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髙橋建築

パッシブハウス,環境・エネルギー

PHIUS WUFIPassive  PHI PHPPの計算結果を比較してみました。
おまけに日本の一次エネ基準も。

パッシブハウス基準と言えば、世界的には ドイツPHIの基準です。

しかし、その基準をベースに変更を加えたアメリカ PHIUSのパッシブハウス基準があります。

どちらにも特徴があり、良い悪いと言うことはありません

今回は同じ家での計算結果を皆さんにご紹介したいと思います。

まず WUFI Passive

そして次に PHPP

そして最後に 日本の一次エネ基準

これを表にすると、

日本の現在の基準では、冷房負荷、暖房負荷を厳密に計算できていないので除きました。

まずHeateing demand 年間の暖房エネルギーですね。日本では暖房需要と言います。
()内はそれぞれの認定基準です。WUFI Passiveの方が少し多めに出ました。
ですがPHPPとそれほど変わらないと言えます。
ほとんど計算ロジックは同じだからです。
しかし日本式の計算は33.19kWh/㎡年と大きく違います。
日射の影響の考慮などが上手く入れられないことが原因でしょうか?
計算も前者2つの方法と比較するとかなりパラメーターも少なく乱暴な方法なのでやむを得ないかも知れません。
今まで当社で建てたパッシブハウスの実測では、パッシブハウスの計算より少し少なめです。
PHPPが精度高そうです。実際はもっと低いですけど。まだ日本のようなヨーロッパに比べると暖かい地域に関しては、厳しすぎる感じがします。
日本の基準は今までのスカスカ住宅を基本に計算しているので、いきなりパッシブハウスのような超高断熱の数値を入れてもとても外してしまうのでしょうね。読み切れていないのでは?と思ってしまいます。
日本の計算方式は、簡単に計算できると言うことを一番に考えているらしく、ちょっと残念というか、もったいない気がします。
せっかく計算するのだからもう少しきちんと計算できるようにした方が良いのでは無いかと思うのです。
(日本のほとんどの建築士さんが付いてこれていないと馬鹿にされているようです。)

次はCooling demand
こちらは、割と外皮の影響が少なく、日射の影響、潜熱負荷(除湿)の取扱の影響が大きく出ます。
PHIUS基準は特に潜熱の負荷の計算に注力していると以前聞いたことがあります。
そのせいでしょうか?28.03kWh/㎡年と大きな値ですね。PHPPでも16.36kWh/㎡年です。
日本の計算値8.83kWh/㎡年はちょっと無いかなと思います。
きっと潜熱負荷をきちんと計算してないからでしょうね。
この数字に関しても実測しているとPHPPがかなり精度高く当たります。
ただし、より快適にと除湿をさらにするとPHPPの予想値を少しだけ超えることもあります。
PHIUSの予想数値まではとても行かないと思いますが、冷房需要はまあまあ大きいです。
今後益々、温暖化が進みますから、冷房需要は少し多めに考えておいて良いかも知れませんね。
PHIUSの数値ぐらいを見据えて太陽光発電や、蓄電池の容量を考えても良いかもしれませんね。

各LOADについてはほぼ同じですね。
一番寒いとき、一番暑いときでも 6畳用エアコンあれば十分との結果です。
これだけ複雑なシミュレーションをして WUFI Passive PHPPとも同じくらいの数値をたたき出してくるのはすごいですね。
びっくりです。

これらの計算は、建物の大きさや形状、用途、日射のあたり方などで、計算結果が変わります。
今回は真南向きで、日射を遮るものが無い建物の結果でした。
今後、全く違う条件の建物でも比較してみたいと思っています。

パッシブハウス,建築費・光熱費,環境・エネルギー

無尽蔵とも言える太陽のエネルギー。

しかも太陽エネルギーは無料です。

これを上手に利用しなくてはもったいないですね。

とてもお世話になっている 都立大の須永先生が 以前会長を努めておられた
日本太陽エネルギー学会】が太陽について判りやすいyoutube動画を上げてました。

皆さん太陽について学んでみませんか?

もっともっと、太陽のエネルギーを利用していきましょう。

当社のパッシブハウスは、まさに太陽のエネルギーで、暖房エネルギーのほとんどをまかないます。
写真を見てください。とても温かそうですね。
条件さえ整えば、暖房なしで冬を越すことも可能です。

そして、さらに太陽光発電で電気を作ります。電気代も格安です。

皆さん。太陽を旨く利用できる設計をしましょうね。
使わないともったいないですよ。

日記・想い

8/27~30に建築学会が行われました。
お世話になっている先生方に会えたり、新しい最先端の研究成果に出会えるのでとても有意義です。

今年は明治大学が会場です。近くて良いと思っていたら、台風と当たりました。

飯能駅まで車で行って、大雨の中歩いたためズボンはびしょびしょです。傘は飛びそうだし、大変でした。
日本全国から研究者の皆さんが集まりますが、来るときはそれほどでも無くこれても、帰るに帰れない人も多かったようです。
お世話になっている京都大学の先生は電車が動いているうちにと、ご自分の発表の後、金沢周りで帰られてしまいました。

建築も数多くの分野があります。
分野が多数で、どのくらいの論文発表があるのか判りませんが、環境系だけでもすごい数です。
私は、環境系メイン、構造、材料など性能に関わる部分をチェックしました。
どれを聞くか、どんなタイミングで移動できるか事前にシミュレーションしていくのですが、聞きたいのだけでもたくさんあります。
かぶっているものも多く、セッション中の移動も難しいので、興味無いものもいる必要があります。
数えたら89本の研究の発表を聞いたみたいです。疲れるはずです。(笑)
高断熱住宅に関する研究などは目新しいものが少なく、特に実測調査などは、当社の方がよほど進んでいて、ちょっと残念な感じでした。

印象に残ったのは、換気、カビ、コロナ家庭内感染、住宅内マイクロプラスチック等の研究です。
当社の住宅では上手くいっていると再確認できたものとさらに工夫が必要なものが見つかりました。
今後の住宅に取り入れていこうと思います。

興味深かった論文の内容等はかいつまんでブログで報告できたらと思います。

パッシブハウス,日記・想い

パッシブハウスのような超高断熱住宅はとても温かいけど床暖房は必要なのでしょうか?
答えは必要無いです。。

パッシブハウスは床が冷たくないの?

パッシブハウスレベルの建物だと、熱が逃げないので、床でも壁でも室温とあまり変わらない温度となります。
室温が22度なら 壁も壁も床も同じくらいの温度になります。1,2度は違うこともあるかも知れませんが概ねそのくらいです。
ですからすごく冷たいと言うことはありません。

体温との差で足裏から熱が逃げる。

でも、床の温度が高いとは言っても20度くらい。
体温は36度あります。
熱は高い方から低い方に動きますから、さすがに足裏から床に熱は逃げていきます。
逃げるスピードが速いと冷たく感じる。遅いと冷たく感じないというわけです。

逃げるスピードは材量によって違う。

熱が逃げるスピードは材量によって違います。
断熱材と同じですね。
簡単に言えば断熱材のようなものなら、熱が逃げにくいですから 足の裏は冷たく感じません。
スリッパもそのようなものですね。

それでは、床材を断熱材にすれば?
と思われると思います。

そうできれば良いのですが、断熱材は柔らかいものがほとんどなので、床材には向きません。

何が向いているのでしょうか?

木がよさそう

みなさん。多分すぐ思いついたと思いますが、木のフローリングが良いのです。
タイルや コンクリート 塩ビタイルなどは、熱を伝えやすい素材です。
畳も良いですね。
当社の住宅では天然木のフローリングです。熱伝導率は杉なら0.12W/㎡kくらい。
木のフローリングでも既製品の複合フローリングは0.17W/㎡kくらいありますから、天然木のフローリングに食らえて1.5倍くらい熱が逃げることになります。この差がとても違うのが家を建てると一発で判りますね。
是非、天然木にしてくださいね。
木でも 柔らかい杉のような木材と 堅いオークのような木材では 堅い木の方が熱伝導率が高いですから熱の逃げが早く 冷たく感じます。
足裏がより暖かくと言う人は杉のような木を選びましょう。

杉のフローリング  寄居パッシブハウス

下地材も重要。

表面が木材でも下地材がコンクリートだったらどうでしょう。
面白い論文を見つけました。
「冬期室内における床材の熱特性に関する足裏接触実験:心理量及び生理量」です。

これによると,下地材もかなり影響するようです。

冬期室内における床材の熱特性に関する足裏接触実験:心理量及び生理量 陳佳樟ら

この表を見ると 表面が木でも下地材がアルミやモルタルだと足裏温度が低くなる。(黒線)
熱がたくさん逃げる(赤線)
と言うことが判ります。

そしてこの論文の注目点は、下地が木だと時間が経ってもそれほど熱流量変化は見られませんが、モルタルやアルミの場合は変化が大きく時間が経っても熱流量が大きいと言うことです。

冷たい感じがずっと続いてしまうと異言うことですね。

床暖房とパッシブハウス

それではパッシブハウスに床暖房は必要でしょうか?

当社のオーナーさんは、冬でも素足のことが多いです。靴下やスリッパを履いていません。
もちろん床暖房は付いていません。

一条工務店が床暖房を売りにしてますね。
そこで当社も、その年作った建物全てを床暖房にしたことがありました。
しかし結果は。。。。。

なんと ほとんどの家で床暖房を利用しなかったのです。
床暖房が気持ちいいというのは寒い家だからかも知れません。
床暖房無しで暖かく、均一な温度に保たれるパッシブハウスレベルの家では、床暖房は使ってもらえないのです。

全くの無駄ですね。

それは冷え性だったオーナーさんも同じ結果でした。
もちろん全てと言うつもりはないので、お金のある方は念のため入れても良いと思いますよ。

床暖房は、特別な機械も必要ですし、床面にパイプを敷き巡らさなくてはなりません。
将来のメンテナンスも大変ですね。
過去のお客様のメンテナンスを行わせていただいてますが、ボイラーを10年おきくらいに取り替えさせて貰います。
パイプがダメになって直すことになったお客様はまだ無いですけど。

結論

暖かいおうちにしたいなら、足が冷たくないように木の下地に天然木のフローリングにしましょう。
パッシブハウスに床暖房は無駄。

パッシブハウス,見学会・相談会・イベント情報

ご来場の皆さん ありがとうございました。
大賑わいで終了しました。
おうちを見せてくださったMさん本当にありがとうございました。
来場してくださった皆さんにも、施主さん目線でいろいろご説明いただけました。
本当にありがとうございます。

無事パッシブハウスのプレートも付けられました。

かっこいいでしょ。
参加くださった方の中にはこのプレートがほしいと言う方もいらっしゃいました。
確かに私もほしい!

当社の見学会はいつも通り売り込みではありません。みんなで楽しく、パッシブハウスを体感して貰うこと。
スタッフが感謝を込め料理を作り、わざわざお越しいただいた皆さんに食べていただきます。

今回は当社オリジナルキッチンと言うこともあり、使い勝手の検証も兼ねています。
ボッシュのIH 食洗を使いました。
4つ口のIH 大容量の食器洗い機はすごいですね。とても使い安いです。
グリルの無いIHなので どうかな?と思いますが、グリルパンを使うことでIHでグリル料理ができます。
フォカッチャを焼いたりお肉を焼いたりしてみました。バッチリです。
魚焼き(グリル)がないのでその部分は 引き出しが設置できます。

よく使う料理道具が置けるので便利ですね。
お魚を焼くなどの頻度が少ない方は、このおうちのような魚焼きグリルなしも検討してみたら良いかもしれませんね。

今回の当社のミッションは、パッシブハウスの夏の冷暖房システムの効率を調べることも一つです。

6畳用のエアコンがロフトに設置されています。
様々な設置場所が考えられると思いますが、今回はロフトにしました。
暖かい空気は上に上がります。その暖かい空気を冷やし、家中に広げることを狙っています。
勾配天井を介してリビングに冷気を広げます。

各個室には個別のFANで冷気を搬送。

今回のパッシブハウスの性能は

家全体の冷房のピーク負荷は1290W
家全体を冷やすのに6畳用エアコンで十分と言うことですね。
この家には冷房用として実際に6畳用のエアコンを付けました。
6畳用エアコンですから割安です。大きなエアコンに頼らなくてはならない住宅はかわいそうですね。

9時からイベント開始です。9時時点ではすでに30度を超えています。
上里ですから、熊谷の近く。この日の最高気温は36℃のようでした。

家の中で室温をたくさん測っています。
お客様も何カ所も測っていますし、大学の研究用の温湿度ロガーもあります。
エアコンの設定は25℃で 室温は25℃から26℃位でした。
家の中、どの場所でも快適です。

9時から料理も開始です。
IHは常時2口以上は使いっぱなし。
400~700Wh位ですね。

10時になると15人超えました。料理もしています。
レンジフードも運転しているので外気も取り込まれていますね。

冷房負荷は上がります。6畳エアコン1台では間に合わず26℃を超えました。
やばい!

でも安心。「もう1台付いてますよ。!」

実は和室にバックアップ用(暖房はこちらをメインで使用)のエアコンがあるのです。

10時30分にもう1台の6畳用エアコンを付けました。
これで、また25℃26℃を維持できました。

その後はずっと25℃。お客様も途切れず、IHも付けっぱなしですがOKでした。
ピークでは20名くらいいたと思いますけど。

本当に計算通りですね。
すごいでしょ。(笑)

今回の見学会では、冷房が計画通りに動くのか? それを試すことができました。

来場者の感想も良かったです。
・ハウスメーカーさんの展示場ではエアコンがたくさん付いていて快適にしていますけど、小さなエアコン1台(2台)のエアコンで家中快適になる
・木の家がとても気持ちいい。
・キッチンがすごく使い安そう。
などなど

当社の住宅に住んでいらっしゃる方もたくさん来てくれました。
蓄電池無しなのに電気代が5000円、7000円など
今年の冬は暖房3回だけで本当に快適でした。
等など

今まで建ててくださった方たちがたくさん来てくれて、おうち自慢も。
今回の見学会も楽しくできてとても良かったです。

皆さんありがとうございました。

来週 8/11(日)は 寄居パッシブハウス(認定申請中)のオープンハウスです。
予約フォームからお申し込みお願いします。

(寄居は都合により中止になりました。(8/7))


日記・想い

上里パッシブハウスは プレミアム認定です。

どのくらいすごいかというと、とてつもない感じ。(笑)

今回は見ていただくのは冷房です。
PHPPによる 緻密な計算の冷房負荷は12W/㎡
計算上の面積は104.9㎡ですから6条エアコンでも余裕があります。

しかし、 今回は見学会と言うことで想定より内部発熱が多めになります。
冬はこの内部発熱が有利に働きますが、夏は不利側です。

増えた内部発熱の負荷も冷房しなくてはなりません。
かなりきついですね。

今回は,BOSCHNOIHで料理も作って見たりします。
人間の発熱分、料理の発熱分があります。
IHをフルパワーだと5kW位熱が出そうです。

蓄熱もされていますので急に室温が上がるのは考えにくいですが、水蒸気も出ますね。
メインの6畳用エアコン 予備の6畳用エアコン足しても 4.4kW
珪藻土の水分吸収もどのくらい役に立つのか?

とても面白そうですね。
ワクワクです。

この日にはNHKの取材スタッフさんも下見にいらっしゃるので、どのような評価となるのか?(笑)

ここまで聴講生の住宅の真実を見せられるのは当社くらいじゃないかな?

パッシブハウス,見学会・相談会・イベント情報

直前のご案内で済みません。
オープンウィークス2024サマー案内
明日8/3(土)9時~16時
このおうちの公開です。
https://www.ta-k.jp/2024/06/03/

https://www.ta-k.jp/post-5966/
ブログの予約フォームから申し込みいただければ 場所のご案内をいたします。
返信が無い場合はお手数ですがメールをいただければと思います。
info@ta-k.jp

お時間ございましたら遊びに来てください。

今回は、初めてboschのIHを使ってみたので 料理も作って見ます。
料理を食べながらお施主様とまったりと時間を過ごす予定です。

今回の見学会は 営業と言うより 海外製IHの使い勝手を確認するのも目的です。
エアコンの効きなども確認したいですね。
暑くなれば良いなと思います。

6畳用エアコンで間に合うのか?
見学者の人数! 料理の熱! それらがどのくらい計算に影響するのかも見物ですね。

パッシブハウス,日記・想い,見学会・相談会・イベント情報

冬のパッシブハウスオープンウィークスが 毎年全国で開催されています。
当社でも2月に行い70名以上の方にお越しいただきました。

「冬暖かいのはわかったけど夏はどうなの?」

皆さんそう思いますよね。

そこで 今年は夏にもやってみようと言うことになりました。
パッシブハウスオープンウィークス

実際に、パッシブハウスレベルの住宅は冬はとても快適ですが、夏は難しいのです。

パッシブハウスを見当されている方に、夏を見ていただき、本当に快適かどうかを見比べていただきたいと思っています。

当社では 2024/8/3(土) 上里パッシブハウス 上里町嘉美
平屋のパッシブハウスプレミアム認定取得積み

2024/8/11(日)寄居パッシブハウス 寄居町桜沢
2階建て(半平屋2F屋根下に子供室)パッシブハウスプラス申請中

(都合により中止となりました。(8/07追記))

を公開します。

駐車場が狭いため予約制にいたします。

ご覧になりたい方は予約フォームからご予約をお願いします。

予約フォーム

https://forms.gle/wTjBG5pnZVDskxQA8

建物の詳しい内容は後日ブログに載せたいと思います。

一般の方優先です。(無料)
業者様は有料(1万円/1人)です。
PHJ会員は無料です。

皆さんぜひお越しください。お待ちしております。

断熱・気密

G1、G2、G3はご存じですよね。
HEAT20で提唱されている断熱グレードです。

一般的には 秩父は5地域なので、G2は0.34 G3は0.23です。
熊谷は6地域なので G2は0.46 G3は0.26ですね。

ですがこの表をよく見てください。
地域のところに 宇都宮と 東京と書いてありませんか?

そうなんです。
5地域の代表として宇都宮で計算してある数値なのです。
6地域は東京を代表都市として計算しています。

本来は、住宅を作る地域で計算し直さなくてはならないのです。

そのツールがこちらです。
外皮水準地域補正ツール

これで補正してみた結果がこちらです。

熊谷も東京と比べると寒そうですがG3はむしろ楽になりました。
秩父はG2が同じでG1,G3は厳しくなりましたね。

熊谷のG3が楽になるのはちょっと驚きです。

HEAT20では「システム認証」と言う精度もあります。
システム認証ホームページ
システム認証では、シナリオの①,③に関しては「概ね満たす」で良いことになっています。
これは、その工務店の建物が一定の水準にあることを示すために作られた制度です。
一つ一つの建物がその水準をクリアーしていると補償するものではありません。

秩父は5地域なのでUA0.23
なので0.23で再計算すると

概ね満たすなのでOKです。
0.24でもOKでした。

しかし、これには大きな落とし穴があります。
「本認証は、この申請で示された内容に従って企画された住宅システムが一定の水準であることを証するもので、建設された個々の住宅の性能を保証するものではありません。」
システム認証G3の建物が本来のG3の性能を持っているわけではないと言うことですね。

ですが、システム認証通りに建てられた建物であれば「G3の認証住宅」と胸を張って言うことができるというわけです。
それも書いてあります。
「本認証は、個々の邸別住宅ではなく、「住宅システム」として、モデルプランを用いて、断熱等の仕様や適用地域を申請いただき、それが一定の水準であることを認証するものです。認証取得後は、申請いただいた内容に適合する住宅全てを、HEAT20 の「認証住宅」と称することができます。」
システム認証をとれば少しハードルが下がるという感じです。

しかし、きちんとG3の建物だと言うなら、建物ごと個別に計算したUA値が、地域補正で求めたUA値以下にしておきたいですね。

このことを、HEAT20の鈴木先生に確認したところご回答いただきました。
「認証に合わせるか否かの差であり、ここはつくり手の判断でよい とおおらかに考えています。」
G1,G2,G3のグレードを作ってくださった先生も、別に数値競争ではないので、それぞれ考えて良い家を作ればそれで良いと考えていらっしゃるみたいですね。

たまに、HEATが競争をあおっているかとのようなことを言う人がいますが、それは間違いです。
UAの競争ではなく、住みやすく省エネな家を作るためのシナリオを満たすか満たさないかという水準です。
住宅シナリオ

「日射の計算が入っていない」とか「換気の計算が入ってない」とか目くじらを立てて行っている人がいますけど、あくまでもシナリオを満たすための、目安ですから。
先生がおっしゃるように それぞれが「おおらかに」利用しましょうね。(笑)


皆さんも自分の地域で試してみてくださいね。
 

断熱・気密

省エネで快適に住むには、冷暖房のエネルギーの少ない家を作ることが重要です。

そのためにきちんと計算をし断熱の設計をしています。

そして、重要なのはきちんと作ることです。

施工のばらつき

きちんとした性能を出すためには、正しい施工が重要です。
より丁寧な施工が必要です。

ですが、100%の施工はできません。人の手に委ねるものですから施工ミスも起こりえます。
そして施工者によるばらつきもあります。

これらは仕方の無いことです。
それらをできる限り減らしたり、万が一の時でもリスクの無い納まりにすることが重要です。

丁寧に時間をかければ良いというものでもありません。
コストを落とすためには施工品質を確保しつつ、施工のスピードも体で切です。

施工スピードを上げると、どうしてもきちんとできないところも出てきます。

どこが重要か?どこが重要では無いか?

例えば断熱材の施工でもとても重要なところとあまり重要では無いところがあります。

それをやったら結露のリスクが高まり家が腐ってしまう。それでは困りますね。
とても重要なことです。
それは適当でもほぼ性能に差が無い。このような場所に手間をかけても人件費が高くなるだけですね。

全てのことを100の精度でやれば良いのですがそれは不可能ですね。
重要なところは確実に。それほど重要で無いところはある程度曖昧に。
そうできないと施工者も大変です。
一から十まで張り詰めた状態だと、本当に重要なところのミスが増えてしまう可能性がありますね。

理屈を知らないとどこが重要か見誤ることがありますね。
普段から施工者も学ぶことが重要です。

断熱材に気流が入ると断熱性能が落ちる

当たり前のことですが、断熱材がしわしわになっていたりすると、空気が通りやすい空間ができてきて壁体内で気流が起こります。

そうすると断熱材の性能が発揮されないのです。

柱間柱の空間の寸法にあった断熱材を使わないといけない理由がそれです。
もちろん断熱材が小さければ空間が空いてしまいますし、断熱材が大きくて無理矢理詰め込んでもしわしわになってしまいます。

出展旭ファイバーグラスホームページ

きちんと断熱材が奥まで入れられていない場合もそうですね。

一般的な袋入り断熱材の施工方法

https://www.afgc.co.jp/knowledge/2017/04/26/27

シート別張りの断熱材でやる方が楽かも知れませんね。

気流を入れない

断熱材の入れ方が100%上手くいかないなら隙間を塞ぎ気流を入れなければ良いという考え方もあります。
そもそも壁体内に気流が入らなければ、断熱材の隙間を空気が動くようなことも無くなるはずです。

壁体の表裏で対流が起こるほどの隙間は考えられません。主には壁体の上下での隙間を無くすことが重要そうです。

どのような隙間があるか?

壁体に気流が入るところはどのような場所でしょうか?

土台と剛床
剛床と柱回り
巾木周り
コンセント
スイッチ
壁と天井の取り合い
桁との取り合い
そして耐力面材と躯体
ダクト、配線などの貫通部

たくさんありますね。
それらをきちんと塞ぐことが重要ですね。

躯体ワーキンググループ

HEAT20では設計部会の中に躯体WGというのがあります。
そこで現実の施工に沿った方法での検証が進められています。

私も委員の一人なのですがとても勉強になります。
そこでの話し合いの内容なども皆さんにお伝えしたいのですが、まだ公式に発表されていないので残念ですがここに書くことができません。

当社の住宅には、それらの内容を素早くフィードバックしておりますのでご安心ください。