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環境・エネルギー

ますます暑くなる夏!

こんにちは!高橋建築株式会社の代表、高橋 慎吾です。

私は一級建築士、そして「パッシブハウスデザイナー/コンサルタント」という、世界の省エネ住宅の基準に合わせた家づくりをする専門家として、日々皆さんの住まいを設計しています。

それにしても……今年もいよいよ暑い夏がやってきますね。 「年々、夏の暑さが厳しくなっているなぁ」と心配されている方も多いのではないでしょうか。実はこの地球温暖化、私たちの「家づくり」と切っても切れない深い関係があるのです。

今回は、これからの未来のために、私たちが今絶対に知っておくべき「家とCO2(二酸化炭素)」のお話を、できるだけ分かりやすくお伝えします!


実は日本全体の「約4割」が建物から!?CO2排出の衝撃の事実

「温暖化を止めるために、CO2(二酸化炭素)を減らそう!」とよく言われますよね。 車を控えて電車に乗る、エコバッグを使うなど、普段から意識されている方も多いと思います。

しかし、驚かないでください。 実は、日本国内で排出されるCO2の、なんと「41.9%」が建物に原因があるのです。

このグラフを見ていただくと分かる通り、約4割が住宅やオフィス、商業施設などの「建物」から出ています。内訳は以下のようになっています。

  • 建物を使うとき(生活しているときなど):31.6%
  • 建物をつくるとき:9.9%
  • 建物を解体・廃棄するとき:0.4%

私たちが毎日暮らす家は、決して例外ではありません。だからこそ、家を建てる私たち「工務店」やハウスメーカーは、地球の未来に対してとても大きな責任がある仕事をしていると痛感しています。

出所:「建築物のライフサイクルカーボン削減に向けた制度の在り方について(中間とりまとめ)」

「環境にやさしい暮らし」と「実際の家」の矛盾

私たちがつくる「パッシブハウス」のように、生活するときの冷暖房や電気のエネルギーを極限まで減らせる省エネ住宅は、これからの時代、ますます重要になっていきます。

子どものたちの未来や、これからの地球環境を考えると、一人ひとりが普段の行動に責任を持つことが大切です。

しかし、世の中の様子を見ていると、ふと思うことがあります。 普段どんなに「環境のためにエコな生活を」と意識して暮らしていても、住んでいる家そのものがエネルギーを大量に消費する構造だったら、その努力の多くが相殺されてしまいます。

「環境、環境と言っているけれど、あなたの家は? その生活は、全体から見たら矛盾していませんか?」

少し厳しい言葉に聞こえるかもしれませんが、それくらい「どんな家を建てるか」は、地球環境にとってインパクトが大きいことなのです。


「つくる時・壊す時」のCO2も減らしたい!国もついに動き出しました

生活するときのエネルギー(31.6%)が一番大きいのは事実ですが、家を「つくる時」と「壊す時」を合わせても10.3%ものCO2が出ています。

「できることなら、ここも削減していきたい!」

そんな中、国土交通省もようやく重い腰を上げ、建物をつくる時のCO2排出量を計算できるプロジェクト「J-CAT」を立ち上げました。住宅版の指標ができたのは、実はつい1週間ほど前のできたてほやほやです!

2年後の2028年からは、このCO2排出量の表示制度が始まる予定ですが、一般の戸建て住宅まで義務化されるのは、まだかなり先になりそうです。

しかし先日、この制度のレクチャーをしてくださった三井所先生から、こんなお話をいただきました。 「高橋さんたちのような、ベンチマーク(お手本)となる工務店から、まずは先陣を切って取り組んでほしい」

一緒に学んだJBN環境委員会のコアメンバーとも話し合い、「我々が率先して取り組まないと、日本の家づくりは前に進まない。よし、やろう!」と決意しました。


300項目以上の膨大な計算。見えてきた「木造住宅」の強み

家は、本当にたくさんの資材で構成されています。 実際の事例を見ると、計算に必要な入力項目は300以上!これらを1つ1つ数量を拾い出し、それぞれの資材のCO2排出量を当てはめていくという、気が遠くなるような膨大な労力がかかります。

ただ、私たちのような工務店の場合、建物の基本構造は統一されているため、1棟目を詳細に計算すれば、あとはそれぞれの家ごとの特徴(間取りや仕様の違い)を検討していくことで効率よく算定ができそうです。

こうした入力と計算を経て、以下のような算定結果のグラフを出すことができます。

このデータを読み解いていくと、やはりコンクリートや金属は、製造時のCO2排出量が圧倒的に多いことが分かってきました。先生も「ハウスメーカーの中には、今後の基準クリアがかなり厳しくなるところも出てくるのではないか」と危惧されていました。

その点、日本の伝統でもある木造住宅は、CO2削減の面で相当有利です。木は育つ過程でCO2を吸って蓄えてくれる性質もあるからです。


大切なのは「バランス」。長持ちして愛される家づくりを

コンクリートのCO2排出量が多いからといって、「じゃあ、基礎のコンクリートを減らして布基礎にしよう!」とするのはナンセンスです。

家づくりにおいて何よりも大前提なのは、「安全で、長持ちすること」。 万が一の地震に耐えられなかったり、数十年でダメになって建て替えたりすることこそ、最大のエネルギーの無駄遣いであり、CO2の排出につながるからです。

また、「CO2排出量が少ないから」という理由だけで、目が飛び出るほど高価な素材を選ぶことも、お客様の負担を考えれば現実的ではありません。

  1. 構造強度(安全性)の確保
  2. 耐久性(長持ち)の確保
  3. コストバランス

この3つの大原則に、これからは「CO2排出量の少なさ」という視点をプラスして、トータルで判断していくことが、私たちプロの役割です。

正しい判断をするために、私も各素材がどれくらいCO2を出すのか(原単位)を徹底的に勉強しています。中には、自分のこれまでのイメージと全く違うものもあり、驚きの連続です。

デザインが良いのは当たり前。これからは「同じ強さ、同じコスト、同じ効果なら、よりCO2排出量が少ないものを選択する」。そんな誠実な家づくりを、高橋建築はこれからも心がけていきます。

皆さんも、大切なご家族の将来、そして地球の未来のために、一歩先を行く家づくりを一緒に考えてみませんか?


高橋建築株式会社 代表取締役 高橋 慎吾 (一級建築士 / PHI公認パッシブハウスデザイナー / PHIUS公認パッシブハウスコンサルタント)

換気・空気

「空気の質」は見えていますか?高気密住宅で健康に暮らすための換気とCO2濃度の深〜い関係

こんにちは!高橋建築株式会社の高橋です。 一級建築士として、またパッシブハウスデザイナーとして「冬暖かく、夏涼しい家」を追求していますが、実はそれと同じくらい、あるいはそれ以上に大切にしているのが「空気の質」です。

今日は、意外と知られていない「換気とCO2(二酸化炭素)濃度」のお話です。


換気ができているかを知る「ものさし」

家の中の空気がきれいかどうか、目で見ても分かりませんよね。 そこで重要になるのが「CO2濃度の測定」です。

室内のCO2濃度は、その部屋の換気が上手くいっているかを測る最高のバロメーターになります。一般的な基準としては、1,000ppm以下に保たれているのが理想的と言われています。

もし、この数値がずっと高いままなら…それは「古い空気がよどんでいる」というサインです。

M様邸のデータが証明する「高気密×正しく換気」のチカラ

「気密性能が高い家は、空気がこもるんじゃない?」 そんな心配をされる方もいらっしゃいますが、事実は逆です。隙間だらけの家よりも、気密がしっかりしている家の方が、換気システムが計算通りに働いて空気をきれいに保てるのです。

こちらのグラフをご覧ください。

これは弊社で施工したM様邸の1月のデータです。 人が生活している間も、ほとんどの時間が400〜800ppmの間で推移しており、基準の1,000ppmを大きく下回っています。高い気密性能があるからこそ、換気システムが家中の空気を隅々まで入れ替えてくれている証拠です。

「もったいない」が健康を害する?やってはいけない3つのこと

光熱費が上がる今の時代、少しでも節約したい気持ちはよく分かります。でも、換気システムの電源を落としたり、風量を極端に下げたりするのは絶対にNGです。

1. 「寒いから」「電気代がもったいないから」と止める

換気を止めるとCO2濃度が上がり、頭痛や眠気、集中力の低下を招きます。さらに、汚れた空気が滞留することで健康を害するリスクも。家族の健康は何よりの優先事項です。

2. 冬の乾燥対策で風量を落とす

冬場、正しく換気をすると室内は乾燥しやすくなります。「風量を落とせば湿度が上がってちょうどいい」と思うかもしれませんが、それは汚れた空気(CO2やハウスダスト)を閉じ込めているのと同じです。湿度が自然に維持できる仕組みで空気の質は維持しましょう。極端な加湿は危険です。60%以下には抑えましょう。

3. 夏の除湿のために風量を落とす

夏場は外の湿気が入るため、エアコンの除湿負荷が上がります。確かに換気を絞れば湿度は下がりますが、これもNG。夏こそ、新鮮な空気を取り入れつつ、エアコンで上手に除湿するのが正解です。

知っておきたい「例外」と「当たり前」

もちろん、一時的にCO2濃度が上がることもあります。 例えば、お友達がたくさん遊びに来た時などです。人が増えれば吐き出すCO2も増えるので、グラフがピコっと跳ね上がりますが、短時間であればそれほど神経質にならなくて大丈夫。そんな時は、少しだけ窓を開けて「追い換気」をしてあげましょう。

あ、それから! 高気密住宅で「開放型ストーブ(石油ストーブ)」を使うのは、言うまでもなく大変危険ですので、絶対に避けてくださいね。

まとめ:きれいな空気は、豊かな暮らしの土台

「高断熱・高気密」は、単に温度を保つためだけのものではありません。 「計画的に換気をして、常に新鮮な空気の中で健康に暮らす」ための仕組みです。

ぜひ、皆さんも「空気の質」に目を向けてみてくださいね。


(一歩踏み込んだご提案)「自分の家の空気の状態が気になる!」という方には、市販のCO2センサーを置いてみることをおすすめしています。目に見えるようになると、換気の大切さがもっと実感できますよ。

具体的な換気システム選びや、パッシブハウスの空気設計について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください!

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高橋建築株式会社

代表取締役 高橋 慎吾

(一級建築士 / PHI公認パッシブハウスデザイナー / PHIUS公認パッシブハウスコンサルタント)