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髙橋建築

住友林業の家は暖かいのか?断熱調査4 温度変化

断熱・気密

住友林業の家の温湿度を実測しました。

約10日間 測定箇所は 
 外気温
 リビング
 トイレ
 寝室
 脱衣室
 子供室
 床下
の7カ所です。

リビングの温度変化 大きな温度変化が日に2回

外気温は日によって違いますが、0℃から10℃くらいです。
リビングの温度は17℃から24℃くらいです。
HEMSのデーターを見ると床暖房を朝4時半頃からつけています。
温度にもその変化が現れています。出かける前にスイッチを切り帰宅するとまたつけているのが分かります。
1日に2回の大きな温度変化となっています。

就寝前まで暖房をつけ朝も早めに暖房をつける
帰ったらすぐ暖房を始める
きちんと早め,長めの暖房をつけることで 最低室温を17,18度くらいに押さえています。上手に住みこなしている様子が分かります。
18度以下の室温で住むことは健康に良くないと言われていますから、この地域の外気温似合わせたちょうど良いくらいの暖房コントロールといえるでしょう。

暖房の立ち上がり時間に1時間~2時間程度かかっていることが分かります。
タイマーなどを使い朝起きる前にスイッチオン。朝起きた時には十分温かくなっています。
そして帰宅する前にスイッチオン。帰宅したら温かいという状態になっているようです。

温度の下がり方も少し大きめです。

内外温度差15℃くらいで 6時間で5℃くらい下がります。
当社の住宅での実測値は2℃前後です。
一般的なほかの住宅のデーターは持ち合わせていないので比較検討が必要です。

リビングの消費電力 少ないとはいえない。

LDK+和室が一体のお部屋で玄関ホールとはドアを閉めて分離しているようです。合計28畳の大空間です。エアコンはたまにつけているみたいです。1月の在宅日の暖房の平均消費電力は7.3kWhです。
家全体の暖房では無く、大きめとはいえ28畳のLDKのみの暖房エネルギーですから,少ないとはいえなさそうです。
このエネルギーのみで家全体が暖められているならまあまあでしょう。
エネルギーの比較は後の機会に詳細にいたします。

トイレの温度 かなり寒い

1階のトイレの温度変化です。

リビングからホールと階段のある廊下を介してトイレがあります。
リビングの熱がほとんど伝わらないのでしょう。
北側の奥にあるので日射の影響はほとんど受けず、温度は安定しています。
15度くらいの日が多いですが13度まで下がってしまっていることもあります。
トイレはお尻を出します。13度では寒いですね。
暖房便座やウォシュレットのお湯を作るにも不利かもしれません。

脱衣室の温度 ファンヒーターで暖める
 

脱衣室は2階にあります。
リビングでくつろいでいる途中で順番にお風呂に入りに行かなくてはなりません。脱衣室に行く道中も寒くないように夜は2階の廊下にファンヒーターをつけています。脱衣室、寝室のドアは開け廊下と一体で全体を暖める計画です。
ファンヒーターは1日3時間程度。毎日1Lくらいの使用量です。
2階は南側に窓もあり日射さえあれば夕方に それほど 温度が下がることはなさそうです。
きちんと太陽が出た日には20度くらいあるようなのでファンヒーターの力を借りずにすみそうですが、日の出ない日にはたくさんの暖房が必要となります。
グラフを見て分かるとおり、温度変化が大きいのが気になりますね。ファンヒーターの温度設定が高めで急激に暖めていますが、空気のみ暖めるだけで冷え切った建物本体を暖めることができきらないため、ファンヒーターを切るとすぐに冷めてしまうのでしょう。

裸になる脱衣室を暖めておくためにオーナーさんが考えたやむを得ないとも思える方法ですが、この方法により快適性が維持されるわけですから住まい方としては素晴らしいと思います。

本来はリビングで暖房をすればそれに準じて廊下、脱衣室などの非居室(常時生活しない部屋)も温かければ良かったと思います。

寝室は脱衣と一緒に開放 子供室は閉じる

寝室は、夜、廊下のファンヒーターで脱衣室と一緒に暖めておきます。就寝時には22℃くらいのようです。晴れた日の翌朝は19℃くらいありますが、曇りの日の翌朝は15度くらいまで下がってしまうこともあるようです。
寝室は3人で寝ているので内部発熱もあります。もう少し温度変化が少なくても良い気もしますが、このくらいですむならまあまあでしょう。

一方、閉じたままの子供部屋ですが11度まで下がってしまっています。リビングなどの暖房室と空気の循環が少ないとはいえ少し下がりすぎです。非暖房室の温度がこれほど下がると言うことは、断熱不足と言うことでしょう。

温度測定の結果から読み取れること。

エネルギーを使って暖房すれば家を暖めることができます。
断熱量と暖房器具の大きさは適切です。余力もありそうです。
暖房器具さえ使えばなんとか暖めることはできますが、それを維持する力が足り無いような気がします。私の感覚では断熱不足ということになります。
それは、暖房室の温度の下がり方や、非暖房室の温度の低さから読み取れます。

ハウスメーカーが自信を持って温かい家だと説明したレベルがこのレベルです。

今後皆さんの指標としてください。
この断熱レベルが,すごいとか甘いとかの判断は各自でしてください。

もちろん、もっと温かい家もありますし、寒い家もあると思います。

これが,まだ半年たたない住友林業の家の実力です。お客様がオプションで良いサッシにしたりしてますので、ノーマルな仕様はこれよりもっと寒くなると思います。

建築会社はどこも温かい家 高気密高断熱住宅だという。

どこの建築会社も「当社の家は十分温かい」といって営業します。
今回この住宅のデーターを公開してほしいとおっしゃったオーナーさんも、たくさん調べたけどうまく比較検討できなかったと言っていました。

もちろんUA値など公開してありそれを元に比較はできるはずですが、その数字がどのくらい体感や省エネ性に影響するかは、全く判断できません。

営業マンが 「国の基準が UA=0.87なので UA=0.6を切っていればとても温かい家です。」と言えばそれを鵜呑みにしてしまうかもしれません。

「この住宅はZEHクリアーしてます」と自慢げに言えばそれがとてもすごいものと思い込んでしまうかもしれません。

きちんと比較検討できる情報があり、それを元になっとくして家づくりができないと、あとで後悔してしまいます。

スマホや自動車は買い換えることがしやすいですが、住宅はそうはいきません。

今後、家づくりをする人のために情報を公開してほしいと言ってくださったこの家のオーナーさんのためにも、引き続ききちんと情報を公開し、その後比較へと進んでいきたいと思います。

このブログを読んで 他社で建てた方。
計測公開を希望される方は 当社までご連絡ください。
格安で,測定調査いたします。

info@ta-k.jp

までご連絡ください。冬の期間しかできませんので お早めにどうぞ。できれば消費電力量がはかれるHEMS付きの住宅がよいです。

Posted by 髙橋 慎吾