パッシブハウスの利点
セミナーで福岡の建築家 空設計工房の江藤さんの話を聞く機会がありました。
この方はバウビオロギーの建築を目指しているとても素晴らしい方です。
パッシブハウスジャパンでも仲間として一緒に活動しています。わざわざ当社の建物を見に来てくださったこともあります。
この方には、まだまだ教えてもらいたいことがたくさんあります。
パッシブハウスの利点
知られている大きな利点は 暖かい空間が実現できるということでしょう。
暖かい空間を少しのエネルギーで実現できるということが、設計の目標であり一番の利点です。
それにより 光熱費が大幅に安くなる。
設備の機器が少なくて済むので初期の設備費が安い。
設備の機器が少ないのでメンテナンスや買い替えの回数が少ない。
それらにより、環境にやさしいということがありますね。
また、きちんと設計されていますからお家がとても長持ちします。熱的弱点があるとそこが傷みやすいですね。
気が付きにくいパッシブハウスの利点
江藤さんがお話しされていたのがエネルギーなどの話とは関係ない気が付きにくい利点についてです。
建築業界ではこれを Non-Energy-Benefit(ノンエナジーベネフィット)と言っています。
「ベネフィット」の意味は「利益」「恩恵」
住んでいて心地よい。気持ちが安らぐ。
帰ってくるとホッとする。外部でストレスにさらされてもリセットしやすい。
楽に生活ができる。ストレスが少ない。
風邪をひきにくくなった。
インフルエンザを家族がもらってもうつりにくくなった。
医療費が少なくなった。介護費が少なくなった。
休日も家にいることが多くなり、余分な出費が減る
厚手の部屋着が不要になる。洗濯物減る。衣類の収納減る。
布団の量が減る。
ストーブや扇風機、除湿器、加湿器、空気清浄機なども減る。しまう場所がいらなくなる
それらによりお家の中がすっきりする。清潔になる。
シンプルで丁寧な暮らしの実現がしやすくなる。
暑さ寒さをあまり考えなくなる。リモコンを触らなくなる。雑然としたことからの解放。
お母さんにゆとりができ子供にやさしくできる。相手にする時間も増える。
キッチンが寒かったり扱ったりしないのでキッチンに建つ時間が長くなる。料理にも手をかけられる。
家中どこでも寒くないのでお家がすべてちゃんと使える。(寒いお家だとつかわない場所ができやすい。)
家中どこでも寒くないので、行動的になる。(リビングしか暖かくないとその部屋にとどまってしまう場合が多い)
上質な睡眠ができる。疲れが取れる。
学力向上。良い空気質
化粧品代が減る(お肌の保湿に良い高い化粧品いらなくなる)
寿命が延びる
毎日元気にご機嫌な暮らし。
家族の健康は幸せの元(身体も心も 精神も魂も)
愛される住まいは長寿命。(大事にされ、手入れもされ建物にとっても幸せ)→建て替えまでの年数長いので環境にも良い。
他にもあったかもしれませんが、たくさん挙げられていました。
確かに、当社で建てられたハウスオーナーさんからも同様のお話をよく伺います。
これらは江藤さんの個人的な意見というわけではなく、研究などで発表されてきたもののようです。最近様々なセミナーなどで耳にしますね。江藤さんがそれらを上手に抜粋しまとめられてました。
デメリット
これはデメリットなのかわかりませんが、冗談じみたお客様のお声です。
お友達がなかなか帰らなくなった。
重い布団をかけて寝たいのにかけると暑い。
同時期に家を建てたお友達が、嫌味を言う。
まとめ
住んでみないと気が付かないことも多いですね。
パッシブハウスにはたくさんの良いことがありそうです。
「お家で暑い寒いのストレスがない。」ということがどんなことか?
私はすでに20年間そういうお家に住んでいたのでよくわかります。( 今作っている家の比べたら少しレベルが低いですが )
みんな大変なんだろうな。頑張っているな。
あんな家建てちゃってかわいそうだな。
今年の夏もほぼ暑さのストレスなく終わってしまいました。
「自分たちだけ快適で世の中に少し申し訳ないな。」という気も少しはします。
でも仕方ないですね。
家づくりで、家の内容を決断するのは家を建てたオーナーさん自身だから。
みんなきちんと知識を付けて、将来を考えた住宅づくりをしてくれればいいなと思います。