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髙橋建築

パッシブハウス,環境・エネルギー

パッシブハウスの計算で大切な日射取得。

たくさんの日射を取得することで熱エネルギーを室内に取り込みおうちを温かく出来ます。
その分エアコンなどの暖房に頼る量を少なく出来ます。
条件さえよければ、無暖房住宅にすることさえ可能かもしれません。

熊谷パッシブハウスの事例です。棒グラフの左側が年間での熱損失です。
おうちから逃げる熱ですね。
外壁、窓、地盤、換気の順ですね。

右側が20度を維持するために必要な熱取得です。
上から窓から入る熱、内部発熱(人体の熱や家電の熱など)、そして暖房です。

窓から逃げる熱より、太陽の光で室内を温める熱のほうが大きいのが分かります。
上手に窓の設計すれば暖房を減らせるのが分かりますね。

熊谷パッシブハウスのシミュレーション

熊谷パッシブハウスの外観はこんな感じ

この1階の窓のシミュレーションです。

窓の南側にとても大きな家があります。
この家の影の影響を見てみましょう

日射取得をシミュレーション

デザインPHでシミュレーションしてみましょう

このシミュレーションは家を建てる前に行ったものです。
隣棟の影の影響がかなり大きいのが分かります。11月、12月、1月は全く直射が入らないのが分かります。

そして2月には窓の上のほうなら屋根の上を通っていく太陽が見えるということもわかります。

実際の太陽の動き

こちらが2月20日11時撮影の写真です。

いかがでしょうか?

全くシミュレーション通りですね。

暖房機関の大半、特に寒い11月、12月、1月は全く日射取得ができず、2月も窓の半分は影。あまり役に立たない窓ということです。残念です。

上が影のない場合。したが今回のように影ができる場合
だいぶ少ないですね。

2階の吹き抜け窓に期待

当初よりこの窓があまり日射を期待できないので、2階の窓から吹き抜けを通じて日射取得を考えました。

この窓をシミュレーションしてみましょう
暖房期にはほとんど南側のおうちの影響を受けないのが分かります。

一方、夏には庇の効果でほとんど直射が入らないことが分かります。

7月のBeamが全くないのが分かりますね

冬に72%も役に立ちます。

パッシブハウスの設計では一つ一つの窓の影響をきちんとシミュレーションします。

確実に暖かい家 涼しい家を作るには、きちんとしたシミュレーションが大切です。

隣棟の影の影響は大きいです。
甘く見ないできちんとした設計を心がけましょう。

いろいろな手法があるので、どれがいいということは言いませんが、それぞれの手法できちんと計算したほうがいいよね。というお話でした。

パッシブハウス

パッシブハウスの認定を受けると言うことはどういうことでしょうか?

世界基準での温かい家、省エネな家

パッシブハウスであると言うことは、もちろん世界基準での温かい家、省エネな家ということが照明されてと言うことですね。

「パッシブハウス」は世界共通言語

海外旅行に行ったときに「パッシブハウスに住んでいる」といえば通じます。
「パッシブハウス」に住むということは、きちんとした家に住んでいる。それを選ぶことができるリテラシーがあるということの証明です。

「高気密高断熱住宅」なんて言っても「Q1住宅」「G3」なんて言っても全く通じません。

パッシブハウスの家である証

きちんと認定を取得するとこのようなプレートがいただけます。このプレートは再発行ができない貴重なものです。
本物の省エネ住宅であるということが玄関先でわかります。

認定証もいただけます。認定証にはオーナー様の指名住所はもちろん性能まで書いてあります。
本当に幸せそうですね。

オーナー様の認定のメリット

まずは、計算された性能がきちんと出るということの確信につながります。日本の国のUA値計算では実際の温かさや、消費エネルギーは全く予想と外れることがあります。しかしパッシブハウスのロジックで計算された建物は、実測がその期待を裏切らない、かなり高い精度で整合します。

次に、不動産価値の上昇です。日本の通常の建物は中古ではほとんど値段がつかないことも多いですね。土地の価値だけで取引され建物はマイナスなんてこともあります。
海外ではパッシブハウスは高値で取引されます。日本ではまだ取引事例が少ないですが、築10年を超えた建物が建築時より高く売買された事例も出てきました。

海外ではパッシブハウスに補助金が出ることが多いようです。お隣の国、中国でも出されていると情報が入っています。
日本では、まだ国の取り組みが遅く補助金の事例はありませんが、今後に期待したいですね。

設計者にとってのメリット

我々設計者にとってのメリットもあります。

建築の設計はあいまいなことも多く、経験に頼りがちです。しかしパッシブハウスのロジックでシミュレーションを繰り返すことにより、お客様に確実な性能の建物、より良い性能の建物を提供することができます。それが設計者自身の設計力の向上などにもつながっていきます。

また、認定を取得するにあたり、工事のチェックや、気密測定、風量測定なども行われます。ミスを防ぐことにつながります。きちんとした施工の検証をすることで、確実な性能の提供ができ、その後の不具合の発生などを少なくできます。

認定取得する方法

認定取得するには、パッシブハウスの設計ができる設計者さんの力を借りなければなりません。かなりの勉強が必要で日本でできる人はまだまだ少数です。パッシブハウスジャパンのサイトから実際にパッシブハウスの認定を取った建物を作ったことのある設計者さんや工務店さんにお問い合わせください。

認定費用は?

パッシブハウスジャパンの審査費用、ドイツのパッシブハウス研究所への費用で30万円です。
そのほか設計費、場合によってはコンサルティング費用などが掛かります。

世界最高峰の基準のパッシブハウス。

数年後は当たり前になっていくというのが世界の流れです。海外では低所得者向けの公共住宅でさえパッシブハウスが要求される場合もあるそうです。

せっかく作るのに低レベルな住宅で、10年後20年後に建て替えたくなってしまうようではもったいないですね。

どうか皆さんも冷静な判断で家づくりをしていただけたらと思います。