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髙橋建築

日記・想い

焼き肉屋さんこだわり!

美味しい焼き肉を食べたい!

おすすめの焼き肉屋さんは 和銅バーベキューセンターさん。

店主のこだわりがすごいのです。

「美味しいお肉を安く腹一杯食べてもう。」

その信念が感じられます。

当社も普段から 「将来ずっと高性能で住み心地が良い家を安く提供したい。」

と思っているので、ここの店主とは気が合います。

いくら安くても 美味しくないものはダメ!

精一杯美味しいものを安く提供していければ。お客さんに喜んでもらえれば。

そんな考えの店主です。

現在でもお店は営業していますが、コロナの影響でお客様は激減してしまったようです。

消毒や、衛生に気をつけて営業されております。広い店舗なので、ほとんど密接、密集などありません。もちろん焼き肉屋さんなので、換気は十分すぎるほど。密閉もありません。

どのようなルートでどのようにお肉を吟味しているかは、企業秘密かもしれませんが、とても美味しくてボリューミーで大満足なのは確かです。

炭火で網焼きというのが、お肉の味をさらに引き立てるのでしょう。
私は住宅馬鹿で料理についてはほとんど知りませんが、炭の遠赤外線が良いのでしょうね。

熱の三要素のうちの輻射熱でしょうか?

住宅の住み心地も輻射熱で決まりますから。

お店で味わう美味しい焼き肉をお手軽におうちで。

美味しいお肉が食べたい!!

そんな要望に店主が応えてくれました。

「テイクアウト焼き肉」

そのアイディアすごいですね。

でも、本当にお店の味が再現できるの?
疑問がわきます。

テイクアウト焼き肉、早速お試し!!

和銅バーベキューセンターさんお電話して(実際には私はラインで連絡)

焼き肉セットを受け取りに行きます。

今回は6人分。

本来の1セット2人前はの内容はこんな感じです。

ペール缶の中に あらかじめ炭が仕掛けられていて説明書が一番上に載っていました。
大きなお皿が三枚 取り皿、お箸、お手拭きが2組
網とトグル、チャッカマンです。
さらに最後のゴミ片付け用のビニル袋もあります。七輪返品時にゴミまで処分してくれるとのことです。
店主のこの気配りがすごいですね。
私も見習わなくちゃ。

忘れてならないのがお肉。!!銀色の保冷袋に入れてあります。

 美味しいお肉とご対面! お店と変わらないのか?

真空パックに生のお肉と野菜、手作りウインナーが入ってます。この辺にもこだわりが感じられます。

安易に凍らせてしまわず、真空パックまでしてしまうとは!!

タレは辛口と甘口が付いてます。

付属のお皿に盛り付けてみた!

これがほんとに2人前?
量がやばいです。
大満足間違いなし

美味しいお肉を厚切り!!

お肉の種類は カシラ、シロ、タン、ハツ、トントロ

よだれが出始めた。(ごめんなさい)

さあ!食べるぞ!その前に炭に着火

慌ててはダメです。

炭はきれいにセットしてあります。

着火しやすいように下に着火しやすい炭、上に普通の炭です。
これが着火しやすい炭です。

下に入っているこの炭めがけてチャッカマンで20秒 一点集中で狙います。

最初は煙が出ますが だんだん落ち着きます!

火力が上がるまで約20分!! この待ち時間が さらに 食欲を高めます。!!

火力が上がった!さあ食べるぞ! バトル開始!

お兄ちゃんが焼く係? 弟が食べる係!

お店の味!! 本当に美味しい!!

素晴らしい!! 手間いらずで美味しい焼き肉!!

みなさんも是非試してみて。!!

電話 24-0250 和銅バーベキューセンター

日記・想い

良い家を造りましょう。

せっかく造るのですから住み心地が良く、健康で楽しく生活できる家にしたいですね。

お友達にも自慢できる素敵なおうちを造りたいですね。

そして本当に重要なのは、長持ちをする家を造ることです。

家づくりには大金がかかります。
2度、3度造れるのなら良いですが、普通の方には1度造るのが精一杯ですね。

やり直しはきかないのです。

勉強が大切

みなさん家づくりをするのに情報を集めて、いろいろ楽しみながら間取りの検討や性能の検討をしていると思います。

ハウスメーカーの住宅展示場に行っていろいろお話を聞いたりもしますね。

本や、雑誌、インターネットなどから情報を集めたり勉強したりもできます。

たくさん勉強して良い家が建てられるようにがんばりましょう。

その情報は正しいのか?

勉強していて問題なのはその情報が正しいのか?ということです。

例えば雑誌。
ほとんどの情報が割と正しいのですが、編集者さんが理解仕切れて無くて肝心なところで間違っている情報も多いようです。
 レベルを一般の普通の人に合わせすぎて 普通に建てられているおうちレベルで話が進んでいきます。本当に高性能な高いレベルの話は間違えているところも多いですね。
建築会社の紹介の安い本は建築会社が広告費を払って作っている雑誌ですから内容は二の次。

インターネット
ブログや、YouTubeも注意が必要です。
特にお客様が書いたものは、ハウスメーカーに書かされているものなどもあったりしてハウスメーカーに都合の良い内容になっているものもあります。
そうで無くても、少ない知識での思い込みなどで書かれていたり、自分の家の一部分を自慢するだけの特別なケースの事例なども多いようです。
プロが発信する情報でも、工務店の売りを宣伝するための偏った内容であったり、閲覧数を増やすための内容で極端なキャッチコピーで話を展開したり、ひどいものもあります。
その中で、役に立つ情報をきちんと見分けるのも大変です。
また、レベルの高い人たちの間で議論されている内容から比べると、まだまだ時代遅れの内容でとどまっているものも多いです。
見やすくて楽しいですが時間の無駄になるかもしれません。


住宅造りに関する本もたくさん出ています。
内容のレベルも様々です。
やはり、ハウスメーカー、工務店の宣伝のために書かれた本や、ジャーナリストが自分の知名度アップのために出版した本などもあります。
比較的きちんとしているのが、プロ向けの技術情報誌などで、プロのために連載されたものをまとめ直して出版した本です。内容もしっかりしていて間違っている内容はとても少ないです。基礎知識が無いと読みにくいかもしれません。最先端に近い内容が書かれています。

セミナー
ハウスメーカーや工務店が主催するセミナーは 都合の良い偏った内容になりがちなのは言うまでもありません。
国の機関などがやるセミナーは若干レベルが低い場合も多いです。
おすすめは、高性能な住宅作りを目指している団体などが行っている、プロ向けのセミナー。参加が可能なものもあります。
ハイレベルになればなるほどハイレベルな設計士さんや工務店が集まっていますから良い情報に出会える可能性も高いです。
ちょっと敷居が高いかもしれませんが勇気と時間があれば是非おすすめです。上級者向けですね。

勉強するしか自分の身を守れない

現代は情報がたくさんあります。良い、ためになる情報もありますが、どうでも良い情報や間違えている情報もとてもおおいのが実情です。
いや、どうでも良い情報であふれかえっていると言っても過言では無いです。
時間の無駄になるかもしれません。

住宅会社も自分のところの家を売りたくて、お施主さんをだまします。
自分のところが一番良いと思い込ませるのです。

だまされないようにするには、自分で知識を付けるしかありません。

きちんと勉強をするしか自分の身を守る方法はないのです。

大半の建築業者が、家を売ることだけに熱心で、良い家を造ることはおろそかにしている現実を解ってください。

そしてそれを見極められる目を養ってください。

みなさんにお勧め情報

私も職業柄、建築に関するネットなどの情報をたまには見ています。

見るに値しない適当なものがほとんどといえる中、きちんとした情報が発信され始めました。

松尾さんのyoutubeです。

https://www.youtube.com/channel/UCMzddq7FBK8DiP9-KPzhj9Q

普段は工務店や設計士さんなどに技術指導なども行っていてとても忙しいかたなのですが コロナの影響で時間がとれたということで動画を作り始めました。

私も昔からの知り合いで、情報交換をさせていただいておりますが、理論立ててきちんと整理できるところがすごいと尊敬しています。話を聞いているととても勉強になりすっきりすることが多いです。

住宅建築に関する知識が半端ない人です。

パッシブハウスジャパンの理事を 森みわさん 竹内さんと 務められております。(私は相談役)

このyoutubeの内容はプロも意識して造られているため、いきなりレベルの高い専門用語なども出てきますが、何度も聞いていると理解できてくると思います。
松尾さんは一般向けのつもりらしいですがプロも勉強になり話題です。
プロの方から松尾さんの内容について私のところに質問が来たりもしています。
すごい影響力です。

まだ始まったばかりですが、松尾さんの知識レベルだとネタ切れするには相当時間がかかると思いますし、どんどんレベルが高い内容になっていく可能性もありますので早めに聞き始めて知識レベルを高めていくのがおすすめです。

情報に惑わされない。情報を見極める。そして見つけ出す。

最後に重要なのは情報に惑わされないと言うことです。

自分の思い込みで 考えた家が 残念な家になってしまう人も多いようです。
良い部分だけまねした薄っぺらな住宅だったり、肝心なことを見落とした住宅だったりしてしまうかもしれません。

個人で専門知識をすべて網羅することはできませんから、結局プロの力を借りることになります。
そして、信用して頼んだ ハウスメーカーや設計士さんがあまりレベルが高くなく失敗してしまうかもしれません。

結局は、きちんと勉強している専門家に出会えることが一番の良い家を造る近道です。

情報をきちんと選り分けて勉強して身を守ると言うことは、レベルの高い専門家をうまく見つけ出し出会うと言うことかもしれません。レベルの違いを見極められる知識を付けることなのです。

みなさん 良い建築業者、設計士さんと出会え良い家ができると良いですね。

換気・空気

第三種換気とは?

ひとが住んでいると室内の空気は汚れますね。
そこで現代の住宅では換気は必ず必要です。
スカスカのおうちなら必要ないかもしれませんが、普通の作り方をすると空気の汚れは出し切れません。
そのため、現在の建築基準法では室内の空気を2時間に1回入れ替えることが義務づけられています。

換気の種類は換気扇の使い方で第1種、第2種、第3種と分けられます。

第1種は外の空気を取り入れるのも家の中の空気を出すのも換気扇を使う方法。
第2種は外の空気を換気扇で取り入れ、室内の空気は自然に出す方法。
そして今回取り上げる第3種換気は、外の空気を自然に取り入れ 室内の空気を換気扇の力で出す方法です。

ポイントは 換気扇の力で室内の空気を出すので、室内が負圧になり 結果的に穴が空いているだけの自然給気口から外の空気が引っ張り込まれると言うことです。

換気扇の外に出す力が強ければ強いほど、給気口や隙間から空気が自然に引っ張り込まれるわけです。

給気口と排気の換気扇はバランス良くつけましょう。

バランスが崩れると換気扇が空回りしたり、換気ムラが発生します。

最後はダーテイーゾーンから

常時人のいる場所にはきれいな空気が必要です。ですからリビングや,寝室子供室などの居室に外からの新鮮な空気を取り入れます。

そしてその空気をトイレや洗面脱衣室や浴室などの匂いの発生する場所や湿気の発生する場所から排気するように計画します。

上手に空気の流れを計画することが大切です。

空気の汚れと流れをイメージしましょう。

気密がとれていないと全くダメ。

気密性能があればきちんと空気が流れます。

気密性能が無いと!

いろいろな隙間から空気が出たり入ったりしてしまいます。
きちんと換気が制御できませんね。
空気が汚いところができてしまいますね。
寒い空気が出たり入ったり。とても寒いです。

冷たい空気が直接入ってくる

気密がとれているとしても、給気口から入る空気は、外の空気そのままです。

寒い冬に外が氷点下なら、なんとマイナス温度の空気が入ってきてしまうのです。

この問題点は、高断熱に熟練した設計者なら上手に解決することもできるかもしれませんが、かなり難易度が高いです。

残念ながら大手ハウスメーカーの設計でも全くできていない場合が多く残念なことです。

窓開けすると!

トイレの窓、脱衣所の窓を開けるとどうなるでしょう。

トイレの窓から空気が入り、直接トイレの換気扇からすぐに空気が出て行きます。トイレのところだけ循環してしまうわけですね。
そこだけで、「吸って吐いて」をしてしまいます。
脱衣所の窓から空気が入り、脱衣室の換気扇から空気が出て行きます。
これではリビングの自然給気口から空気を引っ張れないですね。
窓開けすると 計画通りに空気が流れません。

2階建てでは?さらに難しい。

2階建ての場合を考えてみましょう。

最近の住宅では1階にも2階にもトイレがありますね。 そのため1階に給気口と排気口 2階にも給気口と排気口と計画される場合が多いです。

上下の圧力差の発生

暖かい空気は上に向かって行きます。

そのため室内では下から上に向かって空気の流れが出てしまいます。

この空気の流れによって1階は負圧になり外から空気が入って来やすくなり、2階は外に向かって空気が出て行きやすくなります。

そうするとどうなるでしょう。

本来空気を出すための1階のトイレの換気扇からは空気が出にくくなり、1階のリビングには外の空気がたくさん入ってきます。

2階の寝室や子供室には外から空気を取り入れる給気口があるのですが、内外の圧力差のために空気が入りにくくなったり時には空気が出て行く口になってしまうこともあります。

きちんと換気が行われない可能性が高いですね。

本来の空気の出入りが制御できないこの現象は、温度差だけで無く、屋外で吹く風などでも起こります。
空気が出るための面に風が当たれば出にくくなったり、空気が入る面が風下になれば、家の中に入らず引っ張り出す口になってしまうのは,容易に想像できますね。

上下に空気の流れができてしまうと

暖かい空気が上に行き隙間から冷たい空気が入ってくるとどうなるでしょう。

上下の温度差が大きくなりとても寒くなります。

暖房しても頭が熱くなり、足下が寒いという 不快な状態になりやすいです。

第三種換気はとても難しいですね。

それでも第三種が多い理由

これほど問題の多い換気方法にもかかわらず、ほとんどの住宅会社が第三種換気を採用するのはなぜでしょうか?

それは 圧倒的なコストの安さです。

第一種換気では数十万円かかりますが、第三種換気は数万円ですみます。
全く違いますね。

多くの住宅会社が 実際に換気が機能しているか?快適性が確保できるかはほとんど興味が無いのかもしれません。

ひどい話ですね。 私もそのような家に出くわすことが度々あります。
とても残念です。

もう一つの理由に、施工性があります。

第一種換気は 複雑なダクトの設置が必要です。

しかし第三種換気では、ほとんどの場合はダクトの必要は無く、もしダクトを使うにしてもダーティーゾーンのみですからとても単純です。

設計も楽

入り口と出口をつけるだけ。ダクトが無ければ、計算もほとんどいりません。
ダクトがあるとパイプの圧力損失などの計算が必要です。

メリットは無いのか?

第三種換気の良いところはないのでしょうか?

それでも、高断熱のスペシャリストが第3種換気を選ぶこともあります。

それは消費電力の少なさです。ダクトを使わないシステムの場合わずか 数Wですみます。

第一種換気は給気も排気も換気扇を使います。消費電力は単純に倍になりますね。

さらに第一種換気の場合は、熱交換換気とすることが多いですから,より圧力損失があり、モーターのパワーが必要です。50W位必要です。

単純な第三種換気の場合、とても省エネですね。

しかし冷たい空気を暖めなくてはなりませんので冷暖房エネルギーはたくさんかかりますので一般的にはエネルギーはとても増えてしまいます。

換気での熱損失があっても、室温が下がらない、温度ムラのできない、すごい設計と、ミスの無い施工。それができれば考えても良いでしょう。

かなり難易度が高いですね。私も場合によっては第三種換気を否定しませんが、高度な設計、高度な施工、きちんとした使い方。
長年の経年変化による気密の維持などたくさんのハードルがあります。
それならば、確実な計画、施工ができる第一種熱交換換気を選ぶのが無難だと思います。

結論

第三種換気は、難しい。大きなリスクがある。

それでも値段優先ならば、覚悟して採用。

私は確実な性能住み心地を重視するため使わない。

お知らせ

JBN 環境委員会でのセミナー

午前中に役員会議をして次回以降の話し合いなど

午後は サッシメーカーさん各社に来てもらい 耐久性に関する発表をしてもらいました。

特に樹脂サッシの耐久性 本当に長持ちするのか。部品はいつまで供給されるのか?

建材試験センターさん 三協立山さん リクシルさん YKKさん チャネルさん シャノンさんの順番です。

長期優良住宅は適切なメンテナンスを行いながら100年住む住宅を目指しています。我々工務店がどんなにしっかり作ろうと 建築に使われる資材がしっかりしていないと、まったく長持ちしませんね。

そこで 我々JBNが音頭を取り各メーカーさんに色々話を伺う機会を設けたわけです。

私たちが一番気になるのは、樹脂サッシがどのくらい持つのかということ。LOW-Eガラスの性能がどのくらい維持できるのかということです。

皆さんはどのくらい持つと思いますか?
アルミサッシと比べてどうだと思いますか?

クレセントやパッキンなどの稼働部品や消耗品は何年くらい持って、部品の供給体制はどのようになっているかと思いますか?

微妙な問題も含んでいますので ブログでの書き込みは控えますが 大変有意義な勉強会でした。

詳しい情報は 当社に直接お越しいただければお話いたします。

びっくりするような様々な内容のお話をお教えいたします。

断熱・気密

今回は天井、屋根、壁、床などの部位別の考察をしてみます。
断熱性能も各部位が弱点無くできていることが大切です。

それでは見ていきましょう。

各部位の仕様

3地域断熱と書いてあります。5地域なのに3地域仕様ですと言っていますね。

屋根

一部屋根断熱です。

内側から
石膏ボード9.5mm
ネオマフォーム60mm(λ=0.020)木材60mm 木部率9%
ネオマフォーム60mm木材60mm 木部率13%

U=0.189W/㎡K

石膏ボード9.5は12.5の間違いでしょうか?省令準耐火でしょうから。
ネオマフォームの60mmをダブルにしているだけあってとても良いですね。

天井

メインは天井断熱です。

石膏ボード9.5mm
グラスウール220mm(λ=0.038)木材 木部率13%

U=0.17W/㎡K

ここも12.5mmの間違いでしょうか?安全側ですから良いですけど。
すべての梁が220mmあるわけでは無く105mmのつなぎ貼りもむ受けられましたのでグラスウールを1段1段分けて計算すればU=0.16位にはなりそうです。

外壁

石膏ボード12.5
グラスウール(λ=0.038)100mm 木材 木部率17%
密閉空気層 5mm 木部 木部率0%?

U=0.43W/㎡K

まずは以前触れた木部率 私が構造図から拾うと柱間柱だけでも33%ありそうでした。これは大分違いそうです。
さらに密閉空気層部分に木部率が計算してない?わずかだけど有利側ですね。数字に表れてきませんが。
私が計算すると

U=0.52W/㎡Kでした。 間違っていたらごめんなさい。実際は2割も悪くなってしまいます。木材の面積比率は省エネ基準に載っている値なので在来軸組構法はこれで計算できますが,ビックフレーム構法までこの比率が使えるとは思ってもみませんでした。

この家ではありませんが真壁のデーターもあったので載せておきます。真壁ですと U=0.53W/㎡K だそうです。グラスウール24K75mmです。

床(一般部)

木質系フロア 厚みなし 
下地合板 24mm
押出法ポリスチレンフォーム3種(λ=0.028)100mm 木材 木部率15%

U=0.33W/㎡K

床は断熱が評価できないものもありますから0にして安全側にしていますね。
フローリングを計算に入れてもさほど大差は無いですから計算が楽であったり仕様変更があっても数字が変わらないようにそうしているのでしょうね。

床(畳)

畳45mm(λ=0.08)
下地合板24mm
押出法ポリスチレンフォーム3種(λ=0.028)100mm 木材 木部率15%

U=0.27W/㎡K

畳の床があるのに計算書では使われていないで一般部の床で計算してありました。これは安全側なので良いとしましょう。

床(外気に接する)

ポーチの上の2階の床ですね。

木質フロアー 厚みなし
硬質石膏ボード12.5mm
床下地合板 24mm
グラスウール32k(λ=0.036)180mm 木材 木部率15%
U=0.23W/㎡K

実際に計算すると2階の床の場合は天井断熱の場合の木部率と違ってもっとありますね。まあルールがありますからこれでいいのですけど。我々は正確に出します。

床(床暖部)

ここがよく分からないところです。図面には仕様が書いてあるのですが外皮の計算書では計算に入れてない気がします。

仕様書から読み解くとこのような感じです。

フローリング 12mm
床暖パネル EPS12mm (想像)根だなし(あったらもっと悪くなる)
グラスウール(λ=0.036)60mm 木部率23.2%(構造図より)

U=0.47W/㎡K

床暖パネル部は有利になる用に計算しました。
しかしなぜか断熱材が薄いのでこのようになります。
これが計算から漏れている気がするのです。

しかし、入れたとしても熱貫流が3W位の差ですからまあ大差ありません。

基礎(内部)

押出法ポリスチレンフォーム3種(λ=0.028)20mm
コンクリート140mm

U=1.05W/㎡K

基礎(外周)土間床

立ち上がり部
押出法ポリスチレンフォーム3種(λ=0.028)20mm
コンクリート140mm
水平部
押出法ポリスチレンフォーム3種(λ=0.028)20mm 幅900mm

0.64W/mK

玄関ドア下は立ち上がり部の断熱は全くしていないようです。

1.75W/mK

どこが弱点か見てみましょう

床で断熱できていない玄関や浴室の外周回りの基礎が弱いですね。
その部分が4.06mありますので 4.06×0.64=2.60W/Kです。
全体の熱貫流量が152.7W/Kですから1.7%ですが、ほかに比べて極端に低いところがあるとそこだけとても冷たくなります。結露などの恐れも出てきます。少し怖いですね。

最も気になるところは外壁です。

0.43W/㎡Kと外気に面する天井などに比べてもとても大きい値です。

窓やドアは開口部ですので除外して考えます。床も床下の比較的温度が安定している部分に面してますので今回は抜いてみましょう。

そうすると外壁は天井の倍も熱が漏れやすいことが分かります。

さらに問題となるのは、外壁は一番面積が大きいということです。面積まで考慮して熱の逃げを見てみましょう。

全体の逃げる熱の45%外壁から逃げることが分かります。

窓が28% 天井が9%です。

窓が多いのはやむを得ないとは思いますが、壁がもう少しどうにかならなかったのかと思います。

まとめ

正直に書いてくれとオーナー様より言われていますのであえて書かせていただきます。住友林業さんが怒るかもしれませんが事実なのでやむをえません。

断熱量が平均的にまあまあのレベルでとどまっています。

外壁は一般的に建てられているハウスメーカー以外のところより見劣りします。高断熱とはいえない一般的なレベルです。正直に言うと高性能グラスウール(λ=0.038)100mmですから高断熱を唱っている建売住宅でもこのレベルと同じです。むしろビックフレームがある分、断熱材が入らなくなりますから不利でしょう。

天井は建て売りより少し良いです。ここで全体の数字を下げることに寄与しています。建て売りだとグラスウール100mm位でうまくクリアーさせているところもあります。それに比べればきちんとしています。屋根裏は暑くなったり放射冷却の影響なども受けやすいですから少し良くしておくのは当然ではあります。

窓はオーナーさんがオール樹脂サッシに変えて正解です。これが標準のアルミ樹脂サッシだったら結露などの心配も増えたかもしれません。

基礎、土間に関しては「どうしてここまで薄くするの?」と思ってしまいます。面積が小さいので数字には表れてきませんが、ほかに比べて特別に性能が悪い場所を作ることは危険だと思います。

外壁に関してもう一つ心配があります。現代のエアコンの使い方の問題です。
近年はお客様がたくさんエアコンを使いますし外気温は高温高湿度となります。

グラスウールの内側の防湿フィルム面に夏型結露の恐れがあるかもしれ無いと思ったのですが大丈夫そうでした。一瞬結露するかもしれませんがすぐ乾くようです。結果は設定により大きく変わります。割と厳しめに考えた結果ですので心配ないです。
住友林業さんできちんと検証していると思うので心配すること無いですね。
我々は安全を考えて可変透湿シートにしたりすることもあるので少し心配してしまいました。断熱材がそれほど厚くないので問題にならないかもしれません。
それでも夏のエアコン使用時に過度に温度を下げ過ぎない方が安全ですね。

冬の内部結露に関しても全く大丈夫そうです。耐力面材を使ってないですし期ずれパネルで通気もとれていると思われるので心配ないですね

結論としては、
大手ハウスメーカーが自信を持って 「これで高断熱」と言ってしまうのかと思うと残念です。
我々とくらべて大きく見劣りします。
それでもお客様を納得させることができるのですからすごい営業力だと思います。

ここまで言ってしまい申し訳ございません。
事実のみおはなししているつもりです。
間違いがございましたら訂正いたしますので、ご連絡いただければと思います。

断熱・気密

住友林業の家の絞殺をする前におさらいです。

現在のH28基準では 断熱量を外皮平均熱貫流で評価します。
いわゆるUA値です。

建築省エネ機構

簡単に言うと 壁や床、屋根 、天井、基礎、窓の断熱量の平均値です。

日本を8つの地域に分けて基準を決める

この断熱基準では日本を8つの地域に分けています。

IBECホームページから引用

5地域から7地域までは UA=0.87W/㎡kです。オレンジ色からピンクまでですね。範囲がとても広いです。
とても同じ気候とは思えません。秩父のように朝の最低気温がマイナス10度近くになるところから、霜も降りない。氷も張らない。プロ野球のキャンプをするような暖かい地域まで同じです。
当てにならないのが分かりますね。

これは暖房度日という指標を元に決められたものなのでかなり大雑把なのです。冬の暖房期間すべての日を暖房目標温度と一日の平均気温の差で積算します。

海沿いは温度が安定しているので良いのですが、内陸のように朝と日中の温度差が大きい地域では、影響が全く異なりますので、実際におうちを作る時には注意が必要ですね。私は気象庁のデーターを調べ最低気温平均に応じて地域を選べ直した方が良いと考えています。

秩父市は青森市よりも朝が寒い!

地域区分が当てにならないのを分かっていただくために参考に秩父市と青森の温度データーを記載します。


昨年の1月の最低気温平均です。秩父がマイナス4.0℃ 青森市がマイナス3.1℃ですね。秩父の寒さは一部の北東北より寒いのです。

埼玉県ですと鳩山近辺も寒いです。

昨年は秩父よりも朝、寒かったようですね。

このように地域によって様々です。
朝寒いのを我慢できれば良いのですが、朝起きた時にストレス無い生活をしたいなら朝の冷え込みをターゲットに家づくりをした方が良いですね。

住友林業の家の外皮平均熱貫流率は?

今回の住宅の計算書を見ますと外皮平均熱貫流率は0.47W/㎡kと記載されています。5地域の国の基準は0.87です。国の基準を満たしていますので等級4で最高性能ということになります。サッシを標準から変えて良かったです。
皆さんは国の基準は最低基準だとご存じでしょうからあえて国の基準についてのお話はいたしません。
この基準をクリアーしていることを自慢げに最高基準を満たしているので高気密高断熱だとハウスメーカーが言っていたとしたらとても残念です。
この基準は20年も前に作られた基準が元になっているからです。

実際にカタログなどで東北地域レベルの断熱性能などと書いてあったりしますが、そもそも、様々な理由でそれではあまり暖かくならないのです。

HEAT20のグレード

国の基準があまりにもお粗末なので、別に推奨水準を定めようという団体があります。HEAT20という団体です。


http://www.heat20.jp/

現在ではきちんと断熱をしている住宅会社は、国の基準はほぼ無視して、この基準で判断されることが多くなっています。

HEAT20ホームページから引用

5地域 G1グレードで0.48 G2グレードで0.34です。

この家はG1グレードは満たしていることになりますね。この点ではまあまあと言っても良いと思います。サッシが標準だとG1にはならなかったともいます。

G1グレードのシナリオはどういうものなのでしょう。

G1グレードはどういう基準?

G1グレードはモデルプランにおいてこのような内容で決められています。

エアコンはLDKで14時間 寝室で3時間 子供室で3時間つけます。
ずいぶん長いですね。夜寝ている時は消してまた朝つけます。

そしてお部屋の体感温度(輻射面温度なども考慮した温度)が15℃以下に20%位はなってしまう。たまには15度以下になるけどまあまあ15度以上だと言うことですね。
簡単に言うと朝15度以下になる日がたまにあるということです。

これだけエアコンつけるのだからそれほど断熱性能が良いといえませんね。

下の段の表では10度以下にはならないレベルと書いてあります。
それまでに寒い家にお住まいでしたら「新しい家は暖かいね。」ということになりますが、それほどでも無いですね。

このレベルでは吹き抜けは危険。光熱費もかかる。

実は 20年前に建てた私の家がこのレベルなのです。
ですから住み心地などが大体分かります。

このレベルですと 吹き抜けは危険です。
気密性能がとれていても断熱レベルが低いため温度ムラがかなりできてしまいます。私の家ではシーリングファンを回しっぱなしにしないと上下温度差がかなりつきます。現在の高断熱の家ではほとんど温度差はつきません。


このG1のシナリオで暖房時間13時間と書いてありましたがそれほどでは無いにしても 相当エアコンもつけますから、暖房費もまあまあかかってしまいます。
部分完結暖房のシナリオですから吹き抜けは想定されていません。
今回の調査のおうちは吹き抜けはありませんので良かったですが、階段室を通って2階に浴室脱衣室という間取りなのでやはり少し多めに暖房は必要になるでしょう。

20年前に建てた今回調査の家と同レベルの私の家で、なんとか今建てている超高断熱のおうちのように暖かい生活をしようとエアコンつけっぱなしの連続運転をしてみると電気代もとてもかかります。1月に1ヶ月間エアコンをつけっぱなしにしてみました。
518kWhです。26円・kWh出計算してみると 暖房だけでなんと13312円 かなりかかっています。
さすがにこれだけ暖房すれば脱衣室でもトイレでも24時間寒くは無いです。

しかし暖房費以外にも決定的な差があります。

住み心地が違う。その違いは表面温度

断熱性があまり良くないおうちは、エアコンをつけっぱなしで頑張れば温度だけは、超高断熱のおうちと同じように室温を20℃くらいに維持できます。
しかし、決定的な差があります。
それは表面温度の違いです。
暖かい家ではどこでも表面温度が同じで優しく包まれている感じの暖かさなのですが、断熱性の低いおうちでは表面の温度を補うために少し暖かめにしないと暖かいと感じないことが多くそういう感じがしないのかもしれません。

室温と同じくらいに表面温度がなっていると快適だと感じますね。

温度ムラが無く室温と同じくらいに表面温度が維持できるのは 私の経験上G2レベルくらいが必要と考えています。

まとめ

このレベルでも基準はクリアーしていますので高断熱というのは嘘ではありません。

しかし、お客様は暖かく住み心地の良い家を希望したとのことです。

ハウスメーカーさんは自信を持って「十分暖かい。」と説明したとのことです。

このお客様はたくさん勉強している方なので、もちろんUA値などのことは理解していて、現在ではUAが0.3位の家があるのも知ってらしたそうです。

それでも、これほど大きなハウスメーカーが自信を持って「この仕様はすごいから十分に暖かいから大丈夫。」と言ったのを信じてしまったとのこと。

本当の暖かい家を求めていたのにちょっと気の毒です。

私の私見ではありますが G2レベルをクリアーしていれば、パッシブハウスレベルまで行かなくとも暖かさの体感はとても良いと思います。もちろんパッシブハウスレベルの方が良いのは当たり前ですが。

これから建てる皆さんは是非G2レベルをまずは目指してください。

断熱・気密

今回は窓について考えてみましょう。

まずサッシの種類です。

サッシは大きく分けて

アルミ製のもの
アルミと樹脂の複合のもの
樹脂だけでできたもの
木製

と大別されます。

フレームがアルミのサッシは熱のロスが大きいので使われなくなってきました。
樹脂サッシの性能が良いのですが、価格や防火の関係で大手ハウスメーカーではアルミ樹脂複合サッシを使うところが多いようです。

住友林業の標準仕様は三協立山のアルジオのペアガラスのようです。カタログを見ると標準的な大きさの縦滑り出しUw=2.15とありました。(間違っているかもしれませんがアルミ樹脂複合LOW-Eペアならほぼ同程度でしょう。

今回の調査した物件はオーナーさんの希望でAPW330の樹脂サッシに変えてありました。住友林業の計算書を見るとUw=1.51です。かなり良いですね。

当社で使っているYKKAPのAPW430 トリプルガラスですとUw=1.11のようです。標準仕様と比べると倍くらい性能が違いますね。(06011縦滑り出し)WINDEYEデーター添付します。

サッシの影響

サッシの性能は大きく影響します。
壁や天井の断熱性能と比べ5倍10倍もサッシの方が悪いからです。
熱貫流率が一桁違います。

この住宅の計算書から代表的な部位の数値を比較してみました。ドアや窓の性能がそのほかの部位に比べて大分性能が悪いのが分かります。

ドアが一番悪いのですがドアは一つですし面積もさほど多くはありません。
先ほどの数字に部位ごとの面積をかけると部位ごとの熱の漏れる量が分かります。

外壁と窓の熱貫流量が多いのが一目で分かりますね。

サッシの選択が大きな影響をもたらすのはおわかりいただけたと思います。

窓は構造によらず商品を選択すれば良いだけですから、比較的性能を上げたり下げたりが容易です。

もし違うサッシだったら?

この住宅がAPW330の樹脂サッシに変えずに標準のアルミ樹脂複合サッシだったらどうだったでしょうか?
仮に平均U=2.15としてみます。

窓の熱貫流量が42.44から57.878に増えました。15.4Wの差です。

アルジオ APW330 APW430トリプルガラスの熱貫流量の比較です。

サッシによる差が大きいことが一目瞭然ですね。

サッシの違いでUAはどう変わるのでしょうか?


サッシを変えるだけでUAが大きく変わります。

アルジオアルミ樹脂だとUA=0.51

APW330樹脂ペアならUA=0.47

APW430トリプルガラスならUA=0.42です。

性能を簡単に変えられ部位だとおわかりいただけたと思います。

サッシの種類による価格差は

サッシをお気軽に変えるだけで住宅全体の性能が1割づつくらい変わります。

それでも価格が心配で、そう簡単には変えられないかもしれませんね。
サッシの価格はとても様々なので一概に比較することは困難です。

それでもあえてざっくりというなら
サッシの価格差はそれぞれ50万円位の差では無いかと想像できます。
もう少し少ないかもしれませんし,多いかもしれません。
皆さん、おうちをお建てになる時に値段を出してもらってください。

ガラスの選定

ペアガラスと言っても性能は様々です。ガラスによって全く違います。ガラスとガラスの間の空気層も6mm位しかないものから16mm位までのものがあります。
ガラスを支えるスペーサーも熱を伝えやすい金属製と伝えにくい樹脂製があります。
中の空気層も熱を伝えにくいアルゴンガスやクリプトンもあります。
熱を反射させるガラスのLOW-E膜も内側だったり外側だったり1層だったり2層だったりします。

それらの違いにより全く性能と価格が違うのです。
ローコストメーカーのガラスはレベルの低いものが多いです。
お客様は分かりませんから最低限のものを使うのです。
「当社もペアガラスですよ!」と言われれば同じだと思ってしまいます。
安い住宅会社は安いなりの理由があるのです。

このおうちは全部が遮熱複層ガラスとなっています。(防犯あわせになっている)
もちろんアルゴンガス入りのLOW-Eガラスですし
ガラスのスペーサーは熱を伝えにくい樹脂タイプです。

空気層も厚いタイプですので選択としてはとても良いと思います。
勉強されているオーナー様ですね。

断熱性能優先の選択ですね。

しかし、もう少し踏み込むなら、割と日当たりの良い家なので南面は遮熱型のガラスでは無く日射取得型の方が良かったかもしれません。
ガラスのU(熱貫流率)は悪くなりますが、遮熱型に比べて5割以上太陽の熱を取り込めるようになります。
一般的には関東地方のように冬に晴れの日が多い地域では南面は日射取得型が熱的には有利とされます。

UAは悪くなりますが暖房負荷は下がり省エネになると思います。

計算書の記載が間違っているだけで実際には日射取得型にされているかもしれませんね。

窓の役割は光の取り込みと太陽熱の取り込み

冬の日差しは主に南側から入ってきます。夏の太陽は日が高くなり屋根の上を通りますのできちんと庇があれば南の窓からの熱い日差しは遮れますね。

このおうちは,格好良く屋根が大きく軒の出が大きいですから、夏の日差しは遮れそうです。

そうするとやはり南側は冬の日差しの温かい熱を積極的に取り込めるガラスを選定すべきだったかもしれません。

しかし、今日ではプライバシー重視でカーテンを開けないかもしれませんし、今後の気候変動で冬寒くなくなり夏暑い方が重要になってくるかもしれませんので、夏重視で南面も遮熱複層ガラスという選択もありかもしれません。

私もいつも悩むところです。

サッシのまとめ

サッシはとても良いものを選択されています。
さらに良くトリプルガラスの選択もあったかもしれませんが、この住宅のほかの部位の熱的性能のバランスから言うとサッシばかり良くなってもダメです。

しかし前述したようにサッシからの熱損失は大きいですし容易に性能をあげやすいですからサッシをオール樹脂のAPW330にしたのは本当に良い選択だったと思います。

ハウスメーカーも思い切って標準仕様を樹脂アルミから樹脂サッシに変えたら良いのでは無いかと思いました。

調査依頼受け付けます。

このブログをご覧になられた方から相談がありました。

調査依頼はお気軽にお声がけください。実費かかりますが建物の断熱性能を調査いたします。
「暖かい家を建てたつもりだけど寒い。」
「上手に作られていない気がする。」
「もう少し住み心地をよくするには?」

実際の性能を知ることが今後の断熱改修などに役に立ちます。
 メールは info@ta-k.jp です。

断熱・気密

少し日が開いてしまいましたが,報告を続けます。
最初にお断りしているとおり、住友林業で家を建てたオーナーさんの希望で皆さんに真実を知ってほしいと言うことですので、調査結果を公開させていただいています。

玄関土間、玄関ドアの熱画像

玄関土間Sp1 11.5℃ 玄関ドアコーナー6.9℃です。

内部に近い方の玄関土間で13.1℃です。

玄関ドアがUw=2.33W/㎡Kと計算書に書いてありました。
YKK製品のヴェナートです。一応,このシリーズの中では最も高性能とされているD2仕様のドアですので、普通に選ぶなら選択が間違っていたと言うことではなさそうです。しかし近年はUw=1.0に近い製品も多数発売されています。Uw=1.5位のドアも多く使われています。
この数字は逃げる熱量を表していますので小さければ小さいほど断熱性能が良いと言うことになります。

ローコストビルダーなどではUw=3位のドアもまだまだつかわれていますからそれに比べれば高断熱といえるでしょう。

しかし天井や壁などの断熱されている部分はU=0.2とか多くてもU=0.5とかだと思うので同じ面積なら5倍以上も熱が逃げます。このように大きな欠点となるところはできる限り頑張りたいものです。

また、玄関の土間ですがこの部分は基礎断熱となっています。
しかし熱画像で見て分かる通り表面温度はかなり低いようです。
これは,断熱量が少ないためでしょう。
図面を見ると押出法ポリスチレンフォーム3種(λ=0.028)が20mmです。

計算の影響が少ないのでかなり薄くしているものと思われますが、熱画像を見て分かるとおりかなりの熱が漏れています。

約20年前にできた高断熱の基準を引き継いでいる現行の遅れた基準でも、計算によらない熱抵抗は1.7となっています。

熱抵抗1.7は この断熱材厚50mmに相当しますから、このおうちの20mmは薄いですね。しかしこの表によらず、天井や窓など、ほかの部分トータルで併せて数字をクリアーできても良いのですから、この薄さが間違いではありません。

でも、国で定めている部位ごとの熱抵抗値をクリアーできていない部位があるのは、少し残念ですね。

玄関ドアとタイルの床のコーナーの熱がとても逃げているのは、玄関ドアの取り付け方による問題もありそうです。できるだけ熱橋とならない工夫をするともう少し良かったかもしれません。しかしこの部位は我々でも難しい場所です。

壁のコーナーの熱画像

おうちの隅部分です。この家はおうちの角部分が見える場所がトイレでした。

便器は電気を使っていますから暖かいですね。
たくさん熱を発していることから割と電気を食うのが分かります。

家のコーナーから熱が漏れやすいのでコーナー部分を見てみましょう。
El1 9.1℃です。
温度が低いと言うことは、ここからたくさん熱が逃げていると言うことです。

床も11.3℃ 壁も11.8℃と少し寒いようです。

このコーナーから熱が逃げるのはコーナーに柱があったり土台がありすぐ下は外気を通す基礎の通気パッキンとなっていることが影響しています。断熱材が全くない部分です。

参考に熱橋対策をしているおうちの画像を載せます。

このトイレもおうちの角ですが 一番寒いところで14.9℃
壁16.3℃ 床16.2℃です。

ビックフレームの熱画像

住友林業の特徴と言えばビックフレームです。耐力壁を設けずにすみますから大開口が可能となるとても素晴らしい構法です。しかし思わぬ弱点となっていました。

ビックフレームがはっきり見えるほど温度差が見えます。

どこに大きな柱があるか分かりますね。

これは大変なことです。性能を表す外皮計算書を見てみると断熱材と柱の割合を17%で計算しU=0.43となっています。しかし私が構造図から計算すると土台や桁などは除いて計算しても柱の割合が33%位にもなってしまいU=0.52と2割も悪くなってしまいます。

別に計算方法に誤りがあるわけではありません。木造軸組の場合、きちんと比率を計算しなくても17%で計算しても良いことになっているからです。しかしビックフレームの場合には大きな誤差が出ますのできちんと木部率を計算し外皮の熱損失量を出した方が良さそうです。

天井と壁の境の熱画像

家を格好良く見せるために屋根を低く2階の天井すれすれに作ります。
そのためどうしても天井近くに屋根を支える木材(軒桁)が来てしまいます。

それがやはり熱を伝えるのです。

デザインとの兼ね合いもありますからやむを得ないのかもしれません。

エアコンの配管

ここも熱が逃げやすいところです。エアコンの管を通す壁の穴から冷気が入っているのが分かります。
これは我々でもしっかり施工するのは難しいです。
電気屋さんに指導していますが、きちんとやるには相当苦労します。

床暖の熱画像

床暖パネルが敷かれているところが28.3℃ 敷かれていないところが22.3℃です

暖かいですね。とても気持ちが良いです。

ヒートポンプ式の温水床暖房なので機器の効率も良さそうです。

しかし外皮計算書を見ると床暖が敷かれていない廊下などは 押出法ポリスチレンフォーム(λ=0.028)が100mmなのに 床暖があるLDKは高性能グラスウール(λ=0.036)が60mmのみとなっています。

床暖の熱が床下にたくさん漏れてしまって、もったいない感じがしますが、本当に計算書通りに作ってあるか調べませんでした。できればほかの床と同じように高性能な断熱材を暑く施工されていることを祈ります。

床部分の熱貫流率の計算も私がやるのと若干の差が出ていました。

サッシのフレーム ウォームエッジからの熱損失



この家では標準仕様では無く APW330というオール樹脂サッシを使い さらにガラスのエッジは樹脂スペーサーをきちんと使っています。そのため熱の逃げが小さくなっています。とても良い感じです。

これが 標準のアルミ樹脂複合サッシだったりするととても冷たくなります。オーナーさんがきちんと選んで取り替えてもらったみたいです。

天井断熱材の施工は単純だけど難しい

高性能グラスウール(λ=0.038)110mmを2枚重ねのようです。
U=0.17W/㎡kとまずまずの性能です。

袋入りの天井断熱材の施工は割と難しくなかなかうまくいきません。以前Sハウスの天井裏に入った時はがっかりするような施工でしたがこの家はとてもきちんと施工できていました。

それでも袋入りを並べていくのですから若干の隙間は出てしまいます。

隙間から熱が漏れていいます。

換気ダクト 24時間換気 排気の熱損失

この家は第三種換気ですのでこのパイプを通る空気は排気です。

お部屋の空気を外に出すパイプです。

暖かい室内の空気がこのパイプを通って捨てられていくのが分かります。
この捨てられる暖かい空気の量だけ外の冷たい空気がそのままお部屋の中に取り込まれてしまうのです。

第一種熱交換換気扇にすればこの熱が回収できますのでとても暖かく省エネとなります。

まとめ

熱画像を通して分かることはとても熱を通しやすいところ(熱橋)が多いことです。特に面積が大きい外壁の木部率が高く熱が逃げやすい構造です。
また、土台、桁周りの部分も熱橋となっています。

天井もすぐに桁があるためどうしても木部率が高くなります。

オーナーさんが 大きな欠点となりやすいサッシを 高性能樹脂サッシに変えていますのでの熱貫流がとても少なくなり他の部分をカバーしていると考えられます。

施工は丁寧ですし、計算的にはH28基準も十分クリアーしていますので、問題とはなりませんが、お客様が気がつきにくい部分は曖昧に考えているような気がします。ハウスメーカーの研究所のレベルでは分かっているはずなので、基準をクリアーをすれば良いというのでは無く、もう少し工夫をし実際の性能をだせる方法がありそうだと感じました。

断熱・気密

本当の温かい家を知ろう

当社で建ててくださったおうちのデーターを回収してきましたので公開します。
圧倒的な性能なのでびっくりするかもしれませんが、多くのハウスメーカーでは建てられない、このレベルのおうちが普通に建てられていることを皆さんに知っておいていただきたくて,公開いたします。

この家の概要

UA=0.25W/㎡K C=0.065c㎡/㎡
当社で作る家の断熱量はほとんど変わりませんが、家の大きさ間取り、窓の付け方、日の当たり方で UAや暖房負荷がおおきく変わります。この家はほぼ南向きで日当たりの良い45坪あるおうちです。小屋裏収納とロフトも7.5坪あります。
吹き抜けもあります。

少し大きめなのでUAは小さめになります。

実際の温度データー

温湿度のデーターロガーを外気、リビング、脱衣室、寝室に設置し約10日間測定しました。一番下の赤いラインが外気温です。
そのほかは温度ムラが無く、どれもほぼ同じですね。

秩父は寒い!!

 今年はとても温かいです。しかし、朝の気温がマイナス6.7まで下がってしまっている日がありますね。
 秩父は盆地で夜間とても冷え込みます。朝の冷え込みは北海道並みです。秩父の朝の冷え込みは青森市よりも寒いのです。(気象庁データー調べ)

まるで春のような暖かさ

 この住宅はとても温かい高性能住宅です。
 様々な工夫がなされています。

 朝の最低気温がマイナス6.7℃になった時でも,暖房もしないでリビングは17.1℃の温度が維持されていたことが分かります。
 このようなおうちでは、暖房して17℃ではなく一番寒くなる窓の影響により徐々に温度が下がり17℃になってきていますので壁や天井などの表面温度は2度くらい高いことが多いです。
 ですから室温以上に温かく快適に感じます。

無理に暖房して温かくしているお部屋とは違い 「まるで春のような暖かさ」と多くの方がおっしゃります。

暖房時間は少なくても十分

それでも全く暖房がいらないかと言えばそうではありません。

当社で建てた方でも、人によっては暖房がいらないと全く暖房しない方もいらっしゃります。
エアコンもこたつもファンヒーターもつけないのです。
逆に真冬なのに暖房をして、すごく暑くしてすんでいる方もいるのです。
「毎日がハワイ」と豪語する方もいるのです。

このおうちでもほとんど暖房はせず,たまに寒い時だけ暖房をしているようです。

このデーターを見ると朝、6時から7時30分くらいまで暖房している日があることが分かります。

エアコンはつけっぱなしの方が効率が良いと言う記事がたまに見受けられますが,それはまだ中途半端なレベルのおうちなのかもしれません。当社レベルの住宅になるとほとんど暖房はいらないので寒くなった時だけ短時間動かすのが消費電力が少ないようです。

6畳用エアコンで十分

この住宅の暖房に使うエアコンはなんとリビングにある6畳用1台です。

秩父の寒さ、45坪+アルファのおおきさ。さらに吹き抜けもある
それでもこの温度データーです。

「吹き抜けは寒くなるから作らない方が良い。」とネットの記事などでありますが、それはレベルの低いおうちの話です。

6畳用エアコンでもフルに動かすと暑くなってしまいます。

お風呂に入る時も寒くない

日が沈み、夜になると温度が下がっていき7時頃外の温度が1℃になってしまっているのが分かります。でも脱衣室の温度は約20℃。

お風呂に入る時やお風呂から上がる時は裸になっていますから脱衣室の温度が20℃はありがたいですね。

これも無理に暖めた20℃では無いため、壁や天井などの表面温度も20℃位あります。とても気持ちの良い暖かさです。

脱衣室、浴室とも寒くないので 当社の住宅にお住まいのオーナーさんのなかには,冬の朝でもお風呂に入る方もいらっしゃいます。普通のおうちでは考えられないことです。

脱衣室が暖かい秘密

脱衣室が20度あるのは、リビングとつながるドアが開けてあるからです。そしてリビングの暖かい空気が脱衣室を通り浴室から外に出て行くように計画されています。

断熱の量と そこを通る換気の量とのバランスで 上手に無駄なく脱衣室、浴室の温度を維持します。

オーバーヒートもしない。

日中は太陽の光でおうちを暖めます。

このおうちも南側のガラスは日射熱が入ってくる特殊な大きなガラスが並んでいます。

日中の太陽の光の熱をため込むのでです。これは無料です。

高性能なおうちでは、断熱性がとても良いですから、熱を集めすぎオーバーヒートとしてしまうことがあります。室温が25度を超えてしまうことさえもあるのです。

このおうちは、オーナーさんがうまくレースのカーテンなどでコントロールし25度以下に押さえてくれているようです。

このレベルの住宅が当たり前になってくる

当社でこのレベルのおうちは10年前すでに作られていました。
それからこのレベルの家を作り続けています。

ハウスメーカーのレベルではとても考えられません。

これほどの住宅はオーバースペックだと言う方もいらっしゃいます。作れない住宅会社の営業さんはそう言うことが多いです。

しかし、欧米ではこのレベルの家は当たり前になってきています。中国や韓国でさえどんどん建てられています。いずれは必ずこのレベルの家が標準になるでしょう。

ハウスメーカーは約20年遅れている?

なぜそう言えるのかと言えば 当社の20年前の住宅のレベルがまさに今ハウスメーカーが建てている住宅のレベルだからです。

20年前、当時の最高の技術で当社が作っている時も 「高橋建築はやり過ぎ」と言われていました。でも世界では標準となってきていました。日本は遅れているのです。20年たった今は、なんとか住めるレベルの断熱性能は維持されています。暖房エネルギーはとてもかかりますが,まあまあのレベルの暖かさにはなります。

当時のハウスメーカーで建てたスカスカの住宅にお住まいの方は20年しかたっていないのに、寒くて建て直しがしたい人もいるでしょう。

歴史は繰り返されると言いますが、10年後くらいにはハウスメーカーも今の当社レベルのおうちを作り始めるかもしれません。

真冬なのに羽毛布団かたづけました。

この家のオーナーさんのお話です。最初は冬になったのでいつも通りに羽毛布団を出して使い始めたのですが、すんでいる内に必要ないのに気がついたそうです。

「お友達がびっくりする。」「信じてくれない」とお話しされていました。

「暖房入れっぱなしなの」
      「つけてないよ」
「うそでしょ!」

そんな感じらしいです。

「床暖入ってるじゃ無い」
      「床暖ないよ。」

そんな会話にもなるそうです。

床暖は必要か?

床暖がとても快適と言われますが、当社の家は、床暖が無くてもあるような錯覚をしてしまうほど温かく感じるのです。

多くのオーナーさんがおっしゃります。
本当に温かい家は全く違うのです。

当社でも床暖を設置するのを標準にしていた時期がありましたが、その後の住まい方を見ていると床暖のスイッチをつけない方が多いのに気がつきました。
せっかく設置しても使ってもらえないなら意味がありません。
床暖も寿命がありますから,メンテナンスや取り替えを考えると、無いにこしたことはありませんね。

本当の性能の違いを知ろう

多くの方が、大手ハウスメーカーが作るものが最高と勘違いしています。

大手だからきちんとしているだろうと思っています。

よく勉強して見比べてみてください。

全く違うのに気がつくはずです。

今の世の中は、情報が多いです。どの建築会社も良いことばかり言います。情報の量をたくさん発信している会社が強いです。

たくさんの情報の中から自分に合った情報をきちんと選び抜くのは大変です。自分の身を守るには 自分で勉強するしかありません。

お知らせ

当社の着工待ち状況が改善してきました。

大工さんがパワーアップし上手に回っております。(笑)

お客様の状況にある程度合わせることが可能になってきました。

しかし、あくまでもある程度です。

1年以内に完成とまでは無理そうですね。(笑)

住みやすい家になるようにきちんと打ち合わせをするには3ヶ月や半年は必要です。ですからそれほどお待ちいただく感じではないですね。から丁度良い感じになってきたと思います。