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髙橋建築

断熱・気密

サッシを選ぶ時にガラスの選び方は重要ですね。ガラス選びを間違えるととてももったいないことになります。

ガラスの種類

皆さんが すぐに気がつくのはガラスが透明か透明ではないかでしょう。
一般的に透明ではないガラスは表面を凸凹にして光の屈折を変えて見えにくくしています。なめらかな凸凹の「型板ガラス」というのがよく知られています。



覗かれたくないトイレ、脱衣室の窓など等はこの型板ガラスになるでしょう。
階段や廊下などですが、よほど景色が良ければ透明ガラスも気持ちよくて良いと思いますが、一般的には日中も夜も覗かれてしまいますね。周りからの視線がとても気になります。透明ガラスですと視線を気にしてカーテンを掛けっぱなしにしてしまいます。カーテンを掛けるとたとえレースのカーテンでも明るさも遮りますから暗くなります。もったいないですね。
それでは十分窓を大きくしてレースカーテンなら明るいではないかと反論する方もいるかもしれませんが、それではおうちの中の温度も逃げてしまいます。
当社で使っているトリプルガラスであったとしても壁の5倍くらいは熱が逃げてしまうのでできるだけ窓は小さい方が良いのです。
そうなると北側に配置されがちなこれらの小さめの部屋につく窓はできるだけ小さくしながら光のを取り入れられるように型板ガラスが良いと言うことになります。

寝室、子供部屋にも型板ガラス?

近年では 寝室や子供室などの大きめなお部屋でも型板ガラスを選択する人が多くなっています。
実際に生活をしていると、これらの部屋から外を眺める機会と言うのはそれほどありません。むしろ覗かれないためにカーテンをかけっぱなしになってしまうことが多いようです。
せっかくのお日様の光をカーテンで遮ってしまうことになってしまっています。
南側の大きめの窓の場合この秩父地方なら電気ストーブ1台ほどの熱が得られます。
それをカーテンで遮ってしまい無料のストーブがなくなるのは残念ですね。
外を見るのが好きな方。冬の花火が見える窓の向き、透明にする理由もたくさんありますので念のため。

型板ガラスは暗い?

型板ガラスははっきりものが見えないため、おうちの中が暗くなると勘違いされる方もいらっしゃいます。しかしそれは間違い。
透明ガラスの場合、直接光が入っているところだけ見れば明るいですがそのほかの場所は暗めです。
しかし型板ガラスは、光が乱反射するので、まんべんなく明るくなります。
YKKのトリプルガラスデーターを見てもの取り込める日射量はほとんど差がありません。


一日を通して奥の方まで明るさを届けたいのならむしろ型板ガラスの方が効果的です。

断熱性

ガラスの断熱性は主にどのようなことが影響するでしょう?

まず思いつくのがガラスの枚数ですね。
シングルのガラスよりペアガラス
それよりトリプルガラスと枚数が多くなればなるほど断熱性が上がります。
高断熱住宅にはトリプルガラスが用いられます。

次にはLOW-E膜
ガラスに貼り付けられている熱を反射する膜です。
膜により熱適性能ばかりでなく色なども違って見えます。
LOW-E膜が2枚あるとダブルLOW-Eといいます。

そして空気層の厚み
空気層が厚い方が断熱性が上がります。
その工務店が使っているサッシが良いものか悪いものかみ分けるにはここを見るとわかりやすいです。
同じトリプルガラスでも空気層が6mmぐらいのもの12mm位のもの16mmくらいのものがあります。20mm位のものもあります。30mmとかはないですね。あまりあると空気が対流を起こし逆に性能が落ちるようです。

空気層のガス

ガラスとガラスの間は乾燥空気が入っています。さらに断熱性を高めるためにこのガスをアルゴンクリプトンにします。YKK430の場合クリプトンの方が性能は1割ほど高くなります。

スペーサー

ガラスとガラスの間の空間を維持するスペーサーの種類も重要です。
樹脂金属があります。ここが銀色に光っていたら金属。安いガラスですね。
今時、温かい家づくりをしていて銀色のスペーサーを使っていることはおそらくありません。
もし使っていたら、そのメーカーは真面目じゃ無いと思います。

住宅会社選び。良いガラスを使っている。

良いガラスを きちんと選んでいるかは、住宅会社選びの重要な要素ですね。
お客様の為に一生懸命な会社は、きちんとしたガラス選びをしています。
良い会社か見極めることができる重要な要素です。
「当社は高断熱で、トリプルガラスです。」
といっていても、空気層が薄かったり、断熱性の良いガスを入れていなかったり、さらに金属スペーサーだったりしたら最悪。
「とりあえず、トリプルにしておけばお客さんは納得するだろう。」と思っているか、勉強不足で全く知らないか。
こういう住宅会社は、ガラス以外でもあらゆる手を尽くして、お客さんを勘違いさせ、良い会社と見せかけます。大切なガラス選びでさえその程度なら、すべてがほどほどのもので作られているのではないでしょうか?
怖いですね。

日射取得型 日射遮蔽型?

次にガラスの性質。
先ほどは見えるか見えないか。断熱性が良いか悪いかでした。
今度は太陽の光の熱を通しやすいか通しにくいかです。

大きく分けて 太陽の光の熱を通しやすい日射取得型と、太陽の光の熱を通しにくい日射遮蔽型があります。

YKKの商品ですと日射取得型がニュートラル 日射遮蔽型がニュートラルとブルーとブロンズがあります。LOW-Eの違いや付ける位置によって色や性質が変わるのです。外から見てブルーがかって見えるガラスがありますね。
ニュートラルよりブルーの方が見えにくくなります。多少見えにくくなるというレベルで実は角度によっては普通に見えてしまいますし、夜は家の中が明るいので暗いから明るい方を見ると普通に良く見えてしまいます。
覗かれないためにブルーを選んでも結局見えてしまってがっかりなんて言うことは良くあります。覗かれにくくするにはカーテン、ブラインド、やはり型板ガラスを検討せざる終えません。
少しでも見えにくくなれば良いじゃないかと思われるかもしれませんが、日射熱取得性能はとても落ちてしまうので場所によっては大変損をすることになります。


日射取得型は日射熱取得率が0.57。日射遮蔽型ブルーは0.3。
太陽の熱を57%入れるガラスと30%しか入れないガラスということです。
秩父では冬場は青天が多いですね。南の窓際はぽかぽかと暖かいです。
このお日様の恵みを6割取り込めるか。3割しか取り込めないかの違いです。

個別にエネルギー計算をしてみるとどちらが良いかはっきりと解ります。
一般的にはお日様の当たる南面の窓は圧倒的に日射取得型のガラスが有利です。
しかしそのほかの面はそれほどお日様の熱は入ってきませんから、日射遮蔽型のブルーが良いでしょう。

夏の時期も考えます。
南面の窓は大きめなことが多いですね。明るく光を取り込み冬の日射熱を取り込むためです。
しかし、夏場は逆の影響が出ます。大きな窓からは夏の熱もたくさん入ってしまいます。それを遮らなくてはなりません。
きちんと遮ることが重要です。南面は冬場に日射取得をしたいですから基本的には日射熱取得型のガラスが使われていますから夏場も熱が入ってきます。この熱を遮るにはきちんと庇を作る。シェードで塞ぐ、ブラインドで塞ぐなどの対策が必要です。
このように対策さえきちんとできていればやはり南面は、日射遮蔽型のブルーではなく日射取得型を選択する方が大変有利となります。
一方、東面、西面、北面は小さめなガラスが多数あります。
それぞれにシェードを付ける等の処置はしにくいですね。
さらに、冬の太陽の光も入りにくいです。ほとんど期待できません。
それなら最初から断熱性が良く、日射熱を遮蔽できる日射遮蔽型のブルーの選択になると言うことなのです。

付け加えると南面についてはもっと微妙な要素はたくさんあります。
元々、日射が少ない日本海側の地域。
日射を遮る、山や、家、樹木などの影響でそれほど日射熱取得が見込めない。
人通りがおおく、とても視線を遮る手立てがない。
家の角度が微妙で冬と夏のバランスがとりにくい。
窓以外の外皮性能とのバランス。
など。
それらの要素をよく考えバランスをとってください。

エネルギー計算のほとんどは、1年を通しての冷暖房エネルギーで判断します。
しかし、冬の朝、一番冷え込んだ時等のピークの冷暖房負荷をきちんと把握することも大切です。
それを判断すると南面であっても日射遮蔽型を選択すると言うことは十分あり得ます。

最終的なガラス選びは

 きちんとした設計者さんはこれらのことを解っていなければなりませんが、解っていない方がほとんどです。その場合には残念ですがやむを得ないでしょう。
解っている設計者は、断熱性と日射遮蔽、覗かれにくさなどきちんと考えてくれています。
しかし、設計者さんもあくまでも1個人でお建てになるお客様と重視されるところが違うかもしれません。
初期の段階でお客様が重視されるところをきちんと設計者さんに伝えてください。
外を見るなんてことはほとんど無く明るいおうちに住みたいのでしたら南面でも見えにくい型板ガラスでも良いかもしれません。カーテンが必要ない分明るくなります。
日射熱を有効利用して省エネに暮らすより、室内の温度変化を少なくしたい。
室内の明るさを均一に保ちたい。
いろいろな思いがあると思います。
設計者さんはお客様のためにベストを尽くして考えガラス選びをします。
お客さんはきちんと思いを伝え一番良い選択をしてください。

私は

明るいおうちが好きです。LDKは明るめに作りたいです。そのためにはカーテンを開けられ日の光が上手に取り込める窓を作りたいと思っています。
日射遮蔽との兼ね合いが難しいですが、バランスをいろいろ模索中です。

追記

お客様の質問を受けて

Q 型板ガラスの方がプライバシー面で良いと思うのですが、断熱やコスト、お手入れについて通常のガラスと比較すると、どの様に違うのでしょうか?
あとはバルコニーに出る窓のクレセントの位置は子供の手が届かない高さに等にはできますか?(別途費用?)

A 断熱性 遮熱性などの性能 → 透明ガラスと型板ガラスともほぼ変わりません

A お手入れ 型板ガラスの凸凹面はガラスとガラスの間の空気層側です。そのため屋外の面、室内面とも透明ガラスのように平らになっています。清掃姓は変わりません。型板ガラスは汚れが目立ちにくいです。その辺も利点と言えば利点かもしれません。汚れが目立った方がすぐ掃除できて良いと言う お掃除好きな方はもいらっしゃるかもしれませんね。

Q 雨戸シャッターは必要でしょうか?
防犯フィルムを貼る事で防犯性は担保しつつ、見た目がシンプルかと思いましたので…

A シャッターを付けることで断熱性に関しては当社の使っているような高性能なトリプルガラスの場合、さほど差がありません。熱貫流率は比較できないほどですが少しだけ良くなります。しかしシャッターのボックスやレールの影の影響で取得日射量が減ってしまいます。家の向きや庇などの影響で家違いますが、トータルな熱性能はほとんど変わらないと考えています。
 災害時に関しては大きな風などでものが飛んでくることを考えるとあるに越したことはありません。シャッターの鉄板は差しかえができるので鉄板が曲がる程度のことでしたらシャッターの修理の方がガラスが割れるより安いです。しかしもっと大きなものが当たってフレームが曲がるくらい壊れた場合には全取り替えですから逆にすごくお金がかかってしまいます。
 防犯フィルムは、最初からフィルムが間に挟んである合わせガラスというのがあります。元々トリプルガラスなのでそれに合わせガラスにするとガラス4枚となります。防犯性は上がりますがとても重くなります。思い分サッシの耐久性は下がってしまいます。トリプルガラスの場合、ガラス3枚を割らないと侵入できないため防犯性は元々高いと言われています。3枚のガラスを割りきれいにガラスを取り侵入するのは大変ですね。けがをしそうです。しかし、ガラスを割るなどの音が出てもお構い無くてこっそり侵入ではなくテロなどの襲撃に近いような場合には合わせガラスより早く侵入されるのは間違いありません。しかしよく考えるとそのレベルの侵入の場合、合わせガラスであったとしても無理矢理入られてしまいますから、合わせガラスでも安心と言うことはないでしょう。
合わせガラスの面が外側か内側かという問題もあります。外からものが飛んできて割れにくくするなら外側。室内で遊ぶ子供などが割れにくくするなら内側です。どちらの場合でも想定してない方向から衝撃が加わると合わせガラスであったとしても合わせガラスでない面は割れてしまいます。結局ガラスの交換と言うことになり通常より大金がかかります。
 フィルムを後貼りに関してですが、取得日射量が落ちます。そこまでやるのであれば日射を多くするために南面に大きな窓を付けることは必要ないでしょう。
リビングの前等開放性が必要な窓だけ大きなな窓にしてそのほかの日射熱取得の窓は採光上成り立つだけの小さめにするのが良いと思います。
 窓の役割は主に 
明るさの確保(採光
通風 換気など
外を見る視認性 開放性
日射熱取得
等ですね。
 それを満たすために 大きくしたり小さくしたりします。
 大きくすると、防犯性、対災害、耐震、断熱性は落ちます。条件が良い南面に付けることができた場合のみ日射熱取得は上がります。
それらのメリットデメリットを考えると南面の大きな窓に防犯フィルムは選択筋と無くなります。南側の防犯性を上げるならフィルムではなくシャッターと言うことになるでしょう。

シャッターについては別途ブログを書こうと思います。



お知らせ,断熱・気密

今日のHEAT20の会議では 窓と外皮性能のバランスの話が出ました。

もちろん地域により要求される性能は変わります。

断熱性能を上げるのにはどうしたらよいでしょう。窓を除く外皮の性能が 悪くても窓だけ良くしてある程度のUAにすることも可能です。でも、それではあまり意味がありませんね。
大半の面積を占める壁の性能が低いと輻射熱の影響で住み心地がとても悪くかんじるでしょう。
また、すごい壁や屋根の断熱をしても窓があまり良くなければ、窓で結露が起きやすくなります。それも困りますね。

結論は単純で、できるだけバランス良くという話になるのですが、それはどのくらいになるのかという話です。

皆さんご存じのように、樹脂サッシのトリプルガラスでもU値は1.0W/㎡K程度。ちなみに一般的に使われているアルミ樹脂複合サッシのペアガラスは2.0W/㎡K以上です。
それに比べて 当社の仕様の例でお話しすると、壁は0.145W/㎡K 屋根は0.136W/㎡Kです。
壁や屋根と比べると高性能な樹脂のサッシでトリプルガラスでも、窓は6倍以上の熱の逃げやすさです。

しかし、窓の面積は壁や屋根に比べて少ないですね。
37坪のおうちの図面がちょうど近くにあったので一例を挙げると、
屋根が70㎡ 壁が190㎡ 窓は25㎡です。

窓は全体の10分の1くらいの面積です。
面積が小さいので影響が出にくいようですが、壁に比べて性能がとても低いので影響は大きいですね。
トリプルガラスのサッシでさえこれですから、せっかくの高断熱の住宅で性能の悪いサッシを選ぶのは命取りです。
当社レベルの住宅ではトリプルガラス以外の選択筋はありません。

窓の性能の影響が大きいのでできるだけ窓を小さくしようという考え方もあります。
しかし、日中でもお部屋が暗くなるとか開放性が下がるとか、通風が少なくなる,太陽熱のエネルギーも取り込めない、などのデメリットもあります。
ある程度の面積を確保するためにも窓の性能を上げざる終えないですね。

高性能な窓は金額も高いです。コストの問題もありますので、やたらと良い窓を使うと言うことはできませんが、バランスを考えた窓選びがしたいですね。


断熱・気密

冬期の日射取得はとても大切ですね。
太陽の光の熱は無料です。
それを採り入れない手はありませんね。

南側が空いていることがとても重要なのですが、真南ばかりに気をとられていませんか?

太陽の軌道を良く考えてみましょう。

南東から出て真南に来て南西に沈みます。
日の出と日没は太陽高度が低いですね。

朝早くから夕方遅くまで太陽の光を取り入れるためには南東 南西に遮蔽物が無く、真南には少しの高さの建物があっても大丈夫ですね。

この図をご覧ください。

オレンジ色 黄色の点が太陽の通る軌道です。弧を描いて下から12月1月と続き上の方が6月7月ですね。

上部のグレーのところが庇の影 下部のグレーが南の建物の影です。

夏場はバルコニーの出っ張りが庇代わりになり窓に日が差し込まないのが解ります。

一方、冬は 南の家の上を太陽が上手に通り日が入りますね。

しかし青く示されたところが影になっているのが解ります。

南西の建物が日の光を遮るのです。冬の最後の2時間くらいがこの建物の影響を大いに受けるのが解ります。

南の建物はきちんと距離がとれていれば、OKなのです。

なかなか難しいですね。

日の当たり方が完璧な土地を見つけるのは大変です。
できるだけ長い時間日射熱を取り入れられれば良いのですが、取り入れられなくても悲観することはありません。
その土地に合わせて上手に設計すれば,その弱点をクリアーできる方法があるかもしれません。

完璧な土地を探すのは難しいですし,見つからなくてもできることはたくさんあると言うことを知っておいてください。
その方法はまたの機会にお話しします。

断熱・気密

基礎断熱、床断熱の種類

大別して 床で断熱を取る床断熱と 基礎で断熱を取る基礎断熱があります。
基礎断熱にはさらに 基礎の外側で断熱を取る基礎外断熱と基礎の内側で断熱を取る基礎内断熱があります。

床断熱のメリットデメリット

床断熱のメリット

基礎工事が楽
シロアリ対策がしやすい
床下は暖房空間とならないので暖房空間が小さくて済む。

床断熱のデメリット

気密がとりにくい。
ユニットバス、玄関周りは床がないため断熱欠損となる。またはそこだけは基礎断熱となってしまう。
床下点検口など断熱気密処理が必要
床下点検口などは十分な断熱ができない。

基礎断熱のメリットデメリット

基礎断熱のメリット

床断熱工事がいらない
床下空間を利用できる
床下エアコンなど設置できる
気密工事が楽

基礎断熱のデメリット

基礎工事が慣れていないとできない。
シロアリ対策が必要
床下まで温める

基礎内断熱と基礎外断熱の比較

基礎内断熱の場合 シロアリ対策がしやすいです。
基礎外断熱の場合 基礎コンクリートの蓄熱性により温度安定を期待できます。
基礎内断熱の場合内部コンクリート立上りの熱橋対策が必要です。

高橋建築の選択

確実な性能を出すためには 床断熱を選択しても一部基礎断熱が必要。ハウスメーカーなども一部基礎断熱を行っております。
一部基礎断熱を使わざる負えないなら、全部でもリスクは変わりません
十分なシロアリ対策をして、確実な断熱気密をするほうが良いと思います。
基礎外断熱により基礎の内部立上りの熱橋の影響をなくします。
様々なことを考慮した結果、世界で標準的に選択されている基礎外断熱を標準工法としています。


お知らせ,断熱・気密

いよいよyoutubeも大変なことになって来ました。(笑)

東京大学の前(まえ)先生も参入されてきました。

学術的なバックボーンから、一般の方向けにわかりやすい説明です。

リンクはこちら

皆さん勉強してみてくださいね。

断熱・気密,日記・想い

SDGsの第一人者である 慶応大学の蟹江先生のコラムのご紹介です。

SDGsについては皆さんご存じの方が多いと思います。
様々な目標を持って持続可能な社会を作っていこうという取り組みですね。

その研究の中心人物である蟹江先生の家が、SDGsの観点からつくられました。

設計者は 川島範久先生

イケメンですね。当時は東工大の先生。イケメンですね。当時は東工大の先生。今は明治大学の先生のようです。
この先生から依頼を受け当社でお手伝いをいたしました。

朝日新聞のホームページから引用


https://miraimedia.asahi.com/kanie_06/?fbclid=IwAR01WMUUVjlKaYY2H3GgXu_byU3otVHHgYmh3rF5aGCbSGPtaorIyhbNO4U
当社が 断熱施工アドバイスをしています。

現場での施工指導の様子 現場には納戸も足を運び施工指導 施工チェック。

朝日新聞から引用

気密測定の様子です。緊張する一瞬です。
大工さんの頑張りもありC=0.1。

写真も一番大きく写ってます。体が大きいだけ?
下の方に名前もありますね。
工事も当社職人が指導をしながら行いました。

近年はこのような指導を依頼されるケースも増えてきました。
日本の家が良くなるように、今後もこのようなお手伝いができればと思っています。

お知らせ,断熱・気密

今年度設計開始の物件から仕様変更をしています。
さらなる性能アップです。
5年ほど前から採用している今までの仕様でも 他社に比べて十分すぎるほどなのですが、さらなる先を目指して頑張りたいと思います。

「どこまでやるの高橋建築」

このフレーズは、同業他社が当社によく言う言葉です。
断熱、耐震、耐久性に関して目標値が他社とかけ離れてしまっていたため、設計を手伝ってくれる人。工事を手伝ってくれる人がどれだけ頑張れなくてはならないのか解らないでこう言われます。

当社では,よりよい住まい作りを一生懸命やっているだけで当たり前なのですが、ほかから見るとずいぶんやり過ぎとうつるようです。

今までのレベル

今までの仕様は、パッシブハウスクラスを狙って仕様が造られていました。しかし、その仕様でパッシブハウスにするには十分ではない場合がかなりあります。
実際には周りのおうちの影の影響をうけると十分な日射熱取得涼が得られずパッシブハウスの基準をクリアーできなかったり、建物が南向きでは無い場合などにはクリアーがほとんど不可能でした。

UA=0.23(平屋)0.25~0.28、2階建ての位の断熱性能です。

今回の仕様はHEAT20 G3相当

今回はUA=0.20平屋 0.23 2階建てくらいまで持って行っています。
HEAT20のG3ですね。

この数字くらいまで行くと秩父ではパッシブハウスに近い性能を満たすのが楽になってきます。

このたぐいまれな断熱性能に第一種換気を組み合わせて行きます。

どのように実現するか。

当社は、性能向上と施工性を両立させ,さらにメンテナンス性を考えています。
工事を強みとする会社の為、ただ断熱を厚くしてお金をかけたり工事に手間をかけすぎたりはしません。また、あとでお客様が負担になるような特殊な設備に頼る方法は絶対に良くありません。
あくまでもシンプルに確実な施工ができる方法を目指しています。
具体的な仕様、施工方法に関しては企業秘密です。

断熱・気密,日記・想い

一般の方から、断熱性はどこを目指すべきか質問があります。

これを言い切るにはいろいろな視点からの判断で異なると思いますので大変なことです。

断熱量は多い方が良いのか?

まずはコストなどのことを考えず、断熱量は多い方が良いのか?
という問題です。

多ければ多いほど、外と中の温度の出入りを遮断します。熱の損失が少なくなると言うことです。
単純に冬の暖房が少なくて済みます。
場合によっては秩父パッシブハウスのように冬場に全く暖房がいらない。エアコンもストーブもこたつもいらない家をつくることもできます。
省エネで光熱費もとても安くなります。

こう考えると断熱はたくさんした方が良いと言うことになります。

歴史的な背景から今後の断熱量の変化。

時代の流れとともに断熱量も変化してきています。
どんどん多くなる傾向にあります。

これは、ほかのことでもそうですね。地代に応じて変化していくのです。進化していきます。

たとえがふさわしいか解りませんが、情報を伝えるのに のろし→ラジオ→テレビ→インターネットと変わってきました。
今更 のろしには戻れません。でもラジオ等もまだたくさん利用されています。情報量は少なくてもシーンによってはラジオの方が良い場合もありますね。

断熱量も 新省エネ基準ができ 平成11年には次世代省エネ基準 25年、28年基準、と少しづつ進化してきました。
その流れをより強化したHEAT20のG1、G2というのも提唱され,広く普及し始めています。昨年にはG3も発表されました。
国際的には パッシブハウス基準もあります。

現在つくられている断熱等級4は 平成11年基準とほぼ同等です。
なんと20年前のレベルです。
平成11年当時、そんなに断熱するのはお金の無駄と言って、新省エネ基準レベルでほとんどの家が作れていました。

ですが,世の中は進化し現在ではG1が当たり前。G2で家をつくる人もいます。

10年、20年前にきちんと新しい技術を取り込み 次世代省エネ基準で建てた方は、ずっと温かい家に住めましたし今建てられてているほかの家とさほど変わらないので建て替えを考えるほどでは無いと思います。

しかし、わずか20年しかたたないのに、そのときに古い技術で建ててしまった方は、もう建て替えたくなってしまいます。
実際に当社のお客様でも20年で建て替えしたいと言う方がおります。

いま、ギリギリの基準で建てると、10年後、20年後には古びた仕様となり建て替えたくなってしまう恐れがあるのです。
家は、自動車やスマホのように買い換えできませんから、せめて20年くらい先を見込んで考えた方が良いのでは無いでしょうか?

今はこれで十分と感じても、すぐに不満が出てしまう恐れがあります。
そういう観点から考えると 最低G2 できればG3 パッシブハウスとした方が良いと思います。

エネルギーの観点から

断熱すればするほど、省エネになり,ランニングコストは減ります。
どのくらい減るのでしょうか?

これは HEAT20のグラフを見るとわかりやすいので、それを見ながら説明します。 一番多い6地域のグラフで説明します。HEAT20のホームページからの抜粋となります。

http://www.heat20.jp/members/data/2019/18-3_suzuki_sunagawa_nonaka.pdf
秩父地域の方はこれよりももっとエネルギーを使いますので注意してください。

青いラインが 戸建て住宅 赤いラインが集合住宅です。
戸建ての青いラインで説明します。

断熱された暖かいおうちにすると皆さん家中を暖かくすると思います。
リビング階段や吹き抜けをつくることも多くなりますね。
そうすると家中暖房するようなかんじになります。

それまでは、LDKしか暖房していなかったり、子供部屋や寝室などを暖房するレベルで廊下やトイレなどは暖房せず寒いままでした。

それが断熱されたおうちでは家全体を温めるようになるのですから、少々の断熱では暖房費が増えてしまうのです。

グラフを見てみましょう。
基準はUA=0.87 断熱等級4 約平成11年に作られた基準のおうちを、今まで通り LDK 寝室などを人がいる時だけ暖房した時です。
そのときのエネルギーを基準に0%とします。


人がいるお部屋を 人がいる時だけ暖房する という設定です。
ほかの部屋は寒いですし、お部屋に入って暖房が効くまでは寒いです。
さらに熱損失は大きいですから、輻射面温度は低くあまり快適な環境とはいえません。しかし人がいるお部屋だけは目標温度に達します。

その基準で建てられた家を全館暖房したら。暖房費が2.5倍

そのレベルのおうちを、あまり寒くないように全館暖房したらどうなるでしょう。吹き抜けがあったりリビング階段だったりするとこの条件に近くなりますね。

このグラフが表すように 現在の最高等級である等級4の断熱をしたとしてもおうちの中全体に暖かくすると、140%位。
なんと 暖房エネルギーは2.5倍くらいに増えてしまうのです。
恐ろしいですね。

暖かく快適な家をつくったつもりが、暖かくするには今までの倍以上もエネルギーを使ってしまう。

このレベルの家では、リビング階段はつくらない方がよさそうですね。
しかし、まだ多くの家がこのレベルです。
ハウスメーカーの営業マンは「断熱最高等級の家ですから省エネで暖かい家ですよ。」と説明するでしょう。

G1グレードで断熱したら5割増し。

そして次は G1グレード。省エネ基準レベルのおうちにちょっとガラスでも良くすれば到達できるレベルです。

1.5倍くらいのエネルギーを投入すれば 全館連続暖房も可能です。
ハウスメーカーのレベルがこのレベルですね。
まだまだ、このレベルではエネルギーを使いますから、このレベルで建てた人はもったいなくて全館連続運転にできずに、寒いのを我慢しながら住む人も多いようです。

せっかく造ったおうちなのに快適な生活が送れないのはかわいそうですね。
10年後、20年後には大半の人が建て替えたくなってしまうのでは無いでしょうか?

G2グレードで断熱したら。ほぼ同じ

次にG2グレードレベルにしてみましょう。私が考える最低レベルです。

このグラフを見て解る通り、全館連続暖房をしてもエネルギーの増加は1割以内に抑えられます。
光熱費はさほど気にせず、家中どこでも暖かいというのを体験できるわけです。

G2レベルまでしてやっとこれが実現できます。私が最低G2と言っているのはこの理由もあるのです。

いよいよG3 ほぼ半分の燃費

おすすめレベルのG3です。

やく40%削減できます。大体半分ですね。

ここまで下がると、エネルギーが減った。とても省エネだと大きく実感できるでしょう。

ということは、全館連続暖房をする限り、G3に近い性能にしないと エネルギー、ランニングコストは減ったと実感できないことになります。

我慢しながら冷暖房をしないとさほど省エネにならないと言うことです。

ですから HEAT20では G3を提唱し始めたのでしょう。

G2を超えてG3に近づくほど、体感性能は変わります。
この辺は実際に住んでみたりつくったことのある人で無いと解りません。
つくれなければ、知らないほうが幸せかもしれませんね。

G2,G3の性能は?

HEAT20のホームページから抜粋したHEAT20の性能表です。

UA値
1、2,3地域で0.20
4,5地域で0.23
6、7地域で0.26
となります。

当社のある秩父地域は4,5地域なので0.23ですね。
これは当社でもかなり大変です。

断熱を補う方法 いろいろあります。

コストの問題もあります。家の大きさや,形などでそこまでUA値が上げられないこともありますね。

暖かさや省エネ性は断熱だけでは決まらないので、ほかの要因も重要です。

ほかの要因をきちんと考えれば、断熱量は少なくすることができるともいえます。

大きな要因の一つに日射があります。
太陽の熱は無料ですし、とても膨大です。

きちんと太陽熱を取得しその熱がため込めれば良いのです。その分断熱は少なくて済みますね。

家の形や間取りも重要です。
UA値はあくまでも壁や床、屋根や窓などの断熱量の平均値です。
この数字が良くても、おうちがでこぼこしていて壁の量がとても多かったりするのではダメですね。
その反対に、とてもシンプルにつくられた、外に面する面積が少ないおうちは有利となります。
間取りによっては室内の空気が大きな対流が起きてしまう場合もあります。そういった場合には、大きく熱が拡散し余分にエネルギーを使ってしまう場合もありますから注意してください。

換気システムで熱を回収する方法もあります。健康に住まうには、24時間換気が必須です。
換気をすると言うことは室内の熱を捨てていることと同じです。
その熱を回収できればその分暖かくなりますから、断熱は少なくてすみますね。

まとめ

ほかにも理由はありますが、私が現時点でおすすめできる断熱性能は最低G2、できればG3ということになります。

おまけ

気密性能に関しては 換気の仕組みなどで違いますが私は最低 C=0.5以下
目標0.3くらいにしたいです。
現状大半が0.1台ですが。

お知らせ,メディア掲載・受賞,断熱・気密,設備・空調

岡田さんの本が出版されました。

タイトルは

「エアコン1台で心地よい家をつくる方法」

当社は1台で十分間に合う性能ですがわざと2台にしてます。(笑)

この本には当社の事例が載ってます。

岡田さんから依頼されたわけでは無く、出版社から載せさせてほしいと声がかかったのですが断る理由もないので協力しました。
高性能な住宅が増えることは良いことです。

出版後に編集者から「岡田さんとお知り合いだったのですね。」と言われました。まさか知らないで頼んでいたとは思いませんでした。
知り合いだから選んだのでは無く、性能やデザインで選んでいただけていたと思うとうれしいですね。

内容は、一般のかたたちをターゲットにしたとても読みやすいものです。
勉強になると思います。
当社ほどの高性能過ぎる住宅のレベルではそぐわない内容もありますが、きちんとした内容の本ですので読んでみてください。入門書として最適です。

当社にいっぱい届けられましたので、当社で建築をお考えの方や、すでに当社で建築した人でしたら 取りに来ていただければ差し上げます。(笑)

お知らせ,断熱・気密

いきなり難しい内容の動画のフォローです。

断熱構成を決めるには結露計算が必要

本橋さんの動画で説明されているとおり 断熱材の構成を決めるには結露計算が必要です。

特に違った材料を組み合わせる場合には、それぞれの材料の性質が異なりますから、温度を伝える性質、湿気を伝える性質が異なりますので高度な検討が必要になります。

例にあった構造用面材ににもう一つの断熱材位の場合であれば定常計算で十分です。

複数の断熱材になった場合には WUFI等でその土地の温湿度変化のデーターで時刻別計算を行う必要があります。

WUFIでの計算は湿気の流入まで考える

本橋さんの節目に追加。 透湿防水シートの厚さを変えることで湿気の入る量を調整して計算していますが、それではうまくいきません。
実際には違った結果になります。
施工不良、経年変化などを考えると 防湿フィルム裏に湿気が流入するシミュレーションが必要です。
外部通気層にも通気量のコントロール、雨漏りなどの場合の検討なども行います。

ダイライトの説明

構造用合板からダイライトに変えると夏型結露が起きると説明されております。この説明だと構造用合板は冬型の結露がダメでダイライトが夏型結露がダメでどっちもダメなら安い構造用合板で良いのでは無いか?という判断になる可能性があります。

しかし、結露の水分量、期間の長さなどから圧倒的に冬型の結露対策が重要です。

ダイライトなどのような透湿抵抗が低い構造用面材を使った方が良いと言うことになります。ダイライトが良いと言うことではありません。透湿抵抗が低い面材が良いと言うことです。

ただし、高度なシミュレーションができるなら,安全性を確認して価格の安い針葉樹合板などの構造用面材を使うこともできます。

コメントの中から

Q「 いつも思うんだけど、気密シートって地震の揺れとかでズレたり破れたりしないのかな。あとエアコン工事後から頼んだら普通に穴開けられますよね。 」

A そうなのです。大手家電量販店の施工は特に注意が必要です。
きちんとできているのを見たことがありません。

空けた穴から湿気が入ってはダメですからきちんと施工しないと大変な事故が起こります。

新築でしたら工事中にエアコンの穴をきちんと空けておき気密処理をしておくことが必要です。