構造から見た間取りの設計
家は住む人の生命を守るものですから強くなくてはなりません。
今では耐震等級3は当たり前です。
木造の住宅ではとにかく壁をたくさん作り配置していく事が出来れば、計算上はクリアーできます。
しかし、実際には地震時の力を負担する壁をどこにでも配置すれば良いというわけでもありません。
効果的に機能するように配置しなくてはなりませんし、構造計算の手法で決められた条件での配置が必要です。
いろいろな図面を見る機会が有りますがプロでもあまり理解していないと思うことが多いです。
ましてや一般のお客さんでは動線やオープンな間取り作りに夢中でそこまで考えながら壁や窓の位置を考えられる方はいません。
お客さんの要望を叶えながら間取りを作っていく訳ですが、初回プランは私がかなり深いところまで考えて図面を出すので構造的には安定しています。
安定している構造は無理な納まりがなく強いですし、特別な材料も必要なくコストも押さえられます。さらに長期に渡って歪みが出にくいので長持ちもします。
しかし、打ち合わせが進んでいくと「ここはこうしたい」「ここはああしたい」とほかで見てきた真似っこのような間取りの変更を要求されて、どんどん変わっていきます。
そうすると構造は難しくなりおかしくなっていきます。打ち合わせをする度に本当におかしくなっていってしまう事がほとんどです。プロですから、できるだけ無理させないで安定的な構造にしようとするのですが、本当に大変です。
木造ですから、かなり自由に間取りを作れるのですが、無理をしてる間取りは弱いしお金はかかるし、長持ちしないのです。
間取りも不自然になっていき本質を見失ってると思うこともあります。
でも家をたてるお客さんのことを思うと一生に一回のことだから、できるだけ想いを叶えてあげたい気持ちもあります。
お客様の要望を安全に叶えるため多少は無理した設計も必要です。
ですが、設計者はどこまで出来るか?どのようなリスクがあるか?完全に把握しておかなくてはなりません。
より高度な技術的な勉強が必要になります。
今日も東大で最高の勉強会が開かれ参加してきました。とても難しかったのですが役に立ちそうな情報をたくさん得ることができました。このような勉強もすべてはお客さんのため。
頑張っています。
写真は三次梁の設計方法。
三次梁はないにこしたことがないですが万が一のために。
ほかにも色々。頭がパンクしそうです。