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髙橋建築

暑い夏対策 カバードポーチはあり?なし? 冬の暖房費用は?

建築費・光熱費,設計 デザイン

暑い夏が続きますね。

今の流行はアメリカンスタイル?

お客さまのご要望で、アメリカンスタイル?カリフォルニアスタイル?このように呼ばれている図面を書くこともあります。

最近人気がありますね。

私もアメリカ、カナダに何度か行ったことがあります。
そのたびに「いいな。つくろう!」と思ったものです。
外国に行くとその土地ではぐくまれたデザインが素敵に見えます。
スイスあたりの素朴な木の建築がマイブームです。

日本では、それらが流行という形でもてはやされます。
少し前はビンテージが流行っていたり、その前は北欧風、その前は南欧風だったでしょうか?

時代ごとに流行廃りがありますね

今、南欧風の建物をみると、ちょっとその時の時代を感じます。かわいいおうちです。
その時にはとても持て流行らされましたが、今はその時ほどの感動はありませんし、人によっては「あれ?」と思う人もいるでしょうね。

そう考えると今流行のアメリカンスタイルの建物も少し心配です。

流行を超えた美しさ。バランスの良さ。

流行は流行として押さえながらも、それが経年変化したとき。流行が終わったときでも素敵に見えるようにデザイン出来ると良いですね。

流行を超えた美しさは、建物の形。バランス。色彩など。
多くの人が、変に思わない。素敵に思えるデザインに出来れば良いと思います。

そういった基本的な意匠性を備えた上で、流行を取り入れたいですね

カバードポーチのあるおうちのメリット

カバードポーチがあると建物我のぺーっと見えないです。変化があり素敵に見えますね。

そして広いポーチ部分に、おうちの中には持ち込みにくいものなど置くスペースとして利用出来ます。

そして、屋内のリビングと庭をつなげる役割が一番の魅力です。
リビングの延長として庭を取り込むことができます。

外が好きな方。自然が好きな方。子供の外遊びなどにはとても良いですね。

バーベキューやプールなども良いかもしれません。

休日にくつろぐにはとても良いスペースです。

そのほかにも、雨の日でも窓開け出来るとか 洗濯物が干しっぱなしにできるとかありそうですね。

カバードポーチはリビングに面した南面につくることが多いです。
庇が大きく南の窓に直射が入りにくいので、夏の日射熱取得量が減り冷房負荷が大きく減ります。
すずしいおうちとなります。暑い地域に適した作りですね。

夏至の12時の日影です。

カバードポーチのデメリット

デメリットもあります。

カバードポーチも建築費がかかります。
実際につくっても使わなかったらどうでしょう?
そのお金でリビングを広くした方が良かった。なんてことになるかも知れませんね。

維持費も少し多めになります。屋外なので定期的なお手入れの頻度は、屋内よりも高くなります。
具体的にはペンキ塗りだったり、お掃除だったり。

先ほどのメリットの反対ですが、冬は寒いです。
冬のお日様の温かい熱があまり入ってきません。
無料の太陽の恩恵が受けられないのです。
ちょっともったいないですね。

冬至の12時の日影
カバードポーチにより窓の下部にしか光が入りません。ちょっともったいないですね。

カバードポーチありなし住宅の暖冷房エネルギーの比較


まず、カバードポーチありで秩父での年間の暖房需要が43kWh/㎡です。このモデルは82.2㎡なので 3588kWhの暖房が必要です。

COP3 40円/kWhで換算すると 47500円くらいです。
パッシブハウスクラスの断熱なのでこのくらいで住みます。
暖房期間が11月~3月までの5ヶ月間とするなら月々9500円の暖房費
大きめのエアコンが必要となりますが建物内は均一となりそうです。

カバードポーチ無しならほぼパッシブハウス

寒いときでも家中の暖房が6畳用エアコンでバッチリ間に合います。
同様に暖房費を計算すると16890円 月々3380円くらいですね。
多分、実際の暖房はほぼいらないのではないでしょうか?

一般的な高断熱住宅でも計算してみましょう。
UA=0.46にしてみました。

この断熱レベルは等級6となります。なんだかすごそうですがたいしたことないです。
そして第3種換気にします。

そうすると等級6カバードポーチありだと

136.09kWhです。
エアコンの暖房費用はおよそ149,154円となりました。

全館を均一に暖房するのに無理ある性能ですし,もしできたとしても15万円の暖房費がかかります。

暖房期間が11月~3月までの5ヶ月間とするなら月々29830円の暖房費
住み心地、光熱費と見た目のバランスがちょっと危険です。
寒い思いをしてまでカバードポーチ付ける必要があるのか?考えてしまいますね。

この等級6の断熱でカバードポーチ無しなら

暖房費用は109,150円 暖房期間が11月~3月までの5ヶ月間とするなら月々21830円

デザインのためならなんとか我慢出来る暖房費用でしょうか?
大きめのエアコンを強く動かし続ければなんとかなるかも知れません。

当社レベルの断熱なら、カバードポーチを付けても月々の暖房費用が3380円
そして建物内はどこも均一の暖かさ。

カバードポーチを付けるなら、当社レベルの断熱はしておきたいという結果となってしまいました。

一方冷房ですがこれはたいした差は出ません。断熱性能の差もありますが日射性能の差が大きいです。

等級6レベル カバードポーチ無し

ポーチあり

パッシブハウスレベル断熱 カバードポーチ無し

ポーチあり

どちらの断熱でもポーチありの方がさすがに6kWh/㎡年小さいですね。
冷房費を比較すると 等級6カバードポーチ無し28496円 冷房期間が2ヶ月だと14248円
あり21920円 冷房期間が2ヶ月だと10860円

パッシブハウスレベル断熱 カバードポーチ無し 23016円 冷房期間が2ヶ月だと11508円
あり 16440円です。冷房期間が2ヶ月だと8220円

夏期はパッシブハウスレベルの断熱を大きくPRするほどの性能差は見いだせませんね。
カバードポーチがあった方が少し涼しいのは明らかです。

ですがちょっとまって?

夏の日中の光熱費ってそもそも太陽句発電付きの住宅ならかんがえなくてもいいんじゃない?
そうなんですよね。
暑い日差しの日は電気があまります。
あまった電気を使えば!!

カバードポーチ付けるなら徹底的な高断熱が必要

まとめです。
いかがでしたか?
少し位の高断熱ではカバードポーチは危険ですね。

今までレベルのおうちなら「まあやむを得ないな」ですまされるかも知れませんが、これがこれからずっと住む家となると。

10年後。20年後。大丈夫でしょうか?
周りで作られる家はどんどん高性能化されてきます。
あなたの家だけ住み心地が悪い。温度ムラもすごい。

電気代も上がるでしょう。
周りの家は光熱費が安い。
あなたの家は光熱費が高い。
そうなってしまいます。

大丈夫でしょうか?

カバードポーチ付けたいなら、きちんと計算してシミュレーションしましょう。

どんなデザインでも建物の性能は必要です。

当社の性能を生かし、今後はデザインもお客さまのご要望にお応えしていきます。つくるのが得意です。つくるのが得意です。

お断り
このシミュレーションは当社作成のプランで計算しています。条件も当社設定です。
そのため、これより違いが大きくなることも小さくなることもあります。
平均的な一例として計算しました。

Posted by 髙橋 慎吾