いでまかせを言っている可能性がありそうです。気密性能はあるにこしたことはないです。

適切な換気量

日本の建築基準法では換気量は0.5回と決まっています。

この0.5回というのは 1時間で半分(0.5)の空気を入れ替えると言うことです。入れ替えなくてはならないのは LDKや寝室など常時人がいるところで、廊下や階段、トイレ、収納などは換気しなくて良いことになっています。しかし、LDKの空気を最後はトイレの換気扇で抜くというような場合には、廊下やトイレも換気の対象面積となります。

この0.5回という空気の量は 20年位前のシックハウス法で決まりました。その頃の建材は人体に有害な化学物質が多く使われ それを吸って病気になる人が多かったからです。その化学物質を安全な濃度にするために考えられた換気量が0.5回なのです。現在は危険な物質も少なくなってきていますから、この考え方からするともう少し換気量は少なくても良いと言うことになりそうです。

もう一つの考え方が 人間に必要な空気の量が30m3/h位と言うことです。人間が生活しているとco2も出ますし、水蒸気も においも出ます。それを希釈するにはこのくらいの量が必要です。4人家族なら4×30で120m3です。30坪くらいの家ならこの計算方法でも0.5回くらいの換気量となります。

ですから、安全な建材となってきたとしても、やはり0.5回くらいの換気量を確保した方が良いと言うことですね。

ですが 家が大きい、住んでいる人が少ないなどの場合には、少ない換気量にしても良いかもしれません。換気が多いと言うことは、冷暖房費も余計にかかってしまいますから。

あまり絞りすぎると生活臭が残りますので気をつけてください。自分は解らなくても、来た人にはよくわかるのもです。ですから当社の換気計画では少ない換気量で生活臭が残りにくいような設計としております。

可処分所得は減っている厳しい現実 光熱費がかからない家を作ろう

将来に不安を持っている人は多いでしょう。

政府の発表では 景気が良くなっていると言うけれども 私たちの実際の生活は楽になっている気がしません。

鈴木亘(学習院大学)可処分所得のグラフを引用


これは 学習院大学の鈴木先生が作ったグラフです。
今後はますます社会保障費などの負担が増えていきます。そのため自分で自由に使えるお金がどんどん減っていくのです。

このことをふまえ、将来のことを考えて家を作っておく必要があります。

それでは、家を作らずにアパートでいいと考える人もいるかもしれません。しかし、使えるお金が減るのですから、アパート代金は大変な負担となります。物価も高くなるでしょうし支払い続けるのが難しくなるかもしれません。

私は、将来を考え自宅を持ち アパート代金を払わずにすむというのが良いのではないかと思っています。今、住宅ローンを組めば金利も安いですし、物価が上がってもローンは増えないですから、相対的にはローン代金は安くなります。アパート代は物価に応じて上がっていくでしょうから。
さらに、光熱費ができるだけかからない省エネ住宅を作っておけば、将来、電気代、ガス代が上がっても安心です。レベルの低い住宅では、光熱費の負担で苦しむことになります。電気代が上がって一ヶ月3万円 家賃が10万円なんてこともあり得るかもしれませんね。もちろん下がる可能性も少しはあるとは思いますが。

メンテナンス代も負担になりますから 長持ちするメンテナンスが楽な住宅を作ることや、壊れにくい設備機器を使っておくことも重要です。

困難な世の中になることも視野に入れながら家づくりをしましょう。

平屋か2階建てか?メリット デメリット

平屋と2階建てのメリット、デメリットは何でしょうか?

平屋のメリットはなんと言っても移動が楽なことでしょう。
2階建てのメリットは、日当たりが良くなったりすることでしょう。

それと一番に言われるのがコストが2階建ての方が安いと言うことです。
確かに一般的に言うと同じ面積なら、平屋より2階建ての方が安くできます。

それは基礎の面積、屋根の面積が2階建ての方が少ないからです。

しかし、実際にはどうなのでしょうか?

たとえば36坪の平屋と同じ36坪の2階建てがあったとします。
2階建ての住宅には階段が必要です。1階に1坪、2階に1坪の面積を使います。メーターモジュールの家やスウェーデンハウスなどは階段が広いですからもっとありますね。
尺モジュールの家でも2坪使うのです。2階建ての家は階段を除くと床の面積は34坪しかないことになります。階段は他に利用できないですからむやみに広いのはもったいないですね。

さらには、2階の階段の前には廊下も必要だったり、2階にトイレが必要だという人も多いでしょう。洗面化粧台を付ける人もいるかもしれません。
そうするとそれだけでまた1坪か2坪必要になってしまいます。
そうすると使える面積はさらに減って33坪32坪かもしれません。36坪のはずが実際に使える面積はそうなってしまうのです。

3坪4坪も変わると面積当たりの単価は2階建ての方が高くなってしまうこともありそうです。

さらには2階建てだとバルコニーを設置するかもしれません。バルコニーの代金が100万円かかるかもしれませんね。洗濯物が干せて便利という考えもあるかもしれませんが、2階まで洗濯物を干しに行く手間も大変だという方もいます。バルコニーが必ず必要と言うわけでもなさそうです。

平屋にはなんと言っても、移動が楽というメリットがあります。平面上を動くだけで上ったり降りたりがありません。これはとても楽です。
年を取ったらそのありがたみが いやと言うほど解るかもしれません。普段私たちも買い物など行くと近くに階段があってもそれを使わず わざわざ離れているエスカレーターに乗ったりエレベーターに乗ったりします。そのくらい階段は面倒なのです。
ですが、自宅となると毎日の階段の上り下りを当たり前だと受け入れるのです。なんかおかしいですね。

「私だって平屋が建てられる土地があれば建てるよ。」そんな声も聞こえてきそうです。
確かにあまりにも土地が小さければ無理かもしれません。しかし、前述のように36坪の2階建てを作るつもりでいたのなら33坪の平屋でOKと考えれば、もしかしたら可能かもしれませんよ。
土地にめいっぱい建てることは損ではありません。基本的に自動車やアプローチの計画がしっかりできれば、余分な土地は少ない方がいいと思います。土地が余ると、草むしりする面積も増えますし、外構工事の費用もかかります。

まずは、平屋でできるかどうかを考えてみることをおすすめいたします。
もちろん採光の問題などで2階建てが有利な場合もあります。日射取得熱を有効利用するために高い位置に窓が必要になりこともあるでしょう。
その様なことも設計次第でうまくできます。敷地や日当たり動線などいろいろな条件をクリアーさせるためにはやはりプロに設計を任せた方が良いと思います。

Posted by 管理者