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断熱・気密

秩父で本当に「暖かい家」をつくるには?G3と等級7の意外な真実

こんにちは!高橋建築株式会社の代表、高橋 慎吾です。

私は一級建築士として、そして「パッシブハウスデザイナー」という世界の省エネ基準を扱う専門家として、日々「本当に心地よい住まいとは何か?」を追求しています。

最近、家づくりを調べていると「断熱等級7」や「HEAT20 G3」という言葉を耳にしませんか? 「数字を満たせばいいんでしょ?」と思われがちですが、実はここには「秩父ならではの落とし穴」があるんです。

今日は、プロの視点から「秩父で快適に暮らすための本当の指標」をわかりやすくお話しします。


「数字」よりも大切なのは「冬の室温」

まず知っておいていただきたいのが、私が所属している「HEAT20」という団体の考え方です。

一般的な基準は「断熱材をどれだけ入れたか(UA値)」という数字ばかりに注目しますが、HEAT20は違います。

「その家で過ごす人が、冬にどれだけ暖かく、どれだけ光熱費を抑えて暮らせるか」

という「住み心地(シナリオ)」を一番大切にしているんです。

秩父は「5地域」。G3が目指す驚きの暖かさ

国が定めた区分では、秩父市は「5地域」に分類されます。

この地域で最高グレードの「G3」を目指すと、暮らしはこう変わります。

  • 朝起きた時も寒くない: 冬の明け方でも、室温がおおむね15℃以上をキープ。
  • 家中の温度差がほぼゼロ: 15℃を下回る場所が家全体で2%未満(トイレも脱衣所もポカポカ!)。
  • 暖房代が激減: 昔の基準の家に比べて、暖房にかかるエネルギーを80%も削減できます。

注意!カタログの数字を信じすぎてはいけない?

ここからが大切なポイントです。

よくカタログに載っている「G3はUA値0.23」という数字。これはあくまで代表都市(宇都宮など)の計算結果なんです。

実は、秩父で同じ快適さを実現しようとすると、もっと厳しい基準が必要になります。

基準一般的な指標(代表都市)秩父で必要な数値
HEAT20 G3UA = 0.23UA = 0.22以下
断熱等級7UA = 0.26 UA = 0.24以下(代表都市の水戸レベルのエネルギー削減を目指すと 自社目標としての数値)

お隣の熊谷市(6地域)なら「0.28」で済むところが、秩父では「0.22」を目指さないと本当のG3レベルの快適さは手に入りません。秩父の冬は、私たちが思う以上に厳しいからですね。平野部や海岸部と比べて内陸の山間部は寒いです。

秩父市UA=0.22W/㎡Kで計算

まとめ:その土地に合わせた「オーダーメイドの計算」を

「等級7だから安心」「G3相当だから大丈夫」という言葉だけで判断するのは少し危険です。

大切なのは、「秩父の冬の寒さを考慮して、きちんと計算し直しているか?」ということ。

私たち高橋建築では、その土地の気候に合わせた緻密な設計を行い、数字以上の「本当の暖かさ」をお届けしたいと考えています。

せっかくの家づくり。

一生、心地よく過ごせる住まいを一緒に考えてみませんか?


高橋建築株式会社

代表取締役 高橋 慎吾

(一級建築士 / PHI公認パッシブハウスデザイナー / PHIUS公認パッシブハウスコンサルタント)

換気・空気,設計 デザイン

こんにちは!高橋建築株式会社設計担当、高橋祐哉です。

昨日は「窓」をテーマにしたHEAT20のセミナー「窓から考える 住まいの環境・省エネ設計」に参加し、 最新の窓ガラスなど学んできました。講習の題のとおり窓から考える設計の可能性がぐんと広がる予感が膨らみました。

今日はお施主様との打ち合わせでも話題にのぼる、「窓と心地よさのバランス」について僕が感じたことをお届けします。


窓を「我慢」しなくていい時代へ

「性能を上げるなら、窓は小さくしないとダメですよね?」 そんな風に、デザインや明るさを諦めようとしている方にこそ伝えたいのが、今の技術の凄さです。

ひと昔前なら、大きな窓は「寒さの入り口」でした。でも今は、高性能なガラスを選ぶことで、壁と同じくらいの安心感を持って景色を楽しむことができます。 「断熱のために外が見えない」のではなく、「外の景色を楽しみながら、魔法瓶のような温かさも両立する」。 そんな欲張りな暮らしが、今の家づくりでは当たり前に叶うようになっています。

「眩しさ」も計算して、ちょうどいい木漏れ日を

セミナーでは、「南側に大きな窓を作りすぎて、逆に眩しすぎる」というケースについても議論されました。眩しさや夏と冬の日射取得に関しては太陽の通り道を考えて、庇(ひさし)で遮ったり、アウターシェードを提案したり。

僕が目指したいのは、夏はキリッと日差しを遮り、冬はぽかぽかと陽だまりができる、「サングラスをかけなくても心地よいリビング」です。 現場で大工さんが窓枠をミリ単位で調整しているのを見ると、「この精密さが、家族の団らんを支えるんだ」と、改めて手仕事の尊さを実感します。

「風」ではなく「涼しさ」をデザインする

最近は、窓を開けずに24時間換気で過ごすのが多いですが、「外気冷房」という考え方があります。

ただ窓を開けて風を通すだけでなく、季節の変わり目に外の涼しい空気を上手く取り込んで、家の中の熱を逃がしてあげる。

「通風」という言葉を超えて、外の涼しい空気を効率よく室内に取り込む「外気冷房」。 例えば夜、涼しくなった空気をそっと招き入れて、家の中にこもった熱を逃がしてあげる。 数値上のエネルギー節約はもちろんですが、何より「あ、今、外の空気が美味しいな」と感じる瞬間を、大切にデザインしていきたいなと思いました。


「この窓、付けてよかったね」 そう笑い合える家づくりを、これからも一緒に目指していきましょう!