適切な換気量
日本の建築基準法では換気量は0.5回と決まっています。
この0.5回というのは 1時間で半分(0.5)の空気を入れ替えると言うことです。入れ替えなくてはならないのは LDKや寝室など常時人がいるところで、廊下や階段、トイレ、収納などは換気しなくて良いことになっています。しかし、LDKの空気を最後はトイレの換気扇で抜くというような場合には、廊下やトイレも換気の対象面積となります。
この0.5回という空気の量は 20年位前のシックハウス法で決まりました。その頃の建材は人体に有害な化学物質が多く使われ それを吸って病気になる人が多かったからです。その化学物質を安全な濃度にするために考えられた換気量が0.5回なのです。現在は危険な物質も少なくなってきていますから、この考え方からするともう少し換気量は少なくても良いと言うことになりそうです。
もう一つの考え方が 人間に必要な空気の量が30m3/h位と言うことです。人間が生活しているとco2も出ますし、水蒸気も においも出ます。それを希釈するにはこのくらいの量が必要です。4人家族なら4×30で120m3です。30坪くらいの家ならこの計算方法でも0.5回くらいの換気量となります。
ですから、安全な建材となってきたとしても、やはり0.5回くらいの換気量を確保した方が良いと言うことですね。
ですが 家が大きい、住んでいる人が少ないなどの場合には、少ない換気量にしても良いかもしれません。換気が多いと言うことは、冷暖房費も余計にかかってしまいますから。
あまり絞りすぎると生活臭が残りますので気をつけてください。自分は解らなくても、来た人にはよくわかるのもです。ですから当社の換気計画では少ない換気量で生活臭が残りにくいような設計としております。