住宅に使われる資材選びはとても重要です。
なぜなら住宅はとても長く使うものですから 長持ちしなくてはなりませんし その使っている間、性能がきちんと確保されたいなければなりません。
せっかく骨組みを丈夫に作ったのに それを覆っている防水シートが粗悪なものだったら雨漏りしてしまい骨組みは腐ってしまいます。せっかくの丈夫な骨組みも何もなりません。
屋根材も同じですし 外壁材も 水道の配管も同じです。小さなものなら釘一本でさえ長期間品質が確保されなくては、大事故につながる可能性があります。
断熱材選びも重要です。
温かい家を作ったつもりが 数年後には寒くなってしまうということもあります。家の断熱の性能は断熱材が作られたときの性能で計算されていますし、きちんと施工され、その状態がずっと確保されていること大前提です。
よく勉強している人は様々な情報を持っていますので、材料の性質をとても理解しています。
断熱材も様々な種類がありますが、それぞれの特徴を持っています。良い悪いは、使う人側が特長をうまく生かして使えるかどうかなのです。
「当社はこの断熱材を使っているからとてもいいのです。あの断熱材を使っているあの工務店はだめです。」などというメーカーがいたならそのメーカーは断熱材のことを知らないのでしょう。「この断熱材をこのようにこの厚さでこの工法で作るからとてもよい建物です。」というならわかります。断熱材の特徴を理解してきちんとした使い方をすればよいのです。
しかし、性能をきちんと開示しない断熱材もあります。初期性能は高いけど、徐々に性能が落ちてきてしまう材料もあるのです。そのような材料のメーカーは、知られるとまずいので長期性能を開示しません。
住宅会社も、長期性能まで考え初期値ではなく25年後くらいの品質が落ち着いたところの断熱性能で住宅の性能を計算していれば問題ありません。しかし、メーカーのいう初期性能だけを考えてそれで計算してしまうと、数年たったところで予定とは全く違う性能になってしまうのです。
ここで、真面目な住宅会社と、売れればよいという住宅会社の差が出ます。どこまで考えて家づくりをしているか、よくわかる場面です。
大手メーカーでもそのように考えているところが多いから問題です。「あのときはあれが最高だと思った」といういいわけをします。
比較的コストが安くすむが施工が難しい断熱材
初期性能は良いが長持ちしない断熱材。
初期性能は低いけど年数がたっても性能が落ちない断熱材。
長期にわたり品質が変わらない断熱材。
性能は低いけど環境負荷が低く地球に優しい断熱材
火災に強い断熱材。
施工はしやすいが、劣化が早い断熱材
性能を確保するのに、厚みがたくさん必要な断熱材。
気密性能が確保しやすい断熱材。
長期的に内部結露などの不具合が起きにくい断熱材。
ほかの断熱材との併用が考えやすい断熱材。
圧縮強度が高く重みをかけられる断熱材。
伸縮性があり木材の変化に追従しやすい断熱材。
気密性能が確保しやすい断熱材。
このように断熱材は それぞれ特徴があります。
間違った使い方をしては意味がありません。
特徴を生かしてそれぞれ使いこなすことが重要なのです。
それを知らない住宅会社が多すぎます。
家づくりをするときには、この辺の質問をするとどこまでその会社が考えて家づくりをしているかわかるでしょう。是非複数の住宅会社の考えを聞くことをおすすめします。一つの会社だけだと嘘をついているのが見抜けませんから。
住宅を作ろうと思っている方にとって、様々な情報をたくさん得られるようになってきました。ですがそれがとてもよくない影響となっています。嘘の情報、中途半端な内容の情報がとても多くなっているのです。自分の身を守るのは自分だけしかないのが 住宅建築の現実です。よい住宅を建てるためにはきちんと皆さん自身が勉強するしかないのです。営業マンは自分の会社の良いところしか言いません。インターネットも情報がたくさんありますが、インターネットの多くの情報は発信している人じたいのレベルの低い場合が多く嘘の情報が多いので注意してください。
そして、本題です。
今回,JBNの環境委員会で 断熱性能の長期性能に関して 断熱材メーカーさんからヒアリングする機会を設けます。
断熱材の特徴を勉強し 選び方を学ぶ機会です。
11月です。 きちんと物作りをしている断熱材メーカーさんからしたら、全国3000社の工務店ネットワークに売り込みをかけることができる大きなチャンスです。
良い特徴をきちんと説明し、上手に使いこなしてもらえれば売り上げにつながりますし、施工ミスなどが起こりにくくなりメーカーとしてもメリットがたくさんあります。
私たち JBN環境委員会は 我々工務店の仲間が 断熱材選びをきちんとできるようになるよう またそれがお客様のメリットになることを信じて今回の企画をいたしました。
しかし、恐れていたことが起ころうとしています。
実力以上の性能のアピールをしてしまっているメーカーや 長期的性能の面で知られては困ることなどがあるメーカーが出席を断ってきているのです。
ある程度は予想はしていました。
きちんとした住宅会社ならそれらのことはほとんど既知の事実ですので、それらのことを割り引いて断熱材選びをしてそのメーカーの商品を使っています。ですから断ってきたメーカーは心配することはないのですが、何も知らずにとても良いものだと勘違いして使っている住宅会社が使わなくなってしまう可能性があることを心配しているのでしょう。または、一般のお客様に知られてしまうことを恐れているのかもしれません。
断ってきたメーカーさんは 初期性能だけが良くすぐに性能が落ちてしまうメーカーさんや 長期的に長持ちしない可能性があるメーカーさんが多いようです。
半分くらいのメーカーになりそうです。
そうなると 出席しないメーカーさんの商品は使いにくくなりますね。
なにか、大きなことを隠している可能性がありそうです。怖いですね。
断るメーカーがいるなんて信じられないと思う方がほとんどでしょう。
日本のメーカーは、いつからこのようになってしまったのでしょう。