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髙橋建築

パッシブハウス

久しぶりに 森さんの自邸 軽井沢の家にお邪魔してきました。

さすが森さんの作るパッシブハウスです。

仕様など細かい内容は様々な方がレポートしてくださっていると思うので割愛します。

これが究極の家だと思いました。
何も感じない家です。
暖かい、寒いとかありません。
「高断熱住宅はとてもあたたかい!」「ほわっとした包み込まれる柔らかい暖かさ」「半袖半ズボンで過ごせる。」
そんな話はよく聞きますね。
その次元ではないです。もう一歩先ですね。

断熱、日射熱取得、蓄熱などのバランスがとても良いです。
快適、不快とかを通り越しています。

そして、エネルギー源も再生可能エネルギーを積極的に。まだ暖房は使っていませんでしたけど。
特に給湯の考え方はすごいですね。これまでの森さんの様々なチャレンジの集大成かな?
仕組みは複雑(笑)

活かせるところは当社でも取り入れていきます。

当社の目標はコストをかけずに高性能なパッシブハウスを作ること。
どこを取り入れどこを諦めるかも大切ですね。
頑張ります。

パッシブハウス,見学会・相談会・イベント情報

国際パッシブハウスオープンデー

今年も 国際パッシブハウスオープンデーが行われます。

https://passivehouse-international.org/index.php?page_id=262

世界中のパッシブハウスが同時に公開されます。
日本でも数多くのパッシブハウスを見ることができます。
https://passivehouse-japan.org/event/17421/
当社では日本初の木造賃貸住宅のパッシブハウスを公開します。

秩父でアパートをかりてみたい方は是非どうぞ。
味わったことのないような住み心地が体感できるかも知れません。

これまでに無い高性能アパート

ゆとりを持った2LDKです。戸建て以上の住み心地を求めてあらゆる面から計画をしました。
各住戸は70㎡以上。そしてロフトが8.28㎡。
21.25坪+2.5坪です。
LDKは15畳以上とアパートにはあまり無い広さです。広々したリビングは2階なので大きな窓のカーテンを開けて生活しやすく、明るく気持ちの良い生活ができます。
このアパートはとても高性能!!私が依然書いたコラムをご覧ください。
https://passivehouse-japan.org/journal/16606/

注目されています。

メデイアでも多数紹介されております。
https://www.s-housing.jp/archives/324929

高性能住宅政策ではナンバーワンの鳥取県庁からも視察に来ていただきました。

大手デベロッパーや設計事務所などの見学も受け入れていましたが、今回のイベントで最後となります。

予約フォーム

混雑を避けるため業者の方は必ずご予約をお願いします。業者の方は入場をお断りする場合がございます。
アパートをかりるご予定のある方はご予約無しでも常時見学可能です。

https://forms.gle/kTW5rdsKEW8TumG79

世界では当たり前の性能を日本でも広めるために

世界では当たり前となってきているパッシブハウスレベルの賃貸住宅がようやく日本でも完成しました。

日本は本当に遅れています。中国でもすでに多くの建物がパッシブハウスレベルで当たり前に作られています。
我々の国の日本は本当に貧困国家になってしまいました。

我々の生活の基本である住まいがきちんとしていないと、豊かな生活はできないと思います。
まずは、豊かな生活ができる住まいを考えましょう。

そのためにも、このような賃貸住宅が増えていかなくてはなりません。
少しでも多くの人に知ってもらうために、今回のイベントをボランティアで参加させていただくことになりました。
業者の方には会場運営費として1名5000円いただきます。
PHJ会員の方は無料です。

住所は 秩父市中村町となります。西武秩父駅 あるいは 秩父駅から1.5kmくらいです。

https://maps.app.goo.gl/8nV3tZwoEFV8mD9m9

お気軽にお越しください。

S様邸 工事の流れ,パッシブハウス

地盤の転圧がすんだら、捨てコンクリート、そして型枠組です。

黄色い板が型枠です。

基礎断熱は外張りが性能高い。

白いのが断熱材。EPS特号です。λ=0.034W/㎡K です。もちろんシロアリが食べない防蟻仕様。それを防蟻の接着剤でつなげていきます。

基礎外断熱と基礎内断熱の議論があるけど圧倒的に性能が良いのが基礎外断熱。

  • 熱橋が大幅に減らせます。
  • 基礎が蓄熱体になります。
  • 基礎表面温度が上がり結露のリスクが減ります。
  • 基礎が風雨にさらされないので耐久性が向上します。

デメリットとしてシロアリの被害があげられますが、きちんと防蟻対策をしていれば大丈夫。
当社も何重にもしています。
逆に基礎内断熱や床断熱の方が基礎内側に結露の恐れがあったり、乾燥状態を保つのが難しいのでシロアリリスクが高いともいえます。

防湿シートは重要

地面からの湿気を室内に入れないためのシートです。基礎の中に湿気を入れると、木材が腐ったりカビが生えやすくなります。
必ず敷きましょう。

厚いものが耐久性が高いです。写真のように職人が工事中上りますからすぐ切れてしまうような雨水ものではダメですね。

下に敷いてあるこのグレーのものが、防蟻の防湿シート。丁寧な住宅会社はこれを使っています。これを使っているかいないかで、会社選びをしても良いかも。本当にお客さんのことを考えたらまずこれを使うと思います。まあ当たり前のことなんですけど。使っていないところがまだあるので、これから家を作る人は使って貰ってくださいね。
http://www.9-techno.com/tamidansheet.html


換気・空気

換気システムの大切さ

家の中は意外と空気が汚れます。化学物質が含まれる建築材料をなるべく使わずに、自然素材で作ったとしても、持ち込まれるものでかなり空気は汚れます。
芳香剤、脱臭剤、除菌剤のようなものでも健康被害があるようです。香害などと言われます。
そして人間が生活すると、料理や、トイレのにおいのみならず体臭もありますし、CO2濃度も高くなります。

それらの化学物質や匂い、CO2をきちんと除去しなくてはなりません。換気は絶対に必要なのです。

換気量の確保が重要

建築基準法で換気すべき空間の空気が二時間に1回入れ替わるようにしましょうというのが、建築基準法です。1時間あたりに直すと0.5回ですね。1時間で半分空気を入れ換えろと言うことです。
一般的には簡単な換気扇を設置して、家の中の空気を外に出します。トイレなどに付いている小さなファンを利用することが多いです。空気を出した分だけはどこからか取り入れます。フィルターの付いた給気口がお部屋に付いている例が多いです。サッシに空気の入り口があるのもありますね。自然に空気を取り込むようになっています。今作られているおうちでこの仕組みのものは、安い性能が低いおうちはほぼこの仕組みです。今この仕組みで作られているとしたらちょっと残念です。
この仕組みのおうちは、仕組み上、あまりきちんと計算通りの換気量は確保されません。

きちんとした換気量を確保するなら第一種換気システム

きちんと計画通りに、換気量を確保するなら、空気が入るところ、空気が出るところにファンが付いている必要があります。それが第1種換気システムです。きちんとした工務店はほとんどこの仕組みを取り入れています。

この仕組みで、きちんと経路を計画し、ダクトなどの圧力損失を計算し、さらに適切な配管工事を行えば、ほぼ計算通りの換気量が確保できます。

計画、計算、工事がとても大切です。

風量測定もしましょう。

きちんと計画をして、計算して、工事をしたとしても実際の現場では、風量が確保できていないことがあります。

それを確認するために風量測定が必要なのです。計算通りに風量が出ているか?出なければ計算よりも少しボリュームを上げることが必要です。
上手に配管ができていると、計算よりもボリュームを落として良いこともあります。省エネですね。
これも実際に量ってみないと解りませんね。

風量を絞ってより快適省エネに

建築基準法では換気回数は0.5回と決められていますから、ここからの説明は建築士としておすすめするのではなく、私個人の考えで、私が自分で実戦したりしている方法です。まねされる方は自己責任でお願いします。

真冬に0.5回も換気をすると暖房した空気が外に排出される量が多くなり、ちょっと無駄すね。匂いが取れ、CO2濃度、VOC濃度が上がらなければ、換気量は少ないに越したことはないですね。

どのくらいまで絞れるか?目安はあるのでしょうか?
様々な目安がありますが、私は住む人の人数*30m3と言うのを基準に考えることが多いです。4人家族なら4*30=120で120m3となります。

換気量を絞ると、エネルギー損失は少なくなりますし、モーターの電気使用量も少なくなります。
音も小さくなりますのでとても良いですね。

実際にどこまで絞るか。風量曲線で

実際に今の換気の母流無をどこまで絞ったら良いでしょうか?

現在180m3の換気量の住宅を120m3にしてみましょう。

ボリューム9で調整してありましたが、3くらいにできそうです。

これを行う場合、9の時にきちんと計画通りの風量が出ていれば3にしたときに計算通り120m3出る可能性が高いですね。

実際には調整後もきちんと測定することができると良いと思います。

換気量が確保できているか、調べる方法

換気量が確保できているか調べる方法としてCO2濃度を測定する方法があります。
換気がされていないとお部屋のCO2濃度が上がります。

このおうちはCO2濃度が多いときで650ppm位 少ないときは450ppm位ですね。
朝8時頃お出かけになって、誰もいなくなるので徐々に空気が外の空気のCO2濃度に近くなっていくのが解ります。18時頃帰宅され、また皆さんの呼吸で空気が汚れていくのが解ります。

このようにCO2濃度をみることできちんと換気がされているかいない課が解ります。すごいですね。

目安としてはCO2濃度が1000ppmを超えないように換気するのが良いという意見が多いですね。厳密なエビデンスはないらしいですけど。人が多い寝室などでは2000ppmとかなることもありますけど、それほど心配することはないそうです。

CO2濃度計は、通販などで簡単に購入可能です。
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/co2+%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%BC/

以前購入してみましたが、安いものでも十分使えました。皆さんも是非測定してみてください。
データーを蓄積できてグラフにできなくても、その場でみられるだけで十分です。
CO2濃度が上がり気味になるなら、少し換気のボリュームを上げる。下がりすぎるならちょっと絞ってみる言う具合に、臨機応変に調整すれば、それぞれの家庭のベストなボリュームが見つかると思います。

あくまでも自己責任でお願いします。

S様邸 工事の流れ

採石入れです。

地盤を締め固めるのが主な目的です。採石(40-0)を入れます。
きちんと入れ、よく転圧することが大切です。

ランマーという機械で転圧をします。

そしてもうひとつの目的は、断熱材の下地を平滑に作るためです。
ここが平らにできないと、断熱材がきちんと並べられませんね。

数日前にここまで終わってますが、上里町の上棟などで現場が開いてしまっています。予定では今週あたりに、次のステップに入る予定です。

S様邸 工事の流れ

水盛り工事です。

建物の位置高さを確定します。

建物をが直角にできるよう、直角のレーザー機などをつかいそれを基礎から離れたところの板に控えていきます。

今回の地盤は少し低いので基礎の耐圧盤コンクリート基礎の断熱材の下を現在の地盤にしています。
この上に基礎を作っていき後で周囲を埋めていきます。
基礎スラブのコンクリートの上端は周囲に水平に配置された木材のところまで来ます。高くなりますね。

鋤とり

この地面の上に採石、XPS(断熱材)、そして鉄筋コンクリートです。まだ30cmは高くなります。分厚いです。

そのため鋤とりは周囲の基礎梁の部分だけとなります。秩父では凍結深度の設定がありませんが、万が一凍結して基礎が持ち上げられてしまわないように、外周部は土に埋もれていることが大切です。

工事現場をご覧になりたい方は、ご案内しますので当社にメールでご連絡ください。
メールアドレスはinfo@ta-k.jpです。

他の工務店 ハウスメーカーとは違うので参考になるかも知れません。
(他社で建築依頼された方はみない方が良いと思います。)

S様邸 工事の流れ

当社のお隣に9月より新築住宅の工事が始まりましたので、工事の流れなど一緒にみていきましょう。

地盤が大切!!地盤がダメなら全部ダメ。

地震に強かったり長持ちするために、建物をどんなにしっかり作っても、地盤が弱かったら何もなりません。

そのまま建物が傾いてしまって、ドアの開け閉めが上手くいかなかったり、水道の水漏れなども起こりかねません。

建物をまっすぐに維持するためにはきちんとした地盤の上に作ることが重要です。

地盤がきちんとしているのか まずは地盤調査をしましょう。

信頼できる地盤調査会社を探しましょう。

注意!建築会社にだまされることもある。

ここで注意が費用です。
地盤調査は建築会社との契約後に行いますね。
地盤調査の結果によって、地盤改良の工事や杭工事が別途必要になる場合がありますと説明があります。
もちろん別費用です。

どういうことが起こる可能性があるのでしょうか?

建築会社は契約後ですので、万が一地盤が弱くても費用の負担はありません。それどころか、工事が増えるわけですから売り上げが増えるのです。
地盤の改良会社を入れると工事が増えた分、その割合で儲かります。

地盤が弱いと儲かるのです。

そうするとどういう建築会社が出てくるでしょうか?

そうです。 やたらに地盤が弱いという判定を出して地盤工事が必要と言ってくるのです。
怖いですね。
30坪くらいの家でしたら地盤工事は50万とか100万とかかかると思います。

建築主さんにとっては大金です。でも地盤工事をしないと工事が進んでいかない。
泣く泣く了承せざる追えないのです。

できることはある。自分でも確認しよう。

周辺の状況から推測することはできます。
近隣の建築工事で、くい打ちなど行われていたのか?
聞いてみるのも良いですね。

地盤調査会社が出している地盤マップなどもあります。

https://supportmap.j-shield.co.jp/#14,35.6939,139.7918

地質図なども参考になりますし、古い地図なども参考になります。
岩盤の地層とか、昔は堀だったとか解る場合もあります。

https://gbank.gsj.jp/geonavi/

それでも納得いかなかったら、セカンドオピニオン

地盤調査を自分で頼むのも手ですね。
地盤調査会社はたくさんあります。調査会社に調査を頼んでみましょう。5万円はしないと思います。
地盤の保険会社などで本当にその補強工事が必要か顕彰してくれるサービスもありますよ。

S様邸地盤調査

家が建つ位置を調査します。

調査方法

今回はスクリューウェイト貫入試験という方法です。

先端居付くドリルはこれです。
これを地面に突き刺していきます。
100KGのおもりをかけてぐりぐり回していくのです。

詳しくは下の図を見てください。

結果は?とても堅い安定した地盤

試験結果はどのポイントも良好でした。

堅いですね。

2.29mのところで進まなくなっています。家を建てるには申し分ない地盤ですね。

しかし!問題点もあります。浄化槽!!

お隣だから解っているのですが、この下は岩盤です。(笑)

浄化槽が上手く入るかが心配の種です。

浄化槽は深く掘って埋めます。

下は岩盤。浄化槽に当たらなければ良いけど。

そして岩盤の上には地下水。
地下水面が高いと浄化槽を持ち上げてしまいます。
この地域ならではの問題点です。

実際に掘ってみるしかないですね。

皆さん。 おうちを建てるときにはきちんと地盤調査をして、結果をきちんと考察しましょう。
そして建築会社にだまされないようにしましょう。

パッシブハウス,日記・想い

パッシブハウスアパートの視察の受け入れと、認定の現地調査です。

日本を動かす超大手の視察

視察されたのはなんと、日本最大規模ともいえる財閥系のデベロッパー

こんな田舎の工務店が作るアパートをわざわざ3人で見に来ていただきました。

世界の流れを踏まえると、このような高性能住宅はいずれ取り組まなくてはならないということで勉強に来たみたいです。

木造賃貸なのに本当に静か。
そして、1住戸全体をエアコン1台で冷暖房。その圧倒的な性能にとても驚いていました。

多岐にわたる質問、この方たちの優秀さが解ります。

新聞社、雑誌社などまだまだ視察予定があります。

日本最先端技術の実感!!高橋建築頑張っています!

パッシブハウス認定現場検査

現場がきちんとできているか、検査して貰いました。

断熱、寸法、周囲の影の影響。そのほか様々。

認定とりたくて、虚偽の申請書を作ってしまうような人もいるかも知れないので、抜き打ちの現場検査は必要ですよね。

もちろん当社は、そんなことするはずもありません。

当社の職人さんも、まずは正直者の信頼できる人という、人格第一で選んでいます。

建築は表面しか見えなくなります。

中はどうなっているか解りません。へばりついていてずっと監視するわけには行きませんから、ズルをしない正直な人柄といううのが一番大切です。

腕や、知識も大切ですがそれは徐々にできるようになります。まずは正直な人柄。私たち設計者や職人に求められる一番のスキルはそこでは無いかと思うのです。

それと向上心も!!(笑)

数は作れなくても、1棟1棟大切に作ります。


見学会・相談会・イベント情報

皆野町に超高性能住宅完成です。

完成現場見学会は2023年 9/23(土)24(日) 9時~16時入場
場所は皆野町皆野955-5 です。
時間外においでくださる方はあらかじめご連絡ください。info@ta-k.jpにメールください。

性能はパッシブハウスレベル。当社認定パッシブハウスと同じ仕様で建てられています。

UA=0.22W/㎡k(等級7)  気密性能はC=0.13c㎡/㎡

もちろん耐震等級3(第三者機関認定)です。

2階リビングで明るい!!

南に二階建ての大きなおうちがあり今までのおうちはとても暗いおうちでしたが、2階リビングとすることで採光を確保しました。
とても明るいですね。

写真を見てお気づきかも知れませんが、南にはすぐとなりのおうち。
透明な窓でも景色を楽しむことはできません。
さらに、透明なガラスだと生活の様子が丸見えになりますね。
普通は、覗かれるのがいやなのでカーテンを掛けっぱなしにしてしまいます。
カーテンを掛けると、たとえ白いレースカーテンでも、多少暗くなりますし、冬場の日射熱取得量は大きく下がり暖房費用が増えてしまいます。
そこで今回は、透明ガラスではなく型板ガラスとしました。

当社の住宅をご覧になりたい方はぜひお越しください。
googlemap
https://maps.app.goo.gl/fyjzAFugm9RgE8z56

お知らせ,断熱・気密

「住まい方ガイド」国の事業で住まい方ガイドの作成をするとのことで、当社も意見させていただきました。

【住まい方ガイド】なぜ住み方まで国で指示?

国で住まい方のアドバイスまで考え指示しなければならない事態。
新築の住宅において住み方を指示しなくてはならないほどエネルギーが増えてしまっているのでしょうか?
それほど大問題なのでしょうか?
想像すれば簡単です。ですが、あえてどうして【住まい方ガイド】を作ることになったか経緯を聞いてみました。

新築 ZEH住宅の消費エネルギーの増大

問題は、様々な調査によりZEHクラスの断熱水準の住宅の消費エネルギーがとても多いと言うのがわかり始めたことにあります。
ZEHやLCCMなどの研究をされていた先生があまりにも消費エネルギーが多い住宅があるので衝撃を受けてしまったらしいです。
「断熱水準が上がれば消費エネルギーが減る」と暗に思い込んでいたらしいです。
今まで国で進められていたZEHやLCCMなどの事業で消費エネルギーのデーターが数多く集められてきてようやく気がついたのだと思います。

今更気がつくのが遅い

中途半端な断熱性能だとエネルギー消費量が増えてしまうのは、高断熱にきちんと取り組んでいる工務店なら周知の事実です。

我々は20年前にはすでに気がついてました。
北海道など寒い地域にお住まいのかたはもっと早くから気がついていたでしょう。
断熱性をあげていくと、急にエネルギー消費量が上がるタイミングがあるのです。
それは住み方の変化によるものです。
実際に経験していればそのようなことは簡単に想像できるはずでした。

今までは「部分間けつ暖房」

建て替える前の住み方はどのような感じでしょうか?

居間だけを暖房し、廊下やトイレは寒いのではないでしょうか?
子供部屋や寝室も暖かいとはいえない状態だったり、使うときだけエアコンで暖房。しかし夜間、寝るときには止めてしまう。
そのような使い方ですね。
特定の場所だけ暖房するのを【部分暖房】家の全部を暖房するのを【全館暖房】と言います。

そして、ずっとエアコンやファンヒーターなどを付けっぱなしにするのを【連続暖房】
お部屋にいるときにだけ付け、さらに寝てるときには切るのを【間けつ暖房】と言います。

これまでの暖房方法は 人が常時いる場所だけを人がいるときにだけ暖房するわけですから【部分間けつ暖房】ですね。

新築で思い描く暖房方法は?【全館連続暖房】

このブログをお読みの皆さんは新築をお考えか、おうちを作ったかたですね。
どのような住まい方を思い描いて家を建てますか?

暖かい住まい。!家でジャンバー来たくない。
家中暖かい!
トイレでもお風呂でも寒くない!
朝起きても寒くない!

新しく家を建てるのですから、少なくもこのくらいは思い描いていらっしゃると思います。

半袖半ズボンで住みたい。
無暖房でくらしたい。

そこまで望んでいるひとは少ないでしょう。
当社もそこを狙っているわけではありません。
家のどこでも快適に住めれば多少の暖房エネルギーは使った方がコスパは良さそうです。

そうです。皆さんが普通に新築で思い描く生活は、家のどこでも寒くない。朝でも夜でも寒くない。
「全館連続暖房」の家なのです。

これからの住まい方は【全館連続暖房】が必須

皆さんの理想が間違っているわけではありません。

健康快適に暮らすには必要なことです。
体にストレスはかかりませんし、カビなどの繁殖も少なく健康的です。
どこでも暖かければ家も隅ずみまで使えます。
広い家なのに暖かい部屋がリビングだけだと、狭い家に住んでいるのと変わらないですよね。

それなら健康快適に暮らすためにどの家も【全館連続暖房】にすれば良いのではないかと思いますね。
ですが、大きなネックがエネルギーの問題です。

ZEHレベルの家の実情

そもそもZEHという建物はどんなレベルの建物でしょうか?

断熱性能では等級5くらいで、太陽光発電で冷暖房、換気、給湯、照明のエネルギーをゼロにできるという基準です。
ですがその暖房に関しては普通はそれまで住んでいた家と同じ【部分間けつ暖房】での消費エネルギーが基準ですので全く消費エネルギーが違います。
「部分間けつ暖房」と「全館連続暖房」ではこのレベルの住宅だと全く消費エネルギーが違うのです。

ZEH+(ゼッチプラス)で断熱性能を現すUAが0.5W/㎡kと言うことなのですが、とても残念ですね。これでは「全館連続暖房」は大変です。

もちろんZEHやZEH+の住宅が「全館連続暖房」できないというわけではありません。
いろいろな場所に暖房器具を分散して動かし続けたり、大きな暖房機から様々な部屋の隅々まで空気をかき混ぜるような循環する仕組みを作ればできますね。

ZEH,ZEH+など低レベルの日本基準の説明が間違っているかも知れません。普段気にしていないのでだいたいの把握しかしてません。おおよそこのくらいで間違いないと思いますが、違っていたらごめんなさい。笑い飛ばしてください。

HEAT20ぼんぼり図

この図が断熱レベル、暖房方法のエネルギー消費量を解りやすく現しています。

HEAT20の鈴木先生の図です。

HEAT20 ホームページより

青いラインがG1レベルの断熱 ZEHレベルくらいです。
緑のラインがG2レベル 赤のラインがG3です。
6地域の図なので秩父のかたはこれよりシビアになると思ってください。

とても比較がしやすいのでこの図で説明していきます。

H28年基準をZEHレベルまで断熱すると?

H28年基準ではさすがに部分間けつ暖房でしょうから部分間けつ暖房で比較します。
ZEH(ほぼG1)まで断熱してみましょう。
UA0.87 から WA0.56ですから断熱効果がありますね。暖房消費エネルギーが3分の2くらいまで減りました。

でもわずか3分の1減っただけですよ。ZEHってもっとすごいと思ってませんでしたか?(笑)
住宅会社や宣伝にだまされていたでしょ。皆さんもっと期待してますよね。

でも、これって?
前提が部分間けつ暖房。
今までのように、リビングだけ暖かいやつ。トイレは寒い。やばい!

でも暖房しない部屋でも9度位にはなるという感じなのでなんとかなりそうですね。

でもこれが夢に描いた新築住宅とはがっかりですね。

さらに追い打ちをかける情報

ZEH(ほぼG1)を全館連続暖房したら?

どうなるでしょうか?怖いですね。

想像通りですか?

高断熱にしたつもりがエネルギーが1.5倍にも増えてしまうのです。

全館連続暖房にするのが悪いのでは?
全館連続なんて贅沢しなければ良いじゃない。
そんな声が聞こえてきそうですね。

でも、皆さん大金を払って作る新築住宅。
思い描いている理想があります。
そして、勘違いも
家中暖かくなって省エネだと思っていませんでしたか?

住宅メーカーの担当者が、言ってますよね。
「当社の住宅は暖かいですよ。」
「省エネでこれまでより光熱費が下がりますよ。」
「どこに行っても暖かく、健康的ですよ」
信じた皆さんは、とても素直な良い人です。あなた方が悪いのではありません。
勘違いするように仕組まれた巧みな営業トークに引っかかってしまっただけです。
営業マンも嘘はついていません。使い方次第で実現できますから。

ZEHレベルで建ててしまった人。悔しいですね。勘違いしてしまって。
契約しただけなら違約金払ってでも計画し直しも考えた方が良いかも。当社にはそういうお客様もたまにいます。

新築住宅ではエネルギーは減らない

ようやく、国のお役人さんも、偉い学者さんも気がつきました。

一部のかたは気がついていましたが、基準作りの人が気がついていないのは問題がありますよね。
ZEHを増やしても全く省エネにならない。

今頃対策しようとしたってできることは限られます。

そこで、出てきたのが住まい方というわけです。

あなたの家は高性能ではないと言うことを認識させる

この報告書を作る方々がどこまで踏み込めるかにかかっています。
遠慮や忖度は、国のためになりません。

「あなたの家は高性能ではない。」それを認識させることが重要です。

ZEHレベルではそもそも全館連続暖房には向いていません。
穴の空いた鍋に水を入れているようなものです。
こんなレベルの家で全館連続使用なんてことが間違っています。
それを伝えなくてはなりません。

住まい方をアドバイスするなら、この冬から「部分間けつ暖房にしろ」
家を温めないで「こたつに戻せ」と言うことです。
もちろん強制はできないでしょうから、G1レベルの住まい方は部分間けつ暖房をおすすめしますという柔らかい言い回しにするしかなさそうですね。

全館連続暖房したい人は

せっかくの新しい住まいですから、快適に住みたいですね。

そのような人は迷わず最低でもG2(付加断熱有りの)。できればG3にしてくださいね。
これからの住宅は等級7必須でしょうね。

偉い人たちも、わかりきっていることなんだけど、いろいろ言い訳考えますね。(笑)
市場が
ニーズが
コストが

そんなこと言ってたら世の中良くなりませんよね。