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髙橋建築

断熱・気密

国土交通省から断熱等級7の案が発表されました。

このの発表はほぼ確定となっていくでしょう。

その発表された日に私は 国の基準作りで国交省と戦っていた竹内さんと食事をしていたのですが、このことは全く知らされていなかったとのことです。
国交省もいよいよやる気を出してきたかなと感じました。
 この野心的な目標を出してきたということは良いことです。

等級7なら 日射が確保できる地域で関東以南でしたら、上手に設計すればパッシブハウスの性能も夢ではありません。

設計力で左右されるところですが、国際的な基準に近くなってきました。やればできるじゃん!といったところでしょうか?

私も所属しているHEAT20の基準がベースになっているみたいですね。

秩父は5地域 熊谷深谷本庄あたりは6地域ですから 当社の施工範囲は UA=0.26ということになりそうです。

ただ、秩父の等級6が0.46というのがしょぼいです。当社の10年以上前の性能です。秩父の朝の冷え込みはとても大変です。HEAT20のG2の0.34二はしてほしかったと思います。

換気・空気,断熱・気密,日記・想い

秩父市でまた高性能な新築の住宅が増えました。

ホームオーナーさんは、よく勉強されていてその辺の建築関係者より詳しい方です。

住宅の本質をきちんと理解されております。
住まいに求められることがどのようなことなのか?
住み心地、省エネ姓、安全性に関してとても理解が深い方でした。

最近は、インターネットが発展していて情報が豊富です。その中できちんとした本物の情報を見抜くのは大変なことです。
  多くの人は、ぱっと見の見た目や、大げさに言う情報発信者の話を鵜呑みにしてしまいがちです。その発信者がどのような人なのか?どれだけの知識があるのか?そういったことを考えずに話を聞くと大げさに言う発信者の情報を信じてしまいがちですね。複数の人が言っていると言っても、間違った情報が伝達されているだけでその範囲で本当のように語られていることも多いです。 
  多くの人は、一度その話を信じると、それが絶対に正しいと思い込み、それに都合の良い情報ばかりしか耳に入らず、さらに間違った情報を確信していきます。

 今回のホームオーナーさんは、間違った情報と、正しい情報をきちんと見分けられるスキルをお持ちでした。

オーナーさんが求めたこと

最初にオーナーさんが私に出したご要望は、住宅に求められる本質的な性能が高いこと。

そしてローコスト

お金をかけるべきところは、見た目より性能とおっしゃってました。
それは私も普段考えていることです。

まずは基本性能の高さ。そしてゆとり。そして見た目です。
もちろん見た目をおろそかにすると言うことではありません。
お金をかけずに見た目のバランスをとりながら性能を高めていきます。

耐震性能 省エネ性能 耐久性 遮音性 そのほか。。。。

ローコストを目指す。

私の考えととても合っているお客様なので、当社も最大限協力することにしました。
コストをかけない間取り、建物の形など基本計画から、構造計画、断熱性能の計画様々な事柄を練っていきます。

運良く当社と旭化成建材さんと研究開発している断熱納まりの計画がありましたのでその断熱のプロトタイプとすることで、材料費も抑えることができました。

また、ホームオーナーさんの理解が高く、無駄を抑えることが上手にできています。

工事面積は33.25坪 この高性能な内容なのに設備まで含めた建物価格は○ ○ ○ ○円です。当社のような高性能住宅を作っている仲間からはとても信じられないとびっくりされています。

スキップフローなどの遊び心も

 住宅の性能ばかりが良くてもダメですね。家族で仲良く楽しく暮らせたりの工夫 も必要です。
 スキップフロアーで空間の広がり、つながりを出したり、家族の居場所がわかる広い空間を作りました。
 当初は、平屋で空間のつながりを考えていましたが、吹抜スキップフロアーを作ることで2階の各部屋とのつながり感を確保しました。
 当社レベルの構成の住宅なら温熱環境において1階も2階もありません。普通の高断熱住宅では熱ロスや温度ムラが大きくて危険ですね。

家事もらくに

共働き世帯が多いですね。
奥様もお忙しそうです。
 毎日の家事が楽にスムーズにできるようにできるだけ配慮しました。
 キッチン-洗面脱衣室ーファミリーウォークインクローゼットーユーティリティーーLDKーキッチンと回遊動線になっています。

少しでも家事が楽になるといいですね。

温かい温度ムラのない家では家事も楽になることが知られています。

また、浴室も乾きやすいです。カビなど生えにくくお掃除も楽々。
新しい浴室や洗濯干し室となるユーティリティーの換気の仕組みもあり、きっと喜んでいただけると思います。

洗面化粧台は合理的に使い勝手を重視しました。深くて大きなボールの洗面化粧台を採用。おしゃれに造作の洗面台も考えたのですが、使い勝手、収納を重視。つけ置き洗いもしやすい洗面台です。

お子さんの様子を見ながら家事

スタディーコーナーもキッチンから見える位置にあります。家族の近くで勉強するのは良いみたいですね。安心感もあるし、集中力を高める練習にもなるみたいですね。優秀な学校の生徒がどこで勉強をしていたか調べた調査では、家族がいるLDKで勉強していた子が多いという結果だったそうです。
そして、目につくところ、手の届くところに本棚があると言うことはとても良いみたいですね。

省エネで静かな冷房システム

各個室にはエアコンや換気扇はありません。ですから音がとても静かです。ゆっくりお休みいただけます。普通の住宅ではエアコンの音のなかで住んでいるわけですからこの違いは大きいですね。

この住宅は 1F、2Fに1台づつのエアコンです。

この冷房システムは数年後の国の一次エネルギーの計算方法を作る上での参考とされています。

性能は?

もちろん長期優良住宅の認定を取得しています。

断熱性能は?

UA=0.22W/㎡K これがどんなにすごいかわかりますか?
今後出てくる断熱性能基準の等級7に相当します。現在は等級4が最高性能なので比較は難しいですね。
HEAT20のG3といった方がわかりやすいでしょうか?

耐震等級は許容応力度計算 耐震等級3

構造計算しない工務店さんで、強い家を作っているなんてことを言っているところは危険ですよ。当社くらいなれている工務店でも実際に計算してみないとわからないことはたくさんありますから。
この家も階段、吹抜、スキップフロアーの位置関係で計算にはとても苦労しました。これで安全だろうは全くダメですね。

断熱仕様 超高気密高断熱

今回の断熱仕様はロックウール+ネオマフォーム

皆さんご存じだと思いますが、当社の断熱仕様は半端ではありません。世間の高気密高断熱住宅と言われている建物とは全く別物です。

外張りのネオマフォームで断熱性能の7割を発揮させ、そしてロックウールで補います。
  この仕様は、新しいHEAT20の解説本にも記載されるほどの良い納まりです。当社のでティールを紹介しています。
  合理的に高断熱を安全に。
  内部結露に関しては定常計算、非定常計算ともに確認しクリアー
 メーカーの協力もうけています。 ネオマフォームの旭化成建材さん ロックウールのニチアスさんありがとうございます。
  ロックウールは重量があるのでとても静かです。遮音性能がすごいです。いつもの髙橋建築の物件より静かなはずです。事務所での実験ではかなりの性能向上がありました。
  実棟での測定が楽しみなところです。

 大学との共同研究対象。

ホームオーナーさんのご協力をいただきセンサーを60カ所以上つけています。温湿度測定をさせていただき始めました。
このような研究成果が、次の髙橋建築の標準的な技術となっていきます。

気密性能

実は気密がとれすぎていて測定不能でした。

ですが、測定結果を出さなくてはなりません。とりあえずわざと穴を開けて測定可能な状態まで性能を下げ無理矢理測定となりました。

加圧法で0.16 減圧法で0.12です。

私が望んでいること

家は何十年も住むものです。さらに100年200年と長持ちさせ住み継いでいくことが重要と考えます。

地球環境のためにも今までの建てては壊す、スクラップアンドビルドではダメななのです。

壊れにくい家、壊されない家作りを目指さなくてはなりません。

そのためにも、今後の世の中の変化、性能の向上の先取りをした家づくりをすることがとても重要です。
今回、国土交通省から2050年に向けて目指した家づくりの案が出されました。まさに髙橋建築が作っている家が2050年の目標の家。

30年後でも通用する家だと言うことが証明されました。

30年後なんてあっという間です。
そのときに、時代遅れの家になるのか?そのときの標準になるのか?
周りに性能の良い家が建ち始めたときに立て直したくなってしまうなんて気の毒ですしとても無駄なことです。

建て替えたくならない家づくりをしていきたいです。高性能で愛着のわく家。住み心地がよく安らぎのある家。
これからも勉強してしていきます。
当社の家づくりに共感してくれる方。一緒に家づくりをしてみませんか?

今回のお客様はそんな髙橋建築の家づくりを理解して実戦してくれたかたなのです。

本当にありがとうございました。

断熱・気密

いよいよ寒くなってきましたね。
パッシブハウスの性能がはっきりわかる季節がやってきました。
楽しみに思っている方も多いですね。
私も寒い冬が好きです。
パッシブハウスの温湿度が整った空間の心地よさは異次元です。
皆さんも早く体感してくださいね。

この季節に入るとパッシブハウスレベルの住宅にお住まいの方からいろいろなお話を伺います。
自慢話ですね。
「うちは23℃だよ。」「うちは26℃。ハワイめざしてます。」
「半袖半ズボン。」「1年中タオルケットで寝ています。」「冬でも子供が湯上がりに裸でずっと走り回ってます。」
そんな報告を聞くと私もうれしくて、それを営業トークに使ったり自慢話にしてました。

でも?

それって省エネでしょうか?

お客さんがその温度で住むのは自由ですが、我々は、快適性を求めるだけで家づくりをしていていいのでしょうか?

本当に省エネしている人が聞いたらその話は、とても情けない話に聞こえているかもしれません。

せっかくのパッシブハウスの性能なのですから、無理してそこで15℃で住むこともないですね。
23℃にしてもあまりエネルギーを食いません。朝晩少しだけのエアコンで間に合うでしょう。
ですが?もう少しどうにかできないのかな?と思うのです。

せめて長袖着て2度くらい落としたら?
そう思ってしまいます。
我々の建築仲間でもそうです。
特に普段「省エネ省エネ!」といっている正義ぶっている人が「当社で作る建物は23度で住んでTシャツだけで過ごしている人が多いです」なんて話ているのを聞くととても矛盾を感じます。

快適さを計算する PMVという手法がありますね。
温度湿度ばかりではなく 着衣量や、活動量も計算に入れます。
着衣量0.3cloを0.7clo 1.0cloとするだけで2、3度落としてもPMVは変わらないことがわかります。
http://www.mogami.com/pmv-01.html
わざわざTシャツ生活するのではなく長袖着れば省エネなのです。

パッシブハウスを計算するPHPPというソフトの冬期の計算目標温度は20℃です。
なんかいいあんばいだなと思います。
私は長袖ならとても快適だと思ってます。

秩父パッシブハウスに住んでいる弟家族は、長袖長ズボンでパッシブハウスに住んでいます。
すでに11年目のパッシブハウス。
長袖服を着ていますが10年間ほぼ”無暖房”です。
とても上手に省エネに住んでくれていてありがたいです。

パッシブハウスの実力はすごいです。
きちんと日射を取り込んで蓄熱して。

今後は 快適さをアピールするだけでなく、省エネな住み方も考えていければなと思っています。

ほかの団体でもの省エネ化が進みエアコンさえつければG2,G3レベルなら「23℃、Tシャツ生活」なんて余裕です。
きちんと計算されたパッシブハウスなら、エアコンにそれほど頼らずとも本当の省エネ生活ができます。
それが圧倒的な違いです。

エネルギーを無駄にしないで快適な生活ができるのがパッシブハウス。

私は20℃で快適省エネに暮らす方法をお客様にも伝えていければいいなと思っています。

断熱・気密,設備・空調

皆さん樹脂サッシをお使いですね。

未だにアルミサッシはないですね。

SMARTWINレベルの木製の高性能サッシをお使いならとてもすばらしいですね。

樹脂サッシは当たり前ですが、樹脂サッシにもかなり違いがあるのはご存じですか?

左がAPW430 右がAPW330です。
ガラスがトリプルとペアなのは見れば解る違いですが、そのほかに解ることありますか?
大きな違いがありますね。樹脂の肉厚です。
耐久性の向上が見込めます。APW330のコストダウンはちょっと怖いですね。そのほかガラスのスペーサーやパッキン、チャンバー数も違います。性能の差がおおきく出そうです。

やはり一番気になるのは樹脂の厚みですね。APW430は海外製のようにごつくて長持ちしそうで安心です。当社では430標準です。ご安心ください。

断熱・気密

断熱性能が上がると、暖房費などが削減でき、光熱費が安くなることが知られています。

それだけでも、断熱するための費用がペイできるのですが、暖かいおうちは医療費も下がるようです。

岩前先生の暖かいおうちは病気になりにくい。又病気が治りやすい。と言う有名な研究や、伊加賀先生の暖かいおうちは医療費が少ないという研究はよく知られていますね。

今回は 近畿大学の藤田先生の研究をご紹介します。
まとめて一つのグラフでお話しします。

近畿大学 藤田先生の研究から引用

東京 4人家族なので少し暖かい6地域です。60万円の効果あり

この医療費は保険適用前だそうなので3割負担なら0.3かける必要がありますね。

H28年省エネ基準の断熱性能からUa0.3の断熱性能になるとおよそ200万円医療費が少なくなるようです。3割負担なら約60万円の効果と言うことですね。

医療費が少ないと言うことは家族が健康と言うこと

30年間で60万円も節約でき 健康でいられる日が多くなると言うことです。 
お金も大切ですが、医療費が少ないと言うことは、病院にかかることが少なくて済むと言うことですから、家族にとってはとてもありがたく幸せですね。

健康でいるためにも暖かいおうちの方がとても良いと言う研究のご紹介でした。

断熱・気密

結論から言えば 何でもいいです。

きちんとした計画、施工がなされていれば。

断熱材それぞれが、良い側面と悪い側面を持ち合わせていますから、それらを理解し使いこなすことが大切です。

重要なのは断熱量の確保
しっかりした断熱量を確保しましょう。
ちょっとだけ断熱のレベルでの議論をしても、だめですね。

たくさん断熱を前提で考えなくては。

まず前提。どのくらい断熱すればいいのか?

きちんと断熱量を検討するには、様々な条件で判断する必要があります。

地域による違いが一番大きいです。6地域前提に話をしているブログ、youtubeが多いのでほかの地域の人は気をつけてください。
秩父で考えれば UA=0.3以下にした方が良いと思います。
できれば0.5以下。
朝の冷え込み マイナス5度以下をしのぐには必要と考えています。

日射が十分とれるなら蓄熱などと組み合わせてもう少し断熱を薄くできるかもしれません。

将来、後悔しないようにしたいならパッシブハウスレベルにしておくのをおすすめします。
パッシブハウス基準で作ると言うことは、断熱の量のみならず、日射や換気、ヒートブリッジなども考えられているからです。

それでは、それらはどのくらいの断熱量なのでしょうか?

当社では主に秩父地域周辺で仕事をしていますので、南は飯能、北は本庄、深谷、熊谷くらいです。

秩父とそれ以外では少し違いますが、深谷近辺も山が近いとか風が強いせいでかなり寒いです。
当社では、屋根や、壁の断熱は秩父と同じにして、基礎などで調整しています。

部位ごとの熱貫流率 U値

一例です。わかりやすい図面が手元にあったので特別公開です。
メーカーから依頼を受けている軒先のヒートブリッジの図面です。
HEAT20のマニュアルを始め様々なところで当社のディティールが使われているのですでにオープンになっている差し支えない図面を公開します。



この仕様の屋根で U=0.119W/㎡K 壁が0.142W/㎡Kですね。

施工性と、断熱性、内部結露や火災、音など様々な問題を考えたディテールです。

当社ではこれ以上は、施工性、コストなどから難しいと考えています。
現時点でのベストバランスです。

どうぞ皆さんまねしてください。グラスウールのところをセルロースファイバーにするとかしてもいいですね。重さや熱容量を利用して音や温度変化など少なくできそうです。

屋根もネオマを使わずに ロックウールだけをたくさん入れるだけなどもありですね。もちろんコスパに優れた吹き付けウレタンフォームなどでも良いと思います。

断熱量を確保しやすい断熱材と確保しにくい断熱材があるのは確かです。うまく長所を生かして問題が起こらないように計画することでしっかりした断熱量の確保は絶対に行いましょう。この断熱材では厚くしにくいから、これで我慢しようという妥協はしない方がいいと思います。何かしら解決方法はあるはずです。

断熱量の次に考えたいこと

コストも大切ですね。
コスパがいいのは グラスウール、吹きつけウレタンフォームでしょう。

施工性も大切ですね。
職人さんによって性能が変わるのもいやですね。テープ処理が多いのも将来不安かもしれません。専門の職人によって施工される、セルロースファイバーや吹きつけウレタンは少し安心感がありますね。きちんと施工できる工務店ならグラスウールロックウールもいいですね。


音を遮るのは?吸音するのは?
木質系の断熱材やロックウールのように重い断熱材の方が遮音には有利と言われてますね。それより外壁を重くした方が外部の音は静かかもしれません。
吸音?これも繊維系断熱材が有利と言われています。でも実感としては内部の仕上げやカーテンなどの影響。おいてあるものなどの影響が強い気がします。
断熱材で音の問題を和らげる効果は少しあるけど解決するほどでは無いので注意しましょう。

防虫、防鼠
虫がわいたり、鼠のすみかになったり。原因が断熱材にあることは少ないと思いますが、自然系に偏りすぎた考えだと問題も発生するかもしれませんね。

火災。
プラスチック系断熱材がやり玉に挙がります。
しかし、実際は言われていることと違う用です。
現在の家の作り方だとそもそも断熱材にはなかなか日が届かないように作ります。
外は燃えにくい外壁で覆います。その裏の断熱材に日が入るのは難しいです。
内部は石膏ボードで覆われ、やはり断熱材に日が届きにくくなっています。
現在の建物の実際の火事では、家の中におかれた様々なものの量が火災の大きさに影響するようです。

内部結露
これが重要です。断熱材の組み合わせ方によって結露対策も変わります。
複雑な要素が組み合わさりますので、しっかりプロに確認しましょう。

熱橋
断熱材の種類によっては熱橋がたくさん出てしまうものもあります。上手に納めることによって熱橋を小さくすることもできますので、構造を熟知した、設計士さんに納まりを考えてもらいましょう。トリプルガラスは重いのでその重さも考慮に入れたり取り付け方で熱の逃げが変わるので、Install ψ までこだわれれば最高ですね。

長所短所の理解が大切

断熱材選びはとても難しいです。

「この断熱材じゃ無ければだめだ!」「この断熱材は絶対に使っちゃだめだ!」という設計士さんや、ハウスメーカーさんがいたら疑いましょう。知識が足りないから言い切っているのだと思います。

断熱材の長所短所を理解して、住宅に合わせて選べる人を探してください。  

パッシブハウスの認定

パッシブハウスの認定ではもちろん断熱の種類は問いません。
熱が逃げにくい納まりや、内部結露などの問題が発生しにくい納まりになっていればいいのです。どんな断熱材でもいいのです。

断熱・気密

岐阜森林文化アカデミーの辻先生が、とても見やすい良い表を作られたのでそれを紹介します。

辻先生の資料から

快適を感じる要素は、温度湿度のほかに 周囲の温度(放射温度)や風が有無(気流)、衣服の量(着衣量)。動いているか止まっているかなどの活動量などで変化しますね。
グラフが複雑になるのを避け温湿度以外の要素を固定してます。
パッシブハウスレベルでは壁や天井、床などの温度はほぼ室温ですから問題ないですね。
家全体が涼しく同じ温度になりますので風で涼を取ると言うこともほぼ無いです。
衣服の着る量は人によってずいぶん違いますので、それぞれの人がこのグラフの値をちょっと高めに見たり低めに見たりすればいいですね。例えば冬でも半袖で過ごしたければ温度を1,2度上げて考えるとか。(笑)このグラフの前提の着衣量は長ズボンで上には何かはおっている感じです。
活動量も常識的な範囲で想像すればいいですね。このグラフは座っているときなので家事をしているときにはもう少し涼しい方がいいなど調整をして考えましょう。

冬の温度の快適範囲

暑い、寒いなどの感覚は人によって違いますのでその解説です。グラフの左側にPMVと書いてありますが、快適と感じる割合を表しています。
PMV=0は、たくさんの人が暑い寒いと感じる中央値です。
PMV=-0.5が90%くらいの人が心地よいと感じる
PMV=-1.0が25%の人が涼しいと感じる
PMV=-2.0が75%の人が涼しいと感じる
PMV=-3.0だと99%の人が涼しいと感じる
です。PMV=3はほとんどの人が寒いのですね。

そしてPMVプラスは暖かい側ですね。

グラフを見て大体わかることは、20℃を超えてくれば75%の人は快適
22℃位を超えればほとんどの人が快適ということですね。
パッシブハウスの基準では20℃の計算ですのでまだ少し寒いと感じる方もいそうです。
寒いと感じる一部の人だけもうちょっと着るか、寒がりの人に合わせてもう少し温度を上げるかすればいいですね。あまり暖かくすると今度は一部の人に暑すぎるという人が出てきてしまうから微妙です。
そのようなことや省エネの観点からは、室温は上げずに、寒がりの人に着てもらうのがいいでしょうね。

夏の温度の快適範囲

PMV=1.0が29℃
PMV=0.5が27.5℃ ちょっと厚いと感じます。
このグラフは座っているだけで何もしていない前提なので、このくらい高い温度というのもなんとなく納得です。
ですがちょっと動けば暑いと感じます。前提が長袖シャツなので半袖になるとかなら少し我慢できそうですが、冬とは違い、これ以上の調整は難しいですね。
動いていることなど考えるともう少し室温を下げぎみにした方がいいかもしれません。
パッシブハウスの基準は25度。今の日本の多くの人は涼しくしすぎと感じそうです。私もそう思ってました。私の家でも最初は27℃設定だったのですがだんだん下がり今年の夏は25度。
動いているときなどでもちょうどいいです。女性方たちは寒いと感じるひとが多そうですね。人によって感じ方が違うので、うまく衣服で調整するしか無いですね。
暑がり側の人はそれ以上脱げませんから、やはり寒がりの人にちょっと着てもらうのが良さそうです。

冷暖房エネルギーで考える

冬と夏では冷暖房のエネルギーが全く違います。

気象庁のデーター

秩父をパッシブハウス基準で考えると冷房時は秩父の平均25.5℃位をを25℃くらいに下げればいいだけなので0.5℃くらい。でも冷気をためられないので暑いときのみ考えても31℃最高平均を-25℃で6℃ 
暖房時は平均1.8℃なので18.2℃。最低気温平均で考えると23.8℃さもあります。
暖房の方が何倍もエネルギー食いますね。
暖房時はやはり、寒がりの人に合わせて22℃とかにするのではなく、20℃くらいに押さえて、寒がりの人がちょっと着るというのが省エネの観点では有効そうです。

カビ ダニは高湿度が危険

このグラフを見ると70%あたりからカビやダニの危険性が増しますね。もちろん窓に結露などしてれば全くだめですけど。そういったことが無ければ70%以下を維持できれば良さそうですね。

ウィルスは低湿度

コロナウィルスの情報はまだまだそろわないのですが、インフルエンザウィルスは湿度には弱いみたいですね。絶対湿度7g/kgが目安のようです。

人間の快適範囲の20℃を基準に考えると湿度が40%以上に保てればいいみたいですね。コロナにも当てはまればいいのですが。

私の目標

このグラフから私なりに考えました。

冬はパッシブハウスの基準通り20℃以上

夏は今までの日本の住み方を考慮して27.5℃

そして湿度は40~70%

理想はより範囲をすぼめてもいいですけど、人によって大きく差がありますからあまり言い切れないですね。
パッシブハウスレベルの建物ならエネルギーの使用量はそれほど変えずに高い温度、低い温度に合わせて生活することはたやすいことです。

ですが省エネ性も考えるとこのくらいがいいかな?と思いました。

皆さんいかがでしょうか?

断熱・気密

現在検討中の家は家に囲まれています。
この条件でも明るい快適な家にしたいです。

難しいです。(笑)

建物は作り替えできないから、最初の検討が重要です。

「内装は好みに合わせてお客さんに楽しんでもらえば」というスタンスです。

内装などのことは インスタなどで情報は簡単に手に入れられるので、それを調べてもらってお客さんの好みに合わせて作ろうと思っています。

ですが、間取り、構造、温熱環境は後では直せないですよね。

プロとしてそこに力を入れたいとお思ってます。

(それでも内装デザインも大切だから、デザイン任せられる設計士さんいればたすかるな。設計士さん募集中です。)

庇のケーススタディ

窓と庇の最適化 庇あり winter0.51 summer0.47ちょっと庇 winter0.63 summer0.62 無しwinter0.67 summer0.73 このデーターでパッシブハウスの計算

どうなるのかな?

建築費・光熱費,断熱・気密

私の家のこの夏のエアコンの使用状況です。批判もありそうですが、あえて公開することとしました。

8月1日から21日までの 21日間のデーターです。

私の家 住宅スペック初公開!

まずどんなおうちかというと、40坪くらいで吹抜があります。築20年くらいですが当時の最先端。ZEHレベルくらいです。
今でも世の中的には最先端かもしれませんね。


 完成当時の写真 この夏はよしず 今はアウターシェード

20年前の電気図面1F 上が南
食品庫 ファミクロ 薪ストーブ 回遊動線 換気システム 太陽光発電
C=0.38 UA=0.5くらい(ペアガラス2セットガラス4枚)ウレタン断熱壁60屋根120 基礎断熱XPS50 同時給排 床暖房 エアコン全館冷房
掘りごたつ(笑)食器洗い機(使っていない) 収納たくさん 畳リビング

2F 吹抜があります。左側はスキップフロアーのスタディーコーナー
6畳吹抜 夫婦分離寝室 洗濯干し室 バルコニー 

小屋裏利用のロフト階

火災報知器も義務化前だし、シックハウス法も義務化前だけどしっかりやっていました。ほぼ珪藻土の内装 20年前なのに 今の最先端(笑)

特別お金をかけたつもりでは無いけど我ながらよくやっているな。今やっていることも20年後時代が追いつくのかも。(笑)

コスモスイッチだったり間接照明 スポットライト ダウンライト 今でも変わらないですね。この当時、ほかの住宅会社はみんなお部屋の真ん中に照明一つが主流でしたから。

この夏のお天気

皆さん覚えていると思いますが前半は猛暑でした。逆にお盆は雨が続き涼しいけど湿度がずっと90%オーバー

8/1日から21日のデーターです。前半一週間がとても暑く8/5が最高気温ですね

一方、8/12~18の1週間は気温は低く湿度が高い状況です。

8/5の時間ごと

8/15の時間ごと

空気線図で見ると

室温は?

室温は24℃位をずっとキープ 湿度は55% 
若干のプラマイはあるけど 夏中ずっと全室 キープ

エアコンは代金AX40

 全く暑いことなんて無いです。知らないうちに夏が終わっちゃう感じ。

私は 1年中 同じ羽毛布団で寝ています。 気持ちいいのです。

着衣はTシャツにポロシャツを重ね着 下はズボン 靴下は無し。

妻も同じくらいです。

いよいよ電気データー

快適さを追い求めてほかの工務店さんの設定温度よりかなり低いので 比較するときには注意してくださいね。むしろここまで下げているのにこんなに安いの?と驚いてください

まず1地番暑かった8/5ですが

8.1kWhです。電気の単価を26円/kWhとすると210.6円です。この日が一ヶ月続くと6300円になっちゃいますね。6300円で夏が春になるとしたら?このストレスフリーを考えたら安いかな?

本当はFIT切れの太陽光発電なので電気の単価は8.5円/kWh この単価だと1日で68.85円 30日をかけると2065円/月 一ヶ月2000円です。安くてごめんなさい。(蓄電池もあります)

もう元を取りきった太陽光発電設備の利用なので 日中は無料で冷房しているともいえなくも無いですね。

一方涼しかった日

エアコンつける必要も無いけど湿度が高いのであまり気持ちよくない。あえて15日はエアコンを動かしっぱなしに。
まあ、電気が入っているけど動いていない感じですね。

0.3*26=7.8円 この日が一ヶ月続いたら234円

FITぎれ太陽光なら 一日2.55円

3円しない。(笑)

17日から2日間はエアコン止めているけど果たして止める意味があるのか無いのか?わずか2.5円のためにエアコン止める必要があったのでしょうか?

動かしていた方がカビとかのリスクは少ない気がしますね。
こんなことなら止めなければ良かったと反省。

21日間の結果は?

88kWh

88*26円=2288円

3週間で2288円です。半分涼しい夏でしたからね。

一日100円です。

40坪以上の家ですよ。家の中どこでも涼しい!(笑)

パッシブハウスでは?

20年前のおうちでこれですからパッシブハウスはもっとすごいのでは?
そう思うでしょう。

しかし残念なことに夏の太陽の日射はパッシブハウスでも普通の家でも変わらないですし断熱性能の影響は少ないのです。(冬は大きな差が出ます)
ほどほどの断熱があれば 日射遮蔽が大きく関係します。

ですから、家の設計力の影響の方が強いですね。
日射遮熱を取り込まないことが大切です。

気密性能の確保は絶対ですね。

当社の実測では夏はに関しては パッシブハウスとUA0.5C=0.3以下の住宅の差は同じ日射遮蔽効果のおうちなら大差ないことがわかっています。

夏はZEHレベルくらいでもきちんと日射遮蔽の設計すればOKということですね。

何十年の差は?

今回私の家を公開しましたが どうでしょうか?

住み心地の差

私は 世の中の人に「申し訳ない」と思うことがあります。
「みんな、【暑い】【寒い】と毎年毎年苦労しているんだろうな?」と

私はこの20年 一年中快適。 おうちの中では 知らないうちに夏が終わる感じ。知らないうちに冬が終わる感じです。

「みんな苦労しているのだろうな?自分たちだけ快適でごめんなさい!」

建築時にきちんと作る。わずかな差で 何十年もこの差が出るのです。

恐ろしい!

将来の老後も快適で安心。本当に良かった。

光熱費の差

私の家はオール電化です。ですから電気代のみの光熱費です。太陽光発電もあり冷暖房費が少ないですから 20年間ほぼ0円に近い状態でした。一方同じ大きさくらいの普通の家では 全館冷暖房をしない悲惨な状態にもかかわらず電気ガス灯油で年間20万から30万くらいかかるのでは無いでしょうか?20年で500万円くらいの違いが出ますね。もしいろんな部屋を冷暖房したら20年で1000万くらいの光熱費という人もいそうですね。月に3万4万かかるという人はいますから。

建築時の差の何倍もお得です。当社で建てたお客さんは年数が経てば立つほど喜んでくださいます。

維持管理費の差

冷房が1台のエアコンで済むと言うことは、壊れたときも1台だけ取り替えればいいと言うことです。

これが3台あったら3倍の維持費がかかりますね。エアコンも10万20万かかりますので3台を10年ごとに取り替えたら大金ですね。20年で2回の取り替え100万くらいかかってしまうかもしれません。一生だといくらの差?

まとめ

夏のエアコン代金はたいしたことないです。つけっぱなしでいいと思います。

そして最初の家づくりをきちんとすること。

住み心地が全く違う!光熱費が全く違う!維持管理費が全く違う!

20年で計算しましたが、30歳で家を作ると90までには60年あります。3倍です。

大きな違いですね。

そして その後、その家が使い続けられるか?孫に住んでもらえるようなら孫が新築する代金、解体する代金も浮くことになりますね。何千万円もの効果があります。

おうちはきちんと作りましょう。(笑)

断熱・気密,環境・エネルギー

当社ではネオマフォームという高性能断熱材を使っています。

このネオマフォームは高性能なのですがプラスチック系断熱材と言うことで、地球環境から見ると良くないのではないかと言われることがあります。

しかし、そうではありません。
確かに製造時に化石燃料を消費してしまいますが、ネオマフォームを使うことにより住宅の断熱性が上がり暖房エネルギーなどを減らせることにより、大きく環境負荷を減らすことができます。
さらにパネルを並べているだけですから再利用が可能です。
又、この断熱材は長期間にわたり性能が下がりにくいことも知られていますので安心です。

きちんとした確実な断熱性能、長期性能、リサイクル性などとても大切ですね。

これらのことから、SDGsの第一人者の先生の住宅もネオマフォームが使われています。

この住宅の断熱施工技術監修は当社 高橋建築です。
勝手に写真が使えないのでこちらの記事をご覧ください。

https://miraimedia.asahi.com/kanie_06/

リンクをご覧いただければ、ネオマフォームもSDGsに適していることが詳しく書かれています。

気密測定地の写真に私もでていました。
C=0.1でした。当社大工さんの指導は完璧でした。(笑)

現場の施工ばかりではなく、高断熱に必要な内容などもお伝えしました。とくに熱橋の補強方法などもレクチャーしました。

そのときの一部です。