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髙橋建築

パッシブハウスとG2、G3の家の違い

パッシブハウス,断熱・気密

暖かいと言われる家が増えてきましたね。

とてもいいことです。

新規に当社に来たお客様から、ほかの住宅会社で「パッシブハウスはいらない。G2で十分だ」「パッシブハウスはドイツの基準で日本には適さない。」といわれたと言ってました。

そのお話しされた住宅会社さんは、残念なレベルですね。

わかっているなら、そういうことは言いません。

G2で十分だというならその根拠がいりますよね。
パッシブハウスはG2、G3で定義している外皮の平均熱貫流率(UA)だけではなく、換気や気密性能による熱損失や、熱橋からの熱損失。ジメジメの原因となる潜熱までも計算して、必要な暖房、冷房需要 負荷を計算しています。

そもそもG2、G3とは 物差しが違うのです。

G2,G3では壁、屋根、床、窓の熱損失だけ計算していますので、それだけで暖かさは全くわかりません。

地盤に逃げる熱の計算 高断熱住宅になるととても無視できないほどとても多いので計算が必要です。

同じUAでも、真四角のおうちとL字のおうちだったらL字のおうちの方がUAが良かったりすることもあります。

屋根を断熱しやすい平屋の方がUAはとても有利になります。平屋ならG3は楽勝です。

太平洋側の地域では日射熱取得をたくさんするために南側の窓を大きくすることが望まれますが、それをすると暖かい家になるけどUAは悪くなるということもあります。

heat20の定義しているUAという考え方が悪いと言っているのではありません。
私もHEATのメンバーですから。
断熱性を向上していく上でとてもいい指標だと思います。まずは断熱量の確保がとても重要ですから。
 それができてその次がエネルギー計算なのです。

そのため、個別の住宅の暖かさや、エネルギー消費量をできるだけ正確に比べるには、今現在ではパッシブハウスの手法しか無いと思っています。

いくらG3だからといって、寒かったらいやですよね。
エネルギーを消費して光熱費がかかったらいやですよね。

それがないようにきちんとシミュレーションする必要があるのです。
それがパッシブハウスの考え方なのです。

G2で十分と言うということは逆に言うと日射取得や換気、気密、熱橋の影響などあまり関係ないと言っているような物ですね。

 ですからわかっている人はそういう「G2十分」とは言いません。総合的な性能を判断できないとならない。ということを知っているからです。

 パッシブハウスは暖房負荷が15kWh/㎡以下です。

 ですからパッシブハウスレベルはいらないというなら、20kWh/㎡なら十分とか、25kWh/㎡以下なら十分とかいえるならちょっと信じていいかもしれませんね。

 断熱量の比較では不十分で、暖かさにはどれだけ暖房が必要かエネルギーの比較が必要なのです。

 そして、パッシブハウス基準がドイツの基準だから日本に適さないと言っている人がいたらその人はもうダメです

 たしかにドイツで作られた基準ではありますが、それは世界に広まり世界で共通する、最高性能の基準と認知されています。

 中国や韓国でもどんどん広まっています。

 できた当初は確かに寒冷地向けの基準のようにも見えました。しかし近年は日本のパッシブハウスの情報なども集められ、その地域地域に適した性能が得られるよう常に計算ロジックも改善され進化しています。すごいスピードでブラッシュアップされているのです。

 むしろ日本の基準の方が全く変化がありません。UAがようやく定義されるのみで、高断熱化に必要な計算手法が全く整備されていかないのです。

 実際に当社で建てられた無暖房で住めるレベルのパッシブハウスでもG2半ば
  G3だけどパッシブハウスに届かず暖房がまあまあ必要ということもあります。

 おうちの間取りや日当たり、構法などで全く違うのです。

 ですからG2だから暖かいなんて、G2で十分なんて 全く言えないですね。

 特に6地域のG2なんてちょっと怪しいですよ。付加断熱(外張り)無しでG2になりますから。付加断熱無しで「高断熱住宅」は言ってはいけないと思います。全く別物ですから。

Posted by 髙橋 慎吾