制震ダンパー?どうなの?等級3で大丈夫なの
山辺先生の木造のセミナーを聞く機会に恵まれました。
とても久しぶりです。
山辺先生と言えば、木構造をきちんと勉強している人で知らない人はいないと思います。

木造の実務設計では一番活躍されている方ではないのかなと思います。
以前、木の建築フォラムで難しい勉強をさせてもらったり、実物件をご案内いただいたり大変ご指導いただきました。
今回のセミナーでは、木構造の基本のおさらいや、設計の勘所。そして工務店の実務者がモヤモヤしていることをいろいろ聞いて本当のところを知り、モヤモヤを晴らそうと言う話し合いも付いたセミナーでした。
制震ダンパーは効果あるの?何が良いの?
そこで、ある方が制震ダンパーについて質問されました。
制震ダンパー付きの住宅が等級3を超える性能と唱って、とても強いと行っている。どの制震ダンパーを使おうか迷っているのでアドバイスが欲しいと言うものでした。
先生はちょっとあきれた様子。制震ダンパーは木造住宅ではそれほど効果が無いのではないか?とお応えになっていました。
メーカーが言っている説明を鵜呑みにして、とてもすごいと言っている住宅会社もあるけど全体で見ると効果はほんのわずかあるかないか。効果が限定的であると言うことは解っているというようなことを言っていました。
この話は、他の構造の先生からも聞いたことがあります。まあ気休め程度に。みたいな感じでした。
「やはりそうなんだ」と再確認ができました。
制震ダンパーを付けるなら耐力壁を増やすとかそういったことの方がよほど効果があり良いとも言っていました。
そして、制震ダンパーが効果があると言っている繰り返し自信についても言及。
能登の地震ではなんと32000回も繰り返しの地震が起きているそうです。
中には大きいのもあります。それだけ繰り返されれば、相当弱くなるはず。倒壊も増えるはず。
だけど、強度がきちんと確保されている建物はそれ以上棟回数が増えていないと言うことでした。
制震ダンパーを付けるより、きちんと強い建物を作っていく方がより大切と言うことでした。
まあ十分予算のある方は付けても良いかと思いますけど。
等級3で大丈夫なの?
より強くより強くしてそれをPRポイントとしている業者が増えていることについて。どこまで強くすれば良いのかという質問もありました。
山辺先生は、きちんと構造区画など計画された建物であれば、等級3で十分とおっしゃってました。
やり過ぎは良くないと。
まあ悪いと言うことはないのかも知れないけど、そのために壁量が増え、使い難い間取りになったりしたらもったいない。
壁量だけ増やしても水平構面を強くしないと無駄になる。水平構面を強くするにはバランスの限度が難しい。
確かにそうですね。
断熱もすればするほど消費エネルギー削減にはなります。しかしパッシブハウスレベルを超えてくると、効果は感じられなくなってきますし、コスパは悪くなるばかり。
構造にもそういうことが言えるわけです。
その最強のバランスが等級3ではないかと.言っていました。
そのほか
古い家のリフォームでの基礎の改修工事の仕方は勉強になりました。
そんな方法があるのかと。この方法は建物を持ち上げないで上手く基礎を改修する方法でした。
本当に残した方が良いと思えるような素敵な建物に巡り会ったら是非実践してみたいです。
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