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髙橋建築

断熱・気密

今回は窓について考えてみましょう。

まずサッシの種類です。

サッシは大きく分けて

アルミ製のもの
アルミと樹脂の複合のもの
樹脂だけでできたもの
木製

と大別されます。

フレームがアルミのサッシは熱のロスが大きいので使われなくなってきました。
樹脂サッシの性能が良いのですが、価格や防火の関係で大手ハウスメーカーではアルミ樹脂複合サッシを使うところが多いようです。

住友林業の標準仕様は三協立山のアルジオのペアガラスのようです。カタログを見ると標準的な大きさの縦滑り出しUw=2.15とありました。(間違っているかもしれませんがアルミ樹脂複合LOW-Eペアならほぼ同程度でしょう。

今回の調査した物件はオーナーさんの希望でAPW330の樹脂サッシに変えてありました。住友林業の計算書を見るとUw=1.51です。かなり良いですね。

当社で使っているYKKAPのAPW430 トリプルガラスですとUw=1.11のようです。標準仕様と比べると倍くらい性能が違いますね。(06011縦滑り出し)WINDEYEデーター添付します。

サッシの影響

サッシの性能は大きく影響します。
壁や天井の断熱性能と比べ5倍10倍もサッシの方が悪いからです。
熱貫流率が一桁違います。

この住宅の計算書から代表的な部位の数値を比較してみました。ドアや窓の性能がそのほかの部位に比べて大分性能が悪いのが分かります。

ドアが一番悪いのですがドアは一つですし面積もさほど多くはありません。
先ほどの数字に部位ごとの面積をかけると部位ごとの熱の漏れる量が分かります。

外壁と窓の熱貫流量が多いのが一目で分かりますね。

サッシの選択が大きな影響をもたらすのはおわかりいただけたと思います。

窓は構造によらず商品を選択すれば良いだけですから、比較的性能を上げたり下げたりが容易です。

もし違うサッシだったら?

この住宅がAPW330の樹脂サッシに変えずに標準のアルミ樹脂複合サッシだったらどうだったでしょうか?
仮に平均U=2.15としてみます。

窓の熱貫流量が42.44から57.878に増えました。15.4Wの差です。

アルジオ APW330 APW430トリプルガラスの熱貫流量の比較です。

サッシによる差が大きいことが一目瞭然ですね。

サッシの違いでUAはどう変わるのでしょうか?


サッシを変えるだけでUAが大きく変わります。

アルジオアルミ樹脂だとUA=0.51

APW330樹脂ペアならUA=0.47

APW430トリプルガラスならUA=0.42です。

性能を簡単に変えられ部位だとおわかりいただけたと思います。

サッシの種類による価格差は

サッシをお気軽に変えるだけで住宅全体の性能が1割づつくらい変わります。

それでも価格が心配で、そう簡単には変えられないかもしれませんね。
サッシの価格はとても様々なので一概に比較することは困難です。

それでもあえてざっくりというなら
サッシの価格差はそれぞれ50万円位の差では無いかと想像できます。
もう少し少ないかもしれませんし,多いかもしれません。
皆さん、おうちをお建てになる時に値段を出してもらってください。

ガラスの選定

ペアガラスと言っても性能は様々です。ガラスによって全く違います。ガラスとガラスの間の空気層も6mm位しかないものから16mm位までのものがあります。
ガラスを支えるスペーサーも熱を伝えやすい金属製と伝えにくい樹脂製があります。
中の空気層も熱を伝えにくいアルゴンガスやクリプトンもあります。
熱を反射させるガラスのLOW-E膜も内側だったり外側だったり1層だったり2層だったりします。

それらの違いにより全く性能と価格が違うのです。
ローコストメーカーのガラスはレベルの低いものが多いです。
お客様は分かりませんから最低限のものを使うのです。
「当社もペアガラスですよ!」と言われれば同じだと思ってしまいます。
安い住宅会社は安いなりの理由があるのです。

このおうちは全部が遮熱複層ガラスとなっています。(防犯あわせになっている)
もちろんアルゴンガス入りのLOW-Eガラスですし
ガラスのスペーサーは熱を伝えにくい樹脂タイプです。

空気層も厚いタイプですので選択としてはとても良いと思います。
勉強されているオーナー様ですね。

断熱性能優先の選択ですね。

しかし、もう少し踏み込むなら、割と日当たりの良い家なので南面は遮熱型のガラスでは無く日射取得型の方が良かったかもしれません。
ガラスのU(熱貫流率)は悪くなりますが、遮熱型に比べて5割以上太陽の熱を取り込めるようになります。
一般的には関東地方のように冬に晴れの日が多い地域では南面は日射取得型が熱的には有利とされます。

UAは悪くなりますが暖房負荷は下がり省エネになると思います。

計算書の記載が間違っているだけで実際には日射取得型にされているかもしれませんね。

窓の役割は光の取り込みと太陽熱の取り込み

冬の日差しは主に南側から入ってきます。夏の太陽は日が高くなり屋根の上を通りますのできちんと庇があれば南の窓からの熱い日差しは遮れますね。

このおうちは,格好良く屋根が大きく軒の出が大きいですから、夏の日差しは遮れそうです。

そうするとやはり南側は冬の日差しの温かい熱を積極的に取り込めるガラスを選定すべきだったかもしれません。

しかし、今日ではプライバシー重視でカーテンを開けないかもしれませんし、今後の気候変動で冬寒くなくなり夏暑い方が重要になってくるかもしれませんので、夏重視で南面も遮熱複層ガラスという選択もありかもしれません。

私もいつも悩むところです。

サッシのまとめ

サッシはとても良いものを選択されています。
さらに良くトリプルガラスの選択もあったかもしれませんが、この住宅のほかの部位の熱的性能のバランスから言うとサッシばかり良くなってもダメです。

しかし前述したようにサッシからの熱損失は大きいですし容易に性能をあげやすいですからサッシをオール樹脂のAPW330にしたのは本当に良い選択だったと思います。

ハウスメーカーも思い切って標準仕様を樹脂アルミから樹脂サッシに変えたら良いのでは無いかと思いました。

調査依頼受け付けます。

このブログをご覧になられた方から相談がありました。

調査依頼はお気軽にお声がけください。実費かかりますが建物の断熱性能を調査いたします。
「暖かい家を建てたつもりだけど寒い。」
「上手に作られていない気がする。」
「もう少し住み心地をよくするには?」

実際の性能を知ることが今後の断熱改修などに役に立ちます。
 メールは info@ta-k.jp です。

断熱・気密

少し日が開いてしまいましたが,報告を続けます。
最初にお断りしているとおり、住友林業で家を建てたオーナーさんの希望で皆さんに真実を知ってほしいと言うことですので、調査結果を公開させていただいています。

玄関土間、玄関ドアの熱画像

玄関土間Sp1 11.5℃ 玄関ドアコーナー6.9℃です。

内部に近い方の玄関土間で13.1℃です。

玄関ドアがUw=2.33W/㎡Kと計算書に書いてありました。
YKK製品のヴェナートです。一応,このシリーズの中では最も高性能とされているD2仕様のドアですので、普通に選ぶなら選択が間違っていたと言うことではなさそうです。しかし近年はUw=1.0に近い製品も多数発売されています。Uw=1.5位のドアも多く使われています。
この数字は逃げる熱量を表していますので小さければ小さいほど断熱性能が良いと言うことになります。

ローコストビルダーなどではUw=3位のドアもまだまだつかわれていますからそれに比べれば高断熱といえるでしょう。

しかし天井や壁などの断熱されている部分はU=0.2とか多くてもU=0.5とかだと思うので同じ面積なら5倍以上も熱が逃げます。このように大きな欠点となるところはできる限り頑張りたいものです。

また、玄関の土間ですがこの部分は基礎断熱となっています。
しかし熱画像で見て分かる通り表面温度はかなり低いようです。
これは,断熱量が少ないためでしょう。
図面を見ると押出法ポリスチレンフォーム3種(λ=0.028)が20mmです。

計算の影響が少ないのでかなり薄くしているものと思われますが、熱画像を見て分かるとおりかなりの熱が漏れています。

約20年前にできた高断熱の基準を引き継いでいる現行の遅れた基準でも、計算によらない熱抵抗は1.7となっています。

熱抵抗1.7は この断熱材厚50mmに相当しますから、このおうちの20mmは薄いですね。しかしこの表によらず、天井や窓など、ほかの部分トータルで併せて数字をクリアーできても良いのですから、この薄さが間違いではありません。

でも、国で定めている部位ごとの熱抵抗値をクリアーできていない部位があるのは、少し残念ですね。

玄関ドアとタイルの床のコーナーの熱がとても逃げているのは、玄関ドアの取り付け方による問題もありそうです。できるだけ熱橋とならない工夫をするともう少し良かったかもしれません。しかしこの部位は我々でも難しい場所です。

壁のコーナーの熱画像

おうちの隅部分です。この家はおうちの角部分が見える場所がトイレでした。

便器は電気を使っていますから暖かいですね。
たくさん熱を発していることから割と電気を食うのが分かります。

家のコーナーから熱が漏れやすいのでコーナー部分を見てみましょう。
El1 9.1℃です。
温度が低いと言うことは、ここからたくさん熱が逃げていると言うことです。

床も11.3℃ 壁も11.8℃と少し寒いようです。

このコーナーから熱が逃げるのはコーナーに柱があったり土台がありすぐ下は外気を通す基礎の通気パッキンとなっていることが影響しています。断熱材が全くない部分です。

参考に熱橋対策をしているおうちの画像を載せます。

このトイレもおうちの角ですが 一番寒いところで14.9℃
壁16.3℃ 床16.2℃です。

ビックフレームの熱画像

住友林業の特徴と言えばビックフレームです。耐力壁を設けずにすみますから大開口が可能となるとても素晴らしい構法です。しかし思わぬ弱点となっていました。

ビックフレームがはっきり見えるほど温度差が見えます。

どこに大きな柱があるか分かりますね。

これは大変なことです。性能を表す外皮計算書を見てみると断熱材と柱の割合を17%で計算しU=0.43となっています。しかし私が構造図から計算すると土台や桁などは除いて計算しても柱の割合が33%位にもなってしまいU=0.52と2割も悪くなってしまいます。

別に計算方法に誤りがあるわけではありません。木造軸組の場合、きちんと比率を計算しなくても17%で計算しても良いことになっているからです。しかしビックフレームの場合には大きな誤差が出ますのできちんと木部率を計算し外皮の熱損失量を出した方が良さそうです。

天井と壁の境の熱画像

家を格好良く見せるために屋根を低く2階の天井すれすれに作ります。
そのためどうしても天井近くに屋根を支える木材(軒桁)が来てしまいます。

それがやはり熱を伝えるのです。

デザインとの兼ね合いもありますからやむを得ないのかもしれません。

エアコンの配管

ここも熱が逃げやすいところです。エアコンの管を通す壁の穴から冷気が入っているのが分かります。
これは我々でもしっかり施工するのは難しいです。
電気屋さんに指導していますが、きちんとやるには相当苦労します。

床暖の熱画像

床暖パネルが敷かれているところが28.3℃ 敷かれていないところが22.3℃です

暖かいですね。とても気持ちが良いです。

ヒートポンプ式の温水床暖房なので機器の効率も良さそうです。

しかし外皮計算書を見ると床暖が敷かれていない廊下などは 押出法ポリスチレンフォーム(λ=0.028)が100mmなのに 床暖があるLDKは高性能グラスウール(λ=0.036)が60mmのみとなっています。

床暖の熱が床下にたくさん漏れてしまって、もったいない感じがしますが、本当に計算書通りに作ってあるか調べませんでした。できればほかの床と同じように高性能な断熱材を暑く施工されていることを祈ります。

床部分の熱貫流率の計算も私がやるのと若干の差が出ていました。

サッシのフレーム ウォームエッジからの熱損失



この家では標準仕様では無く APW330というオール樹脂サッシを使い さらにガラスのエッジは樹脂スペーサーをきちんと使っています。そのため熱の逃げが小さくなっています。とても良い感じです。

これが 標準のアルミ樹脂複合サッシだったりするととても冷たくなります。オーナーさんがきちんと選んで取り替えてもらったみたいです。

天井断熱材の施工は単純だけど難しい

高性能グラスウール(λ=0.038)110mmを2枚重ねのようです。
U=0.17W/㎡kとまずまずの性能です。

袋入りの天井断熱材の施工は割と難しくなかなかうまくいきません。以前Sハウスの天井裏に入った時はがっかりするような施工でしたがこの家はとてもきちんと施工できていました。

それでも袋入りを並べていくのですから若干の隙間は出てしまいます。

隙間から熱が漏れていいます。

換気ダクト 24時間換気 排気の熱損失

この家は第三種換気ですのでこのパイプを通る空気は排気です。

お部屋の空気を外に出すパイプです。

暖かい室内の空気がこのパイプを通って捨てられていくのが分かります。
この捨てられる暖かい空気の量だけ外の冷たい空気がそのままお部屋の中に取り込まれてしまうのです。

第一種熱交換換気扇にすればこの熱が回収できますのでとても暖かく省エネとなります。

まとめ

熱画像を通して分かることはとても熱を通しやすいところ(熱橋)が多いことです。特に面積が大きい外壁の木部率が高く熱が逃げやすい構造です。
また、土台、桁周りの部分も熱橋となっています。

天井もすぐに桁があるためどうしても木部率が高くなります。

オーナーさんが 大きな欠点となりやすいサッシを 高性能樹脂サッシに変えていますのでの熱貫流がとても少なくなり他の部分をカバーしていると考えられます。

施工は丁寧ですし、計算的にはH28基準も十分クリアーしていますので、問題とはなりませんが、お客様が気がつきにくい部分は曖昧に考えているような気がします。ハウスメーカーの研究所のレベルでは分かっているはずなので、基準をクリアーをすれば良いというのでは無く、もう少し工夫をし実際の性能をだせる方法がありそうだと感じました。

断熱・気密

本当の温かい家を知ろう

当社で建ててくださったおうちのデーターを回収してきましたので公開します。
圧倒的な性能なのでびっくりするかもしれませんが、多くのハウスメーカーでは建てられない、このレベルのおうちが普通に建てられていることを皆さんに知っておいていただきたくて,公開いたします。

この家の概要

UA=0.25W/㎡K C=0.065c㎡/㎡
当社で作る家の断熱量はほとんど変わりませんが、家の大きさ間取り、窓の付け方、日の当たり方で UAや暖房負荷がおおきく変わります。この家はほぼ南向きで日当たりの良い45坪あるおうちです。小屋裏収納とロフトも7.5坪あります。
吹き抜けもあります。

少し大きめなのでUAは小さめになります。

実際の温度データー

温湿度のデーターロガーを外気、リビング、脱衣室、寝室に設置し約10日間測定しました。一番下の赤いラインが外気温です。
そのほかは温度ムラが無く、どれもほぼ同じですね。

秩父は寒い!!

 今年はとても温かいです。しかし、朝の気温がマイナス6.7まで下がってしまっている日がありますね。
 秩父は盆地で夜間とても冷え込みます。朝の冷え込みは北海道並みです。秩父の朝の冷え込みは青森市よりも寒いのです。(気象庁データー調べ)

まるで春のような暖かさ

 この住宅はとても温かい高性能住宅です。
 様々な工夫がなされています。

 朝の最低気温がマイナス6.7℃になった時でも,暖房もしないでリビングは17.1℃の温度が維持されていたことが分かります。
 このようなおうちでは、暖房して17℃ではなく一番寒くなる窓の影響により徐々に温度が下がり17℃になってきていますので壁や天井などの表面温度は2度くらい高いことが多いです。
 ですから室温以上に温かく快適に感じます。

無理に暖房して温かくしているお部屋とは違い 「まるで春のような暖かさ」と多くの方がおっしゃります。

暖房時間は少なくても十分

それでも全く暖房がいらないかと言えばそうではありません。

当社で建てた方でも、人によっては暖房がいらないと全く暖房しない方もいらっしゃります。
エアコンもこたつもファンヒーターもつけないのです。
逆に真冬なのに暖房をして、すごく暑くしてすんでいる方もいるのです。
「毎日がハワイ」と豪語する方もいるのです。

このおうちでもほとんど暖房はせず,たまに寒い時だけ暖房をしているようです。

このデーターを見ると朝、6時から7時30分くらいまで暖房している日があることが分かります。

エアコンはつけっぱなしの方が効率が良いと言う記事がたまに見受けられますが,それはまだ中途半端なレベルのおうちなのかもしれません。当社レベルの住宅になるとほとんど暖房はいらないので寒くなった時だけ短時間動かすのが消費電力が少ないようです。

6畳用エアコンで十分

この住宅の暖房に使うエアコンはなんとリビングにある6畳用1台です。

秩父の寒さ、45坪+アルファのおおきさ。さらに吹き抜けもある
それでもこの温度データーです。

「吹き抜けは寒くなるから作らない方が良い。」とネットの記事などでありますが、それはレベルの低いおうちの話です。

6畳用エアコンでもフルに動かすと暑くなってしまいます。

お風呂に入る時も寒くない

日が沈み、夜になると温度が下がっていき7時頃外の温度が1℃になってしまっているのが分かります。でも脱衣室の温度は約20℃。

お風呂に入る時やお風呂から上がる時は裸になっていますから脱衣室の温度が20℃はありがたいですね。

これも無理に暖めた20℃では無いため、壁や天井などの表面温度も20℃位あります。とても気持ちの良い暖かさです。

脱衣室、浴室とも寒くないので 当社の住宅にお住まいのオーナーさんのなかには,冬の朝でもお風呂に入る方もいらっしゃいます。普通のおうちでは考えられないことです。

脱衣室が暖かい秘密

脱衣室が20度あるのは、リビングとつながるドアが開けてあるからです。そしてリビングの暖かい空気が脱衣室を通り浴室から外に出て行くように計画されています。

断熱の量と そこを通る換気の量とのバランスで 上手に無駄なく脱衣室、浴室の温度を維持します。

オーバーヒートもしない。

日中は太陽の光でおうちを暖めます。

このおうちも南側のガラスは日射熱が入ってくる特殊な大きなガラスが並んでいます。

日中の太陽の光の熱をため込むのでです。これは無料です。

高性能なおうちでは、断熱性がとても良いですから、熱を集めすぎオーバーヒートとしてしまうことがあります。室温が25度を超えてしまうことさえもあるのです。

このおうちは、オーナーさんがうまくレースのカーテンなどでコントロールし25度以下に押さえてくれているようです。

このレベルの住宅が当たり前になってくる

当社でこのレベルのおうちは10年前すでに作られていました。
それからこのレベルの家を作り続けています。

ハウスメーカーのレベルではとても考えられません。

これほどの住宅はオーバースペックだと言う方もいらっしゃいます。作れない住宅会社の営業さんはそう言うことが多いです。

しかし、欧米ではこのレベルの家は当たり前になってきています。中国や韓国でさえどんどん建てられています。いずれは必ずこのレベルの家が標準になるでしょう。

ハウスメーカーは約20年遅れている?

なぜそう言えるのかと言えば 当社の20年前の住宅のレベルがまさに今ハウスメーカーが建てている住宅のレベルだからです。

20年前、当時の最高の技術で当社が作っている時も 「高橋建築はやり過ぎ」と言われていました。でも世界では標準となってきていました。日本は遅れているのです。20年たった今は、なんとか住めるレベルの断熱性能は維持されています。暖房エネルギーはとてもかかりますが,まあまあのレベルの暖かさにはなります。

当時のハウスメーカーで建てたスカスカの住宅にお住まいの方は20年しかたっていないのに、寒くて建て直しがしたい人もいるでしょう。

歴史は繰り返されると言いますが、10年後くらいにはハウスメーカーも今の当社レベルのおうちを作り始めるかもしれません。

真冬なのに羽毛布団かたづけました。

この家のオーナーさんのお話です。最初は冬になったのでいつも通りに羽毛布団を出して使い始めたのですが、すんでいる内に必要ないのに気がついたそうです。

「お友達がびっくりする。」「信じてくれない」とお話しされていました。

「暖房入れっぱなしなの」
      「つけてないよ」
「うそでしょ!」

そんな感じらしいです。

「床暖入ってるじゃ無い」
      「床暖ないよ。」

そんな会話にもなるそうです。

床暖は必要か?

床暖がとても快適と言われますが、当社の家は、床暖が無くてもあるような錯覚をしてしまうほど温かく感じるのです。

多くのオーナーさんがおっしゃります。
本当に温かい家は全く違うのです。

当社でも床暖を設置するのを標準にしていた時期がありましたが、その後の住まい方を見ていると床暖のスイッチをつけない方が多いのに気がつきました。
せっかく設置しても使ってもらえないなら意味がありません。
床暖も寿命がありますから,メンテナンスや取り替えを考えると、無いにこしたことはありませんね。

本当の性能の違いを知ろう

多くの方が、大手ハウスメーカーが作るものが最高と勘違いしています。

大手だからきちんとしているだろうと思っています。

よく勉強して見比べてみてください。

全く違うのに気がつくはずです。

今の世の中は、情報が多いです。どの建築会社も良いことばかり言います。情報の量をたくさん発信している会社が強いです。

たくさんの情報の中から自分に合った情報をきちんと選び抜くのは大変です。自分の身を守るには 自分で勉強するしかありません。

断熱・気密

住友林業の家の温湿度を実測しました。

約10日間 測定箇所は 
 外気温
 リビング
 トイレ
 寝室
 脱衣室
 子供室
 床下
の7カ所です。

リビングの温度変化 大きな温度変化が日に2回

外気温は日によって違いますが、0℃から10℃くらいです。
リビングの温度は17℃から24℃くらいです。
HEMSのデーターを見ると床暖房を朝4時半頃からつけています。
温度にもその変化が現れています。出かける前にスイッチを切り帰宅するとまたつけているのが分かります。
1日に2回の大きな温度変化となっています。

就寝前まで暖房をつけ朝も早めに暖房をつける
帰ったらすぐ暖房を始める
きちんと早め,長めの暖房をつけることで 最低室温を17,18度くらいに押さえています。上手に住みこなしている様子が分かります。
18度以下の室温で住むことは健康に良くないと言われていますから、この地域の外気温似合わせたちょうど良いくらいの暖房コントロールといえるでしょう。

暖房の立ち上がり時間に1時間~2時間程度かかっていることが分かります。
タイマーなどを使い朝起きる前にスイッチオン。朝起きた時には十分温かくなっています。
そして帰宅する前にスイッチオン。帰宅したら温かいという状態になっているようです。

温度の下がり方も少し大きめです。

内外温度差15℃くらいで 6時間で5℃くらい下がります。
当社の住宅での実測値は2℃前後です。
一般的なほかの住宅のデーターは持ち合わせていないので比較検討が必要です。

リビングの消費電力 少ないとはいえない。

LDK+和室が一体のお部屋で玄関ホールとはドアを閉めて分離しているようです。合計28畳の大空間です。エアコンはたまにつけているみたいです。1月の在宅日の暖房の平均消費電力は7.3kWhです。
家全体の暖房では無く、大きめとはいえ28畳のLDKのみの暖房エネルギーですから,少ないとはいえなさそうです。
このエネルギーのみで家全体が暖められているならまあまあでしょう。
エネルギーの比較は後の機会に詳細にいたします。

トイレの温度 かなり寒い

1階のトイレの温度変化です。

リビングからホールと階段のある廊下を介してトイレがあります。
リビングの熱がほとんど伝わらないのでしょう。
北側の奥にあるので日射の影響はほとんど受けず、温度は安定しています。
15度くらいの日が多いですが13度まで下がってしまっていることもあります。
トイレはお尻を出します。13度では寒いですね。
暖房便座やウォシュレットのお湯を作るにも不利かもしれません。

脱衣室の温度 ファンヒーターで暖める
 

脱衣室は2階にあります。
リビングでくつろいでいる途中で順番にお風呂に入りに行かなくてはなりません。脱衣室に行く道中も寒くないように夜は2階の廊下にファンヒーターをつけています。脱衣室、寝室のドアは開け廊下と一体で全体を暖める計画です。
ファンヒーターは1日3時間程度。毎日1Lくらいの使用量です。
2階は南側に窓もあり日射さえあれば夕方に それほど 温度が下がることはなさそうです。
きちんと太陽が出た日には20度くらいあるようなのでファンヒーターの力を借りずにすみそうですが、日の出ない日にはたくさんの暖房が必要となります。
グラフを見て分かるとおり、温度変化が大きいのが気になりますね。ファンヒーターの温度設定が高めで急激に暖めていますが、空気のみ暖めるだけで冷え切った建物本体を暖めることができきらないため、ファンヒーターを切るとすぐに冷めてしまうのでしょう。

裸になる脱衣室を暖めておくためにオーナーさんが考えたやむを得ないとも思える方法ですが、この方法により快適性が維持されるわけですから住まい方としては素晴らしいと思います。

本来はリビングで暖房をすればそれに準じて廊下、脱衣室などの非居室(常時生活しない部屋)も温かければ良かったと思います。

寝室は脱衣と一緒に開放 子供室は閉じる

寝室は、夜、廊下のファンヒーターで脱衣室と一緒に暖めておきます。就寝時には22℃くらいのようです。晴れた日の翌朝は19℃くらいありますが、曇りの日の翌朝は15度くらいまで下がってしまうこともあるようです。
寝室は3人で寝ているので内部発熱もあります。もう少し温度変化が少なくても良い気もしますが、このくらいですむならまあまあでしょう。

一方、閉じたままの子供部屋ですが11度まで下がってしまっています。リビングなどの暖房室と空気の循環が少ないとはいえ少し下がりすぎです。非暖房室の温度がこれほど下がると言うことは、断熱不足と言うことでしょう。

温度測定の結果から読み取れること。

エネルギーを使って暖房すれば家を暖めることができます。
断熱量と暖房器具の大きさは適切です。余力もありそうです。
暖房器具さえ使えばなんとか暖めることはできますが、それを維持する力が足り無いような気がします。私の感覚では断熱不足ということになります。
それは、暖房室の温度の下がり方や、非暖房室の温度の低さから読み取れます。

ハウスメーカーが自信を持って温かい家だと説明したレベルがこのレベルです。

今後皆さんの指標としてください。
この断熱レベルが,すごいとか甘いとかの判断は各自でしてください。

もちろん、もっと温かい家もありますし、寒い家もあると思います。

これが,まだ半年たたない住友林業の家の実力です。お客様がオプションで良いサッシにしたりしてますので、ノーマルな仕様はこれよりもっと寒くなると思います。

建築会社はどこも温かい家 高気密高断熱住宅だという。

どこの建築会社も「当社の家は十分温かい」といって営業します。
今回この住宅のデーターを公開してほしいとおっしゃったオーナーさんも、たくさん調べたけどうまく比較検討できなかったと言っていました。

もちろんUA値など公開してありそれを元に比較はできるはずですが、その数字がどのくらい体感や省エネ性に影響するかは、全く判断できません。

営業マンが 「国の基準が UA=0.87なので UA=0.6を切っていればとても温かい家です。」と言えばそれを鵜呑みにしてしまうかもしれません。

「この住宅はZEHクリアーしてます」と自慢げに言えばそれがとてもすごいものと思い込んでしまうかもしれません。

きちんと比較検討できる情報があり、それを元になっとくして家づくりができないと、あとで後悔してしまいます。

スマホや自動車は買い換えることがしやすいですが、住宅はそうはいきません。

今後、家づくりをする人のために情報を公開してほしいと言ってくださったこの家のオーナーさんのためにも、引き続ききちんと情報を公開し、その後比較へと進んでいきたいと思います。

このブログを読んで 他社で建てた方。
計測公開を希望される方は 当社までご連絡ください。
格安で,測定調査いたします。

info@ta-k.jp

までご連絡ください。冬の期間しかできませんので お早めにどうぞ。できれば消費電力量がはかれるHEMS付きの住宅がよいです。

断熱・気密

実際の内容をお話ししていきます。

気密測定の結果

気密測定を行いました。
今回は減圧法です。
おうちの中の空気をファンで外に出しおうちの中と外の圧力差を付けます。
そのときに通る空気の量からおうちの隙間を推定する方法です。

結果は ハウスメーカーにしたらすごく良いです。
C=0.63c㎡/㎡
なんと1.0を切っています。
現在作られている住宅の中ではとても良い部類に入るでしょう。
1.0を切ると断熱性能がきちんと発揮されてくると言われています。
断熱がきちんとしていれば 温度ムラも少なくなりますね。

サッシの性能のおかげ?

しかしこの性能がどのおうちでも出るかというとそういうことは無いと思います。
このおうちは お客様のこだわりで サッシを標準の樹脂アルミ製のアルジオからオール樹脂サッシAPW330に変えています。
当社の今までの経験からこのサッシでこの性能だとすると、標準のサッシの場合はかなり落ちるため、1.0を切るのは難しいのでは無いかと思います。
樹脂サッシを使って本当に大正解だと思います。

当社の場合 お客様のどうしてもという要望が無い限りありません。最後に使ったのもいつだか解りません。どちらも使っていたことがる10年以上前ですと 明らかに樹脂サッシの負が性能は出ていました。

工事の内容は同じでもサッシが変わるだけで気密性能に大きく差が出るのに驚いていました。

施工が重要 袋入り

グラスウールと防湿フィルムが一緒になった袋入りのグラスウール施工はとても大変です。高気密高断熱住宅に本気で取り組んでいる住宅会社はグラスウールはグラスウール。防湿シートは防湿シートと別に施工します。住友林業さんは昔ながらなの袋入りグラスウールが標準です。コストを圧縮するためでしょう。

後日、施行写真を確認しました。お客様がきちんと足を運びフィルムの貼り方などもチェックされたそうです。さすがきちんとできています。
ビックフレーム工法で筋交いを使いませんから断熱材の施工もしやすく職人による差が出にくいのもこの工法の利点ですね。筋交いなどの取り合いがありますと上手に断熱材を入れるのが大変です。熟練した大工さんでも難しいのです。この構法なら普通に並べていくだけですからうまくいくと思います。

きれいにグラスウールが入れてあります。フィルムをめくってちょうど良いところで断熱材をカットしまたフィルムを戻すという施工方法です。

省令準耐火 石膏ボードで抑える

さらに省令準耐火の建物ですので石膏ボードを桁まで立ち上げきちんと断熱材のフィルムを押さえ込むことができています。これにより気密が確保できているのでしょう。

木造メーカーなのできちんとした工事がやりやすいですね。鉄骨メーカーはこのあたりの処理は複雑になり大変です。良かったですね。

施工は完璧なのか?

完璧というほどではありません。あくまでも一般レベルの丁寧な施工でとどまっております。

我々からするとここはもう少しこうした方が良いのでは無いかというところもありますね。目指しているレベルが違うのでやむを得ないでしょう。

気密性能の評価

ハウスメーカーとしてはとても頑張っていると感じました。この断熱量は一般的ですが一般的なレベルでのきちんとした施工により、気密性能が確保されています。このくらいの気密性能があれば、断熱材の性能がきちんと発揮されると思いますし温度ムラも押さえられるでしょう。

あなたの家の気密測定いたします。

多くのハウスメーカでは気密測定はしてもらえません。

気密性能は高断熱住宅にとっては絶対に必要なものです。

気密がとれていない住宅の暖房は「穴がたくさん空いた鍋」に水をためようとしているようなものなのです。

「建てたおうちが寒くてしようが無い。」それは断熱性能では無く、ずさんな工事のための気密が無いことが原因かもしれません。

当社から概ね1時間の範囲であれば 出張料サービス 測定費50,000円(税別)で行います。 しばらくの間は業者同士の価格で一般のお客様にご提供します。
特別価格対応中の間に是非ご利用ください。


建物の性能が極端に悪い場合測定不可能な場合がございます。その場合でも料金はかかってしまいますのでご了承ください。
現場の状況により気密測定の機器の設置ができなかったり、建物の状況で事前処理ができない場合もございます。

お気軽にご相談ください。info@ta-k.jp

断熱・気密

住友林業の家は暖かいのか?
断熱調査報告第2弾です。

前の階で書かせていただいたようにお客様の依頼により調査させていただいております。
公開に関しても今後ハウスメーカーで家を建てようと思っている方のために参考になってほしいというお客様の願いです。
本当にありがとうございます。
皆さんにわかりやすくできるだけ忠実に記載していきたいと思います。

調査方法

暖かいか寒いかの感じ方は人それぞれです。
暖かい家になれてしまっている私の感じ方では、厳しい評価になってしまうと良くないのでできるだけ客観的に比較できるようにしなくてはなりません。

そこでこのように行います。
Ⅰ 寒い時期の温度、湿度データーを記録
寒い時期の 温度湿度を 継続的に記録します。
1・外気 
2・リビング
3・床下
4・1階トイレ
5・脱衣室
6・主寝室
7・子供室
です。約10日間 10分間隔でデーターを取得します。
外気温の変化 暖房による室温の変化 暖房していない部屋の温湿度変化などから断熱性を見ます。
このおうちでは、リビングで暖房しており、たまに主寝室で暖房しているのでは無いかと推測されます。また、洗濯物を乾かすために浴室暖房乾燥機をお使いとのことなのでその影響なども解ると思います。

Ⅱ サーモカメラによる熱画像
おうちの熱画像を撮影しどこから熱が漏れているか確認します。
弱点となっているところが解ります。

Ⅲ 気密測定
どんなに断熱がきちんとしていても、気密性能が悪ければ性能は出ません。
減圧法により気密測定を行います。

Ⅳ エネルギーデーターの取得
この家はオール電化住宅ですのですべてのエネルギーは電気で供給されています。
暖房機はエアコン 床暖 暖房便座 浴室乾燥機です。
それぞれの電気を計測しておりますので それらの消費電力から投入エネルギーを推測します。

調査実行
前日、気密測定用のデータの整理を行ったり
温湿度データーロガーのセッティングなど準備を行います。

当日は熱画像を撮りやすくするためできるだけ温度の低い朝8時にお伺いしました。
慌ただしく朝の準備をしているところご協力ありがとうございました。
ご主人様の立ち会いのもと熱画像の撮影
温度の取得のためのデーターロガーの設置
気密測定を行いました。
図面など細かい資料も是非利用してほしいとお客様よりお預かりいたしました。
貴重な資料です。本当にありがとうございます。
作業は3時間ほどで順調に終わりました。
事務所に戻ってデーターの整理です。

寒い日や 天気の良い費など様々なデーターがとれると良いですね。
今シーズン4軒目なのでまだ大丈夫なはずですが、電池が無くならないことを祈ります。

次回からいよいよ、実際の結果となっていきます。

お知らせ,断熱・気密

お客様の依頼を受けて、大手ハウスメーカー住友林業の家の断熱調査を行いました。とても素敵なお家です。お客様のこだわりが詰まっています。耐震性も素晴らしいですし、設備機器などもとても良いものが入っていました。ご主人様が選ばれたという家具もとても素晴らしいものです。

チークの 木のブロックが素敵ですね。そんな素敵なお家なのですが、断熱性能に疑問を持ったお客様のお話です。

公表すべきか?

たびたびこのように、ハウスメーカーで建てた方の相談や修理などさせていただいておりますが、お客様のプライバシーもあるので、まったく公開しないでおりました。ハウスメーカーの悪口を言っているように思われても得ではないですし。しかし今回は、お客様が これから建てるお客様のために、公表をしてほしいといわれました。これから建てる人たちが自分と同じような思いをしてほしくないとのことです。そのため公表をいたします。あくまでも中立的な立場として、暖かい家づくりに携わってきた1級建築士としての見解です。

依頼の経緯

このお客様から電話があったのは、10日くらい前のことでした。お話を伺うととても詳しく、プロの方かと間違えるくらい。もしかするとその辺のハウスメーカーの営業より詳しいでしょう。プロ顔負けの知識です。

昨年夏に家を建てたのだが、期待よりも寒い気がするし、思ったより光熱費がかかる。ということ。
暖かく、光熱費の安い家に建てたつもりとのことでした。
現在の建てたばかりの住宅は床断熱なので基礎断熱にしてみたら暖かくなるのではないかとお考えになりどのようにしたらよいのか?とおっしゃっていました。

私は適切なアドバイスがしたいと考え、まずおうちの状況を把握したいと思いました。
そのため、まずは図面、温熱計算書、エネルギー使用量を送っていただきました。

お客様はが、「ハウスメーカーのとても高価な最先端の家だから寒いことはないだろう。と思っていた。」というのが印象的です。
皆さん、勘違いされるところです。大手だから安心というのは、必ずしも正しくないのです。特に「暖かい家」に関しては大手はとても遅れています。

この住友林業の家の性能

あくまでも住友林業が計算した温熱計算書の数値です。

仕様書、温熱計算書など見てUA=0.47W/㎡Kと書いてありました。
HEAT20の5地域のG1グレードをクリアーしています。
G1グレードというのは簡単に説明すると起きて家にいる間は暖房しているけど、夜寝るときや家にいないときには暖房を切る。人がいる部屋を暖房する。という在宅時暖房という設定です。寝ているときは暖房を切りますから普通の状態では朝起きた時が一番寒いということになります。その時の最低の温度がおおむね10℃を下回らないくらいの性能。というのがG1グレードです。
詳しくは下記リンクを見てください。
http://www.heat20.jp/grade/index.html

朝起きた時が10℃しかない。というのは少し寒いですね。起きる前に早めに暖房をつけておかなくてはならないでしょう。

ZEHは暖かいのか?

この、0.47W/㎡KはZEH(ゼロエネルギー住宅)の基準も満たします。この断熱性能で太陽光発電が十分乗っていればZEHを名乗れます。(ZEHは少しだけ断熱性能を満たしている必要があります。)
ハウスメーカーが当社はZEH住宅です。と宣伝をしていますが実はたいしたことありません。当社の住宅では15年前くらいの性能でもクリアーしています。
ハウスメーカーがあれだけ宣伝しているととてもすごいもののように思えてしまうから不思議です。
キチンと勉強をしていないとそれがすごいものだと勘違いして期待してしまいますね。
このお客様も最初のお話でZEHをクリアーしているとおっしゃっていたのが印象的でした。
ZEHは太陽光発電などによるエネルギー収支をゼロにできるという基準で暖かさには関係ありません。
建物の省エネ性にも関係ありません。どんなにエネルギー垂れ流しの住宅でもそれに見合った大きな太陽光発電を載せればZEH(ゼロエネルギー住宅)なのです。

間取りの特徴

この家は40坪くらい。
1階の 居室(常時いるところ)はLDKと4.5畳の和室。
2階の居室は寝室、子供室2部屋の3部屋です。浴室と脱衣室が2階にあるのが特徴です。
2階で入浴 洗濯 収納という流れが考えられているようです。洗濯動線が最短になる考えだと思います。広いウォークインクローゼットや廊下にスタディースペースも確保してありとても充実しています。

設備機器

1階のLDKに床暖房 7kWの大きなエアコン。2階の3部屋に小さめのエアコンがつけられていました。
浴室暖房乾燥機がつけられていて、お洗濯ものを乾かすそうです。
換気システムはダクト式の第3種換気です。

暖かいのか判断するために。

書記の判断を正直に言うと図面を見た限りでは、それほど暖かいのではないかと思いました。
お客様が不安に思っている通りなのではないかと思いました。
でも、それを見もしないで無責任に「それでは寒いですよ。」というには言いにくいと感じていました。
大手ハウスメーカーが自信をもって作っているのだから、私の知らない知見があって、もしかしたらその断熱性能でも暖かいかもしれないともちょっと不安もありました。ですからはっきりお答えできなかったのです。
「暖かい家」はそのほかの要因もありますから。
数日間、躊躇しているうちにまたお客様から電話があり、きちんと調査に来てほしいと依頼がありました。
私も、調査ができればきちんとした判断ができますので、特別価格で調査をお引き受けすることにしました。

調査の内容に関しては次の機会に報告いたします。

お知らせ,断熱・気密

高性能な住宅がどのくらい差があるのか比べられる 省エネ×健康マップというサイトがあります。そこに今回見学する住宅が記載されていました。

http://passivehouse-japan.org/ja/ecomap/

スマホでは見えないかもしれませんので、そのサイトをキャプチャーしたJPGを貼ります。

今回見学会をする住宅がどのくらいすごいかわかりますね。

グラフの上に行くほど温度ムラがなく温かく健康的なおうち

右に行けば行くほど 省エネで環境に優しいおうちです。

このグラフでは暖かい東海から西の地域の住宅を消してみました。
東日本ではダントツの性能ですね。

省エネと言うことは光熱費がとても安いと言うことですね。

断熱・気密,海外住宅事情

北極圏の夏は一日中 太陽が出ていると言います。

地軸が23.4度傾いていますから 北緯66.6度以上のところが白夜となる訳ですね。

反対に 冬は全く日が出なくなります。それを何というか調べたら極夜と言うそうです。

今回、スウェーデン、ノルウェー、デンマークに行き 北欧の建物の勉強をしてきました。

スウェーデンハウスなんかが人気ありますから ご要望に応じようと思い、勉強の一環です。ハウスメーカーさんでもそのような名前のメーカーがありますが、結構お値段が高いですし性能もそれほどではありません。

そこで、当社の技術でそれ以上の性能で安くご提供しようと思ったのです。

秩父近辺の地域限定です。

ノルウェーで北緯62度のと頃までしか行きませんでしたが、太陽高度を調べてみました。

62度なので 白夜、極夜にならない地域ですが、もちろん 山があればお日様は出ませんね。青いラインが冬至の太陽の軌道ですが山の上にお日様が昇ることはありません。冬は薄明るくなるくらいです。

逆に夏は太陽が沈むのは一瞬です。すぐ出てきてしまいます。きちんと沈みきらないので薄明るい状態が続いてしまいます。

北に位置するので夏はお日様が出ていても涼しくて良いのでしょうが、冬全くお日様が出ないのはたまったものではないですね。お日様のぽかぽかが無いなんてちょっと想像できませんね。

私たちが住む関東地方では冬はほとんど晴天で、きちんとお日様が出てとても暖かいですね。これはとても恵まれているのです。

上手にこの太陽の熱を利用すれば、暖房代わりになりますから、真冬の暖房代が押さえられます。当社で作ったおうちの中には実際に 全く暖房しないおうちもあります。ストーブ、エアコン、こたつでさえも使わないのです。

日本はちょうど良いですね。太陽の恵みが得られます。無料です。(笑)

積極的に利用しましょう。

断熱・気密

住宅に使われる資材選びはとても重要です。

なぜなら住宅はとても長く使うものですから 長持ちしなくてはなりませんし その使っている間、性能がきちんと確保されたいなければなりません。

せっかく骨組みを丈夫に作ったのに それを覆っている防水シートが粗悪なものだったら雨漏りしてしまい骨組みは腐ってしまいます。せっかくの丈夫な骨組みも何もなりません。

屋根材も同じですし 外壁材も 水道の配管も同じです。小さなものなら釘一本でさえ長期間品質が確保されなくては、大事故につながる可能性があります。

断熱材選びも重要です。

温かい家を作ったつもりが 数年後には寒くなってしまうということもあります。家の断熱の性能は断熱材が作られたときの性能で計算されていますし、きちんと施工され、その状態がずっと確保されていること大前提です。

よく勉強している人は様々な情報を持っていますので、材料の性質をとても理解しています。

断熱材も様々な種類がありますが、それぞれの特徴を持っています。良い悪いは、使う人側が特長をうまく生かして使えるかどうかなのです。

「当社はこの断熱材を使っているからとてもいいのです。あの断熱材を使っているあの工務店はだめです。」などというメーカーがいたならそのメーカーは断熱材のことを知らないのでしょう。「この断熱材をこのようにこの厚さでこの工法で作るからとてもよい建物です。」というならわかります。断熱材の特徴を理解してきちんとした使い方をすればよいのです。

しかし、性能をきちんと開示しない断熱材もあります。初期性能は高いけど、徐々に性能が落ちてきてしまう材料もあるのです。そのような材料のメーカーは、知られるとまずいので長期性能を開示しません。

住宅会社も、長期性能まで考え初期値ではなく25年後くらいの品質が落ち着いたところの断熱性能で住宅の性能を計算していれば問題ありません。しかし、メーカーのいう初期性能だけを考えてそれで計算してしまうと、数年たったところで予定とは全く違う性能になってしまうのです。

ここで、真面目な住宅会社と、売れればよいという住宅会社の差が出ます。どこまで考えて家づくりをしているか、よくわかる場面です。

大手メーカーでもそのように考えているところが多いから問題です。「あのときはあれが最高だと思った」といういいわけをします。

比較的コストが安くすむが施工が難しい断熱材

初期性能は良いが長持ちしない断熱材。

初期性能は低いけど年数がたっても性能が落ちない断熱材。

長期にわたり品質が変わらない断熱材。

性能は低いけど環境負荷が低く地球に優しい断熱材

火災に強い断熱材。

施工はしやすいが、劣化が早い断熱材

性能を確保するのに、厚みがたくさん必要な断熱材。

気密性能が確保しやすい断熱材。

長期的に内部結露などの不具合が起きにくい断熱材。

ほかの断熱材との併用が考えやすい断熱材。

圧縮強度が高く重みをかけられる断熱材。

伸縮性があり木材の変化に追従しやすい断熱材。

気密性能が確保しやすい断熱材。

このように断熱材は それぞれ特徴があります。
間違った使い方をしては意味がありません。
特徴を生かしてそれぞれ使いこなすことが重要なのです。
それを知らない住宅会社が多すぎます。

家づくりをするときには、この辺の質問をするとどこまでその会社が考えて家づくりをしているかわかるでしょう。是非複数の住宅会社の考えを聞くことをおすすめします。一つの会社だけだと嘘をついているのが見抜けませんから。

住宅を作ろうと思っている方にとって、様々な情報をたくさん得られるようになってきました。ですがそれがとてもよくない影響となっています。嘘の情報、中途半端な内容の情報がとても多くなっているのです。自分の身を守るのは自分だけしかないのが 住宅建築の現実です。よい住宅を建てるためにはきちんと皆さん自身が勉強するしかないのです。営業マンは自分の会社の良いところしか言いません。インターネットも情報がたくさんありますが、インターネットの多くの情報は発信している人じたいのレベルの低い場合が多く嘘の情報が多いので注意してください。

そして、本題です。

今回,JBNの環境委員会で 断熱性能の長期性能に関して 断熱材メーカーさんからヒアリングする機会を設けます。
断熱材の特徴を勉強し 選び方を学ぶ機会です。

11月です。 きちんと物作りをしている断熱材メーカーさんからしたら、全国3000社の工務店ネットワークに売り込みをかけることができる大きなチャンスです。

良い特徴をきちんと説明し、上手に使いこなしてもらえれば売り上げにつながりますし、施工ミスなどが起こりにくくなりメーカーとしてもメリットがたくさんあります。

私たち JBN環境委員会は 我々工務店の仲間が 断熱材選びをきちんとできるようになるよう またそれがお客様のメリットになることを信じて今回の企画をいたしました。

しかし、恐れていたことが起ころうとしています。
実力以上の性能のアピールをしてしまっているメーカーや 長期的性能の面で知られては困ることなどがあるメーカーが出席を断ってきているのです。
ある程度は予想はしていました。

きちんとした住宅会社ならそれらのことはほとんど既知の事実ですので、それらのことを割り引いて断熱材選びをしてそのメーカーの商品を使っています。ですから断ってきたメーカーは心配することはないのですが、何も知らずにとても良いものだと勘違いして使っている住宅会社が使わなくなってしまう可能性があることを心配しているのでしょう。または、一般のお客様に知られてしまうことを恐れているのかもしれません。

断ってきたメーカーさんは 初期性能だけが良くすぐに性能が落ちてしまうメーカーさんや 長期的に長持ちしない可能性があるメーカーさんが多いようです。
半分くらいのメーカーになりそうです。

そうなると 出席しないメーカーさんの商品は使いにくくなりますね。
なにか、大きなことを隠している可能性がありそうです。怖いですね。
断るメーカーがいるなんて信じられないと思う方がほとんどでしょう。

日本のメーカーは、いつからこのようになってしまったのでしょう。