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その要望、本当に必要ですか? 間取りに「便利」を押し込む前に考えてほしいこと

間取り

こんにちは。高橋建築の高橋です。

私たち一級建築士は、お客様との最初のヒアリングを元に、プロとしての経験を総動員して「これこそがベスト」と信じるプランを最初にご提案します。

ですが、打ち合わせを重ねるたびに、少しずつその形が崩れていってしまうことがあります。 「SNSで見たこの動線を入れたい」「ここにも収納がほしい」「このスペースにこれを詰め込みたい」……。

もちろん、一つひとつのご要望は「便利になりそう」という善意からくるものです。しかし、それらを無理やり間取りに押し込んでいくことで、実は一番大切だったはずの「豊かな住み心地」が、どこかへ追いやられてしまうことがあるのです。

今日は、間取りづくりで迷子にならないために、大切にしてほしい視点についてお話しします。

「便利なパーツ」の寄せ集めは、いい家か?

最近よく耳にする「玄関からパントリー、そしてキッチンへ」というような裏動線。 確かに効率的かもしれません。でも、少し立ち止まって考えてみてください。

「家に帰ってきて、まず真っ先に収納に行きたいですか?」 「毎日、それほど大量の買い出しをしますか?」

限られた敷地、限られた床面積の中に、たくさんの用途を無理に詰め込もうとすると、家の中の「ゆとり」が真っ先に削られていきます。

通路ばかりが増え、壁が迫り、結果として当初の目的だった「開放感」や「家族の団らん」が蔑ろになってしまう。最初から破綻しそうなほど詰め込まれた間取り図を見ると、「本当にこれが使い良いのだろうか?」と、プロとして危惧することもあります。

構造のシンプルさは、家族への優しさ

私はできるだけ、「スマートな可変性のある間取り」を提案したいと考えています。

あえて作り込みすぎず、構造的にシンプルな力の流れを作る。 実はそのほうが建物として強く、将来、家族の形が変わったときにも柔軟に対応できるからです。

「今」の利便性を100点にするために壁や柱を複雑にするよりも、20年後、30年後も心地よく住み続けられる「ゆとり」を残しておくこと。部分的な便利さを手に入れる代わりに、住み心地や空間の見え方といった「大きな価値」を失ってほしくない。それが、建築士としての私のこだわりでもあります。

トイレの位置ひとつにも、正解はない

例えば、トイレの場所。 「寝室の近くがいい」「玄関の近くがいい」「リビングから離したい」……正解は人それぞれです。

どこに置いてもメリットとデメリットは必ずあります。大切なのは「流行りの間取り」をなぞることではなく、「自分たちはどう暮らしたいか」という一点に立ち返ることです。

リビングに明るい大きな窓をつけたいという願いも同じです。視線や音、日射の問題を置き去りにして、「便利だから」「流行っているから」と要素を足し算しすぎて、家全体の見え方や、窓から入る光の心地よさを損なってしまっては、本末転倒だと思うのです。

「効率よく生きるため」だけに、家を建てるのではないはず

家づくりは、効率化のパズルではありません。

家事を1分短縮することよりも、リビングでふっと息をついたときに感じる開放感や、家族が自然と集まりたくなるような空気感。そんな「数字や動線では図れない豊かさ」こそが、暮らしの質を決めるのではないでしょうか。

私たちは、あなたの「一番大切な思い」を反映させた間取りを作りたいと願っています。 細かな要望をパズルのように押し込んで、大切な空間を窮屈にしてしまう前に。一度深呼吸して、思い描いていた「豊かな暮らし」を思い出してみてください。

その答えを一緒に形にしていくことが、私たちの何よりの喜びです。


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高橋建築株式会社代表取締役 高橋 慎吾 (一級建築士 / PHI公認パッシブハウスデザイナー / PHIUS公認パッシブハウスコンサルタント)

Posted by 髙橋 慎吾