室温22度でも寒いのはなぜ?一級建築士が教える「体感温度」の落とし穴
こんにちは!高橋建築株式会社の代表、高橋です。
「高断熱の家は暖かい」というのは今や常識になりつつありますが、実は「暖かい」と「快適」の間には、ちょっとした魔法のような差があるのをご存知でしょうか?
今回は、一級建築士として、そしてパッシブハウスデザイナーとしての視点から、皆さんが意外と見落としがちな**「本当の心地よさ」**の正体についてお話しします。
1. 「室温22度」でも寒く感じるのはなぜ?
よく「体感温度」の計算式として、プロの間ではこんな風に言われます。
体感温度 =(室温 + 壁や天井の温度)÷ 2
例えば、エアコンの設定を22度にしていても、壁や窓がキンキンに冷えて10度しかなければ、体感温度は16度。これではコートを脱げませんよね。
だからこそ、私たちは壁や窓の断熱を徹底し、家全体を「魔法瓶」のように包み込む設計をしています。でも、実はこれだけでは**「不快感ゼロ」**には届かないのです。
2. 盲点は「足の裏」にあり!
皆さんが家の中で一番長く「直接触れている場所」はどこでしょうか? そうです、**「床」**です。
どんなに部屋の空気が暖かくても、足の裏から熱がスルスルと奪われていくと、人は「冷え」を感じ、不快感を覚えます。
「床暖房なら解決じゃないの?」という疑問

ここで多くの方が「じゃあ床暖房を入れればいいじゃない」と思われますよね。 確かに床がポカポカするのは気持ちいいものです。
しかし、床暖房で「あ、暖かい!」と実感するためには、床の温度を30度近くまで上げる必要があります。人の体温(約36度)に近い温度ですね。 ただ、最近の超省エネな高断熱住宅では、そこまでガンガン温めると逆に「暑すぎてのぼせる」「足元だけ違和感がある」という声も増えています。
3. 「熱を奪わない」という考え方
私たちが大切にしているのは、「積極的に温める」ことよりも「熱を奪わせない」ことです。
同じ温度の「鉄」と「木」を触り比べたとき、鉄のほうがヒヤッとしますよね? これは鉄が冷たいのではなく、鉄の方があなたの体温を奪うスピードが速いからなんです。
床材も全く同じです。
- 一般的な合板フローリング: 熱が逃げやすく、ヒヤッとしやすい。
- 無垢のフローリング(オークなど): 合板よりはマイルド。
- 無垢の柔らかい木(スギなど): 空気をたっぷり含んでいるため、熱が逃げにくい。
「床暖房ですか?」と驚かれる理由
当社のモデルハウスや完成したお家を体験された方は、よく「これ、床暖房が入ってるんですか?」と驚かれます。
実は、床暖房は入っていません。 **「室温と同じくらいまで床の表面温度を上げること」と、「足裏から熱を奪いにくい素材(無垢材)」**を組み合わせているだけなんです。
自分の体温を自分で守る。これが一番自然で、身体に負担のない「究極のバリアフリー」だと考えています。
最後に:小さなこだわりが、一生の快適に。
「どの断熱材を使うか」も大事ですが、「どの床材を素足で踏むか」も、同じくらい豊かな暮らしには欠かせない視点です。
「寒くない」のその先にある、「空気に包まれるような、不快感のない暮らし」。 そんな住まいを、私たちはこれからも床材一つからこだわって作り続けていきます。
「本物の木の暖かさ、実際に触って確かめてみませんか?」 もし興味を持っていただけたら、ぜひ当社の見学会で「素足」の感覚を体験してみてくださいね!








